2013年1月28日月曜日

鈴蘭 4 - 25 Vol. 3



高橋が
「そうです しかし準備万端ですね」
「何処か分らなかったから こんなにコピーをしました」
「孝ちゃんは何回くらい行っているの?」
「う~ん 10回くらいかな 内野君も確かその位ですよ」
「で スコアは?」
「ええ 90位で悪い時で95くらい行きますね ここは調子が良いと
飛ばすでしょ そこがネックですね きちんとボールを運べば
いいスコアが出ますよ」
「そうですね この解説にも落とし所がキーポイントになるって
それだから女性のお客さんも多いのではないかしら」
「そうですね 女性プレイヤーも結構多かったですね」
「わかった そうしたら みんな二日酔いでプレーすれば田所さんに
勝てるわけだ」
「それで勝っても面白くないから 私も二日酔いになるわ 
そうしたら運転できないわね どうしましょ」
みんな大笑いだった 気が付かないうちにしめ鯖が来ていた
「洋子さん見せて」
「はい どうぞ」
神山と高橋はコースレイアウトを良く見た
「さっき孝ちゃんが言っていた 飛ばしすぎは確かにきついね
これにはラフが書かれていないから分らないけど 結構タイトですね」
「うん 見た感じはそうでもないけど ナイスショットで行ってみると
背丈のあるラフだったり バンカーだったりでスコアを落としたよ
しかし 池なんか造りが綺麗だったよ 設計が良いんだね」
「楽しみだな ねぇ洋子さん」
「ええ 今夜から寝られないわ」
ゴルフの話で盛り上がっている時に高橋の携帯がなった
高橋は頷いたり色々はなしていた 電話が終ると
「山ちゃん ごめんなさい 応援要請で会社に戻るね」
「ご飯は」
「うん何とかする ここ建て替えておいて 明日領収書ください」
「了解 明日 何かあったら電話を下さい」
「了解 田所さん失礼します」
「こちらこそ残念ですわ ありがとうございます」
高橋が会社に戻って行くと話は神山の昇進祝賀会になった

「大変だってね 昨夜 翔から電話があってリストもれ無いか確認だって」
「ええ 招待状が副社長になっているんです だからどんな人呼ぶかで
秘書室でも大騒ぎになっているわ」
「うん 催事課でも60名と言われたがオーバーしていますって
こちらに言われても困る部分だよな 何でも内藤社長と副社長で
話が決まったって行っていたけどそうなの?」
「ええ 最初は催事課は催事課で行うつもりで 副社長も行いたかったの
それで内藤社長から電話があったみたいなの で内藤社長の提案で
合同祝賀会になったと聞いているわ」
「しかし 内藤社長と副社長がそんな話をしていたなんて驚きだね」 
「ええ でも考えてみれば合同のほうが合理面は除いてもメリットは
たくさん有るわよ ネックは会場費だけど内藤社長と副社長が
折半ですって」
「えっ 二人で折半?」
「ええ おじ様には直接聞いていないけど伝わってきたわ」
「へぇ~ 信じられないな」
「まだ有るの 貴方だけじゃなくて 私もなの」
「へぇ~ 一緒か、、、どうなっているんだ
結局副社長は今後の僕たちの仕事を考えて 副社長のところで
考えていたけど その話がどこからか、、、そうか西野理事から
もれて たまたまアルタも二人を紹介する意味で考えていた
しかし催事課も当然行うからそれだったら 合同でって事かな」
「そうね それしか考えられないわ」
二人はしめ鯖やネギトロ巻きをを食べた
「わぁ~ おなか一杯 よく食べました」
「僕もおなか一杯だ よく食べた」
「洋子 これからどうする」
「う~ん 時間が半端ね 貴方のマンションで一休みしたいな~」 
「うん それもいけど 表参道に行こうか?」
「ええ 行きましょう 賛成」

神山はカウンターで会計を済ませ駅前寿司を出てタクシーを拾った
車は夜の渋谷を抜け表参道に入った
うなぎ屋おおたを過ぎたところで降りカクテルバー
『アメリカン ポップス』に向かった
店内に入ると先日着たようにポップアップな曲が流れていた
カウンターでビールを頼み洋子と乾杯して呑んだ
話をしているとプレスリーの曲が流れて来たので 洋子は神山を誘い       357
「ねぇ 踊りましょうよ」
そう言い 二人は真中で踊り始めた 
洋子の踊りが上手で回りの男達は指笛を吹いていた
2曲を踊り終わると少し休みたいと言ってビールが置いてあるカウンターに
戻り飲み干すと 神山と洋子はカクテルを頼んだ
神山はドライマティニィーを舐めるように楽しみ 洋子はトマトジュースを
ベースにしたカクテルを呑んでいた
「洋子 気を悪くしないで聞いてほしい」
「なあに?」
「うん じつはあそこのマンション以外に部屋を借りようと
思っているんだよ」 
「えっ」 
「知っているように落ち着かないだろ プライベートも無いし
だからここいらに借りようと思っている」
「ええ いいけど 横浜はどうするの? 私はそれだったら
横浜に行っても大丈夫よ だって幾らお金が有るって言っても
少し勿体無いと思うわ だけどこの周辺だと
近所の目があるから少し離れたほうがいいわ」
「そうか 横浜は生活の場所だけど 狭いしどうかなと思って」
「うん 分るわ あなたは大丈夫?そんなに何ヶ所もあって」
「うん 洋子と二人の場所を確保したいのさ 
そうすると 横浜より上原に近い場所で プライベートが保てる
部屋が欲しくなったわけさ」
「そうね あの部屋では落ち着かないもんね ねぇそうしたら
横浜からこっちに引越しをしたら それで一回荷物を整理すれば
結構広くなるし ねっ それで家財道具も新調できるでしょ
上原のマンションは貴方が払っているの?」 
「うん現状 横浜はアルタ支払い 上原はニーナ・ニーナさ
ニーナ・ニーナの仕事は御殿場アウトレットの仕事が
終るまでとなっているけど 三重県にもアウトレットが出来
そこにも出店計画があるんだ だからあの場所は何時なくなるか
わからないし 逆にアルタの仕事が中心になってくると
家賃支払いはアルタになって そのままあそこに居るかと
非常に不安定なのさ だから当分横浜はそのままにしておこうと
思っているんだよ」
「そうね 仕事の流れでその都度引越しは大変よね
ねぇ そうしたら明日探しましょうよ ねっ」 
「うん このままで行くと洋子は当分僕と一緒に行動する事になる
そして やはり動かなければいけなくなって来ると思う
そこは大丈夫だね」
「ええ 大丈夫よ アルタさんも付いているしおじ様もいるし」
「うん アルタは内藤社長で大丈夫だと思うけど 時田さんは
動かされないかな それが心配だよ」
「ええ 副社長と言ってもサラリーマンには変わりないしね
大丈夫よ ちゃんとついていくから だってどッかに行く時は
アルタさんだって一緒に動かさないと駄目でしょ 平気です」
「そうしたら 明日 探そう」 
「ええ お部屋の数は少なくて良いけど 広いほうが良いわ
それと見晴らしが良くて 日が入るところ それと私の家から
10分以上離れていて 駐車場があるところ ねっ」 
「そうだね その条件で一回当ってみよう」
「嬉しいわ 一緒に居られる時間が一杯増えるのね」
洋子は神山にキスをした 店内では曲がブルースに変った
「ねえ 踊りましょ」
洋子は神山の手をひいて真中に出て抱きつくように踊った
先日一回踊っている神山は直ぐにリズムに乗ることが出来て
足運びを上手に洋子をリードした
二人の踊りが上手で周りを圧倒しセンターでは二人だけになった
洋子は両手を神山の首に巻き神山は洋子の腰を支え見詰め合って
曲に乗ってダンスを楽しんでいた
ダンスも終盤に入りそろそろ終る頃 洋子の体によろけて
倒れかかってきた外人がいて神山と洋子に謝った
神山は一瞬気が付かなかったが 外人が気が付いて
「ごめんなさい 伊豆では大変失礼な事をした
出来れば 許してほしい」
そう言ってきた時に曲が終わり カウンターに戻ると外人達も一緒に来て
「本当に申し訳なかった 反省をしている」
そう言って財布から20万円を出し神山に
「これは先日渡せなかった分だ 受け取ってくれ」 
二人の外人は神山にお辞儀をして許して欲しいと訴えた
洋子が
「どうしたの この外人さん それに20万円って」
神山は洋子に掻い摘んで 伊豆ぐらんぱる公園でゴルフの賭けの
話を説明した 洋子は                                             358
「そうしたら 頂いておけば」
「うん そうしよう ただなんであんな行為をしたかを聞いてみる」 
「そうね そこが肝心だもんね」
「わかった しかしなぜ女性にあんな態度を取ったか訳を
聞かないと許せないし 許せなかったら もう一回投げる いいか」
「分った もう投げないで下さい 私は怖い 貴方は強い」
聞くと 先日会社のプレゼンで日本の会社に負け
更に情報収集でその会社に負け 大損害を出したと
グランドマネージャーに大変怒られた
自分は今までの仕事を認められなく気分が落ち込んでいた
グランドマネージャーは日本の仕事を見に来ていて
このままでは君達は首になる可能性があるとそこまで言われ
自分としては気分転換で遊びに行った そんな時
彼女達が現れ17番ホールで美味しい事を言って来たので
ついつい賭けゴルフをしてしまった そこで彼女達から6万円を
借りたのをへたくそだから負けたんだ 返せと言われ頭に来た
自分はシングルプレイヤーの自覚があるので言われると余計頭に来た
「うん わかった その会社とはアレックスグループか」
外人が驚いて 何故知っているんだというので
ただ似たような話を先日聞いたからさというと
「日本の会社はアルタって会社で 大変優秀な社員を迎えると言っていた 
そうなるとアレックスジャパンは 潰れてしまうかもしれない」
「どうして」
「アレックスジャパンの仕事がなくなるからだ」
「わかった 多分大丈夫だよ アルタは悪い会社じゃない 信用していい」
「了解 柔道の強い人は嘘をつかない 信用する」
「うん 僕は神山です 名前を教えてほしい」
二人の外人は自己紹介した
一人はアレックスグループのアレックス氏の息子アレックスJr
アレックスジャパンの社長をしている
もう一人はボーン シュナイダーといい副社長をしていた
「分りました それでは今後女性には優しくな」
神山は言い終わると20万円を受け取った
Jrとボーンは仲直りと言ってカクテルをご馳走してくれた
「あなた 凄い  Jrを投げ飛ばしたなんて 信じられない」
洋子はそう言ってJrにどうやって投げられたか教えてと尋ねた
するとパンチを出したが当らず次の瞬間 投げられていた わからない
そこへボーンが
「あれは柔道ゲームで見たことがある 一本背負いだった すばやかった」
洋子は凄いと言って
「ねぇ 見たい お願い見せて」
Jrは痛いから嫌だと言い拒んでいたがボーンが
「よし 僕がかたきを取ってやる どうだ神山?」
「いいよ どうぞ」
そう言って 二人はフロアのセンターで向かい合った 
周りはけんかと思ったのかざわざわしてきたので神山が
「これは ショーです 柔道のショーです」
そうすると周りが静かになった
ボーンと神山は向かい合ったまま動かなかった
1分が過ぎ2分が過ぎようとした時
ボーンが神山のボディーに向かってパンチを出してきた
神山は瞬間ボーンの目の前から消えた
ボーンは体勢を崩し前のめりになった所を神山の片足がボーンの腹に
添えられ そのまま一回転して神山の後ろに投げられた
Jrは両手で顔を覆い
「神山さん もう勘弁してください この事もお詫びします」
Jrはボーンが神山にけんかを仕掛けた事のお詫びだと言って
30万円を渡した
神山は少ない その財布の中身を全部よこせと言ったが
「これだけしかない 申し訳ない」
そこにボーンが戻ってきて神山に謝った 神山は許せないと言うと
床に土下座をした 
「わかったから 立ち上がれ ボーンも財布の中 全部出せ」
仕方なくボーンも40万円を出し神山に渡した
ボーンは何故パンチを交わすことが出来たと聞いてきたから
神山はここの問題だ わからないか
「先日 Jrは顔を狙って打ち損じ負けた
ではボディーならあの技はつかえないはずだと思ったから巴投げをした」
アレックスJrが
「神山は頭がいいしきれる こんな人物は初めてだ 一緒に仕事をしたいね」
「うん その時はお手柔らかに」
外人たちと神山が握手をすると 周りで見守っていた客から歓声が沸いた

二人の外人たちは少しの間神山と話していたが店をでた         359
「あなた 凄いわ Jrが言っていたけどきれるわね ほんと」            
「洋子 この話はここだけにしよう いいね」
「ええ 当然です 私 貴方に抱かれたいわ 今すぐ」
神山は洋子を智から強く抱きしめキスをした
暫く話をしたり踊ったりしていると
「ねぇ そろそろ帰りましょうか」
神山は時計を見るとまだ10時を過ぎたところだった
「まだ10時だよ」
「ええ こうしているとずーっと一緒に居たくなるから」 
「うん そうだね 出ようか」
神山と洋子は『アメリカン ポップス』を後にして表参道を歩いた

この時間になると さすがに人通りは減っても
若い子や カップルは手を繋いだりして散歩を楽しんでいた
「ねえ」
洋子が神山の手を握ると神山は握り返してきた
暫く歩いていると 右手にオープンカフェがあったので
「洋子 アイスクリームでも食べないか?」
「えっ あなたがアイスクリーム? いいわよ食べましょ」
神山と洋子は道路を渡ってカフェに入りアイスクリームを頼んだ
ウエイトレスに
「グラスワインは置いている?」
「ええ ございますが」
「うん ひとつください」
「どうするの?ワインを頼んで」
「うん クリームの上にかけるんだ 美味しいよ」
「なんだ それをしたかった訳ですね 確かに美味しいわね
あなたにとっては大発見でしょ これで私と一緒に食べられるから」
「そう努力をしています」 
「私も昔食べたこと有るけれど どうかな しかし貴方は初心者だからねっ」
「まあ初心者だから そうやって色々と試してみるよ」
笑っているとアイスクリームとワインが運ばれてきて
神山はクリームの上にワインをかけ一口食べた
「うん 美味しいや 洋子もかけたら」
「ええ そうするわ」
神山に言われ洋子もクリームの上にワインをかけた
「久しぶりね こうやって食べるのは 20代かな
会社に入って時に 先輩から教わって食べたことがあるわ」 
「そうすうと ぼくの発見はそれ以来の大発見になるわけだ」
二人は互いの顔をみて笑った
「そうですね 大発見よ 甘い物食べられない人が努力して食べるのは」
洋子が甘い物でもさっぱりとした物は後味も美味しいけれど
粘っこい甘さは口の中に残って好きじゃないといった
「女の子も拘りがあるんだ 知らなかったよ」
「そうよ 男だったらだれでも良い訳じゃないから ちょっと外れたかな」
神山と洋子は最初は真面目な顔で見つめあったが噴出してしまった
「そうすると 明日はどこで待ち合わせをしようか」
神山は絶対に現場だけは避けたい思いで 待ち合わせ場所を考えた
「ええ そうね 現場だと出にくくなるし う~ん 何処かの
ホテルで待ち合わせをして、、、私 賃貸の物件を扱っている
週刊誌を見たこと有るからそれで探しましょうか」
「うん 不動産屋を回るよりその方が選択肢が増えるしね いいね
そうしたら 渋谷駅の新しく出来たホテルは知っている?」
「ええ そこの12階にレストランがあるわ そこで10時はどう?」
「うん 10時にしよう わからなくなったら携帯でね」
「わぁ~良かった これから気兼ねなく会えるとこが出来て」
「まだ決まっていないから そんなに喜ぶのは早いよ」
「だけど 明日決めるでしょ」
「うん 明日は下見さ 決めるのは後日でいいと思う そうしたら
渋谷の駅売店で買い求めよう」
「そうね 選択肢があるし慌てなくてもいいわね 行きましょう渋谷駅」

神山と洋子はタクシーで渋谷駅の売店で週刊誌があったので
2冊買い求めた
「今夜は少し調べてみるよ」
「ええ 私も探すわ」
ふたりは渋谷駅で別れた
洋子はタクシーで帰るというので見送った
神山も上原のマンションまでタクシーを利用した






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2013年1月23日水曜日

鈴蘭 4 - 25 Vol. 2



「了解 赤坂さんに連絡します」
「什器は降ろして店内で邪魔になる様だったら 脇において置きます」
「了解」
神山は赤坂に電話をして15時に現場に着くようそこを出てください
と伝え 赤坂もそのように手配しますと了解した

「大変ね お仕事」
「うん だけどこんなもんさ」
神山は時計を見ると12時を回っていたので
「ごめんね あと2箇所電話をさせて」
「は~い 分りました 待っていますよ」
神山はニーナ・ニーナの祥子に電話をした
「はい久保です」
「神山です お疲れ様 いま什器の件でアルタと連絡をしたんだけど
順調に作業が進み 予定通り15時に現場に着く予定です
そこで床が乾いたら一番最初にスチールのストック棚から搬入をして
バックヤードを整えてほしい」
「はい 了解です」
「それと 店舗内で什器とバッティングしないと思いますが
什器搬入の邪魔にならないようお願いします」
「はい 分りました」
「あと ぼくは5時頃そちらに行きます」
「はい お願いします 待っています」 
神山は電話を切ると催事課に電話をした
「神山です」
「先輩 お疲れ様です」
「今日5時すぎに現場に行く なにか緊急でも動けないから
電話をくれ いいね」
「はい 分りました」
「上原は今のところ順調に進んでいる」
神山は電話を切ると田所洋子に電話をした
「神山です お疲れ様 今日17時に上原の現場に行くが
東京駅に来てもらえるかな」
「お疲れ様です ええ その方がいいですね
東京の到着時間を連絡ください お待ちしています」
「わかった では」
神山は亜矢子に最後にもう一件で終ると言った
「神山です 孝ちゃん 何度もごめんなさい 実は先ほど
忘れていたんだけど スチールのストック棚はどうなっていますか」
「うん やはり振っても入らなそうなので分解してあります
もう直ぐ床が乾くのでそしたら一番で作業します すぐおわりますよ」
「ありがとう では」

亜矢子に
「ごめんなさい 色々と確認をしないといけなくて ごめんね」
「いいわよ お仕事されているあなたは素敵よ 普段も素敵だけど」
二人は笑った
「美味しく食べる為に 歩こうか」
「ええ でも大丈夫?時間は」
「うん あの距離なら15分位でしょ」
神山は振り返り坂道の上り口を探したら 右手に大きな岩を発見した
よく見てみると 上からの視界に入らないと思い
「亜矢子 ちょっと来てごらん」
そう言い誘って見ると完全にどこからも見られなかった
「だれにも分らないよ ねぇ」
「だって 人が来たらどうすんの」
「大丈夫だって」
そう言って 亜矢子はGパンを下げると赤いショーツが現れ
神山のGパンも下げた
亜矢子はしゃがんでショーツをずらしおちんちんをしゃぶり始めた 
すぐに大きく硬くなり 今度は神山が亜矢子のショーツを
足首まで下げ秘所をなめたり指で愛撫した
「あっ あっ あっ あっ ほしいわ 気持ちいい あっ」
神山は亜矢子を後ろ向きにして 前かがみにした
秘所があらわになり 周りはすでに体液でぐちゃぐちゃになっていた
「はいるよ」
「ええ お願い 待ちきれないわ」
神山はゆっくりと秘所のなかに入っていった 
温かく ぬめっていて 締め付けられ 気持ちが良かった
少しずつ前後のスピードを速めていくと
「あなたのおちんちん 元気よ わたし気持ち良いわ」
神山はTシャツの中から手を入れ乳首をいじった
亜矢子は気持ちが良いのか自分から腰を振ってきた
「あぁ いきそうよ あぁ きているわ」
「僕も もうすぐだよ あぁ」
神山はスピードを上げストロークを多く取ると
「うぁ だ、め き、た、わ いくわ、、、」
膣が キューンと締まり 神山も我慢できずに昇天してしまった
「あぁ き、た い、く、、、、」
神山は最後の一突きを奥まで届くように突き上げた
「あっ うぐっ ああ~」
亜矢子も昇天し岩場にもたれかかった
神山は秘所から流れ出る体液をティッシュで拭いてあげた
亜矢子は息を整えると神山に抱きつき
「ずっと我慢していたのに もう」
「そうか びちょびちょだった」
「ば~か もう」
ふたりはおそろいのショーツをたくし上げGパンを引き上げた
「こんなとこでSEXするなんて凄いわ 気持ちよかったわ」
「うん 露天風呂とちがって はらはらどきどきでした」
「お尻にひんやりした風が当って それも良かったわ」
「またどこかで機会があったらしよう」
「そうね」
そう言って上り口に戻り坂を上った
坂を下る時は傾斜をさほど気にしなかったが 上る時はきつく
亜矢子も大変な坂だと言い神山が手を差しのべ引っ張った
ようやく展望台に付いた時は うに政まで歩く気にはならなかった
タクシーが客待ちをしているので乗り込み行き先を告げた

うに政まで大して時間は掛からなかった
店員に予約した神山と伝えると 海が見える窓際の席に案内してくれた
直ぐに注文を聞きにきたので 上の活造りを2人前頼んだ
ビールが直ぐに運ばれ乾杯した
ここの利用客は先ほどの岬同様 会社の団体老人会の団体などが主で
神山のようなカップルは数少なかった
亜矢子が窓を見てみると 下が海になっていると言うので神山も
覗いてみたら海だった
波打ち際が岩でごろごろした所にせり出した状態で建てられていた
一息ついたところで船盛りが運ばれてきた
亜矢子は見慣れているが 2人前でこんなに盛られているのでビックリした
「凄いわ 叔母さんのところより多いわ 食べられるかしら」
そう言って最初うにを一口食べたが
「美味しいわ 潮の香りがするわよ」
「うん 美味しいね さっき下を見た時 生け簀が有ったから
そこから持ってくるんでしょ だから新鮮なんだね」
「そうね こうやって客の入りがいいと回転するから鮮度は抜群ね」
「うん このしまだい美味しいよ」
二人は何を食べても美味しかった 
神山は伊勢えびを食べたりあわびを食べたり あっと言う間に
料理が半分くらいになった
今日は亜矢子も良く箸が動いていて 自身驚いていた
朝ご飯を自重して正解だったが おかずが早くなくなっては困るので
伊勢えびとうにを追加した
亜矢子は叔母さんのお店も流行っているが ここのように
次から次えとお客は来なかった 
板前がおじさん一人だからさばくのに時間がかかり限界だと思った
「今度 時間を作って 沼津の叔母さんの店にいこう」
「ええ 待っているわ」
「ねぇ 叔母さんたちはあそこで満足しているのかな?」
「えっ なんで?」
「うん ここのように多くのお客さんに食べてらうと言う事は
当然かんがえているんだろうけど 板前を増やせば人件費が掛かり
そうすると今のお店の造りを含めた問題が出てくると思うんだ
板前を増やしました お客も増えました しかし利益は減りました
となっては困ると思うんだ そうすると現状維持しかないわけさ
そこで最初に言った 今のままで言いのかなって話しです」
「そうね 余りそう言う話をしないから聞いてみますね だけどなんで?」
「うん まだ本当に出来たてのアイデアなんだけど
御殿場アウトレットで美味しいお店を集めたコーナーみたいのを
造ると面白いと思って だって沼津の叔母さんの店だって
知って居る人は回りの限られた人ばかりだけど 御殿場アウトレットに
出店すればお客が増えるでしょう」
「うん 分るけど 今のお店は?」
「うん その間閉店しかないね」
「そうよね そこね」
「うん まだ何も決まっていないからね しかし味は確かだし
もったいないね 多くの関東一円のお客が来るようになればね、、、」
「うん それとなく本人の気持ちを聞いてみるわね 誤解されないように」
「うん お願いします あのようなお店ってなかなかないし」
「そうね それに活きの良い魚は叔母さんのお店が一番よ 沼津では」
「そうなんだ だったらもっとお客を増やす方法を考えられるね」
「しかし さっき言っていたように現状維持かしら」
「亜矢子も一緒に生活している訳じゃないからわからない所が有るよね」
「そうね 聞いておきます」
神山と亜矢子はビールを控えているせいかよく食べられたがやはり
物足りないのか日本酒を注文した
お酒も用意されているのかすぐにきた
亜矢子お猪口に注ぎ自分にも注ぐと乾杯をした
やっぱりお魚は日本酒が口にあった
伊勢えびを食べ終わると仲居がお客さんのテーブルを回って伊勢えびを
回収していた 神山のところに来た時に
「このえびがお味噌汁で出てくるんですか」
「はいそうです 皆さんご自分のえびが来ますよ ご安心下さい
お客様は お代わりできるようにしておきますね」
「うん ありがとうございます」
伊勢えびが持っていかれるとご飯と先ほど回収された
伊勢えびの味噌汁が運ばれてきた
亜矢子が伊勢えびの味噌汁を飲むと
「うん 美味しいわ 叔母さんとこといい勝負ね」
「うん 美味しいね 何杯でも御代わり出来そうだね」
神山と亜矢子はご飯を頂きお味噌汁もお代わりした
「あ~ おなか一杯だ 亜矢子は」
「ええ 私も」
時計を見てみると15時を差していた
上原から何も連絡が無いという事は順調に進んでいると思った
「さあ 早いけど出ようか」
「ええ そうしましょう」

神山は清算をして表に出ると亜矢子に
「ほら 建物の下に生け簀があるでしょ」
「ええ あそこに居るのね そうしたら新鮮さが分るわね」
「うん うにも北海道のうにが美味しいっていっても鮮度が落ちたらね」
「そうよね 味はまあまあでも鮮度が良ければ美味しいわ」
二人がそう話しているとタクシーが来たので 真鶴駅まで送って貰った
改札に入ると下りの電車が来ていて飛び乗った
さすがこの時間になると観光客が乗車していた
熱海には直ぐにつき 亜矢子も降りて一回改札口を出た
神山は新幹線こだま号の発車時刻を調べると 20分ほど
時間が有ったので 帰りの切符を買いお土産の
温泉饅頭を20個買ってカフェに入った
「亜矢子の時間は大丈夫?」
「ええ 一回部屋に戻っても充分に間に合うから大丈夫よ」
「うん 分りました 宝くじは当らなくて当たり前だからね
当らないからってがっかりしないでね」
「そうね 明日抽選だから だめでしたって報告するわね」
「うん 分りました」
話しこんでいると別れる時間が来て
「よし もう一度運試しをしよう 亜矢子はとっておかなければ
いけないから 僕が選ぶよ」
二人はカフェを出て今朝 宝くじを買ったおばさんの所に来た
神山はスクラッチをおばさんに出してもらうと
今朝のように集中していると手が勝手に宝くじを選んだ
「まただよ 手が勝手に選んだ」
神山は銀色の部分を削ると 大当たりの30万円が出た
「へぇ~ なに 怖くなってきたよ」
「凄いわ ほんと」
おばさんも驚いていた 30万円になると指定銀行で
換金をしなければいけなく そのスクラッチを亜矢子に上げた
「えっ だって東京でもあるでしょ」
「うん いいの亜矢子が換金して使いなさい」
「はい 分りました ありがとうございます」
そう言い改札に向かった二人は軽くキスをした
新幹線ホームに向かう神山を亜矢子はずっと手を振り見送った

新幹線のホームに立つと上りのこだま号が入線してきた
乗客は少なかったが温泉饅頭が有ったのでグリーン車に移った
携帯で洋子に電話した
「神山です お疲れ様」
「洋子です お疲れ様です」
「今 こだまに乗った 東京駅16時23分に到着です」
「はい 分りました 何号車ですか」
「グリーンの8号車です」
「はい ホームでお待ちしています」
「何か変わったことはある 現場とか?」
「いえ 何も聞いていませんよ」
「うん ではお願いします」
「は~い 分りました」
神山はニーナ・ニーナの祥子に電話をした
「神山ですが」
「はい 私です こちらはアルタさんが良くしてくれて順調ですよ
色々と便宜を図ってくださりありがとうございます」
「什器は?」
「ええ とても素敵よ 勿体無いくらいです」
「うん それは良かった ところで今夜は 何時まで仕事?」
「ええ 9時頃までかな そのあとスタッフとミーティング兼ねて
ご飯会です 神山さんのおかげで ミーティングが出来るわ」
「うん 分った そうすると遅くなるね」
「ええ なるだけ早く終らせたいけど 分らないわ」
「分りました 僕は5時30分頃に着きます では」
電話を切るとアルタの高橋に電話をした 
「神山ですが お疲れ様です」
「やあ 山ちゃん 順調だよ」
「うん 今 久保さんから聞いた 色々とありがとう
で 僕は5時30分くらいにそちらに伺えます」
「分りました お待ちしています 気をつけて」
高橋と電話を切ると亜矢子の事を考えた
今後暫く逢えないとしてもどうにか時間が作れないかと
26,27日は仕事とゴルフで顔を合わせることは出来るが逢瀬は難しい
なんとかいい方法は無いか考えたえたがなかなか出てこなかった
夢物語だが宝くじが当り会社を辞めれば逢瀬は出来るけど無理と思った
あと洋子もそうだ 外泊が厳しいと言ってもどうか
いっそうの事 逢瀬用の賃貸でも探すかと考えた
今の所では祥子と鉢合わせするのも時間の問題だと思った
神山はどうしたら良いか分らないまま東京駅に着いた

「お帰りなさい」
洋子は神山を発見すると駆け寄ってきた
「ありがとう さて早速で悪いが 洋子の部下を一人催事課に
呼んどいてくれるかな これ本社で配って貰いたいんだ」
「ええ 分ったわ しかし 凄い数ね」
「うん 何時もお世話になりっぱなしだからね」
二人は八重洲口を出てタクシーに乗った
車の中では
「まず 本社は 副社長 秘書室 秘書課 人事課 洋子の人事の先輩
銀座は 店長 秘書課 販促部長 催事課全員5個  後は
上原です」
「わぁ~凄い 大変ねこんなに買って」
「うん しかし渡しておけば いいでしょ」
話しているうちに催事課の入っているビルに着いた
部屋に入ると全員がいて 一斉に拍手が沸いた
「先輩 お帰りなさい」
「うん 連絡ありがとう さて人事の子は」 
洋子が手配したのに催事課に来ていなかったので電話をした時
「先輩 遅くなりまして済みませんでした」
きちんとお辞儀をして謝った
洋子は本社の配布先を付箋を付けて渡した
「いい 銀座店催事課の神山部長からのお土産です
何時もお世話になっていますので 買ってきました と言って渡してね」
「はい 分りました 失礼します」
「それから私はもう戻りませんから 何かあったら携帯までね」
「はい 分りました」
洋子が人事に渡した後 神山が催事の一人一人に手渡しした
由香里を呼んで
「これね 店長 秘書課 販促部長のところに配ってくれる」
「はい 分りました 神山さんのお土産って」
「うん 頼むね」
「山ちゃん 良いのにそんなに気を使って」
「いえいえ まだ沢山お世話になりますから」
奥村課長が
「で 上原はどう」
「ええ 電話で確認していますが 異常無しです」
「それは良かった そうしたらこれを食べようみんな」 
「課長 済みませんが 現場に行きます 皆さんで食べてください」
「そうか 分った」
神山と洋子は催事課を出て 車で上原の現場へ向かった
車の渋滞を懸念していたが それほど酷くなく
5時30分には充分間に合った

現場に着くと 祥子とアルタの高橋が迎えてくれた
「やあ 山ちゃんお帰りなさい」
「神山さん お帰りなさい」
神山は手荷物のお土産を皆に分けた
車の中で洋子に一つ渡して残りが綺麗になくなった
神山は什器を見てみると工場で見た時より綺麗だと思った
「孝ちゃん 良かったね ここ」
「うん 山ちゃんが言った通りに出来上がってきたよ」
祥子が
「高橋さんがほんと何から何まで手伝ってくださり大助かりです」
「孝ちゃん ありがとうございます」
「いえね 女性ばっかりだし こっちは早く片付けたいし で」
「それで 久保さん 仕事は捗っている?」
「ええ 予定より早く終りそうです 一応商品チェックをして
全て入ってきていますから 良かったです
あす並べてみて 過不足をチェックします」
「分りました だけど携帯がなると煩いと思ったり
なんだろうと不安になったり 無ければ無いで どうしたのかと
進捗が気になったり 大変でしたよ そちらのほうが」
「でも山ちゃんがちゃんと手配してくれたから 什器も外に並べる事無く
店舗にちゃんと入ったよ」
「あっ そうか 第二貨物にお礼の電話するわ ちょっと失礼」
神山は第二貨物の常務にスケジュール通り行った事の
お礼の電話をすると ドライバーが大変美味しいお昼を
小田原工場で食べた事のお礼を言ってくれた 電話を切って高橋に
「常務さんが小田原工場で美味しいお昼を頂いたって お礼があったよ」
「うん あそこは美味しい 山ちゃんも食べた?」
「うん 美味しかったよ 凄いねシステムが 僕なんか一発で
アルコール検査で首だね」
「ははは そう 普通は考えられないね 良くやっているよ」
「じゃあ 点検しましょう」
神山は最終図面を見ながら 店舗の隅々まで見て回った
その後ろを洋子が付いてきて必死に覚えようとしていた
「完璧ですね ありがとうございます」
「いや 早かったね やっぱり山ちゃんと組んで良かったよ
先ほど内藤から電話があって 状況を報告したんだけど喜んでいた」
「そうすると 明日は居ると邪魔かな」
「まあ そう言わず 夜ニーナ・ニーナの筒井社長と
来られると言ってたよ この状況からすると山ちゃんの出番は無いし
夕方来て状況確認でいいと思いますよ
僕は一応10時頃から来て なにか有った時の為に待機しますがね」
「うん ありがとう ではそうするよ」
そう話している時に久保祥子が
「ありがとうございます 随分と早く終りました」
「よかった こちらはアルタの高橋さんと最終チェックをしたけど
問題点は見つかりませんでした これで一応完了です」
「はい 大変お世話になりました それで今夜はこれで失礼します
明日は9時から応援を呼び陳列を開始します」
「ご苦労様でした では行ってらっしゃい」
「はい 失礼します」
久保祥子は神山と洋子 アルタの高橋に御礼を言って店舗を後にした
高橋が
「しかし 久保さんはてきぱきと指示してこちらも気持ちよかったよ」
「うん 普段見かけない女性達だから 青山の本社から来たんで
慣れていないから余計に気合が入っていたんじゃないかな」
アルタの高橋が大工を帰し 
「山ちゃん 夕飯はどうする?」
「うん 何時?」
時計を見るとそれでも19時になっていた
「駅前にする?」
「えっ だって熱海だったら魚美味しいでしょ いいの?」
「うん 大丈夫だよ」
「では行きましょう」
高橋は店舗の鍵を閉めシャッターターを降ろした
「孝ちゃん 鍵はどうすんの? 久保さんに渡さなくてもいいの」
「うん さっき合鍵を作って渡した 最終的にこちらも渡しますけどね」

そう言って3人はいつもの駅前寿司屋に入った
女将は奥の席に案内しすぐにビールを運んできた
「では上原の完成前祝で 乾杯」
高橋の音頭で3人は乾杯をした
「良かったね 山ちゃん何も起きなくて」
「うん ずーっと心配はしていたんだよ 温泉に入りながら」
「どちらに行かれたんですか?」
「うん まあね 熱海の周り」
「秘書にちゃんと教えて頂かないと、、、」
「うん ちゃんと連れて行くよ」
「山ちゃんはそうすると美味しい魚ばかり食べていたんだ 羨ましいな」
「でも 牛肉も食べたし まあこんなもんだけどね」
「話を変えて悪いんだけど 第二貨物さん 安いね 一応見積もりを
取ったんですよ そうしたらうちの下請けより安かった」
「へぇ~ そうしたら今後下請けを考えないといけないね」
「うん 変える訳出来ないからそうするかだよね」
「脅かしたら 他者はこんなに安いって」
「そうだね それに礼儀正しくて驚いたよ」
「アルタだって礼儀正しいでしょ」
「うちより 上だね それに時間もぴったり正確 ほんと」
運送会社の話をしていると 鮮魚の盛り合わせが運ばれ
「今日も美味しいしめ鯖有るので持ってきますね」
高橋が
「お願いします」
神山が26日の予定を聞くと高橋が
「小田原工場へ16時ころだったら 18時にホテルに着いて準備して
19時頃から始めれば2時間くらいで終る予定なんです どうでしょう?」
「ホテル側から終了時間は何時と決められているの?」
「ええ 一応23時までに終えてくださいと言われています」
「始まりは6時?」
「ええ 6時ですね」
「そうしたらさ 6時作業開始で早く終ろうよ」
「ええ そうしたら 5時半頃着だと 小田原を4時ころ
出るようになりますが 大丈夫ですか」
「小田原に3時だとすると ここを1時かな?」
「少し回っても大丈夫ですけど スポーツカーじゃないから
そんなにスピード出せないでしょ」
「そうしたら ここを13時に出発 でも車は店にくるな う~ん」
洋子が
「そうしたら私がその車に乗ってここに13時に来ます どうでしょう」
「ここは不味いな オープンの時にゴルフバッグは
そうしたら 孝ちゃんと誠二君は 僕のマンションの1階で待っている
オープンの時 極端に言えば孝ちゃんと僕だけですむ訳だ 孝ちゃんの
バッグを明日持ってきて僕が預かるよ どう?」
「山ちゃんの提案で行こう 僕らは13時少し前にここを出て
山ちゃんのマンションまで行く 誠二君は1階に入れないから庭で
待っている 田所さんが車を13時にマンションの庭に寄せる
これでいいよね」
「そうですね そうしたら私も店を出て自宅に寄ってバッグを
のせる事出来ます 助かります」 
高橋が内野誠二に連絡すると言って携帯で話をした
「そう 以前行ったから分るだろ 住所は 山ちゃん住所は」
「代々木上原 x-x-xx xxxxxマンションだよ」
高橋は聞いた住所を内野に伝えた
「それと そのマンション行くのに現場の前を歩くなよ 格好悪いから」
高橋が頷き話は終った
「OK ちゃんと分ったって」
「一件落着ね 楽しいな いまからわくわくするわ」
高橋が
「田所さんはどの位でラウンドされるんですか ねぇ山ちゃん」
「うん僕も聞いていないんだ」
「大体 90前後くらいです」
「へぇ~ お上手ですよ 僕とか誠二君は95位です 調子が良くて
90切るか切らないかですね 山ちゃんも確か90前後だよね」
「うん するとオールスクラッチだね しかしティーグランドの
関係で ロングが4つだから ハンデ4か 下手したら全員坊主だね」
「うん 申告90って事は 80台を出すって事でしょ
う~ん なんかきつそう」
みんで大笑いした
「ねぇ孝ちゃん ゴルフ場はどこが取れたの?」
「うん 社長が良く使う 御殿場カンツリーの御殿場コースだった
今確認しますね ちょっとまって」
高橋は再びアルタの内野に電話で確認した 高橋が頷いて電話を切った
「先ほどのコースで間違っていなかったです」
洋子がなにやらコピー用紙を10枚くらい出した 
ゴルフ場のコースレイアウトや特徴が書かれていた 探すと
「有ったわ このコースでしょ」






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2013年1月18日金曜日

鈴蘭 4 - 25 Vol. 1



4月24日 金曜日 朝 曇り  伊豆 

神山は目覚ましをセットしておいたが早く目が覚め
亜矢子を起こさないようにそろりとベッドを抜け出した
冷蔵庫からビールを出し テラスでタバコを吹かし呑んだ
結局昨夜は亜矢子が起きなかったので神山も早く寝る事が出来た
今朝は昨日と違って少し曇っていた 上原の什器搬入を考えると
このままもって欲しいと案じるしかなかった
天候を気にして部屋でTVを音声無しで見ていると今日は雨が
降らないようだったが 明日は雨が来る可能性が高かった 
車を手配しておいて良かったと思った
暫くすると亜矢子が目を覚まし
「ごめんなさい わたしどうしたの 寝ちゃったのね」
「おはようございます どう 頭は痛くない?」
「ええ なんか急に酔いが廻ったみたいで ごめんなさい」
「いいよ そんなに謝らなくても それより今日は曇りだ
一日持つといいね」
「そうね 雨具は折りたたみの傘しか持ってこなかったの」
「うん大丈夫だよ 降らないさ ふたりの行いがいいから」
神山は亜矢子の寝ているベッドに入り込み キスをした
亜矢子も答え上になってキスをした 
「ねぇ 大事なところ なめて」
亜矢子は神山の顔を跨ぐ格好で秘所を押し付けてきた
神山は指と唇でクリトリスを愛撫したが 更に強くそして前後に動いて
自分でリズムを取っていた 空いた手で神山のおちんちんを触り始めた
このままでは何も出来ないので 亜矢子を倒し神山が上になり
亜矢子のクリトリスを愛撫した
指と舌先で攻撃すると喘ぎ声を漏らし始めた
亜矢子も必死に口と両手で肉棒を大きく硬くしていった
突然亜矢子が体を入れ替え上になると 両手でキリをまわすマッサージを
してきて 唇は亀頭をちょろちょろとしゃぶりはじめた
神山も指を膣に入れGスポットあたりを刺激した
もう秘所はぐちゃぐちゃになり
「ねぇ 入ってきて 指じゃいや お願い」
神山は亜矢子を下にして ゆっくりと挿入した
「ああ 気持ちいいわ あなた ほんとよ 気持ちいいの 可笑しいわ」
少しづつ最初はゆっくりと動かしていった
亜矢子も膣の中が感じてきたのか腰を使い始めた
二人の腰の使い方がリズム良くなってきた時 亜矢子が
「だめ あなた いくわ ああ あっ うっ」
神山が亜矢子のリズムを壊し早くすると
「ああっ うっ だめよ そんなに ほんと」
亜矢子の膣が段々と窮屈になってきてきた
神山も段々と昇天が近づいてきてストロークを早く大きくすると
「だ め いく ああっ い・く・わ、、、、」
亜矢子は躰を反らしてピクピクとした時に神山も昇天してしまった
神山がぐったりと亜矢子の上にかぶると亜矢子の手が神山を抱きしめた
神山が少し元気になったときに 膣から肉棒を抜くと
「ああっ 出て行く だめ 出て行かないで」
亜矢子は腕と足で神山の腰を抑えぬけないようにした
「こら亜矢子シャワーを浴びようよ」
「もう少しだけ お願い」
そう言っていると腰を少しずつ動かし始めた 
神山は完全に硬度を失っていなかったので気持ちよかった
亜矢子の膣も締まったままなので 肉棒は再び元気になった
神山も腰を動かし始め 亜矢子とリズムを合わせると
気持ちが良くなったのか 先ほどとは違う喘ぎ声を漏らすようになった
「あっ きのうから可笑しいわ 今までに無いきもちよさ あっ」
神山は上体を後ろへ反らしピローを亜矢子の腰の下に入れ
Gスポットを刺激すると
「ねぇ もう だめ いきそう ねぇ、、、」
神山は下から同じリズムで上につついた
亜矢子は膣をきゅんと閉めながら躰を反らして
額にはうっすらと汗が滲んで髪の毛がまとわりついた
「あなた い・い・ ほんとよ いいわ だめっ、、、」
神山は更に速く動かし膣の奥まで突き上げると
「あっ あっ うっ ぐっ い・ぐ・ あっ」
膣が更に窮屈になり神山は
「でるぞ」
「ぎ・で うっ ぐっ ああっ」
神山と亜矢子は一緒に昇天してしまった
二人とも動けず神山は亜矢子の上に倒れた
亜矢子はよほど気持ちよかったのか両足を開き投げ出していた
神山が先にうごき始め亜矢子の躰からおり仰向けになった
亜矢子が神山の胸に乗ってきて 
「ありがとう 一杯してくれて嬉しいわ」
「こちらこそ 気持ちよかったよ 膣が狭くてちぎれそうだったよ」
「あんなに大きく硬くなって嬉しいわ こんな躰にしたのはあ・な・た・よ」
ふたりはベッドの中でキスを繰り返していた
「ねぇ 私髪を流したいから 屋天風呂に行きたい」
「うん ぼくも洗いたいな 昨日のままだし」
神山と亜矢子は部屋の確認をして屋天風呂へ向かった
「朝食は少し遅れても良いや 30分くらいで出られる?」
「ええ 多分大丈夫よ」
「うん 余り気にしないでゆっくり入っておいでよ
僕が先だと思うから部屋で待っているから ねぇ」
「分りました お願いします」
屋天風呂の入り口でキスをして分かれた

貴重品ロッカーにロレックスと部屋のカードキーを入れ暗証番号を
入力して脱衣所へ行った
この時間帯は朝食の関係で誰も入浴客は居なかった
神山は簡単に躰を流して 海の見える屋天風呂に入った
熱い温泉が躰の隅々まで染み渡った
(あ~ 早いな 亜矢子ともこれで暫く逢えないのか 寂しいな
今日は亜矢子の言うことを全部聞いてやろう)
神山は昨日高校時代の辛い思いを思い出させてしまった反省で
二度と高校時代のことは封印と決めた 
せめてもの慰めとして今朝 明るい亜矢子の顔だった
暗い表情だったら 神山は亜矢子に逢えなくなると思っていた

一方亜矢子は
入り口で貴重品ロッカーに時計と部屋のカードキーを入れ暗証番号を
入力して脱衣所へ行った 浴衣の下は何もつけていないので
タオルで前を隠しそのまま屋天風呂へ行き簡単に流し入った
だれも居ない屋天風呂だったが先日のように寂しくは無かった
海を見ていると父親の事を思い出すが 忘れよう忘れようと
思っていたから余計悲しくなって来るんだと思った
こうやって毎日海を見ていると 直ぐそこで微笑んでいる父が見え
全然寂しくなくなった
(昨夜は 神山さんに対して悪い事したわ 昨夜の涙で
なんか吹っ切れたような気がするわ 今朝 笑顔で
良かった あれだけ一杯入って貰ったから嬉しいな
早く逢いたいな そうだ 熱海で赤いショーツを買って
また宝くじ買おうかしら 今度は神山さんの宝くじ)
亜矢子は熱海で赤いショーツを買って穿き宝くじを買うつもりでいた

神山は頭を洗って体も隅々まで洗った おちんちんを洗う時
感覚がなくなっていたのでもう一度指でつまむと痛かったが
少し麻痺しているようだった
そうだな結構使っているから仕方ないかと思った
石鹸を流すと再び屋天風呂に入り体を温めた
昨日のように朝日が見えないが これはこれで別の雰囲気を楽しめた
(そうだ 熱海でデパートがあったけど あそこで赤いショーツを
買って 宝くじでも買うか まあ2度と無いだろうが夢だから)
神山も熱海のデパートで赤いショーツを買う事を決めた
風呂から出ると6階の自動販売機でビールを買い部屋に戻った
亜矢子はまだ戻っていなかった 買ってきたビールを持ってテラスにある
椅子に座ってタバコを吹かしながらビールを呑んだ
神山は赤いショーツを買うにしても熱海のデパートが
何時に開店するのか気になってフロントに聞いた
10時開店と教えてくれた
ここを8時30分に出れば充分なので結構ゆっくりできると思った
テラスに戻りかけた時 亜矢子が帰ってきた
「どうだった いい湯加減だったよ男風呂は」
「ええ 女風呂も熱くなく入りやすかったわ」
神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子に渡した
「ああ美味しいわ 風呂上りの一杯 ですね」
ふたりは笑った
「ねぇ あなた熱海にデパートがあるでしょ 開店時間聞いたでしょ」
「うん なんで?」
「じつは私が聞いていた時だったの」
また顔を見つめあい笑った
「もしかして もしかして あ・か・ぱ・ん?」
「そうよ あなたの赤パン」
「えっ 亜矢子の赤パンだよ」
「いいえ あなたのよ」
また笑った
風呂上りでつやつやしている亜矢子の顔がほんのり赤くなった
「ねぇ わたし このまんまでいい それとも化粧したほうがいい」
「なに言ってるの このままで十二分大丈夫だよ」
「嬉しいわ」

神山と亜矢子はレストランへ行った 昨日と同様に
海の見える窓際が席だった
トレーを持って取り皿に食べたい物をどんどん乗せていった
亜矢子は昨日と同じ和食がメインだが 少し洋食メニューものせた
神山はビールを頼み亜矢子が席につくのを待っていた
亜矢子はお味噌汁を2杯持ってきたので
「あとでお代わりすれば良いのに」
「これはあなたの分よ アサリだからお酒飲む人には良いでしょ」
「そうか ありがとう」
ビールが届いたたので 乾杯をして食べた
そんなに運動はしていなかったが よく食べられた
亜矢子も昨日の朝より食べている
温泉玉子が美味しいので お代わりに行った時無くなっていた
変りにベーコンエッグにしようと並んでいると葉山と高柳に会った
「おはようございます 昨夜はありがとうございました」
「いえ こちらこそ 僕たちは今日帰ります」
「そうですか 残念ですね 私たちは明日帰ります
又何処かでお会いした時は 宜しくお願いします」
「こちらこそ では」
神山はベーコンエッグを取り皿にのせ席に戻った
「今ね葉山君と高柳君に会ったよ 明日帰るんだってさ」
「へぇ~ まあ楽しみ方色々ありますからいいでしょ」
亜矢子は少しあきれた感じでしゃべった
神山はお昼の事も有るので8文目でやめた しかし食べたほうだった
亜矢子もおなか一杯にするとお昼が美味しくなくなるからと言ってやめた

ふたりはレストランを後に部屋に戻った
神山が亜矢子に抱きつくと
「だめです」
「だっていいだろ 大きいのだめ」
「だって 可笑しいわ なんか中に貴方が入っているようで だめ」
「そうか亜矢子もなんだ ぼくも風呂でちんちんを洗ったら
麻痺していて 感覚がなくなっているんだ」
「もう だったらだめでしょ 二人とも使いもんにならないんだから」
「わかった ごめんなさい 謝るよ」
部屋の中が一瞬静かになった時 亜矢子の携帯電話が鳴った
「はい 桜川です おはようございます」
神山は聞くのを避けるためにテラスに出てタバコを吹かした
電話が終ったのか声が聞こえなくなったので部屋に入った
亜矢子が
「今 副支配人 橘さんからだったの 緊急で16時から入ってくれと
要請があったの だけど勝手に言われても 私にも予定が有って
ずらせませんって わかった そうしたら18時で何とか出来ないかと
言ってきたわ だから19時だったら行きます でなかったら他の人を
当ってくださいって言ってやったわ ほんと嫌な奴」
「それだけ頼られているんだ 良いじゃないか」
「でも貴方と一緒にいたいわ」
「わかった ごめん」
「だから 帰りは熱海を4時頃だと充分だと思います」
「うん ぼくもその位なら充分間に合う ありがとう 色々と
気を使ってくれて アサリの味噌汁もありがとう 気がつかないからな」
「、、、ばか ばか」 
亜矢子は神山の胸に向かって抱きついて来た 泣いていた
「ほら 折角の美貌が崩れるぞ それでなくとも崩れそうなんだから」
亜矢子は涙顔で神山の顔をじっと見つめ ば~かと言って笑った
「そうしたら 帰る仕度をしよう」
「ねぇ あなた これ受け取って」
「なに」
「うん 私今回 何も出していないでしょ だから」
「いやとっておきなさい 今回僕が全部出すつもりで来ているよ
だから 気にしないで それに外人から貰ったの有るから
結構お釣り来るから大丈夫だよ」
「ほんと ありがとうございます」
「うん 気にしないで」
神山はその分をお母さんに回しなさいと言えなかった
亜矢子は気を取り直し 笑顔で化粧を済ませた
「どう さっきと」
「うん どちらも素敵だ 比べる事出来ないよ」
「上手に逃げたわね ありがとう でも嬉しいわ」
亜矢子はにこにこしてキスをした
神山はフロントに熱海行き電車の発車時刻とタクシーを聞いた
今からタクシーを頼めば充分電車に間に合うと言われタクシーを頼んだ 
「さあ でますよ 浴室にショーツの忘れ物は無いでしょうね」
「あるわけ無いでしょ ちゃんとしまったから」
「じゃあこれは」
浴室を開けるとショーツが掛かっていた 
「えっ いやだ私忘れていたのかしら ごめんなさい」
二人は笑った
亜矢子は何も確認しないでバッグにしまった
「種明かしは 今朝 穿いていたショーツさ」
「もう 探したの でも無いから諦めたのよ もう 貴方が隠したなんて」
「ちがうよ 隠したのはベッド ベッドの脇にこうやって苦しそうになって
挟まっていたんだ 僕が取上げると亜矢子と一緒 すけべって
だから分りやすい浴室に干しておいたんだ これが真相です
うそだと思うんだったらショーツちゃんに聞いてごらん」
「わかった もう ありがとうございます」
こんどこそ部屋を出た二人はフロントで清算しタクシーを待った

暫くするとタクシーが来た事を告げられ伊豆高原駅まで行ってもらう
金曜日の朝なのに観光客は結構いた 若いカップルは少ないが
お年よりの団体とかが多かった 
熱海まで二人分の乗車券を買ってホームで入線を待った
曇りの天気予報だったがすこしづつ明るくなってきた
今日一日降らないで下さいと改めて天にお願いした
電車が入ってきた ここに来る時と同じ様に伊豆急ロイヤルボックスが
連結されていたので
神山と亜矢子は迷わずその車両に移った
発車すると亜矢子は急に口数が少なくなったので心配したが
神山が何を言ってもしょうがないと思い仕事の確認をした
手持ち無沙汰だったのでテーブルの赤いボタンを押して
女性の車掌を呼んだ
「ウイスキーの水割りセット2つお願いします」
「はい 畏まりました」
と言って準備して直ぐにもってきてくれた
亜矢子は心配そうにこちらを観て
「朝から 大丈夫? お昼までに出来上がってもしりませんよ」
ようやく口を開いたので
「ほら 何事も準備が大切だろう だから」
「もう しらない」
そう言いながら亜矢子は丁寧に氷をかき混ぜ水割りを作ってくれた
「はい 準備です 絶対に」
笑いながら 乾杯した
出発した時は薄い雲の合間から所々太陽が見え隠れしていたが
今は ほとんど雲はなくなった 海に反射する光がまぶしかった
今日も伊豆急ロイヤルボックスは貸し切りであった
神山と亜矢子はときどきキスをしたり残り少ない
二人の時間を楽しんだ

熱海駅に着くと家族連れやカップル お年よりの団体など
観光客がロータリー前に溢れていた
ホテルや旅館ののぼりを持った客引きたちが声を張り上げていた
そんな勧誘を断って熱海のデパートに入った
婦人用品肌着は3階にあって神山と亜矢子は一緒に売場に行ったが
神山は少々照れくさく亜矢子の後ろを歩いていた
「ねぇ 有ったわよ これ同じ物だわ 大丈夫ね」
「うん そうしたら Lサイズがあるから 僕はLサイズがいいかな」
「大丈夫よ 前に穿いた時 Mサイズでしょ
私 本当はLサイズなの だけどこのショーツは
伸縮するからMで大丈夫よ」
「うん では3枚買おう」
「えっ なんで」
「うん 亜矢子が2枚」
そう言われて納得したので神山がお金を出して会計を済ませた
「そうしたら 化粧室で穿き替えましょ」
「うん でないと魔力が通じないからね」
二人は笑って化粧室で赤いショーツに穿き替えた
神山と亜矢子は赤いショーツに穿き替えると不思議と力が湧いてきた
「ねぇ 可笑しくない 穿き替えただけなのに なんかちがうわ」
「そうかな ぼくは感じないけど」

目的の宝くじ売場にやってきて
「まずは小手試しだ スクラッチを買ってみよう」
神山と亜矢子は売場のおばさんにスクラッチ宝くじを出してもらい選んだ
亜矢子が選んだくじを削っていくと 3千円が当った
「ねぇ やっぱり違うわよ」
今度は神山が選び削ると 1千円が当った
「うん 凄い確立だよ もう一枚買ってみよう」
亜矢子が時間を掛けて選び 削って見ると 1万円が当った
「ふぁ~ 凄い 絶対に凄い」
亜矢子は当選金額の大きさではなく 当ったことを喜んだ
神山は 
「よし では本番だ 亜矢子のバスとはいくつ?」
「なんで関係有るの?」
「まあいいから いくつ」
「2つ」
「よし 組は 2組 下一桁2 その次 本当のバストサイズは」
「え~と 93cmよ」
「うん」
神山はメモをとって間違わないようにした
「6桁の最初2桁が93だ その次ウエストは」
「普段 57かしら」
「9357 次はヒップだ」
「90よ」
「よし できたぞ 935790で探そう 組は下一桁2で」
売場のおばさんに聞いたら
「02組 135790 はあるわよ どうする」
といわれ 確か前後賞がついているから 0の前後があるか聞いたら
「連番で この前の数字があるわよ」
亜矢子は135781から135790の10枚を買った
「ねぇ 今度は貴方 そうね 組は年齢でどう」
「うん 42歳だから やっぱり2か」
「そうね 胸は?」 
「107cmかな」
「ウエストは?」
「うん 79cm」
「ヒップは?」
「うん99だった」
「うん そうしたら 42組の177999番ね 叔母さんある」
おばさんは親切に探し出し 
「わぁ 有ったわよ そしたらこれも連番で買う」
「ええ」
神山と亜矢子は 42組177990から178000の
10枚を買った 神山は買った宝くじを亜矢子に手渡し
「当るといいね スクラッチを最後の1枚買ってみよう」
神山はおばさんが用意してくれたスクラッチの中から選んでいたが
知らない間に自分の意志ではなく手が伸びた 
削ってみると 大当たりの10万円だった
「凄いわ どうしたのかしら」
「うん分らない 知らない間に勝手に選んでいたんだ」
神山と亜矢子は喜んでおばさんに御礼を言って売場を離れた
「はい これ」
「いいわよ 貴方が当てたんだから」
「いや 僕はまだ昨日の外人の分で充分だよ」
「分ったわ ありがとうございます 大切に使うわ」
二人は少し早いが 真鶴へ向かった

駅に降りると潮の香りがして 気持ちよかった
閑散としている駅前にタクシーが空いていたので乗り
神山が以前上野店にいる時連れていってもらった店名を告げた
運転手は頷き車を発進させた
そんなに広くない駅前商店街を下っていくと
直ぐに真鶴港が目の前に現れ 目的のお店も5分ほどでついた
店の前に大きく『うに政』と看板が出ていた
お店に着くと店員がご予約ですかと聞いてきたので
「いえ予約はしていません」
そうすると 13時からになりますがいいですかと聞かれたので
予約を入れた
神山は時計を見るとまだ11時だったので真鶴岬に行く事にした
さっき乗ってきたタクシーが空き車だったので再び乗車して
「岬に行って下さい」
と告げた
車は先ほどと違い崖縁の道を岬向かった 道幅が狭く両側から
樹木がせり出し空気が美味しかった ゆっくりと走ったが 
7,8分で岬についた
観光地だが平日とあって 余り観光客は居なかった
会社の団体や 老人会の団体などで
神山と亜矢子のようなカップルは数えるほどだった
岬の上からみる海は昨日の城ヶ崎海岸と同じでどこまでも紺碧で
吸い込まれそうな不思議な世界だった
海風と陸風が交互に優しく吹き寄せ神山と亜矢子は暫く風の余韻を楽しんだ
神山が
「ビールを買ってくる」
と言い売店で買い求め戻ると亜矢子は写真を撮っていた
「あそこの夫婦岩が凄く素敵ね 片方は貴方のように
しっかりがっしりしていて もう一つは寄り添っているわ
あっ ごめんなさい 変な意味じゃないのよ ごめんなさい」
「うん 気にしていないよ 大丈夫だよ そう見ると見えるね」
神山は亜矢子にビールを渡し仲良く呑んだ
「ねぇ あそこに人が居るわ あそこよ」
「本当だ どこからか下に降りられるんだ 探そう」
「ええ 行きたいわ」
神山と亜矢子は海に出る坂を探したが直ぐに見つかった
「与謝野晶子の石碑があるわ」
そこには与謝野晶子の詩がエッチングされていた
亜矢子がこの石碑をバックに写真を撮ってほしいと言って来た
「うん そう 少し笑って」
神山は胸から上と 全身が入る構図で2枚撮影した
「光線の関係で石碑が綺麗に写っているかどうか心配ですが」
「じゃあ 私は」
「うん 大丈夫だよ 綺麗に撮れているよ」
「ふぁ~ 嬉しい」

二人は手を繋いで細い坂道を下るとごろごろとした岩場にでた
降り注ぐ光がまぶしく亜矢子は
「こんなに陽射しが強いと日焼けするわ だけど気持ちいいわ」
時折海風がつよく吹き付けると亜矢子の髪がなびいた
神山は横顔を見ていると 母親が早く良くなってくれる事を祈った
「ねぇ もう少し沖に行きましょ 引き潮だから大丈夫よ」
亜矢子の言う通り潮が満ちた時はこの岩場の半分以上が海になる
岩に貝や海藻が一杯付いている所に来ると
海藻で足元を取られそうだった
「亜矢子だめだ 危ないから 戻ろう」
神山は亜矢子がこちらに進んで来ているので戻るように言った
「分ったわ 戻りまーす」
亜矢子はそう言われると足元を良く見て戻った
二人が安全ところに戻ると 周りにはほとんど観光客が居なかった
二人だけの世界に亜矢子は酔っていた
軽くキスをするだけで 昨日の公園のように悪戯をしなかったので
「二人っきりなのに どうして触らないの?」
「そんな事したら 今日帰れないでしょ おばかさん」
「えっ」
「だって 貴方だって大きくなったら欲しくなるでしょ」 
「うんまあね」
「だから 中途半端は自重しているの だからお願いだから触らないでね」 
「分りました 触りません」
二人はキスをして我慢した
ゆっくりとした時間とこの場所が二人の幸せな空間を作っていた

突然神山の携帯電話が鳴ったので見てみると小田原工場の赤坂からだった
「はい 神山ですが」
「アルタ小田原工場の赤坂です お休みの処すみません
実は第二貨物さんですが 積み込みが順調に進み 今お昼ご飯を
食べているんですが この後直ぐに東京に行きたいそうなんですよ
で 上原の高橋に確認したら 床が乾いたらニーナ・ニーナさんが
商品搬入があるのでずらした方がいいと言っているんです」
「うん その通りですよ」
「そこで 何時に上原が良いか最終判断は神山部長に確認してくれと
いう事なんです」
「そうか 出られる状態ならば 早くても良いかな
分りました 一回現場と相談して 直ぐに連絡します」 
「はい 待っています」 
亜矢子に
「ごめんね 直ぐに終るから」
「は~い 分りました」
神山はアルタの高橋に電話した
「神山です お疲れ様です」
「やあ 山ちゃん 聞いてくれた」
「うん それで現場はどう?」
「ええ 床はもう乾いてきているけど もう少しかな 扇風機を入れたよ」
「ありがとう それでニーナ・ニーナは」
「うん さっき商品のダンボールは来たけど久保さんたちはまだですね」
「そうしたら そこまで行っているなら 当初どおり15時ですね」
「ええ 段ボールの数は驚くほどは無いけど 整理しながら
バックヤードに運ぶと結構店舗内も大変でしょうから その方がいいです」






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2013年1月13日日曜日

鈴蘭 3 - 24 Vol. 2



「どちらでもいいよ 亜矢子の仕事しやすいほうで」
「ええ 一緒のほうが助かるの 翌日ゴルフの方がいらしていて
お部屋割をどうしようか考えていた所よ 助かったわ」
「わかった 多分椿さんもご存知だと思うが内緒だよ 30日までは」
「ええ多分ご存知よ 私からは言わないわ 内緒にしておくわ」
「うん 頼みますね」
「私 幸せよ 凄い人とお付き合いできた事を誇りに思うわ ずっと」
「さて おなかも一杯になったし どこにこうか?」
「ねぇそうしたら 城ヶ崎海岸へ行きたいな」
「うん そうしようか」

二人は手を繋いで公園を出てバスの発車時刻を調べたら行ったばかりで
30分以上待つのでタクシーで城ヶ崎海岸へ向かった
亜矢子は神山の肩に寄りかかりうっとりとしていた
愛らしい横顔で太陽の光が端正な輪郭をくっきりさせていた
平日で道路が空いている事もあり直ぐに付いた
つり橋の入り口に売店があり そこで亜矢子がインスタントカメラを買い
「これでね あの白い灯台から海を撮るの きっと綺麗よ」
神山と亜矢子は白い灯台に登ると確かに海は紺碧で綺麗だった
言葉では言い表せない不思議な世界だった
亜矢子はその海を何枚も何枚も写真を撮っていた
神山は岸壁に打ち砕ける波を見ていた 何回も何回も当っては砕け
しかし岸壁は動じなかった 何かが見えているがはっきりと
イメージできなかった
亜矢子に岸壁の波を教えてあげると わぁ凄いといって写真を撮った

吊り橋を渡ろうとすると 向こうから葉山と高柳がこちらに向かっていた
先方も気がつき会釈をしてきたので 神山は頷くだけにした
吊り橋の真中で葉山と高柳が
「先ほどは ありがとうございます 助かりました
それとお金ですが 神山様にお返しをしようと話をしていたんです」
「僕は要らない 今後人をよく吟味して遊ぶ事ですね では」
神山と亜矢子は彼女達と別れた
渡り終わると 亜矢子は
「真中で止った時にちょっと下を見たのそうしたら怖かったわ」
思い出したのか神山の腕をきつく抱いた
ここはカップルが多くどこを見回してもカップルばかりだった
亜矢子が写真を撮っているので神山も何箇所か写真を撮った
「すみません 写真を撮って貰えないですか」
と声を掛けられたので振り返ると まだ若いカップルだった
「はい どこを背景にしますか?」
海を背景にして欲しいと希望してきたので神山は指示をして
構図を決めてシャッターを押した
カメラを持ち主に返すと又 別のカップルから依頼があり 結局
4組写真を撮った事になる
「大変ね人気カメラマンは 優しいから頼られるのね あなたは」
「今の若い女の子は積極的だね ああやってリードして写真を撮って」
「ねぇ 私の写真を撮って 海を背景にお願い」
インスタントカメラを神山に渡しポーズを作った
ファインダーで見ると改めて綺麗だった 
神山は違う角度からもう一枚撮ると 亜矢子にカメラを返し
「改めて 惚れ直しました 凄く綺麗だったよ
海も綺麗に背景に出来たし ばっちしだよ」
「ありがとう でも私写真なんて殆ど撮った事無いの
なんか違う自分がいるようで嫌だったわ でも今日は楽しいからいいの」
「それでインスタントカメラを買う気になったの?」 
「ええ 今日はいつもと違うんです それでカメラを買ったの
ほら あなたと一緒だし ふふふ」
「そう言うときはきっといい写真が撮れているよ」
「そうね ありがとう」

城ヶ崎海岸を二人は探険したが 亜矢子が少し疲れたと言ったので
タクシーでホテルに帰る事にした
ホテルに着くと夕飯まで充分に時間があるのでフロントで貸切露天風呂の
予約状況を聞くとあと15分で空くと言うので予約をした
部屋に戻ると亜矢子は神山に抱き付いてきて
「やっと二人だけになったわ 嬉しいわ」
「うん こうやって抱けるもんな 僕も嬉しいよ」
神山は冷蔵庫からビールを出して 亜矢子に渡し乾杯した
一息つくと新しい浴衣に着替えビールを持ってテラスに出た 亜矢子が
「ねぇ 私の裸を撮影してくれる?」
神山は驚いたが
「うん そうしたらテラスの椅子に座っているポーズがいいと思うよ」  339
亜矢子はカメラを神山に渡し椅子に座った
胸と大事な所はタオルで隠したが充分セクシーだったので
構図を変え3カットくらいシャッターを押した

「じゃあ 行こうか」
神山はフロントへ露天風呂の鍵を受け取りに行った
露天風呂の入り口で亜矢子は待っていて 神山が来ると一緒に
脱衣所に入った 今回は昨日同様男風呂だった
亜矢子が浴衣を脱ぐと下は何も付けていなかった
ガラス戸を開けると海からの風が気持ちよく 持って来たビールを呑んだ
神山はビールを持って湯船に入った 亜矢子も入ってきて
「今朝はビックリしたわね 突然」
「うん 音が聞こえなかったよ だけど亜矢子は全然動じなかったね」
「そんな事無いわ 心臓が破裂しそうだったわよ」
「そんな風には見えなかったよ」
「ええ ある部分で開き直ったのね あんな事初めてよ」
「ああ しかしいい体験をしたもんだ もう一度体験しても良いかもね」
「ば~か しらない 私がどれだけどきどきしていたかわかる」
「ごめんごめん 金輪際嫌だね 特にああいった女性の類は」
「そうね 私たちと世界が違うわ」
亜矢子がまだ小さいおちんちんを遊んできたので 神山は縁に座った
「なんか今朝と同じね」
神山と亜矢子は笑った
「よし ここは静かに入って 部屋に帰ってからにしよう」
「そうよね 昨夜は私直ぐ寝たしごめんなさい」
二人はおちんちんや乳首を触るだけにして 楽しみを後に残した
しかし亜矢子は感じているらしく 我慢できなくなり
「ねぇ お願いだから触らないで 感じて来ているの ねぇやめて」
「わかった これは公園のお返し」
神山はクリトリスを柔らかく撫でたりつねったりした
「もうしません ほんとだからやめて お願いだから触らないで」
「わかった?辛かったんだよ 僕だって」
「もうしません お願いします」
神山は触るのを止めると亜矢子は神山にかぶさりキスを繰り返しした

部屋に戻る時ビールを買い求め手を繋いで部屋に入った
亜矢子は部屋に入るなり神山に抱きつき唇を合わせてきた
二人はそのままベッドにたおれ戯れた

ソファーに横たわると 海の向こうにある太陽が静かに赤くなっていた
神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子とテラスに出てみると
真っ赤な太陽は海に一筋の光線を差し小波が反射していた
ふたりは互いの腰に手を回し自然の偉大なショーを眺めていた
ゆっくりと半分ぐらい沈んでくると
今日も一日が終るようで寂しい気持ちになった
神山はロレックスを覗くと6時少し前になっていたので
「亜矢子 素晴らしいね いつ見ても飽きないな」
「ええ 今日もご苦労様でしたって そう思うわ」
「そろそろ下で夕飯を食べようよ」
「もう そんな時間なの 日が沈むのを見ていると時間を忘れるわね」
二人は部屋を見渡しドアを閉めた
亜矢子は神山の腕をしっかり抱きつきレストランに向かった

レストランはほぼ満席だったが 奥の外が見えるガラス側にテーブルが
空いていて ウエイトレスに案内された
神山はビールを注文し亜矢子と外の夕日が沈んだ景色を楽しんだ
「ふぁ~ 綺麗 なんとも言えないわね」
「うん 最後の光が小波に映っていて カメラを持って来れば良かった」
暫くするとウエイトレスがビールを運んできた
「お待たせしました こちらが今夜のお品書きです」
そう言って先付けを置くと二人のグラスにビールを注いで
「あとのお料理は 直ぐにお持ちいたしますので 少々お待ちください」
お辞儀をして 厨房カウンターに戻り 各テーブルを見渡していた
亜矢子がビールグラスを持ち 神山もグラスを持った
「では お疲れ様でした 乾杯」
「うん 乾杯 ほんとに大変な一日でした ご苦労様」
「先付けが変っているわね 昨夜と違うわ」
「そうだね 大変だね ホテルはこうやって献立も替え 苦情も聞いて」
「そうね だけど今はそれが当たり前になっているから苦にならないわ」
「そうか 一種慣れかな」
「ええ 多分ね」

ビールが無くなったのでウエイトレスを呼びビールを注文した         340
テーブルに置いてあるお品書きを見てみると
さっぱり分らないので亜矢子に聞くと
「ええ 少しずつ変えているでしょ お刺身は多分一緒だと思うわ
鮮魚の盛り合わせが違ってくるんじゃない」
次に運ばれてきたのは 前菜と吸い物だった
やはり吸い物も昨日と材料が違っていた 当然味も違って美味しかった
ビールも呑み出されたものも食べるとタイミングよく刺身が出て来た
神山はウエイトレスにワインを注文した
すでに用意されていたのかチェイサーも一緒に直ぐに持って来てくれた
ワインが冷えていたので ウエイトレスにワインクーラーを頼んだ
下駄の切り身には新鮮な鯛など昨夜と同じ盛り合わせで
丸い器も伊勢えびが動いていたりこちらも新鮮だった
今夜はもう一つ器が用意されしめ鯖が盛られていた
「美味しそうだね このしめ鯖は」
箸を動かし口にはこぶと 美味しかった 先日上原で食べたのと
同じ位美味しかった
「美味しいよ しめ鯖」
亜矢子は言われて口に運んで一口食べると
「ふぁ~ 久しぶり 美味しいわ うん あぶらもあって美味しい」
「実はこのしめ鯖で副社長と仲良くなったんだ」
神山はしめ鯖事件を簡単に説明した
「ほんと 2回も食べたの その副社長さんよっぽどお好きなのね」
「うん お肉より魚だね」
「羨ましいわね 都会わ」
「なに言っているの こっちだって新鮮な魚介類豊富じゃないか」
「ええ だけど毎日食べられないわ 贅沢な悩みね」
神山はボトルを持ってワインをグラスに注いだ
ワインを呑もうとすると亜矢子が顔を近づけ
「ねぇ あの二人こっちを見ているわ 嫌ね」
神山も亜矢子の目線を追いかけると 葉山と高柳がこちらを観察していた
「ほっておけ なにを言われても聞かれても知らん振りだよ」
亜矢子は頷き ワインを呑み刺身を食べ始め久々に
運動をしたのか よく呑み食べた
神山は二人のテーブルには特別料理が置いてないので
スタンダードプランで宿泊しているのだろうと思った
伊勢えびも歯ごたえがあってあまく美味しかったので
ウエイトレスを呼んで
「このエビの頭を少しでいいのですがお味噌汁で頂けますか?」
と尋ねると 出来ますが少々お時間を頂きますと言い
厨房から取り皿を持ってきて 伊勢えびを乗せて戻った
「ふぁ~美味しそうね 楽しみだわ」
「うん 以前頂いた事があるんだけど なんとも言えなかったね
そうだ あしたはそこへいこう 真鶴だけどいいよね」
「ええ 大丈夫よ 行きましょう また太るわ」
ふたりは見詰め合って笑った
そうしているうちに 煮物が運ばれてきた
竹の子が出てきたが旬には少し早いと思い
一口食べると 口の中でとろけた不思議な竹の子だった
亜矢子も美味しいけど 竹の子らしくないと不評だった
「京都の竹の子と三島で売っている竹の子をたして割ったような感じ」
「うん 歯ごたえが無いね あえて出しているんだから
なにか理由は有るんだろうけど 分らないや僕は」
不評だった竹の子を食べワインをグラスに注ぎ箸を進めると
焼き物が運ばれてきた
今夜はえぼだいとイカの一夜干しを焼き魚で 牛肉サイコロ焼きが出てきた
神山と亜矢子は美味しい美味しいと言い 味わいながら食べた
牛肉にはおろしニンニクが付いていて それを乗せて食べると
美味しさが倍増した 亜矢子が
「もう一度 はやしのステーキを食べたいわ ホテルより美味しいかもね」
「ぼくも食べたいと思っている 近いうちに仕事で伺う事になると思うよ」
「ふぁ~ いいな 一緒に食べたいな」
「プライベートでも行こうね」
神山はサイコロステーキが美味しくて直ぐに食べてしまったので
ウエイトレスに追加をお願いした

彼女が戻る時に視線を葉山と高柳に移すと寂しそうに食事をしていたので
神山は再びウエイトレスを呼ぶと 嫌な顔をしないできてくれた
「直ぐにできる牛肉料理をあのご婦人たちに差し上げてくれ それと
こちらにワインを一本 あちらにも一本頼む」
「お会計は神山様で宜しいのですか?」
「勿論 あちらはまだ刺身だから焼き物には間に合うし 彼女たちは
スタンダードプランでしょ」
「ええ そうです」                                               341
「わかった 大至急手配してください」
「はい 分りました」
ウエイトレスは厨房に入って料理長と話しているが頷いてOKと言っていた
「なんで あげるの さっき言っていたのに」
「うん どこかで会った時に今度はこちらが断然優位になるだろ
それにこの位だったら 外人のお金で充分お釣りが来るよ
そういったお金は貯めるとろくな事が無い 使うに限るさ」
「そうね どこかお仕事で会った時完全に優位に立てて進められるわね」
サイコロステーキが運ばれてきた 一口食べると先ほどより硬かった
もしやと思ったが ここで料理長と話す事も無いだろう思いやめた
亜矢子も
「さっきより少し硬いわ 同じお肉かしら これ」
神山は先日学んだお肉の特性を分りやすく説明した
「そう 同じお肉でもそんなに変るの へ~ 知らなかったわ」
「うん 今後の仕事の資料さ」
「あなたってどこまで凄いの 計り知れないわ」
「そんな事はないんだよ 不思議に思った事を追求しているだけさ
なんで しめ鯖が美味しいのだろうとかさ」
「ふぁ~ そんな事出来ないわ 私 途中でギブアップね」
神山と亜矢子は少し硬い牛肉サイコロステーキを食べて
よく冷えたワインも呑んだ
えぼだいや干しいかも美味しかった えぼだいは適当にあぶらが乗ってて
口の中でとろけた いかも柔らかく潮の味があって ワインではなく
日本酒が欲しくなった
神山と亜矢子に揚げ物が出される時に葉山と高柳のテーブルに
昨日食べた朴葉焼きとワインが運ばれた 彼女達は最初頼んでいないと
断っていたが 神山からの差し入れと聞くと素直に受け入れた
神山が丁度彼女達を見た時 葉山と高柳は会釈をして
何か言いたそうだったが神山は頷きすぐに亜矢子に
「彼女達 喜んでいるよ しょぼくれた顔で食事は美味しくないからね」
「よかったわ あの細くて綺麗な方確か高柳さんでしょ 
来週 結婚式で独身最後がつまらない食事では 最悪ですもんね」
「うん 結構綺麗だけど ぼくのタイプじゃない 性格も嫌だ」
「随分と嫌われた物ね 可哀相」
「ぼくが悪いんじゃない 彼女がそうしたんだよ」
「そうね 彼女達が悪いわ ああゆう性格の人達って多いから気をつけてね」
「わかった さあ食べよう」

料理は揚げ物 酢物 ご飯 留椀 香物 と次々と出てきて
どれも美味しく食べられた 留椀の時に先ほどの伊勢えびのお味噌汁も
一緒に出てきた 大きな盃に魚介類がぎっしり入っていて美味しく
熱いご飯に掛けて食べたくなるほどだった
伊勢エビの味噌汁を飲み終わると ウエイトレスが来て
「神山様 御代わりがございますが 如何されますか?」
亜矢子に聞くと遠慮すると言うので 
「先ほどのご婦人達に分けてください お願いします」
ウエイトレスは分りましたと言って厨房に伝えた
すべて綺麗に食べ終ると デザートが最後に用意された
今夜はフルーツの上にアイスクリームが乗っていたので
ワインを少したらし食べてみた 結構ワインの渋みとアイスクリームの
甘さがマッチし美味しかった それを見ていて亜矢子もまねをした
「こうやって頂くのも美味しいわね 今度自宅でやってみよう」
「上手く行ったら はやしでメニューに出せばいいよ」
「そうね もう試しているかもね あの人努力家だから」
神山と亜矢子は全部綺麗にすると ワインが昨日同様余ってしまったので
部屋に持って帰る事にした
レストランを出る時 伝票を確認したら
牛肉サイコロ3 6000円 ワイン2 30000円と書かれていて
間違いが無いのでサインをした

レストランを出てフロントに行き 貸切露天風呂の空き時間を尋ねると
1時間後の21時に空くと言うので予約を入れた
二人は6階の自動販売機でビールを多めに買って部屋に戻った
神山と亜矢子は
「食べたし飲んだね 美味しかった 今日は芝生で運動したから
よく入ったのかな」
「ええ 私もおなか一杯よ 少し横になっていい」
「うん 1時間後だから 横になろう」
神山と亜矢子はくっついて横になると神山が触りだしたので
「ねぇ ほんと可笑しいの だから勘弁して お願いだから触らないでね」
「分りました 触りませんよ」
神山と亜矢子は背中合わせで横になっていると亜矢子は寝てしまった
神山は一人起きて冷蔵庫からビールを出して                          342
テラスで海風を受けながら呑んだ 気持ちよかった
神山は昨日と今日の支出を簡単に計算した
伊豆急で5000円 タクシー1000円 ワイン15000円
今日がタクシー12000円 公園内で7000円 帰りのタクシーが
7000円 食事で36000円 ビールとカラオケが5000円
約合計9万円だった 賭けゴルフで21万入っているので
今回はその分で充分足りた
ぼんやりとしていると携帯電話が鳴っていた 神山の携帯だった

部屋に戻り電話に出てみると杉田からだっら
「先輩 翔です お休みのところすみません」
「うん どうした?」
「2件有りまして まず先輩の昇進祝賀会がホテルオートモで行われる
事になりました それもアルタさんと合同です」
「えっ ホテルオートモ なんでまた 凄すぎるな」
「ええ 内藤社長さんのご提案だそうです
これからの仕事を考えると別々より一緒にどうですかと言う事ですって」
「へぇ~ 驚きだな うん内藤社長の言う通りででしょ わかるな」
「それで うちが最低60名集め 最終的に200名規模だそうですよ」
「へぇ~ 200名 なんだそれ おい本当か 翔」
「ええ その準備で今リストを作ったり てんてこ舞です
みんな残業ですからね ほんと 急に言われてもね」
「そうか ごめんな 倉さんは」
「ええ リストを出して由香里姫と帰っちゃいました 僕一人です」
「うん ありがと それで僕関係のリストか?」
「ええ その確認をしたかったんですが 今から業者さんを
読み上げますから 抜けていたら教えてください
なんと言っても 副社長名で手渡しなんですよ」
「えっ 副社長が絡んでいるの そうか分った
内藤社長と副社長時田さんが決めたんだ きっと わかった言ってくれ」
リストは全員が奥村に提出し 市川がダブっていたり整理したものを
杉田が今持っている 読み上げられると神山は 全て聞いたことがある
業者の名前ばっかりで 漏れは無いと思ったが 今一度読まれていない
業者があるか頭の仲で整理した 神山は年度行事で
お世話になった人がいないか確認すると 3社ほど出てきた
「この3社は普段はあまり取引が無いけど 秋の銀座大祭りの時
色々と接触がある この会社を入れるか否かは任せる」
「はい メモをとりました 他には」
「う~ん 少し待ってくれ うん その位だ」
「はい 分りました しかしオーバーしているんですけど
大丈夫なのかな」
「大丈夫だよ 任せておけば あとはないか?」
「ええ ほんとは声も聞きたかったんです」
「わかったよ ありがとう」
「では失礼します」
「明日はこちらから電話する 多分夕方に上原だ」
「はい 分りました」

神山が電話をきると 亜矢子が起きていて
「大変ね お休みなのに」
「うん まあしょうがないよ ぼくの為に残業をしているんだ」
「へぇ~ 貴方の為に残業」
神山は今の話を説明した
「ふぁ~ あのホテルオートモで200名の祝賀会 ほんと?」
「うん だから聞いたんだ そうしたら招待状は副社長名だって」
「ほんものね 凄いわね なにか貴方が遠い存在になりそう
私 一瞬寂しくなったわ」
「大丈夫だよ しかし200名だって どんな人が来るんだろうねぇ」
「偉い方 会社の社長さんとかでしょ あなたが今後働きやすいように
色々な方面の方たちとご挨拶があるんでしょ しかし凄いわね」
神山と亜矢子は話の内容に酔っていた
部屋の時計が21時少し前を差していたので 貸切露天風呂の準備をした
露天風呂に入っても神山と亜矢子は祝賀会の事で頭が一杯だった
亜矢子は小さいおちんちんをひっぱたりして遊んでいた
「あなたが偉くなっても私と付き合ってくれる?」
「当たり前じゃないか 何で?」
「だって大きくならないもん」
「わかった しかし部屋に帰ってからにしよう」
「うん だけど小さいとつまらないわ」 
亜矢子はそう言って いじり始め少しずつ大きくなるおちんちんを
頼もしそうに見ていたが 
「こんど連泊出来るのが何時になるか分らないわ だから今夜は離さないわ」
「うん 連泊でなくとも逢えるよ 時間を作りますから」                  343
「お願いね 私寂しいから」
「うん 分りました」
神山と亜矢子は持ってきたワインとビールを呑んだ
時間は早かったが 貸切露天風呂をでて部屋に戻った

亜矢子が
「昨夜はカラオケしたでしょ 今夜は卓球しない ねぇ
私 以前卓球をしていたの だからやろう」
神山と亜矢子はフロントに卓球の予約状況を聞いてみると
空いているのでいつでも使えますと返事が返ってきた
神山と亜矢子はフロントで手続きをすると卓球室に入った
二人はかわるがわるサーブを打って楽しんでいた
神山が大袈裟に打ち損じたり大笑いの連発だった
少しからだが温まってきたのでビールを呑みながら亜矢子と
話をしていると 部屋の外で葉山と高柳がこちらを観ていた
神山は相手にしなかったが 亜矢子は2人より4人のほうが
楽しいからと言って彼女達に近づき誘った
葉山と高柳が
「先ほどはありがとうございます ご馳走様でした」
「うん 寂しそうだったかね 独身最後の旅行が」
「はい 楽しくなりました ワインまでありがとうございます
実は 卓球をしたいと思っていたんですが 満室と断られ
しかし 見てみようって 着たんです」
「そうか 僕らは休んでいるから どうぞ」
葉山と高柳は お辞儀をして卓球をはじめた
最初は簡単にラリーをしていたが そのうち本格的に打ち合いをした時に
亜矢子は はっと気が付いた もしや高校3年の時インターハイで3位に
なったペアではないかと 面影が少し残っていたもう20年くらい前の
記憶だ 間違っていたら失礼だし確かめるのは止めようと思っていた
見ているとあの頃の自分が思い出された 父親を無くし
気分を紛らわせるには卓球しかなかった 
その努力が実って3年生の時はシングルで1位に輝いた
3年の時彼女達が2年生でダブルスで3位とはっきりと思い出した
目の前に自分の青春時代が戻ってきた 喜んだ亜矢子は
2対1で打ち合った 最初はラリーで肩慣らしをした
葉山と高柳たちはまだ気が付いていなかった 亜矢子は葉山に
「ねぇ 1対1でやらない」
「ええ お上手のようなので 楽しいです 21ポイントでサーブは3回で」
最初のサーブは亜矢子がした 葉山は返せなかった次のサーブは打ち返し
ラリーが続いたがやはり亜矢子がかった 次のサーブは葉山は上手に
返したが入らなかった 今度は葉山がサーブの番だった
上手な変化球を出しても打ち返された 亜矢子はポイントを落とす事無く
順調だった 15対0で亜矢子が勝っている時に高柳が
「ちょっと待ってください あの間違っていたら申し訳ないのですが
桜川さんは高校3年の時にインターハイで優勝された桜川さん?」
「ええ そうよ」
葉山と高柳はやっぱりと言って
「お手合わせ ありがとうございました」
神山は何を言っているのか分らなかったが 亜矢子が葉山や高柳と
同じ様に卓球をしていた事を知った 高柳が
「私たちは東京三校で出ていました 桜川先輩は県立静岡でしたよね」
「ええ 私も先ほど座っている時思い出しましたよ
残念だったわね 第3ゲーム 最後サービスミスだったでしょ」
高柳はよく覚えていると感心し
「よく覚えていらっしゃいますね ええ あのサービスミスは残念でした」
亜矢子は今度は高柳とプレーを楽しんだ 二人とも青春時代を
思い出し ゲームは楽しく進み終わった
葉山と高柳は神山と亜矢子に
「ありがとうございました いい記念が一杯です
先輩 ありがとうございました 楽しい記念が出来ました」
「良かったわね 今日の出来事は胸の中にしまって置きましょうね」
「はい 分りました ありがとうございます 失礼します」
そういって葉山や高柳は卓球室を後にした
二人が帰った後 亜矢子は笑いながらプレーをし
ワインやビールを呑んだ
少しプレーをすると亜矢子は少し休みたいと言って部屋に戻った
「少し呑みすぎたかしら ごめんなさい」
「うん いいよ 青春時代を思い出せたんだから」
亜矢子は突然泣き出した 神山は はっと思ったが遅かった
「ごめんよ お父さんの事思い出させて ごめん」
「亜矢子は大丈夫よ ありがとう なぜかあの頃の自分が思い出されて」
神山は亜矢子をしっかりと抱きしめベッドに横にした
(参った 反省だ 高校時代はお父さんの事で辛かったんだよな)
神山は冷蔵庫からビールを出してテラスで一人で呑んだ
亜矢子は起きてきそうに無いので寝る事にした





.

2013年1月8日火曜日

鈴蘭 3 - 24 Vol. 1



4月23日 木曜日 朝 伊豆高原 赤沢ホテル  

神山は亜矢子より早く目を覚ました 
肩が肌蹴ていたので布団と掛けてあげた
昨夜は亜矢子が先に眠ってしまったので 神山はぐっすりと寝る事が出来た
まだ6時を少し廻ったところだが朝日が気持ちよかった
山側を見るとすこし霧が出ていた
ビールが無かったので6階の自販機で買い求め戻ってみると
亜矢子が起きていて
「起きると貴方が居ないから不安になったの よかったわ」
「うん ビールが無かったから買ってきた」
二人はテラスに出てビールを呑みながら 朝日を眺めていた
「亜矢子 これから露天風呂に行かないか 別々だけど」
「ええ 行きましょう」

二人はビールを持って露天風呂へ行った
別々の部屋に入ると 男風呂にはだれもいなかった
神山は女風呂の戸を叩くと亜矢子が出て来て
「なあに」
「うん 誰も居ないから来る?」
「だけど 来たら恥ずかしいわ 貴方がくれば こっちも居ないし」
神山は
「そしたら入ろうか」
「うん」
神山と亜矢子は二人で 女風呂に入った
亜矢子の躰を洗ってあげ 亜矢子も神山の躰を洗い湯船に浸かった
誰が入ってくるか分らないので自重していたが亜矢子が触ってきた
「まずいよ 大きくなったら」
「平気よ 自慢すればねっ」
そう言い構わずおちんちんを大きく硬くしていった
亜矢子が湯船の縁に座るように言うので仕方なく座ると
フェラチオと手の攻撃をしてきた ギンギンになった肉棒を
さらに硬くしているとガラス戸があいて 亜矢子と同い年くらいの
女性が入ってきた じっと亜矢子の仕草を見ていたが

「あの~ さっきから見ていたんですけど」
亜矢子は動作を一時中止して 少し不機嫌に
「なに?」
と 聞くと二人の女性が
「あの~ 私たち 我慢できなくなったんです 触ってもいいですか」
「良いわよ ねぇ あなた」
「うん」
二人は笑顔で近づき触り始めた だんだんと大胆になり
フェラチオをし始め 神山の肉棒からぬめった体液が出てくると
「ねばねばが出て来たわ」
女性が言った 亜矢子が自分でクリトリスを触っていたのか
「では 最初は私よ 貴方達は後よ いい」
そう言い 神山の上にかぶさって腰を動かし始めた
亜矢子は気持ちよくなると 二人に代わってあげて自分は神山の顔を
跨ぐ格好になり クリトリスを刺激していた
女性が恐る恐る神山の肉棒を自分の秘所に導くと
「ああ 久しぶりよ 気持ちいいわ ああ すぐに行きそう」
そう言うと 腰の動きを早くして膣をきゅんとさせると昇天してしまった
躰をガクントさせると 力なく神山から降り二人目の女性が
神山の上に乗ってきた
「ああ ほんと 大きいし硬いわ 良いわ凄い奥まで感じるわ」
その女性は腰を回転させながら時々上下に動いた
「ああ だめ わたし行きそうよ はじめて ああ あっ うっ」
そう言うとその女性も昇天してしまった
「さあ 今度は私よ」
亜矢子は神山の肉棒を秘所に挿入すると もうねばねば状態で
スムースに入っていった
「あっ あっ うっ あっ いいわ 私も行きそうよ」
亜矢子もだんだんと近づいて来ているのか 膣が締まってきた
神山も亜矢子の膣の締りには太刀打ちできず
「おお イクゾ」
と言うと
「ええ来て あっ 行くわ 来て」
神山と亜矢子は一緒に昇天してしまった
ぐったりしている神山と亜矢子に二人の女性たちが

「ねぇ 厚かましいお願いだけど 聞いてください
こちらの女の子が 来週結婚するので独身のラストライフを
楽しんでいるんです 記念にお部屋の中で楽しみたいんだけど、、、」
神山と亜矢子は顔を見合わせ 亜矢子が頷いたので神山が
「了解しました 今夜は楽しみましょう ねぇ亜矢子」
「ええ 刺激があって 嬉しいわ」
相談が纏まったので二人の女性は喜んだ
お互いに自己紹介をしたが 神山と亜矢子は職業を伏せた
可愛らしくぽちゃっとしていいる方が 葉山幸恵と言い 関東で有名な
東都食品に勤務していると言った これから結婚する女性は
スレンダーでモデルのようなプロポーションで 高柳里香と言った
共に35歳で大学時代からの同期生で時々このような遊びをしていると
告白してきた 亜矢子は二人の部屋番号を聞いて 時間を21時と決めた
「私 こんなに素敵な男性ははじめてよ 今夜が楽しみ」
「私も初めて 独身最後で素晴らしい体験できたわ 楽しみよ」
葉山と高柳は口をそろえて神山と亜矢子に言った 高柳が
「亜矢子さんいいわね このおちんちん独占できて 羨ましいわ」
「ええ 幸せよ」
そう言って4人で湯船に浸かっていると おばさんたちが
遠慮なく入ってきて
「まあ 男前がいたの 知らなかったわ いいわね若い子は」
「そうよ こんな叔母さん相手にしてくれないものね しわしわは」
神山が何とかしようと
「そんな事無いですよ 年輪の美しさが輝いていますよ
若い子はそれなりの美しさがありますが 叔母さんたちには負けますよ」
そう言って 湯船の中は大笑いだった 神山が葉山と高柳にウインクして
「それではお先に失礼します」
神山は前を隠さずに立ち上がると 叔母さんたちは
神山のおちんちんの大きさにビックリして見入って
「まあ ごりっぱよ あなた天下を取るわ 頑張ってね」
神山はおちんちんをおばさんの目の前でブルっと振って
「ありがとうございます 初めてですよ 誉められたの 頑張ります」
みんなで大笑いの中 脱衣所で浴衣を羽織ってでた
「ねぇ 一番気持ちよかったのは 私でしょ」
「うん あの二人もよかったけど 亜矢子が一番さ」

亜矢子はニコニコしながら神山と腕を組んで部屋に戻った
二人は部屋に戻ると ビールを呑みながら 
「ねぇあなた 晴れてよかったわね どこに連れってくれるの?」
「うん 大室山に行こうと考えている」
「わぁ 嬉しいわ 快晴だから眺めは最高ね」
「うん 今出ている霧は多分晴れるから 大丈夫だよ」
時計を見てみると7時を廻っていたので 朝食バイキングに行った
昨夜と同じレストランに入ると 席が決まっていて案内された
ウエイトレスにビールを頼み 亜矢子と乾杯した
食べる物を選びお皿に盛っていると 露天風呂の二人組みが
「一杯食べてくださいね スタミナを一杯貯めてください」
そう言いお辞儀をして 席に戻っていった
神山も取り皿に充分盛り付けすると席に戻った
神山はどちらかと言うと洋食系で亜矢子は和食系だった
亜矢子は食べてみると味は悪くないが 作り立てで無いのに不満だった
バイキングは色々と種類が多くて楽しめるがその一方で
作ってから時間が経過し味を落とす物もある ここ赤沢ホテルでは
干物は食べる時に少し火を通せば食べられるようになっていて 亜矢子は
「ふぁ~ お魚は美味しいわ 貴方も食べて 工夫しているわ」
神山も亜矢子の干物を食べてみると美味しかった
「なんでだろう 普通の干物と違うのかな 全然美味しいよ」
神山は不思議でしょうがなかったので 干物を追加した
海を見ながらおしゃべりをしていると 朝食も楽しかった
「わたし ここのホテルに来ようかな 海がこんなに近く見えるし」
亜矢子は又 海を見た
「あなたとここでのんびりと生活したいわ 夢だけど」
亜矢子は叶えられない夢だと分っていたが 言ってみたかった
「たまに来るから素敵に映るし 良さが分ると思うよ
毎日見ていると 飽きてきて都会が恋しくなるよ 今度は」
「そうね たまに来るから良いのね 気分が休まるわ」
二人の箸は進みご飯を食べ終わり デザートを食べた
デザートも不味くは無かったがこれと言った美味しさは感じられなかった
昨夜はあんなに美味しかったのに朝食は少し手を抜いているのかと思った

神山と亜矢子は食事を済ませ 部屋に戻り出かける仕度をした
大室山までは鉄道を利用したりバスを利用したりと結構時間を
取られてしまうので タクシーで移動する事にした
フロントにその旨を伝えると10分ほどで来るとの返事だった
二人は忘れ物が無いか確認をして部屋を出て
タクシーが来るのを待った 受け付け嬢が今夜の食事時間は18時だと
案内をされたのでそれなら充分ゆっくり食べられると亜矢子と話をした
フロントで名前を呼ばれタクシーが来た事を告げられ車に乗り
行き先を大室山と伝えると はいと頷き車はホテルを後にした
二人を乗せた車は伊豆高原駅の街並みを走り抜け次第に高度を稼ぐ
緩やかな道に入った 舗装された道路の両脇には桜の木が並んでいて
緑が美しかった 林の奥に入っていくと民家が無くなり
ぽつんぽつんとペンションが目立ってきた 運転手が
「ここら一体は春になると桜が綺麗で観光客で一杯になるんです
今は空いているこの道路も渋滞なんですよ 大室山はこの時期に
いかれるのが一番ですね 秋は紅葉で渋滞ですしね 冬は寒いし」
「そうすると 僕たちはいい時期を選んで来た訳ですか 当りですね」
「ええ 大当たりでしょう 上のほうはさっきまで霧が掛かって
行っている人は少ないですよ」
二人はどんな素晴らしい光景が見られるか期待した
暫く走っていると 急に視界が開け眩しい太陽が目に入ってきた
車の前には邪魔する車は無く大室山に付いた
車から降りた二人は 頂上までリフトで上がった
たいして時間は掛からなかったが 下から吹き上げる風で亜矢子は
キャーキャーと叫んでいた 頂上は運転手が言っていたとおり
観光客はほんの数えるカップルしかいなかった

頂上を一周する事ができるので 手を繋いで歩いた
海が広く見える場所に来ると 亜矢子が立ち止まって見入っていた
神山もタバコを手にして 亜矢子の肩を抱いた
そのうち亜矢子はそばにあるベンチに座り 神山に
「私の父は私が16の高校生だった時 海で亡くなったの
漁に出かけていて 高波に飲まれ転覆したと聞いているわ
そのまま私たちの家に帰って来ないの だから海に来ると父がそこに
いるようで いつもこうやってお父さんと話をするのよ」
神山は何も言えず聞いているだけだった
「母はしっかりしていたわ 女手一つで私をここまで育ててくれたもん
ほんと感謝しているわ だから楽をさせてあげたくて今の会社を選んだの
その前は大学を出てからは銀行に勤めていたわ 
だけど安定はしていたけど 母を喜ばすには楽ではなかったわ
それでゴテンバ グランド インの募集を見て第一期生で入社したの」
「そうか 大変だったね」
「ええ その母がガンと聞いた時は目の前が真っ暗になったわ
だけど あの宝くじのおかげで 病院も替えられ先生も大丈夫と
仰られるので ホッとしているの 助かったわ ありがとう」
「そんな 僕は何もしていないよ きっと赤パンが良かったのさ」
亜矢子はしんみりとしていたが 赤パンで笑ってしまった
「ねぇ その大事な赤パン どうしたの?」
「うん 部屋にあるよ たたんでしまってある」
「そうね記念に捨てないでね 今度会うときは赤パンを履いてきて」
「うん そうするよ そうしたら今日か明日にでも町で
亜矢子の赤パン買おうよ」
亜矢子はにっことして
「ええ どこかで探しましょ いいわよ」
亜矢子がようやく元気が出てきたので頂上を歩き始めた
一周するのにそんなに時間は掛からなかった この時間になると
カップルの姿も目立ってきて 神山と亜矢子も寄りそって歩いた
リフト乗り場でビールがあったので 二人はそこでビールを呑んだ
一息してリフトを降りるとお昼にはまだ時間が早く 
タクシーに乗りぐらんぱる公園に向かった 

サボテンも在り気を休めるにはとてもよいとこだと思った
ホテルの周辺観光地案内に広い芝生で子供達が転がって楽しくしている
写真が紹介されていた 神山はまさか亜矢子と出来る訳ないが
久しぶりに芝生でごろごろするのも悪くないと思った
ぐらんぱる公園には先ほど来た桜並木の樹海を通りゆっくりと下って
暫く走って直ぐだった
入場チケットを買い広々とした芝生に行った
「ふぁ~ 久しぶりよ 何年ぶりかしら 昔 銀行に勤めていた時
会社の旅行で来たことがあるわ 変っていないわ
その時も楽しかったけど 今のほうが全然嬉しいわ」
平日なので家族連れは殆ど見かけないが 小さい子供を連れた
家族連ればかりだった 
売店でビールを買って芝生に寝転び大空を見ていると 亜矢子が急に
神山の上にかぶさって来た 
「驚いた」
と呟きキスをした 神山は周りを見たが誰もいないので亜矢子を抱きしめた
しかし神山は自重してそれ以上の事はしなかったが 亜矢子が神山を跨ぎ
丁度おちんちんと亜矢子の大事な所が合わさってGパン越しに
亜矢子のぬくもりが伝わるようだった
「どう 気持ちいい」
「気持ちいいわけないだろ Gパン穿いているし 痛いよ」
亜矢子は気持ち良いと続けたが 
「そうね 私もこれ以上気持ちよくなると大変だからやめよっと」
亜矢子は神山から降りるとGパンのうえからおちんちんを触ってきた
「だめだよ亜矢子 ここで大きくなったら歩けなくなる」
「ほんと」
「ああ ほんとさ だめだったら」
「じゃあ試してみよおっと」
亜矢子は少し大きくなったおちんちんに沿って手を動かした
「ふぁ~ 大きくなった 凄いわ はっきり分るわよ」
亜矢子は大きくなった肉棒を手で更に上下に動かした
「ねぇ 勘弁してくれよ お願いします」
「いいわ 許してあげる だけどアイスクリームを食べたいの 
貴方が買ってきて お願いだから」
「そんな事出来ません この状態では ここまで大きくすると
なかなか静まるまで時間がかかるんだよ まったく」
「そう」
亜矢子はそう言ってまた手で大きくなった肉棒を触った

神山は飛び起きバッグを前にたらしジャケットで前を隠し
売店へ行きアイスクリームを買って戻った
「はい アイスクリーム どうぞ」
「さすがね そうやって難関をかいくぐるところは 頼もしいわ」
亜矢子は貰ったアイスクリームを神山と一緒に食べた
「ねぇ亜矢子 そこにパターゴルフがあるけど行こうか?」
「ええ 昔すこしやっていたけど 大丈夫かしら」
「わかった いこう」
神山と亜矢子はパターゴルフへ向かい パターとボールを借り
1番ホールに来た 
「わぁー 久しぶりよ」
亜矢子が打つと グリーンをオーバーし
「だめね 勘が戻っていないわ」 
今度は神山が見本を見せ見事にグリーンにオンにしたので亜矢子が拍手した
3ホールくらい進むと亜矢子もボールを打つ感を取り戻し上手になった
しかしバディーもでるがダブル トリプルと出入りが激しかった
何とかハーフを終ると 亜矢子が
「楽しいわね 貴方と一緒だと」
そう言いい笑顔で楽しくラウンドした 神山はトータル5オーバーだった
「ねぇ もう1ラウンドしようか?」 
「ええ 今度は負けないわ」
勝てるはずない神山にそう言って気合を入れた

1番ホールのティーグランドに向かうと 
今朝の女性 葉山と高柳が男性と並んで立っていた
葉山が気がつきこちらに挨拶をしてきたので神山もお辞儀をした
神山は男がいるのでそれ以上の言葉は出さなかった
先に4人がスタートし ホールアウトしてから神山たちがプレーをした
前にいる男性は二人とも外人で余り上手ではなかった
4人対2人なので当然神山達がすぐに追いついてしまう
しかし 順番がありマナーだから黙っていると グリーン上でふざけた
格好や2度もプレーしているので あきれ返っていた

9番ホールで外人たちが待っていて 外人が 
「あなたは上手だ このホールで私に勝ったら インのハーフは
先にプレーして良いよ」
と言ってくれたので 神山はスタート順をコインの裏表で決めた
最初は外人からで 第一打がグリーンに届かずフェアウエー
神山の第一打もグリーンに届かなかったがカラーまできた
外人の第2打は上手に打ってカップの1mに寄せた 
神山はラインを上手に読んだがカップを通り過ぎ30cmに寄せた
外人は第3打をカップインさせ神山もカップインさせた
外人が神山に上手だ 6人で一緒にプレーしようと言ってきたので
亜矢子に聞くとどちらでもいいと言ったのでOKをだした 更に外人は
「男性同士掛けないか ホールごといいスコアが勝ちで1ホール
1万円でどうだ」
「OK やろう」
そうして後半のハーフを6人で廻る事になった10番は3人ともパー
だったので掛け金は動かなかった 結局神山の腕が外人より上回り
17番までに神山は二人から7万円を取っていた
18番のティーグランドで葉山と高柳達が外人と何か相談していた
ここで外人二人が勝っても元が取れないので 
「どうだ このホールは 10万でいいか」
「幾らでもいいよ」
「よし 20万円でやろう」
この18番は軽く右に曲がっていて パーを取るのが難しいホールだった
先ほど廻った時もボギーを叩いている
曲がっている先は雑草が生えていて コントロールできないし
かといって パーを取るにはとよく観察してみると
その雑草の向こう側に地面が露出した傾斜があり そのラインに
うまく乗ればグリーンまで届くが果たして力加減はどうか考えた
順番は神山からだったが 先に外人に打たせた
外人たちも曲がり角が極端に狭くなっているのと
その先が雑草になっているので 丁度曲がり角に止めた
もう一人の外人はショートカットを試みたが コースを外れ
背の高い雑草の中に消えた
神山の順番が来た時 亜矢子が
「信じているわ がんばって」
と応援をしてくれた
神山は曲がり角に向かい 力加減の練習をして集中した
打つ所がボールの転がるラインが見えたので パターを振った
ボールは思ったラインを進み 雑草を駆け抜け地面が露出している
傾斜を転がった 勢いが弱くなるとグリーンに向かって下ってきた
グリーンに乗ったボールはそのままカップインをした
ホールインワンをだした
これでは外人がいいスコアを出しても勝てなかった
18番を女性群がプレーしホールアウトすると 外人が
「実は 一人10万円しかない これで許してくれ」
と言ってきた 何か言ってやろうと思ったが
「サンキュウ」
と挨拶して20万円を受け取った 

神山と亜矢子はパターゴルフを終わり食堂に向かう時 葉山と高柳が
「ごめんなさい あんな事になって」
神山はバッグから 100万円の札束をだして
「ぼくは100万円でも勝負したよ 今夜の話はなしだ いいね」
「はい 分りました ごめんなさい」
そう言いながら 100万円を見ていた
「さあ 食堂でこの20万円で美味しい物を食べよう」
「神山さん本当にごめんなさい」
「うんわかったよ では失礼する」
神山と亜矢子は食堂に向かった
「凄い 外人びっくりしていたわね」
「うん 体力勝負だと負けるけどね」
「ねぇ さっきの入ると思った」
「いや パーでイーブンだからそれで良しと思っていたよ 
「私 感激したわ あなたって勝負運が強いのね ほんと」
「そうかな わかんないや」

レストランについたが観光客が少なく閑散としていた
ビールとカレーライス 簡単な一品物のおつまみを頼んだ
神山と亜矢子が座っている所から離れた場所に先ほどの4人が座り
外人がお辞儀をしてきたので 神山は頷いた
ビールが運ばれてきて 亜矢子と乾杯をした
神山はこのような場所柄食べ物は万人向きで余り美味しくないだろうと
思って期待していなかった
運ばれてきたシュウマイを食べてみると 美味しいので驚いた
亜矢子も美味しいと言って 直ぐになくなり 追加注文をした
ビールを呑んでいると 先ほどの4人が言い争いを始めた
神山と亜矢子は聞こうと思わなかったが外人の声が大きくて
こちらに届いていた
「誘うつもりでいたが 先ほどのゴルフの勝負で負けたので
君たちを誘う事が出来なくなった」
「分ったけど あの時貸した6万円は返してね」
「だから 負けたからなくなった」
「大丈夫 勝つから貸してくれって言ったでしょ」
「言ったが 彼のほうが上手で運もついていた」
「そんなの言い訳でしょ 返して 早く」
神山と亜矢子は先ほどの事で外人が詐欺まがいに女性を口説き
借りたお金を返さないとは酷いと言っていた
その時 ピッシャと音がしたので見ると 葉山が外人のほほにピンタを
したようで ほほを抑え立ち上がった 
険しい形相で葉山を見つめ詰め寄った
神山はこのままでは危険だと思い 4人に歩み寄った
立っている外人は神山を見て
「おまえの出る幕じゃない 邪魔だ」
と 言い返してきたので 6万円を葉山と高柳に渡し
ここから出て行くように言った
外人は収まらずに神山に詰め寄ったが
「勝負に負けておいて 女から借りた金も返せないとは酷い
これに懲りたら 二度と女に詐欺は働くな 分ったら出て行け」
「格好つけるな」
というのが早いか パンチを出してきた
神山は上手によけてその腕を掴み一本背負いで投げた
倒された外人はなにが起きたか分らず倒れていたが
相棒がぺこぺこお辞儀をして 倒れた外人を起こし立ち去った
店員や亜矢子 数組のカップルから拍手が起こった
何事も無かったように席に戻ると 亜矢子がキスをしてきた
「ふぁ~素晴らしいわ あなた あんなに大きい外人を投げちゃった」
「ごめんね」
「謝る事無いわよ あの外人が悪いんだもん 私もすっきりしたわ」
「うん 僕もすっきりしたよ」
神山と亜矢子は運ばれてきた カレーライスを食べた
先ほどのシュウマイも美味しかったが カレーも美味しかった
「ご馳走様でした おなかが一杯よ 太っちゃうわ」
「大丈夫だよ また一杯運動するんだから ねぇ」
小さい声で言うと亜矢子の顔は真っ赤になって
「ば~か こんなところで言わないで 恥ずかしくなっちゃうでしょ」
「だってホントでしょ」
亜矢子はもう知らないって言いながら笑い涙を流した

そんな時に神山の携帯電話が鳴った 洋子からだった
「ちょっと失礼するよ」
そう言い立ち上がり 表に出た
「洋子です お休みのところすみません」
「うん どうした」
「ええ インターネットで色々と調べていたんですが
例の外人 やはりアレックスグループのアレックス氏でした」
「へぇ~ そうか やっぱり 何で分ったの?」
「ええ 過去の記事を見ていたんです そうしたら出てきました
奥さんとご一緒の写真も載っていました」
「いつ頃来たの」
「ええ 13日にきています」
「そうすると30日以降に会うがこれは楽しみになってきたね 
ありがとう できればフロッピーで保存して会社で見られると良いけど」
「ええ URLを保存します」
「わかった さすが洋子ちゃんだ ありがとう だけど今日は
ゆっくり休養する日だろう もうPCから離れなさい 仕事は明日からだ」
「は~い わかったわ どうですか休養していますか」
「うん 芝生の上で寝転んでいるよ 海の風が気持ちいい
一区切りついたら連れてくるよ 約束する」
「はい 分りました では」
神山は電話を切ると 席に戻った 亜矢子が大変ね休みに電話って
「うん仕方ないさ 売れっ子は そうだ こんど26,27日と
ゴテンバ グランド インの椿さんの仕事で来るよ」
「ええ 伺っています 翌日ゴルフでしょ いいわ」
「たまには息抜きをしなければ ねぇ」
「今日も息抜きしているでしょ」
「うんまあね」
「ところでご一緒の女性はどんな関係?」
「気になる」 
「ええ 大いに気になるわ」
「わかった しかし誤解の無いよう聞いて欲しい」
「そんなに怪しいの?」
「違うよ 隠し通せないから 話すけど4月30日で僕は2つの会社で
昇進するんだ」
「えっ」
「鈴やでは東京本社次長 アルタでは担当常務になる」
「へぇ~ そんなに偉くなっちゃうの 凄い それで女性は?」
「うん 専属の秘書だ 役職は部長だよ」
「へぇ~ 凄い わたしそんな偉い人とお付き合いしているんだ」

神山は経緯をかいまつまんで話した
「そうすると 貴方の努力が実った訳ね 普段 心がげている事が」
「うん まあそうかな」
「そうしたら お部屋は一緒でも構わないわね」







.

2013年1月3日木曜日

鈴蘭 2 - 23 Vol. 3



「そうね まるっきり無いわ なんか紙を貼ったみたい だけど遠近感は
ちゃんとあるわね 不思議ね」
「あった時に聞いてみよう」
「高橋さんがさっき言っていたけど この画面で顔が大写しになると
少し気持ち悪いわね 会議になるかしら 私は遠慮したいわ」
「そんな事しないでしょ 気分が悪くなって仕事にならないよ」
「そんな時 アレックスが言っていた魅力的なお尻を写そうかしら」
二人は大笑いした 暫く話をしていると神山の携帯がなった
「先輩 こんばんわ済みませんが 田所さんの携帯番号って分りますか」
「うん 分るけど何で?」
「ええ お話ししたい事があるんです」
神山は翔が君の携帯番号を知りたがっているが教えて良いか聞いた
洋子は頷いた
「ごめん待たせたな 番号は090-XXXX-XXXXだ」
「ありがとうございます」
「仕事はどうだった?」
「ええ 万事OKです 23日はゆっくり休んでください」 
「うんわかった ありがとう」
電話を切ると洋子の携帯電話に掛かってきた
「杉田です 夜分遅く済みません 実はお知らせしたい事が有って
先輩から番号を聞いて掛けました」
「そうよ こんな遅くどうしたの?」
「すみません 実は9時頃なんですが副社長と奥村課長と店長が
ホテル禅の地下からにこやかにでて来たんですよ
だから作戦は成功したと思います すぐに電話をしようと思いましたが
仕事に追われ架けられませんでした 今終って帰るところです
それで 絶対にOKだと思って電話しました すみません」
「そう 良かったわね 話したらだめよ わかった」
「はい では失礼します」
洋子は電話を切ると何も無かったように携帯電話をしまった
神山が
「翔はなにを話したかったんだ」
「ほんとは秘密だけど 教えてあげる」
洋子は今夜 時田と奥村が会って 神山が抜けたあとの件で話をした
内容は美術の屋敷 徹を催事課に移動する 辞令は30日
ただどうなったかは分らない 翔自身は上司が来ると思っている
この話は 料理屋でトイレに行っている間に時田が決めた
「そうすると 翔は上司が来ると喜んでいるんだ」
「ええ 多分」
「しかし 翔の希望は上司なのになぜ部下なの」
「ええ 時田さんも考えたし私も感じていたんだけど 今 彼自身
実力が発揮できない状態で 燻っているわけ あなたもそうだけど
銀座に来てからの躍進は目を見張るものがある訳 そこで翔君にも
部下を付ければ 実力が開花し あの甘えん坊が直ると判断したの」
「うん 確かにそうだ 翔は実力があるんだよ ただ僕とか倉さんを
頼ってしまうところがあるな 予算でも何時も由香里姫に怒られている
出ても仲間が抑えてくれると言う安心感だろうな よかったね」
「まだはっきり聞いていないから断言できないけど OKじゃない」
「さて それでは少し我慢してね 明日以降の仕度をするから」
神山は洋子にワインをグラスに注ぎ自分は着替えの下着類を準備した
カメラもコンパクトカメラを用意した フィルムが無いのに気がつき
「フィルムを買うの忘れた」
「駅の売店でも売っているわ」
「うん そうしよう ネガじゃなくてポジが欲しかったんだ でも良いや」
「そう 違うの?」
「うん ポジは現像すると 見たままでフィルムに出てきて ネガは
知っているように色が反転されるわけ ポジで撮影して必要なカットだけ
大きく伸ばせば言い訳なんだ だけど今回はネガにしよう」
「ふ~ん 難しいのね フィルムって でも今 デジカメってあるわよ
PCがあるんだから そうすれば良いのに だって撮影したらその場で
確認できて 撮り直しも利くし 第一フイルム代が掛からないわ」
「そうか そこまで気が付かなかった そうしたら24日は無理だから
25日に見に行こう 5万円くらいで買えるの?」
「ええ 充分よ」
「記録写真だから ある程度大きくできれば良いし こうやって
フィルムの買い忘れもなくなる訳だね」
「ええ 貴方が知らなかったって信じられないわ」
「だって 写真はもともと好きだけど 撮影するほうは
このコンパクトカメラで充分だったしね 調べなかったよ ありがとう」
神山は洋子にキスをした 洋子もそれに答えベッドに入った


「どうだね 奥村君 屋敷 徹で問題ないだろう」
「はいありがとうございます」
ここ鈴やの向かいにある『ホテル禅 地下 日本料理 四季』では
さきほど夕方6時から副社長の時田と催事課の奥村課長が話をしていた
奥村は時田に先日の神山の一件で注意があると思って覚悟を決めて
部屋に入った 時田が先に来ていて ビールを呑んでいた
奥村は普通じゃないと感じたが 内容が判らないので 先に謝ると
時田は『人は要らない』と謝ってきたと思い 怒った
そこで奥村がきちんと話をするとずれていた事が判った
時田は催事課の将来を考えた時 このまま杉田君に上司をつけるより
部下を付けたほうが いいと判断し午前中に池上店長と美術部長の
3人で話した結果だ
この話は一方的な内容なので 奥村を呼んだと説明された
「私も杉田君が実力を発揮するのは山ちゃんが抜けた後だと
思っていました 実力があるのに山ちゃんに頼っていましたから」
「おお そうだろう 昨日も呑んでいて上司か部下かって聞いたんだ
そうしたら 上司ですって言うもんだから はてと思っていた」
「えっ 一緒だったんですか 翔め 嘘ついたな」
「まあ 怒るな ワシが口止めをした ばれると左遷だってな ははは
いい子じゃな 少し大人になったな 頼もしい うん」
「副社長の口止めですか わかりました 注意しません」
「うん 頼んだよ」
「それで美術もOKを出してくれたんですね」
「うん 最初は拒んださ 彼も売場で実力を出してきているし
そんな良い人材を手放したくは無いよな」
「ええ 私も山ちゃんが抜けるとどうしたものかと考えていました
しかし 屋敷君が来てくれたら大丈夫ですね まあ3年くらいは
大変でしょうけど あと催事課が規模を縮小されなければ
どんどん成長しますね 上野を抜くと思います」
「大丈夫さ 山ちゃんはもう動いている お昼にパレルに行って
ソムリエを負かせたそうだ 何かしようと動いている
催事に仕事が来るんじゃないか その時はワシも応援するよ」
「はい ありがとうございます ソムリエとワインの勝負 凄いですね」
「うん まああちらでは山ちゃんがここに在席をしているかの確認だと
思うが わざわざする事もなかろう そうだろ だからそれだけ
やりあったんだよ 矢野君が悔しがっていたもんな」
「はあ 山ちゃんって催事課の器で無いですね もっと大きいですね」
「そうだろ だから女にもてるんだな 知っているか判らんが
アルタの連中も山ちゃんだぞ それも若いのに 慕われているんだな」
「ええ 2週間ほど前御殿場の件でアルタの皆さんがこられた時も
若いのが山ちゃんと言ってましたので羨ましかったです」
「うん 山ちゃんは裏が無いから 好かれるんだろうな」
時田は仲居を呼んで 簡単な料理とビールや酒を用意させた
奥村はまだ仕事がありますからと断ったが 山ちゃんは呑んでから
仕事をしたと言われ 付き合った
時田からもう直ぐ池上店長が来るから待って居るように言われた
飲み物が来て簡単なおつまみが用意され 時田と奥村は話していた
暫くすると池上 店長が
「遅くなって 申し訳ございません」
お辞儀をしながら入ってきて 2人に挨拶をした
時田が仲居に料理を持ってくるよう伝えた
池上が時田に
「如何だったでしょうか 屋敷君は?」
午前中美術部長を口説いた経緯もあり心配していた
「池上店長 ありがとうございます 催事課で働いて貰います」
「うん そうか良かった なあ奥村君」
「副社長そうすると内示は23日の木曜日 人事命課は30日木曜日
9時30分銀座店で宜しいですか?」
「うん 美術も知っているから 内示は23日で良いんじゃないか」
「はい ありがとうございます」
池上はそう言って携帯電話で秘書課長に電話をし用件を伝えた
「うん そうだ 美術の 屋敷徹君 職級はそのままだ
それと準備があるから 夕方に渡そう 手配を頼んだよ
美術部長に23日は夕方内示を出すと伝えてくれ 頼んだよ」
3人揃って出てくる話は神山の事だった いい評価ばかりだった
時田が杉田翔の事も期待していると池上に言った
杉田の株が上がった事に奥村は喜んだが 35歳になるのにまだ独身で
貫いている事に不安があった 
「大丈夫だ 奥村君 彼は居るみたいだ」
「えっ どうしてそれを副社長がご存知なんですか」
「いやな 昨夜一緒だったと言っただろ」
「ええ」
「その席上で分ったんじゃ 山ちゃんが上手だったははは
今思い出しても 杉田君の慌てた様子が目に浮かぶよ ははは」
「副社長うちの子ですか 相手は?」
「いや どうしようかな 翔 が隠したんだから秘密じゃ
しかし近いうちに分るよ 明るくなるぞ 翔は」
「なんで分るんですか?副社長 ねぇ池上店長」
「うん そうですよ 教えてくださいよ副社長」
「うん 教えたいがな サムライを裏切る事出来ないからな
大丈夫だよ 山ちゃんの秘書 田所洋子君がちゃんと見ている」
奥村と池上店長はますます訳が分らなくなった
時田の性格を知っている奥村はこれ以上聞く事を諦めた 
池上も時田の性格を充分に知っているので杉田の話は止めた
「池上君1週間ほど前に来日したアレックスグループの社長アレックス氏
の件は知っているかね」
「はい 存じ上げていますが なにか?」
「いやね 明日帰国するってアルタの内藤さんから連絡があったんだ
わしもなんでこのタイミングでアレックス氏が来ているのか見当が
付かなかったんだが 御殿場アウトレットの件だと分った それで
アレックス氏は素晴らしいデザイナーが決まったら来日すると言って
別れ 明日帰国になったんだ そこでアルタの内藤さんに 
山ちゃんは立ち向かえるかと聞いたら 大丈夫ですが
先方もかなり頑固で譲らないところがあります 
いい勝負だと言ってたよ 楽しみだな ははは」
「そうすると 30日の辞令のあとに来日ですかね」
「うん多分な しかし力を入れているな これではアレックスジャパンも
うかうか出来ないだろう」
「御殿場アウトレットは進めていたのに
やはり情報がものを言うんですね」
「内藤社長曰く 絶対に優位に立たないと仕事が取れないって言ってたな
それだけじゃない 山ちゃんは御殿場アウトレットで販売する
ゴテンバ グランド インの地ビール販売権をアルタが権利を取れるよう
アドバイスしたんだ これはアイディアだな 内藤さんは喜んでしたよ」
「そうか 普通に考えると酒屋さんから来るから余り考えないけど
元を抑えると利益が出るわけですね」
「うん しかしそれで何十億だってさ おいうちも地ビールやるか?」
「副社長 何十億と言うのは総売上で 純利益は少ないと思いますがね」
「そうかな 御殿場アウトレットに5万人来て10分の一で5000人じゃ
それに単価そして365を掛ければ約9億じゃ 一人3本4本だったら
それに徹底的に売り込むために CMキャンペーンもやるって言っていた
そうすると数字は跳ね上がるな当然 喜んでいたよ」
「へぇ~ 山ちゃんそんなどでかい手土産をプレゼントしたのか」
「おお だから余計嬉しいだろう 内藤社長は」
池上も奥村も少しうなだれ 元気がなくなったが
「二人とも山ちゃんを元気よく送り出さんか いい大人が揃って
しょぼくれて 新しい屋敷君をそだてろ」
「はい 分りました」
「よし では食べよう元気をだせ」
時田は池上と奥村にはっぱをかけ 自分にもはっぱをかけた
この3人の中で一番寂しがっていたのは時田かもしれない
時田が
「なあ 奥村課長 山ちゃんの昇進祝いだが アルタさんと合同で
どうじゃ 実は内藤社長も気にしていてな 相談があった 
あと催事でお世話になった取引先も居るだろう 気持ちよく
新天地で働いてもらう為に 区切りを付けてはどうかな
勿論 大きい催事を手伝ってもらう事は構わないが 屋敷君がいるし
どうかな?」
「そうですね 合同なら山ちゃんも一回で済むしいいと思います」
「池上はどう思う?」
「ええ私も奥村課長と同じ意見です そうすると会場探しですね」
「おお 例のホテルオートモはどうだね」
「へぇ~ ホテルオートモですか ちょっと手が出ないですよ ねぇ店長」
「ええ ハードルが高すぎますよ」
「うん 内藤社長の友人が宴会の統括をされていて 
その統括をしている人も山ちゃんを知っていて 内藤社長が理由を
話したら 特別価格で部屋を提供してくれると言うんだ
それで鈴やさんでもするのだったら一緒にどうですかと
そう言う話しじゃ どうだね奥村君」
「しかし そんなに甘えて良いんですかね」
「部屋を抑えるのに早く答えを出さないといけない」
「はい 分りました 乗らせて頂きます それで日時は」
「内藤社長も考えている 5月2日土曜日12時から3時間 先方は
全社員とはいかず課長以上出席を義務付け 全国で約40人くらい
集まるだろうと言っていた 我社は6,70位で100名じゃ
内藤社長は100人が150人になっても余り変りませんと言われ
ただ人数は早めに教えて欲しいと言っているので奥村課長
は早急にリストを作るように ではいいな」
「はい 分りました」
時田は携帯電話で内藤に電話をした 挨拶をし頷いていた 終ると
「おお 200人で行きましょうと言ってくれた 先方は70名
我社は130名 奥村課長 頼んだよ」
「はい 分りました それで会場費は?」
「それは心配するな ワシとアルタの内藤さんで持つ
みんなの食事代は3万 飲み物別 これもワシらじゃ」
「へぇ~ そんな」
「ご祝儀は全部山ちゃんに渡す いいね ポケットに入れたら駄目だぞ」
「はい 分りました 募集を掛けるのに一人幾らで募集をしますか」
「しなくともいだろう ホテルオートモにただで飲み食いするのは
来ないだろう 無しだ 奥村課長メモだ 本社 銀座を合わせ
部長以上は40人くらいだな」 
「はい 42名です」
「うん 一人5万円以上のご祝儀を準備 これはワシの命令じゃ
そう書いてくれ それから会場費はワシとアルタの内藤さんの
折半も書いてくれ あとは 催事は何社来る?」
「大体ですが 30から40です」
「う~ん 80人」
「副社長 催事課で埋めますか」
「う~ん あと秘書課は課長 それと催事課 併せても10名か、、、
ニーナ・ニーナの筒井君を忘れていた 入れてくれ 
奥村君 どうかな催事課で5,60人は来るかな」
「ええ 大丈夫です 副社長名で出します」
「そうだな そうしてくれ そうしたら最低60名 催事課
あとワシが声を掛ける 池上店長も知り合いに声を掛けてくれ」
「はい 分りました 5人ほどで宜しいですか?」
「うん 食品関係がいいな ワシとバッティングしないように
うん ワシは飲料をあたる 池上店長は食べるほうだ 頼んだぞ」
「はい 分りました」
「池上店長 旅行会社は知らないか?」
「ええ大学の同期が日の丸旅行の常務をしています」
「おお 誘えるか」
「ええ うちにも入っていますし喜びます」
「うん 頼む 声を掛けてくれ それと
奥村課長がまとめ役でどうだ 池上君 他に適任者いるか」
「私も奥村課長でいいと思います 上を知っていますし」
「わかった では奥村課長 頼んだよ」
「はい 分りました それでリストは何時までに何方にお渡しすれば
宜しいですか」
「おお 最終的には奥村君と アルタの佐藤部長で突合せをして欲しい」
「はい 分りました」
「知っているな」
「ええ 存じ上げています」
「そうしたら 原稿を大至急作って23日の午前中にワシの部屋まで
極秘だぞ これは OK出したら 2,3日中に本人手渡しじゃ
ワシの分は5部作ってな ワシが渡すから それと池上君も5部だ」
「はい分りました 早速原案をつくり23日の午前中にお持ちいたします」
「タイトルは 神山君と田所洋子君を入れてくれ 命課通りに
それと アルタの命課も一緒だいいね そこは佐藤さんに聞けば分る」
「はい 分りました」
「祝賀会が終ったら みんなを会場に連れて行き買い物だよ」
「そうですね 山ちゃんが居ればみんな買ってくれるでしょう」
「しかし副社長 ご祝儀ですがどのタイミングで渡しますか」
「うん 考えておく わしが指示する」
「はい 分りました」
「さあ 残っている物を食べよう」
時田はこれで少し神山に恩返しが出来たと考えた
食べ終わり皆で帰るとき 山ちゃんは本当に前代未聞をよくやると
みんなで笑った 
「あっ 課長 お疲れ様でした」
「うん まだ終んないのか?」
「ええ やっぱ先輩が居ないと大変です」
「まあしょうがないな 頑張れ」
「はい 頑張っています あっ副社長 こんばんわ 店長もこんばんわ」
杉田はみんながニコニコしていたのでこれはあの話がまとまったと思った
この状況を早く田所に連絡したいが仕事に追われて出来なかった
「じゃあ 翔 頼んだよ 僕は少し部屋に居るが先に帰る」
「はい 分りました」


4月22日 水曜日 朝 上原
神山は目覚まし時計より早く目が覚めてしまった
隣りに祥子が寝ていると思い髪の毛を触った時洋子だと気が付いた
洋子は髪の毛を触られ 気がつき目を覚ました
神山と洋子は昨夜ベッドに入ってすぐに寝られず 何回か交わり
結局疲れ果てて睡魔が襲ってきたのは3時を廻っていた
神山は眠ったそうな洋子を抱きしめキスをすると洋子も答えた
「ねぇ またするの 気持ち良いけど こんな早くから」
「そうさ モーニングサービスさ」
洋子は跳ね起きて神山の上に飛び乗り 上からキスを浴びせた
神山の顔をキスで攻撃し終わると 今度は首 胸と下に下がっていった
洋子の手は神山のおちんちんをしっかりと握り 柔らかく触ったり
きつく握ったり 変化に飛んだ攻撃をしてきた
キスの攻撃がおちんちんにくると洋子は躰を入れ替え 大事な秘所を
神山の口に当て自分は手と口でおちんちんを攻撃した
フェラチオも上手になり吸いながら上下に動かし手の動きにも
変化を付けおちんちんをすぐに大きく硬くしてしまった
神山は目の前にあるクリトリスを舌先でつついたり 吸ったり噛んだりした
洋子は我慢できなくなると 躰を反転させ 大きくなった肉棒を
自分の秘所に納め腰を動かし始めた 神山も下から動きに合わせると
洋子はすぐに
「ああ もうだめ きたわ ああ きもちいい」
喘ぎ始めた 神山が更にスピードを速めると 
「だめよ そんな ああ あっ うっ だめ」
洋子の膣がきゅんと締まってきたので神山も我慢できなかった
「おお いくぞ」
そう言うか言わないかの時 洋子は躰をがくがくさせ神山の上に
倒れて来た 神山は下から思い切り突き上げ発射した
「うがっ うっ」
洋子は言葉にならない声を発して 躰の力が抜けていった
洋子が力を取り戻すと
「ねぇ 貴方がいけないのよ 私の躰こんな風にして 責任感じている」
「なにを?」
「こんな淫らにしたの 我慢できなくなったら どうするの」
「大丈夫だよ その前に一杯愛してあげるよ」
「ほんと 嬉しいわ」
「ほんとだよ」
「絶対よ私 今まで損したのかしら こんな気持ち良い事知らなかったし」
「そんな事無いだろ 分らなければ分らないで楽しみが続くでしょ」
「まあそうね だけどまだ あそこに貴方のおちんちんが入っている感じ
困ったわ ちょっと失礼」
洋子はおトイレに行ったが 歩き方がぎこちなかった
「大丈夫? 歩き方が変だけど」
「うん なんか挟まっているようで開いちゃうの貴方が悪いのよ 何回も」
洋子はそう言い扉をしめようをすませた
「洋子は普段朝ご飯をきちんと食べるんだろ」
「ええ でも平気よ」
「そうしたら 東京駅で軽くサンドイッチを食べようか」
「ええ 良いわね そうと決まったら早くしたくをしましょう」
神山と洋子は出かける仕度を済ませ 部屋を点検した
エレベーターで1階に行き洋子は改めてマンションの大きさや造りに
驚いていた マンションを出ると 洋子が
「ねぇ ここに泊まれるのは今日が最初で最後かも」
「えっ どうして?」
「ええ 母が居るとそう何回も外泊できないでしょ だから 勿論
出張で遠出する時やお友達と旅行の時は仕方ないけど だから寂しいわ」
「大丈夫だよ ちゃんと考えるよ」
「ほんと 嬉しいわ」 
「僕の部屋は仕事場だから 別な所でゆっくりできる 大丈夫」

神山と洋子はタクシーがよく通る道路に出ると直ぐに来た
行き先を告げると
「丸の内ですか 八重洲にしますか」
神山は八重洲口と伝えた
神山は洋子に今日と明日はゆっくり静養して 24日は何しろ
気になる資料を集めてもらう事にした 
ステーキの美味しいお店や 人気のレストランなど 食べ物関係や
ワインなど飲み物関係 出来ればフォークやナイフ 食器類など
普通ではなく個性がある人気がある そう言った条件で何でも
集めて欲しいといった プリントが大変だから会社でしなさいと伝えた
「わかったわ できるだけ頑張るわ」
「うん マイペースでいいよ 僕も整理するのに大変だからね」
神山と洋子はまだ目に見えぬ仕事が楽しく感じられた
東京駅八重洲口に着くと 新幹線の発時刻車を確認したら8時5分に
こだま号があり ロレックスを見ると充分時間があった
洋子に入場券を渡し 新幹線の改札を入った
「私 このまま貴方と一緒に行きたいけど だめね」
「うん 子供みたいにだだをこねて僕を困らせないでくれよ」
「ええ 母も帰ってくるし 貴方が居ない間は休養するわ でないと
大事な所 こわれちゃうもん 今も可笑しいもん 必死で歩いているの」
神山は笑いを抑えられなくなり 笑ってしまった
二人はハンバーガーやサンドイッチ コーヒーを買い求め
ハイチェアーに座り食べた 神山がビールを買ってきて
神山と洋子は乾杯をした
洋子の笑顔が美しく 見ていて飽きなかったし手放したくなかった
アレックスグループの話やファッションの話をしていると
新幹線に乗車する時間が迫ってきた
洋子が
「そろそろ時間よ 行きましょう 私はここで失礼するわ」
「うん わかった」
「じゃあ ゆっくり静養してきてね」
「ありがとう では行ってきます 24日は電話を入れます
今の格好できて下さいね では」
「は~い 気をつけてね」
神山と洋子はお互い手を振って別れた