7Hは470y Par4でこのコースで一番難易度が高いコースで
少し打ち上げの右ドッグレッグ 右はOBになっている
フェアウェイも狭く落としどころ勝負になってくる
風が吹いている時はボギーで上出来なホールだった
神山は右の曲がり角を狙ってドライバーを思い切り振った
ボールは右に出たが途中から左に向っていき山斜面の左ラフに入った
珍しいことが起こったので皆が
「よかったよ スーパーマンとは戦えないもん なあみんな」
「そう 私もスーパーマンとはやりたくないわ」
「神山さんも人間だったんだ よかたです」
神山は
「たまにはね 嫌われるから」
洋子は手堅くスプーンで打ってきた フェアウェイ真中で270y残
内野はドライバーで打ったがやはり力み左に行って神山の手前だった
高橋は洋子同様にスプーンで打ちフェアウェイ左 260y残
神山と内野は左に曲げたが距離は出ていたので 洋子が打った80y残
高橋もスプーンで打ち左にいきラフ70y残
内野は3アイアンで打ったが100y残してしまったがフェアウェイに
転がした 神山は5アイアンで出すだけでやはり120y残
神山はピッチングで打ったがグリーンオーバーしてしまい3オン
出来なかった 内野もピッチングで打ったがガードバンカーに捕まる
洋子は手堅く打ち3オンした 高橋も3オン 最初に内野が
バンカーショットでグリーンに乗せるだけだった4オン
神山がパターで寄せたがラインに乗らず2mを残した
洋子と高橋は2パットでボギーとした
内野は2パットでダブルボギーにしてしまった
神山は入らず3パットでダボになった
8Hは神山ボギー 洋子ダボ 高橋と内野は共にダボと
全員が崩れた
ここまで神山は+5 洋子+7 高橋と内野はともに+10のスコアだった
現状 神山が有利だが洋子が4のハンデが有るので2つ負けている事になる
「山ちゃん ハンデで田所さんに2つだよ 挽回しないと」
「うん 孝ちゃんもいいスコアじゃない」
「そんな ダボを2つも出していたら駄目だよ」
「そうです ボギーで来ていたのにダボ ダボではきついです」
9Hは160y Par3 池超えの軽い打ちおろし
ここはティーグランドの前が崖になっていてグリーンまで池があり
フェアウェイは左にあるがカートが通る狭い場所で
池を完全に越えなければ攻略できないコースだった
神山は6番アイアンで軽く打ってワンオン
洋子は4番アイアンでワンオンした 神山と洋子は共に昇り20y残
高橋は6番アイアンで打ち左のガードバンカーに入ってしまった
最後は内野だが 池ポチャの事は誰も口にしなかった 神山が
「誠二君 力まずに打てば大丈夫だよ」
この一言で高橋や洋子も
「うん 力まず ね 力まずだよ」
この時 内野はボールが池に飛び込む事しか考えていなかった
6番アイアンで打ったボールは30y位のところで池に入った
内野はその場でしゃがみ込み うなっていたが気を取り直して
打ち直し第3打となった
内野は今度5番アイアンに変え軽く振ったがグリーンに僅かに届かず
またしゃがみ込んだ こんどはまた6番アイアンに替えて構えた
打ち直し第5打だったがこれは池の真中に直撃してしまった
しゃがみ込んだ内野にキャディーが
「ヘッドアップが早くなっているわよ 頭を残せば大丈夫よ」
アドバイスがあり 打ち直し第7打はようやくグリーン右の縁に転がった
ほっとした皆が
「よくやった 偉い ギブアップしないところはアルタの星だ」
「よかったわね キャディーさんにお礼いった」
「そう 力むとだめ よかった」
神山と洋子はパー 高橋はボギー 内野は8オン2パットの10と
午前最後のホール結果だ
午前ハーフの結果は 神山+5 洋子+7 高橋+11 内野+17
結局 神山は洋子のハンデで負けている
午後のハーフスタートは11時30分で40分有った
レストランはまだ疎らで数組しか利用していなかった
神山達はビールをまず頼みおつまみを数点注文し ご飯類は
少しあとで注文すといった
ビールが運ばれて来ると高橋が
「では ギブアップしなかったアルタの星に乾杯」
「わあ 悪すぎですよ あんな なんとも無い池なのに」
「誠二 それがゴルフだ 甘く見てはいけない な~あんて だめだ
気を引き締めよう」
「神山さん 凄いわね 41って」
「いやいや まぐれさ 午後もこのまぐれが続けば良いけどね」
「神山さん あの時 9番ですけど 神山さんや高橋さん田所さんの
言葉は何にも聞こえなかったんです 悪魔と戦っていたんです
池という悪魔と だけど負けました あ~あ だめだ」
神山は洋子に
「そうとう昨夜の事が効いているね」
「ええ 効きすぎね」
「ここまで来ると 自分で建て直しをしないとね 人が言っても駄目だね」
「ええ 彼 午後から崩れるわよ きっと」
「うん まあ仕方ないさ」
神山は内野を見ると高橋と話しているが
内野はしょぼくれたまま頷くだけだった
神山は
「誠二君 ビールを呑んで元気だそう」
神山はそう言ってビールを追加した
おつまみやビールを呑み少し元気になった内野だが
「僕 日本酒貰います」
そう宣言して日本酒を注文した 高橋が
「山ちゃんは今日予定ある?」
「うん 午後が終ったらここで呑むと運転があるから
東京で軽くって思っているんだ」
「うん ありがとう 上原に5時に帰れれば大丈夫です」
「うん まだ11時だし 2時には上がるでしょ そうすると1時間で
帰って まあ2時間位できますね」
「うん そうしたら風呂もなしにするか」
「しかし 女性もいるし」
「平気よ このままで 今日汗かかないから大丈夫ですよ ご安心下さい
着替えだけはさせて」
「そうしたらその計画で行きましょう」
「うん みんな呑むからね 大変だ 誠二君はもう駄目だし」
打ち合わせをしていると高橋がウエイトレスにご飯を注文した
内野は日本酒を追加した
「孝ちゃん そうしたら 上原の駅前寿司にしよう
日曜日だと すいているし」
「そうですね 僕らも電車近いですから そうしましょう」
神山はビールを呑みながらおつまみを食べた
「この時間だともうハーフ廻れるね」
「そうね この時期だから廻れるわね」
「又 来よう」
「ええ 風が無い日に」
「今日はこのスコアだけど風が有ったら 5つくらいは落とすね
ここ難しいもん」
「ええ 結構フェアウェイが狭いですよね 風があったらラフで駄目ね」
「うん」
神山がそろそろご飯を食べたいと思っていると4人前の定食が
運ばれてきて早速食べた
内野はまだ日本酒が残っているので呑みながら食べていた
食べ終わると11時15分になっていた
みんなは10Hのベンチに座って 神山はタバコを吹かし気分を
落ち着かせていた
キャディーさんがカートを持って来たので神山は人がいないとこで
素振りをしスイングチェックをした
前の組が打ち終わったので 神山がティーグランドにティーを差し
打つ準備をしていた
10H530y Par5 いきなりロングだが殆どストレートな
コースだがフェアウェイは結構せまかった
神山は3オン2パット パー 洋子と高橋は4オン2パットのボギー
内野は乱れ 4オン3パットのダボ
11H440yPar4 打ち下ろしの左ドッグレッグ
神山 洋子 高橋3人はボギー 内野はダボ
12H390yPar4 打ち上げのストレート
神山 洋子は共にボギー 高橋と内野はダボ
13H160yPar3 打ち下ろしだがグリーンが
小さくバンカーがグリーンを取り巻いている
神山パー 洋子と内野はバンカーで苦労し共にダボ 高橋はボギー
このホールを終った時点で 神山は洋子にハンデを引いて1打勝った
14Hは全員がボギー 15Hは内野がダボ 他はボギーで上がった
16Hは池越えの170yPar3
神山はグリーンを外しカップまで20m 洋子はグリーンと池の間
40y残 高橋は飛ばしすぎてグリーンオーバー45y残
内野は池に2回入れて打ち直し3回目で5オンさせた カップまで25m
内野が寄せたが入らず2パットで7つ叩いてしまった
洋子は寄せたが入らずパーで上がった 高橋はちょろして
3オン1パットのボギーだった
神山が打つ番になったがなかなか打たなかった
構えてから暫くするとパターが自然と出てスライスラインに乗って
チップインバーディーをとった
「すごいぞー やったね」
みんなが喜んだ
17Hは比較的やさしく神山 洋子 高橋はパーで上がり
内野はボギーになってしまった
最終ホール18番は比較的やさしい打ち下ろし 540y Par5
神山はドライバーで思い切り振ると左に出たので少し右を向いて
思い切り振りぬいた ボールは左には少し行ったがOBラインのそばで
ラフに捕まった
神山はこのホールバーディーで上がると今までに出した事がない
初めての70台それもぎりぎりの79と凄いスコアを残す思いで
ドライバーを思い切り振り抜いた
洋子と高橋はフェアウェイに打ち安全策ととった
内野は左のラフに打ち込んだ
内野が最初に第2打を打つがこれも左のラフ 又 打つが
バンカーに捕まったりして結局8つ叩いて上がった
洋子と高橋は確実にボールを運んだがグリーンでてこずり
共にボギーとした
神山は深いラフからだったが上手に出して
3オン2パットのパーで上がった
全てのホールを終った4人は挨拶したが内野が気分を悪くして
化粧室に飛び込んでいった 暫く出てこないので高橋が様子を
見に行ったが高橋が
「ねえ 内野を少し休ませるよ だめなんだ」
「うん良いよ」
「それでさ 僕らはあとで車で帰る事にするから
先に出てくれるかな 賭けの清算は後日でお願いします」
「うん いいよ ここのプレー費や食事は」
「うん うちでもつ事になっているから心配しないで」
「しかし 大丈夫かな 待っていてもいいよ」
「だけど車汚したら 大変だしね」
「うん 分った そうしたら 受付に二人分清算終了としてもらえる?」
「うん 了解」
「軽く汗を流して着替えるから」
「ほんと ごめんなさい よく言っておくよ」
「昨夜寝ていないんだと思うよ」
「うん 多分ね 楽しかったのにごめんなさい 埋め合わせはします」
「うん ではお願いします」
神山と洋子はそれぞれ更衣室で着替えフロントに帰ってきた
「お疲れ様でした 大変な事にならなければいいけど」
「うん 3時間も睡眠をとれば元気になるよ 大丈夫だよ」
神山と洋子はキャディーバッグを車にしまいながら内野の事を案じた
「よし 帰りは僕が運転するよ」
「はい 分りました」
神山は東名高速御殿場インターに入ると飛ばした
来る時 洋子が癖があると行ったが高速では分らなかった
「ねぇ このまま渋谷で 冷蔵庫を買うか?」
「ええ 洗濯機もあまり大きくなくて良いと思うわ」
「渋谷の家電量販店で台車を借りれば何とかなるし」
「そうね 地ビールも冷やせるしね」
「うん あとは湯沸しとレンジがあれば大丈夫なのかな?」
「そうね ガステーブルはお料理を作る時でしょ
でも小さい一口コンロはあっても良いかなと思うわ
これから麺類を食べたくなった時とか 必要でしょ」
「うん そうだね ねぇ悪いけどメモしてくれる今の分
選べる時間があったら買おう」
「はい 分りました」
神山が飛ばしたので15時に渋谷で降りることが出来た
そのまま家電量販店の駐車場に入り売場に行った
最初に冷蔵庫をみて中型を買い洗濯機を見ることにした
色々とあったが あまり小さいと洗濯物が入らなくなるので
これも中型を買った冷蔵庫が8万円で洗濯機が5万円だった
店員に訳を言って台車をかり 代々木のマンションへ向った
市街地は日曜日とあってそんなに込んでいなかった
マンションに着くと 台車を利用して冷蔵庫 洗濯機を自室に運び
直ぐに家電量販店に戻り先ほどの店員に台車を返した
「さあ 湯沸しとレンジとガステーブルか」
「ええ あとは無いと思います」
神山は湯沸し2万円 電子レンジ7万円 ガステーブル3万円を
買って車に運んだ 売場に戻って
「扇風機はどうだろう 必要ないかな」
「う~ん どうでしょう その時で良いでしょ」
「は~い 分りましたぞ そうだね」
「あと コンセントが足りないしこまごました物を買おう」
神山は延長コードやコンセントを買い求めた
コード類だけで1万円したので
「こんなに高いんだ」
と驚いた
神山と洋子は直ぐに代々木のマンションに戻って荷物を運んだ
「ねぇ まだ時間あるでしょ」
神山は時計を見ると16時30分だったので
「うん あるよ」
「そうしたら食器類を買いましょうよ 渋谷だったら一杯お店が在るし」
「うん」
神山は渋谷で有名な食器店に行き店内を見渡した
「洋子 僕はこうやってセット物でなくてお皿一枚ずつ
違った物が良いな 例えば このこ皿のように同じ大きさでも
色々と楽しいでしょ」
「ええ 普通の白いお皿とか 青磁風のお皿より楽しいわね」
神山の提案で色々と買い揃え全部で4万円したたが
「グラスは高いのにしよう」
そう言って ビールのグラス2万円 ワインのグラス5万円
日常使用するのグラス 1万円 を買った
「そうしたら 洗剤なども買いましょうよ」
「うん そうしよう」
このお店では取扱が無いので 台所小物雑貨を扱ってるお店が
そぐ傍だったので グラス類を車に積んで台所用品や
洗面所用品 浴室用品をかった
全部で2万円も掛かってしまった
「こやって揃えると結構かかるんだね 上原はちょこちょこと
買っていたから分らなかったけれど」
「掛かるわね 私もビックリしたわ」
「大袈裟に言うとこれで生活できるね」
「大袈裟でなくて大丈夫ですよ 出来ます」
神山と洋子は代々木のマンションに帰ると神山が
「このカード 1枚だからもう1枚必要でしょ」
「ええ 出来たらその方が助かるわ」
「そうしたら 管理人さんに聞いてみるね」
神山は管理人室に行って話すと
「はい すぐに出来ますが5万円の保証金とカード制作費で2000円
掛かりますがどうされますか」
「はい ではすぐに作ってください」
神山は財布から52000円出し渡すと暗証番号を聞かれたので
伝えると 5分も掛からないで出来上がってきた
部屋に戻って包装紙を片付け始めると電気屋がきた
ドアホンで確認を取り1階の自動扉を開けて 玄関も開けておいた
直ぐに家具屋が来て同じ様に1階の自動扉を開けた
どちらの配送も大変だと感じた管理人が少しの間ドアを開放して
その間に配送車から1階のロビーに移していた
部屋の中はごった返し神山と洋子の居場所が無かった
しかし1時間もすると落ち着いてきてダンボールなど不要品を
片付け始めた
神山は電気屋を捕まえ 冷蔵庫や洗濯機に設定設置をお願いした
快く引き受けてくれ助かった 電気屋は不要になった
ダンボールを一緒に持って行ってくれた
暫くすると全部終わり 電気屋も家具屋も帰った
「ふぁ~ 素敵ね あなたの感覚ってこうなんだ」
洋子は部屋の中に配置された家具を見て
何処かのホテルにいる気持ちになった
神山はソファーに座ると 沈み込み気持ちよかった
「洋子 座ってごらん 気持ちが良いよ」
洋子はガラステーブルを挟んで反対側に座った
「ふぁ~ 気持ち良いわ 眠たくなるわ」
神山は寝室にいきベッドに横になった 上原と違って気持ちよかった
なにからなにまで新しいと気持ちがいいと思った
洋子は食器類を洗い始めるとガス屋がきた
1階ドアを開けると暫くしてまたドアホンが鳴ったので開け
ガステーブルの接続をしてガスがつくようになった
「ねぇ 洋子 忘れていたね カーテン」
「あっ そうですね 寸法を測って近いうちに買いましょう」
洋子は食器を洗い終わると 食器棚を拭き始めたので手伝った
全ての食器がデパートで陳列されているように綺麗に並べられた
洋子は再びソファーに座り見渡すと
「ほんと素敵よ 綺麗なお部屋に出来たわね 素晴らしいわ」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子に渡した
「さあ 新しい部屋に乾杯だ」
「ええ おめでとうございます わたしもがんばるわ」
「うん 頼んだよ」
洋子は嬉しそうに地ビールを呑んだ
「洋子 今日買い物全部で 幾らぐらいだった」
「ええ 46万円使ったわ カードの保証金も一緒だけど」
「ありがとう そやって直ぐ出てくると」
「だって もう癖ね これは職業病でしょ」
二人は見詰め合ってわらった
「気が付かなかった もうこんな時間だ 何か食べにいこう」
神山は時計を見ると21時になろうとしていた
「そうね いいわよ 駅前寿司で」
「そうするか 車はここに置いといて 明日僕が会社に乗っていこう
そうすると 今夜はゴルフバッグはここに置き近いうちに移動
洋子もそれで良いよね」
「ええ 大丈夫よ 当分使わないわ」
「近くにゴルフ練習場が在ればここでも良いけどね」
「探して置きます」
「ありがとう」
「洋子 気を悪くしないでほしいんだが この部屋の出入りは自由さ
しかし無断使用は控えてくれ お願いします 色々と大変だから」
「ええ 大丈夫よ 私がここを勝手に使って何か起きたら大変です」
「うん ありがとう そう言ってもらえると助かるよ
それと 幾ら大事な商談相手もいれない ここは二人だけしか知らない
内藤社長は知っているが ほかは誰も知らない いいね」
「はい 分りました 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「そうしたら バッグ類を持って来よう」
神山と洋子は下に行ってバンからゴルフバッグを取り出し部屋へ
持って帰った
「そうか この中に肌着があるね」
「ええ だけど明日会社から持って帰ります」
「なんか便利そうだけど 不便だね」
「ここは 代々木ホテルと位置付けすれば 迷わないわよ」
「代々木ホテルか そうだね そうすると専用の浴衣が必要だね」
「ええ 時間を作って買いましょ」
「うん ではこのボストンは車だ ごめんなさいね 行ったり来たり」
「ええ 平気よ」
「今夜はこれで大丈夫かな」
神山は癖で部屋中を見渡し
「では 行きましょう」
神山と洋子はタクシーで上原の駅前寿司に行った
日曜日なので家族連れが多いが 奥の座敷は空いていた
女将がビールを持ってきてくれた
神山が洋子にビールをグラスに注ぎ
二人はようやく落ち着き洋子が
「内野さん 大丈夫なのかな心配ですね」
「でも 何も連絡が無いから大丈夫だよ」
「内野さんって 杉田君に似てませんか 純情で素朴な感じがしたわ」
「そう言われると なるほど似ているね 二人とも飾り気が無いからいいね」
「あなた」
「うん」
「もう内野さん 私たちとゴルフしないわよきっと あなたが苛めたから」
「おいおい 遊んでくれないなきっと 洋子しかいないか相手は」
「そうね 二人で日本中のゴルフ場を廻るのも良いでしょうね」
「うん プラス1日でいいからね 3日の仕事だったら4日目にはゴルフ」
「ええ バッグも送れるし便利になってますから」
「これから 仕事の時はそうしよう」
神山と洋子はゴルフの話で盛り上がっていた 神山の携帯が鳴った
「はい神山ですが」
「高橋です こんばんわ」
「やあ 孝ちゃん 誠二君は大丈夫?」
「ええ あれから少し酷かったんですが 3時間くらい仮眠させて
帰ってきました 本当にご迷惑をお掛けしました すみませんでした」
「良かったですね 大事にならなくて」
「ええ ありがとうございます それで 山ちゃんの明日の予定は?」
「うん 9時にご挨拶に伺いますが」
「うん 夜は」
「う~ん 分らないな どうして?」
「ええ 誠二君がお詫びをしたいって言っているんです」
「ああ 気にないでって 言うとよけい気にするな 今は忙しいって
そう伝えて 時間が出来たら連絡するし これから毎日会うと思うよ」
「そうですね 分りました」
神山は電話を切ると洋子に
「誠二君が気にしていて お詫びをしたいんだって やさしい子だね」
「ええ 貴方に申し訳なくてどうにもならないのよ きっと」
「そうだね 杉田と一緒だ 彼も後3日で先輩になるんだね」
「ええ 美術の屋敷君も結構 純粋で好感が持てるわ 催事課には
ピッタリの性格だと思うわ 返事はしっかりしているし」
「それはいつ調べたの」
「だって そんな探偵じゃないからしつこく付回してた訳じゃないわよ
すれ違った時とかの感じよ」
「そうか 気をつけよう いつ誰に狙われているか分らない訳だ」
「そうよ 貴方位になると みんなが注目するでしょうね」
神山も誰かに狙われている話をされると怖くなった
「明日は 8時30分にでてアルタだったね 部屋はどうなんだろう
使えるのかな 何か聞いた今日」
「そう言えば 何も話が出なかったですね」
「わかった 孝ちゃんに聞いてみるね」
神山は携帯で高橋に電話をした
「孝ちゃん 神山です 何度も済みません」
「いえ」
「明日の次長室の件だけどどうなっていますか」
「ええ 多分早めに出勤と考え7時に田中君が行きます
済みませんでした 先ほど言わなくて」
「そうしたら 7時30分に変更してください お願いします」
「はい了解です」
洋子に
「明日 7時に待っているからと言われても早すぎるから
7時30分にしてもらった だからその時間にお願いします」
「そうね 電話の設定とかいろいろと聞かなければいけないし
大丈夫ですよ ご安心下さい」
洋子は笑顔で言った
「次長室も楽しみだね どんな風になっているか」
「ええ しかし工場で見た時と違うでしょうね」
「うん 工場は広いけど 普通は狭い所で使うものだからね
なんと言うか味が凝縮されたといったら言いか まあそんなとこです」
ふたりはゴルフをしたせいか よく食べよく呑んだ
「そうだ忘れていた 東都食品 関東で有名な一流企業だけど
何でもいい 調べてくれる?」
「なんでもいい?」
「うん 出来れば内情だ いいね」
「スキャンダルを含めてですか?」
「うん そのスキャンダルでその後どう動いているかとか」
「はい 分りました」
「それと アルタから出る時に 土地と言ってくれるかな」
「えっ 土地?ですか」
「うん 内藤社長に聞くタイミングが無くて だから忘れていると困るから」
「はい 出ときに 土地ですね」
洋子は分らないけど神山が何かで動き出していると感じていた
ただはっきりとしていないので私にいえないのだろうと思っていた
「さあ こんなところかな」
「私 食べ過ぎたわ おなか一杯」
「僕もだ これはゴルフだね 健康でいいね 来週からはというより
30日から動くね 楽しみだ」
神山は最後の『楽しみだ』を言った時はどこか違う世界を見て
言っていると洋子は感じ取った もう動いているこの人は
「では 本日は色々とありお疲れ様でした ありがとうね」
「わたしも楽しかったわ」
「あす早いから帰ろう 代々木ホテル駐車場7時でどう 一緒にいこう」
「分りました 待っているわね お願い」
「よし決まった では帰るか」
「はい」
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