2013年3月29日金曜日

薔薇 5 - 30 Vol. 1



4月30日木曜日 快晴
神山は携帯電話の呼び出し音で起きた
時計はまだ7時になったばかりだった
「おはようございます 洋子です」
「やあ ありがとう もう直ぐ起きる所だった」 
「良かったですね ではこれだけです 会社で」
「うん ありがとう」
電話を切って冷蔵庫からビールを出しテラスに出てみた
爽やかな風が優しく躰をなで今日の昇進を祝っているように思えた
携帯電話が又なったので出てみると亜矢子だった
「朝早くからごめんなさい 亜矢子です」
「やあ おはよう」
「昨夜 電話したんだけど 出なかったから」
「うん 疲れたのか早く寝てしまった ごめんなさい」
「そう それで わかったわ 橘の事」 
「良かったじゃないか 理由は?」
「ええ 実は私への嫌がらせだったわ 酷いわね」
「なに それ」
「もう 以前になるんだけど 何回か彼から誘われていたの
だけど 私の好みじゃないし誘いに応じなかったの
で 私はお客さんと仲良く話をしたりしている物だからやきもちを
焼き それが原因だって言われたわ それで橘は厳重注意を受けたわ」
「しかし そんな事されても困るよな 酷い話だね」
「ええ 椿支配人もあきれていたわ ただ彼には5年程前に離婚しているの
そのあと彼女ができたけど 今年正月に分かれて それもあったみたい」
「困ったな 自分で蒔いた種なんだから亜矢子には関係ないのに」
「ええ これで解決したから 静かになると思うわ
また騒いだら 今度は首だって言っていたわ」
「よかったね」
「ごめんなさい 遅くなって おめでとうございます」
「えっ あっ ありがとうございます」
「頑張ってね それから宝くじのお金だけど こんどはちゃんと
一億五千万円 送るわ 私怖いわ」
「うん お願いします」
「近いうちに送金します」
「分りました それと亜矢子は合計4億だよね 今度は建てられるよ」
「ええ お話を待っています」
「うん では」

神山が電話を切るとドアホンが鳴っているので玄関に行くと
「おはようございます 起きた?」
祥子がモニターに写っていた
扉を開けて
「やあ おはよう 今日は早いね」
「ええ 昨夜は早めに切りげて帰って来ました お食事はまだでしょ」
「うん」
「だったら 今日は出来ているから食べていって」
「うん 10分位でいくよ」
「は~い 分りました 待っています」
神山はシャワーで髪と体を入念に洗い祥子の部屋に行った
和食が用意されていて
「美味しそうだね」
そう言い神山は冷蔵庫からビールを出して グラスを食卓に置き
祥子が座るのを待った 祥子が煮物を置いてテーブルに着くと
神山がグラスにビールを注ぎ乾杯をした
「おめでとうございます 頑張ってくださいね」
「うん ありがとう がんばるよ」
祥子は神山と久しぶりの朝食なので嬉しかった
一口食べては神山の顔をみてにこやかにしてまた箸を動かしていた
神山も久しぶりの家庭料理を有り難いと思って感謝していた
綺麗に食べ終わると神山と祥子は
「ご馳走様でした」
そう言い 席を立ち食器類をさげ神山はソファーに座ってお茶を飲んだ
TVをつけて見るとアレックス氏の来日とアレックスジャパンの事を
報道していた アルタや御殿場アウトレットの件は報道されなかった
神山は洋子に電話をしてアレックスジャパンの件を話をした
「ごめん 今日アルタに行くまでにアレックスジャパンの株や
売上など それに平行してアレックスJrの素行関係の記事を纏めてほしい」
「大丈夫ですよ ご安心下さい 出来ています」
「ありがとう さすがだ では会社で見せてもらうね」
神山の電話が終ると祥子がソファーに座って
「大変ね そこまでお仕事するわけ」
「うん こちらが仕事を優位に進めるには 相手を知らないとね」
「そうね 素晴らしいわね」
祥子は神山のほほに軽くキスをしてきた
神山は正面から唇を合わせ祥子を抱きしめた
二人はベッドに倒れ交わった
祥子は久しぶりと言って 寂しかったとも言った
久しぶりの肉棒を思い切り楽しんだ祥子はあっけなく昇天し
まだ元気な肉棒で再度 膣の中で楽しんだ
神山も今度は昇天してしまい祥子も併せるように昇天した
時計を見ると8時30分になったので部屋に戻る仕度をすると
「今夜は早いの?」
「全然 わからない 読めないごめんなさい 出勤は」
「ええ 9時ごろ出ますが」
「うん 僕はもうすぐ出かけるよ」
「そうね お仕事が広がったもんね 電話を下さい」
神山は頷いて部屋を後にし 出かける用意をし部屋を見わたした
久しぶりに地下鉄で出勤をし銀座に9時10分に着いた
次長室に入ると洋子が
「おはようございます ここに用意してあります」
洋子がソファーに着るものを並べて待っていた
神山がGパンを脱いでスーツのパンツを穿こうとした時洋子が
「これはご褒美です」
と言っておちんちんにキスをした
「大変なご褒美だ ありがとう」
神山はさっさと着替えると9時30分まであと15分になった
洋子も一番素敵な高額なスーツを着ていて
「はい 一廻りしてください」
神山は言われた通りゆっくり廻ると
「はい 異常なし 出かけましょう」

二人はお揃いのスーツで本社の秘書室へ向った
エレベーターを降りると皆が待っていて拍手が沸いているなか
神山と洋子は秘書室に行った
暫くすると秘書室長が
「これから 特別人事命課を行います」
そう発表されると神山は秘書室の部屋に入った
社長の権田三朗 副社長の時田 理事の西野 など理事が全員列席していた
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って東京本社次長を任命する
平成10年4月30日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
神山は社長の権田三朗から辞令を貰った
「特別命課
神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタの勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
今度の人事命課でアルタで働く事が許された
神山は特命辞令を社長の権田三朗から受け取った
列席していた理事たちから拍手が沸いた
社長の権田三朗が近寄ってきて
「神山君 頑張ってください 期待しています」
「はい ありがとうございます ご期待に添うよう頑張ります」
また拍手が沸いて 神山の儀式が終った
池上店長が
「おめでとうございます 頑張って ワシは銀座店があるから失礼する」
池上店長は屋敷徹の人事発令を行う為慌しく部屋を出て行った
銀座店の秘書課では当初の9時30分より5分遅らせ準備していた
池上店長が戻ると早速人事命課が始まった
「屋敷 徹 殿 右のもの 本日を持って販売促進部催事課装飾デザイナーを
任命する
平成10年4月30日 銀座店店長 池上 聡」
辞令を受け取った屋敷徹は早速催事課に行って待ち構えていた
スタッフに挨拶をした
杉田は神山のような上司がくると信じていたので驚いたが
逆に頑張る意欲が湧いてきた
一方本社秘書室では理事たちがさり社長の権田三朗と
副社長  時田清三郎 神山の3人だけになった
当面課題になる御殿場アウトレットについての方向性などの意見を
聞かれ 昨日洋子に話をした要点をわかりやすく説明した
社長の権田三朗は
「うん 素晴らしいアイデアだ 誰も考えつかないだろう なあ時田さん」
「ええ 私も始めて聞きましたが そこまで考えているとは
思っていませんでした」
「うん そうだ 何かこじれたらワシの名前を出していいぞ いいね
ただし これは勘弁してくれ」
社長の権田三朗は小指をだして笑いながら言った
「社長 外に私の秘書がおります お呼び致しましょうか」
「うん 頼む 会って見たいな」
神山は外で待っている洋子を呼び部屋に入るよう指示した
「おはようございます 先日神山次長の専属秘書を命じられました
田所洋子です」
「ほう 綺麗な方だ 神山君頼んだよ それにしても二人とも
いいスーツを着ているな 羨ましいな なあ 時田さん」
「ええ 私も神山さんが スーツで出席するとは思ってもいませんでした」
「実は初めてです スーツ姿は」
「ほう 普段は?」
「ええ Gパンにジャケット ノーネクタイです」
「そうか 倉さん流だな それでもこれだけの地位になったんだ
ワシもノーネクタイにするかな」
「しかし Gパンはちょっと」
みんなが笑って お開きになった
神山は部屋を出ようとした時に社長の権田から包みを渡され
「ワシからのプレゼントじゃ 有効に使ってくれ 頼んだよ」
「はい ありがとうございます」 
そして副社長 時田も包みを神山に手渡し
「これは ワシからの気持ちじゃ また足りなかったら来なさい いいね」
「はい ありがとうございます ご両人から頂いた物を有効活用いたします」
そう言い部屋を出ると秘書室で新しい名刺を貰った 秘書室長が
「神山次長 おめでとうございます こちらの名刺はアルタさんと話し
作りました」
神山は見てみるとアルタと鈴やの肩書きが入っている名刺だった
秘書室長が紙袋を用意してくれたので包みをその中に入れて
「室長 これから忙しくなりお手数を掛ける事が多くなります
よろしくお願いします」
神山は洋子と挨拶をして部屋を出て各理事のあいさつ廻りをした
各理事とも封筒を用意していて軍資金を差し出してきた
みんなに挨拶が終ると洋子の古巣人事課や秘書課に挨拶をして
エレベーターで待っていると人事課の先輩や安井がきて洋子に
「これ 神山さん おめでとうございます 洋子をお願いしますね」
神山は綺麗な色が混ざったバラの花束をもらった
「どうもありがとうございます 洋子さんはびしびし鍛えます」
みんなは大笑いして拍手をしてくれた
エレベーターで下がり次長室に向っているとすれ違う社員がお辞儀をし
挨拶されるので神山は頷き返した
神山と洋子は池上店長を訪れ改めてお礼をした
「頑張ってな 期待している なんでも言ってください協力します」
「ありがとうございます 頑張ります」
「そうだ 日本酒とビール 届いている ありがとうございます」
「どうでした」
「うん 美味しいよ 久しぶりだなあんなに美味しい日本酒は」
「良かったです では失礼します」
神山が帰ろうとした特 池上店長が包みを持ってきて
「何かと掛かるだろう これを足しにしてください 気持ちじゃ」
「はい ありがとうございます」
神山と洋子は丁寧にお辞儀をして店長室を出ると秘書課で
「神山さん おはようございます それとビール美味しかったわ」
「良かったです そのうちここで買えるようになりますよ」
「ほんと 嬉しいわ だけど神山さんがいなくなるんで寂しいわ」
「ははは ちょくちょく来ますよ 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「お願いね ちょっと待っていて」
そういうとデジカメを用意して 神山を中心に秘書課の女の子と
記念撮影をした
「田所先輩も入ってください」
洋子が神山の隣りに入ってもう一枚記念写真を撮影した
「ありがとうございます」
神山は手を振って秘書課をあとにすると販促部長席に行き挨拶を済ませた
色々と挨拶回りをして最後に催事課についた
部屋の中は屋敷の加入で賑わっていて
「部屋の中が騒々しいね」
「ええ 新しい屋敷君でしょ」
神山と洋子はそう話して入っていくと更に騒がしくなった
「やあ 山ちゃんじゃない 次長 おめでとうございます」
「いいですよ 課長 山ちゃんで」
「しかし 凄いね 人気だね」
「えっ」
「うん 社内から神山次長はおられますかって さっきから電話が多くてね」
「まあ 勘弁してください」
「山ちゃん それにしても格好いいね 決まっているよ」
「そうでしょ 洋子さんと一緒ですよ」
「そうだね ほんと田所さんもなんか凄く綺麗だよ 眩しいよ」
そこへ屋敷が近寄ってきて
「神山先輩 おめでとうございます 神山先輩に負けないよう頑張ります」
「うん 頼んだよ 翔を兄貴と思ってしっかり支えてな いいね」
「はい 分りました ありがとうございます」
そう言いお辞儀をしていると後ろから杉田が
「先輩 おめでとうございます 逆だったのでビックリしているんですが
先輩の名を汚さぬよう頑張ります」
「うん 頼んだよ 翔ならいい兄貴になれるよ ねぇ洋子さん」
「ええ 大丈夫ですよ やってくれるわよ」
「はいありがとうございます」
今度は倉元が
「おう 山ちゃんおめでとうございます 頑張ってな ワシも応援するよ」
「はい ありがとうございます ところで筒井さんの件 ご存知ですか」
「ああ 倒れたんだろ 今朝聞いた 昼からいこうと思っている」
「そうですか 昨日伺ったんですが 夜に電話がありまして
今週中には退院出来る事になりました」
「おう そうか よかったなそれは」
「ええ まだ細かい所は判らないそうですが勤務に支障が無いみたいです」
「うん ありがとう 山ちゃんも働き過ぎるなよ」
「ええ 時間を作って休みます」
「うん それと日本酒が届いた ありがとうございます」
「あの日本酒をここで買えるようにしたいんです 練っているところです
内緒ですよ」
「おう そうか楽しみが増えるな 分った内緒だ」
みんなと挨拶を終えて部屋を出るとき由香里が
「これからも頑張ってね 応援しているわ」
そう言い花束を神山に渡した 少し目が潤んでいた
「ありがとうございます 隣りなんだから元気出して」
由香里は何も言わずお辞儀をして催事課の部屋に戻った

神山と洋子はようやく次長室に戻るとソファーに座り洋子に
「ねぇ 洋子 ご苦労様でした コーヒーをくれる」
神山は本当に疲れ果てた 洋子がコーヒーをだすと一息で飲んで
「ビールが良いや ビールを下さい」
「は~い 分りました ゆっくりしてくださいね」
神山はどうしてこんなに疲れるのか判らなかったが
交わりの事を思い出した
昨日は朝早くから亜矢子 昼から洋子 そして今朝 祥子と
休んでいなかった なるほどと思った
神山は次長席に置いた紙袋から包みや封筒を取り出しあけた
すべて現金だった
社長の権田は現金1千5百万円と東海4県ガソリン無料カードが入っていた
副社長の時田は現金1千万円 西野理事からは現金300万円と
首都高 東名、中央高速の無料カードが入っていた
その他の理事11名も各300万円入っていて本社で合計6100万円
神山は驚いて 洋子に積み上げた札束を見せると
「なに これ 凄すぎるわね 私が知っている限り 多くて7百万よ
けた違いね ふぁ~凄い」
神山は更に池上店長の包みを開けてみると1千万入っていた
積み上げると洋子は
「なんて額なの なんか信じられないわ」
結局7100万円のご祝儀が有った事になる
神山はそのうちの1千万円を取り洋子を呼ぶと
「これは臨時ボーナスだ 受け取ってください」
「へぇ~ だけどこれは軍資金でしょ」
「大丈夫だよ 任せなさい 受け取らなければ僕が貰うよ」
「はい 分りました 頂きます ありがとうございます」
「うん よし それで僕は1千1百万円を貰う いいね」
「はい 分りました」
「それで 残った5千万円だけど 代々木に1千万置いておきます
あと 2千万づつ保管 頼みます」
神山は洋子に2千万円を渡し残った2千万円を自分の引き出しに入れた
「あ~あ くたびれた」

次長席で背伸びをしていると洋子が
「お休みになられるんでしたら着替えて方が良いわよ」
「そうだね そうだ洋子 ニーナ・ニーナにいこう」
神山は着替えるとそのまま横になるのでカード入れを買いに
ニーナ・ニーナに向った
店内に入ると女性の社員が
「神山次長 おめでとうございます」
と挨拶されるので 頷いて挨拶を返した
ニーナ・ニーナには祥子もいて神山を迎えたがビックリした様子で
「ファッションショーのモデルより素敵です 良かったです着て頂いて」
「うん ありがとう 実はカード入れを買いに来ました」
祥子はいくつか見せ神山は札入れと同じつくりのカード入れを買った
帰る時に祥子が神山と洋子に
「済みませんが記念写真を撮らせて下さい」
と言われ 神山と洋子が並んだ写真を何枚か撮影した
「筒井もこれで満足してくれると思います ありがとうございます」

神山と洋子はお辞儀をしてニーナ・ニーナをでて次長室に戻った 
「あ~あ ようやく前半戦終了だ」
「そうですね 後半戦が控えていますよ」
神山は時計を見ると12時少し前だったが
「洋子 築地にいこう 催事課の若いの連れて」
「ええ いいわ」 
神山はGパンに着替え 出掛ける仕度をして
催事課に行ってみると皆がいて
「あれ これからアルタに行くんでしょ」
杉田が着替えをした神山に言った
「うん 翔 屋敷を誘って築地にいこう」
この声が聞こえたのか参加者が増えた
結局 倉元 杉田 屋敷 由香里 神山 洋子の6人になってしまった
2台のタクシーで銀座築地 寿司屋いせ丸にきた
神山が入ると女将が
「神山様 ご昇進おめでとうございます
何時もご利用をありがとうございます」
「ありがとうございます 今日は新人を連れてきましたよ」
女将が奥の座敷を案内してくれた
部屋に入り 神山と洋子が上座に座って落ち着くと
女将がビールとおつまみ 鮮魚を運んできた
倉元の音頭で乾杯が行われた 神山は
「倉さん 僕は早く出ます ここに10万入っていますので
お会計をお願いします 足りない分はあとでお返しします」
「おう 余ったら呑んじゃうぞ」
「ええ 構いません」
二人は相談が済むとみんなで屋敷と杉田をもちあげ楽しかった
盛り上がって話をしていると倉元が小さな声で
「ところで山ちゃん 秘書室で何かあったか」
「いいえ別に 社長の権田さんと副社長の時田さんと雑談程度ですが」
「そうか いやね 先ほど副社長の時田さんから電話があって
社長の権田さんが大変喜んでいる 倉さんありがとうって
こちらは訳がわからず はい ありがとうございます だよ」
「もしかしたら スーツで行ったところ 時田さんが
スーツ姿を私は初めて見ました と言われ 普段はGパンに
ジャケット ノーネクタイですって言われたんです そしたら
倉元流かって言われて Gパン穿いてもここまでくるって
そこじゃないですか だって社長の権田さん おれもこれからは
ノーネクタイだって そう言われてましたよ 冗談でしょうが」
「おう そうか 仕事はスーツじゃない これが分ったんだね」
「ええ そうだと思います」
時計を見ると12時30分になっていたので洋子に
巻物などご飯類を頼んでもらった 倉元が又小さい声で
「山ちゃん 由香里姫を頼むよ 誘ってくれ」
「駄目なんです 洋子さんにばれました 倉さんの事も
金輪際駄目なんです」
「そうか オレしかいないか よし頑張ろう しかしな酒呑むと
元気が出ないんだ 困ったな」
「済みません 頑張ってください」
「おう しかし困った うん」
ふたりでこそこそ話をしていると由香里が
「なに こそこそ話しているの いやね」
「うん 由香里姫が今後大変になるって そんな事です」
「山ちゃん だめよ そんな」
「だって 若いの増えれば翔で大変なのにね 大変でしょ」 
「そうね」
「だから 埋蔵金の話をしていたの で倉さん鈴や装飾に
10万預けてありますから 使ってください」
「おう わかった 使うよ」
「なんか変ね 怪しいわ」
この席では由香里は洋子と離れて座っていた
洋子はもっぱら杉田や屋敷と話をしていた
神山と洋子のご飯類が運ばれ 
「すみません あとが有りますのでお先に頂きます」
二人は食べながらも話をしていた 賑やかで笑い声が耐えなかった
「倉さん お先に失礼します」
神山と洋子は寿司屋を出るとタクシーで部屋に戻った

「どう 楽しかった」
「ええ 若い人って いいわね」
「うん翔はいい奴だから 屋敷君も伸びるよきっと」
時計はまだ13時になったばかりだった
洋子が作ってくれた資料を次長席でコーヒーを飲みながら目を通した
分らない事が有ると洋子を呼んでそれでも分らない時はPCで調べた
神山は 
「よし 作戦は出来上がった どう出てくるか楽しみだ」
そう言ってタバコを吹かしていると洋子が目の前で着替え始めた
神山は黙ってみていたが自身も着替え始めた
Gパンを脱ぐと元気になっているおちんちんを洋子が発見して
「まあ いやらしい 早く小さくしてよ 間に合わないわよ」
「うん でもな」
洋子は神山に近づきおちんちんを撫でたと思うと思いっきり叩いた
「なにするんだ 痛いよ」
「ほら 小さく成ったでしょ」
言われると今の衝撃で小さくなっていた
「感謝してもいいでしょ」
「わかった ありがとうございます」
神山と洋子はお互いのスーツを確認しあって異常がなかったので
部屋を出ると催事課の倉元と由香里にばったりであった 倉元が
「おう 山ちゃんこれからか そうだこれお釣り」
倉元は現金と領収書を神山に渡すと
「何とかするから 気にするな」
と小さい声で耳打ちしてきた 神山は大袈裟に
「ありがとうございます」
と深々と頭を下げてその場を後にした
ホテルの地下駐車場から貴婦人をだし
アルタまで運転するのは神山だった
渋滞に捕まる事無く文京区のアルタ本社に着いた
時間はまだ充分あったので受付嬢の小谷は仕切りのある
待合室を案内して神山達は待った
しかし約束の14時を過ぎてもなかなかお呼びが掛からないので
洋子が小谷に訳を聞きに行くと 
「外人のお客様とお食事にいかれ まだ戻って来られないんです」
小谷も少し不安になっているところへ内藤社長たちが帰ってきた
一緒だったのはアレックス氏と夫人 アレックスジャパンの
アレックスJr社長と副社長ボーン シュナイダーといった面々だった
神山と洋子は待合室で随分と待たされたが 小谷から
「お待たせして済みませんでした こちらへどうぞ」
といって7階の秘書課に案内され待たされた
秘書課課長が神山と洋子を呼んだので社長室へ入った

社長室は先日の役員が全員並んでいた 内藤社長が辞令を読み始めた
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
神山が一歩でて人事命課を頂き下がろうとすると そのままでと言われ
「特別命課 神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って
株式会社鈴や東京本社勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
神山は今度は下がって 洋子のところに並び待つと洋子が呼ばれ
「田所 洋子 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務 神山 龍巳の専属秘書部長を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
洋子も下がろうとするとそのままでと言われ
「特別命課 田所 洋子 殿 右のもの 本日を持って
株式会社鈴や東京本社勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
これで正真正銘2つの会社で勤務する事ができるようになった
辞令交付が終った時に役員から拍手が沸いた
神山と洋子は皆にお辞儀をして挨拶をした
内藤社長が近寄ってきて
「これから直ぐにアレックスグループと会います まず挨拶をお願いします」 
「はい 分りました」

内藤社長と神山と洋子は6階の応接室に入ると
ソファーに座っていた4人が立ち上がって内藤社長を迎えた
「ではアレックス氏 私どもの強力な人間を紹介します
さあ 神山さん田所さん どうぞお入りください」
神山と洋子が部屋に入った時 アレックスグループは皆驚いた
「おお あのときのあなたか」
神山はこうなる事を予測していて
「脅かすつもりは全然無かった ただお会いした時はアルタの社員では
なかった しかし今はアルタの社員です よろしくお願いします」
アレックス氏が
「貴方なら 知っている 全てを任せることができる」
「素敵だったわ ここでお会いできて幸せよ」 
アレックス氏の夫人が言った
洋子と夫人がアレックス氏と神山が抱き合って再会を祝った
内藤社長も訳が分らなくて どう進めるか神山に任せた
アレックス夫妻の挨拶を終ると 今度はJrとボーンの
アレックスジャパンとの挨拶になった
Jrは
「もう 投げないでくれ 柔道が素晴らしいスポーツと分った」
「うん もう投げない しかし御殿場アウトレットが順調に
進まなかった時は投げる」
「もう いやだ 神山の強さは充分分っている」
「わかった そうしたら私をアレックスジャパンの最高顧問にしなさい
私は部下を一回も投げた事が無い どうする?」
「私より 権限があるのか」
「当然だ 貴方の努力が足りないから日本のマーケットでは
どんどんと下降線を描いている これでもいいのか
私は御殿場アウトレットを基盤にして業績を良くする 
これでも分らないか」
神山は洋子に作ってもらった資料を見せ悪い所を説明し
最善策を分りやすく説明した
「少し待ってくれ 父親と相談する」
アレックスJrはアレックス氏と相談したが父親は
「おまえは 神山さんに負けたんだ 今の話を聞いていても
きちんと整理され分りやすかった
短時間でこれだけ業績分析を行ったのは珍しい 
私は彼が社長でもいいと思っている
彼は絶対に会社を再建してくれる 彼の言う通りにしなさい」
アレックスJrが神山に
「お願いします 再建してください」
「わかった 会社の対外部についてはアレックスJrでいいが
決定権は全てこの私にある それでいいな」
「任せる」
神山は洋子に今のことを全て書いて大至急契約書を作ることを指示した
洋子は事の成り行きを全てメモを取っていたので直ぐに文章に出来た
原案ができるとJrに見せ 頷くとアレックス氏に
チェックしてもらったが
「神山さん 貴方だったら社長でもいい 迎えたい 考えてくれ
ここにかかれた事にはOKだ 頼んだよ」
神山は頷き 内藤社長にタイプ室を教えてもらって洋子が
契約書をタイプした 待っている間にアレックス氏と雑談した
「いつまで日本にいますか」
「うん 3日くらいはいてゆっくり骨休めをする」
「この間 踊りすぎたんではないか」
「いや 良かった 洋子のお尻は最高だ」
それを聞いていた夫人から
「また そんな事ばかり言っているわ」
3人は大笑いした Jrとボーンはしょぼくれて元気が無かった
洋子がタイプした契約書を2通持ってきた
要約すると アレックスジャパンの最高責任者は神山龍巳であること
人事権を含む全ての権限があること アレックスジャパンの
全てのメディア対策制作権限はアルタが行うこれは御殿場アウトレット
だけでなくアレックスジャパンの商圏全てにこの権限が最優先される
以上  この契約は1998、4、30から効力を持つ
この契約に違反した場合は 神山 龍巳の人事権が発令される
アレックスジャパン アレックス氏 神山 内藤社長 のサインが
出来る様に下をあけてあった
神山はまずアレックス氏に見せOK JrもOK 内藤社長もOK
全員が サインする前に神山がアルタの会議室で
この契約書を交わしたと自筆で追記した
まずアレックスジャパンの両名 アレックス氏 内藤社長 神山と
サインをして 立会人として洋子の名前もサインさせた
神山は2通のコピーを洋子にお願いし またアレックス氏と話をした
御殿場アウトレットの概要を話すと喜んで協力すると言った
「そうしたら その広場にF-1を飾っても良いね」
「そうですね その下のレベルでイベントを考えていきましょう」
「うん 来年が楽しみだ」
「我社も頑張って業績はいい しかし利益はけた違いなので
資金は全て出してほしい わたし達は能力を提供する」
「構わない 神山さんに全面的に資金協力する」
「契約書は作るか」
「そんなもん入らない 日本は任せた 神山さんとアルタさんに」
話が終ると洋子が原文をアレックスJr 神山 コピーを
アレックス氏 内藤社長に渡し封筒を一緒に渡した
そろそろ時間だから帰ろうとするアレックス氏に
「私の就任パーティーが2日12時にホテルオートモで行うが
参加されますか?」
「うん 宿泊しているから顔を出すよ」
「1分のスピーチをお願いできますか?」
「おう たった1分か するよ」
アレックス氏はウインクして
「夜 踊っているから寝ているかも分らない 起こしてくれ
部屋の番号は 2011号室だ 頼んだよ」
「ええ ホテルの人間がお迎えに伺います」
「うん 楽しみにしている では失礼するよ」
神山とアレックス氏は抱き合って別れ 夫人も洋子と抱き合って 
別れる時に
「早く一緒になりなさい いい男よ」
「ありがとうございます 頑張るわ」
夫人がウインクして別れた
アレックスJrも
「ボス 頑張るから もう投げないでほしい」
笑顔で握手した ボーンも
「ボスには従うから投げないでくれ」
こちらも笑顔で握手して別れた





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2013年3月24日日曜日

薔薇 4 - 29 Vol. 3



神山は立ち上がって洋子に全然平気と言うと洋子も立ち上がって
「ほんと 直ぐ下が見えないのね 楽しいわ」
洋子の緊張がほぐれたとみてキスをした
「だめよ 誰か見ているわ」
「大丈夫だよ 見えないところだから」
洋子は気がつき抱き返してきた
神山のおちんちんが大きくなると
「やだ~ もう大きくなっている ふぁ~すごい ふ~ん」
洋子はおちんちんを手で弄んだ
神山は
「そんなに僕ばかり 洋子のここはどうなっている」
神山は秘所を触ってみるとまだぬめぬめになっていなかった
クリトリスを柔らかく触りなでて乳首を吸ったり愛撫していると
「ああ あっ きもちいい あっ あ」
洋子は気持ちがよくて腰を引いたり前に出したり動かし始めた
神山が小さなつぼみを強く動かしたりすると
「あっ あっ うっ うっ~ だめ 行きそうよ だめったら」
さらに周りを触ったり強く愛撫すると
「あつっ あうぅ あぅ~ いくわ だめってば あっ」
余った指をヴァギナに挿入するとぬめった体液で溢れていて
「あっ うっ うっ~ あつっ きたっ あぁ~」
洋子は昇天して体から力が抜けて神山に寄りかかった
神山は優しく抱いて 湯船につかった ジャグジーを使うと
「ふぁ~ 又 くる 当っているの あうぅ あぅ~」
神山は小さなつぼみを又 責めた
「あっ うっ うっ~ あつっ きもちいいわ い・く・わ」
更に 指を膣に入れ少し動かすと腰を動かし始め
首を後ろへ反らして昇天してしてしまった 
「はあ ふぁ だめ ジャグジーとめて お願いだから
体が壊れる お願いします」
神山は洋子の訴えを聞きジャグジーをとめると
「はあ 気持ちいいけど だめよ 体が壊れるわ」
洋子か神山にキスをした
「ねぇ ごめんなさい わたしばかり」
「うん いいよ 気にしないで」
「でも気持ちよかったわ 初めてです こんな事したのも」
「そうか だと これから始めてばかりだよ」
「そうね でも心配していないわ 貴方は優しいから大丈夫ですよ」
「今度 温泉の元とかを買って入浴しよう
また雰囲気が違って楽しいよ」
「そうね 時間を見て買っておきます」
「うん 今日は箱根 明日はラベンダーと変われば楽しいよね」
洋子は神山に寄りかかり幸せそうにうっとりとしていた 
「さあ 布団にいこう」
「ええ」
神山と洋子はバスタオルを巻いて寝室に行った
レースのカーテンを閉めて二人は抱き合った
神山はまだ経験が浅い洋子に 優しくゆっくり時間を掛け
膣を最高の状態にした
「入るよ」
「ええ きて 待てないわ はやく~」
腰を振って催促してきた
神山がゆっくり入るとぬめった体液が溢れ出ていてスムースに入った
洋子は喘ぎ声を大きな声で出し
神山がスピードを速めると体を反らして昇天してしまった
それを合図に神山も昇天してしまった
暫く洋子の上にいた神山は降りて横に寝ると洋子が
「ねぇ こんなに気持ち良いの 毎日 して お願いよ」
「うん 出来る限り」
「いや 出来る限りじゃ 絶対毎日よ」
「わかったよ」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子に
渡しソファーでタバコを吹かした 
洋子も地ビールをもってソファーに座って
「こうしていると ホテルにいる気分ね いいわ」
「うん 今はね これから 時間の空いた時に来るとか
洋子と二人だけで話すときに使うことになるね」
「そうね でも いいの 幸せよ」
神山と洋子は見詰め合って色々と話していると眠たくなり
「少し寝ようか?」
「ええ 気持ちが良くなったら眠たくなったわ」
二人は再び寝室のベッドにもぐりこんで眠った

神山は自分の携帯がけたたましく鳴っているので起きた
「済みません 亜矢子です」
「神山ですが」
「驚かないでね」
「又 宝くじ?」
「そうなの 今度は一等賞と前後賞が両方当ったの」
「えっ また 一等賞と前後賞 えっ、、、ほんと」
「ええ 二億円 私 会社にくる夕刊を調べたわ 本当よ」
「えっ なんで 、、、 何回も」
「それだけじゃないの あなたの分も一等賞と前後賞が当ったわ
前後賞は一つだけど 一億五千万円よ
これは今 知らせないと バチが当ると思って電話したの」
「えっ 一億五千万円、、、ぼくが、、、」
「そうよ 私は二回目だから 結構落ち着いて調べられたわ
だけど ふたりで 当るなんて信じられないわ」
「うん そうか、、、わかった そうしたら また電話する」
「ええ 待っています 夜 遅いほうがいいわ」
「了解」
神山は携帯をテーブルに置いてベッドに戻ると洋子が
「ねえ 一億五千万円とか二億円ってなに」
「うん 宝くじが当ったの」
「へぇ~ だれが」
「僕がさ」
「ふぁ~ 凄いじゃないの それが一億五千万円とか二億円なの」
「うん」
「ふぁ~ あなた大金持ちね 凄い~」
「うん 内緒だよ」
「ええ それで 幾らなの 当ったのって」
「一億五千万円」
「そうすると 二億円は?だれ」
「うん 知っている人だよ」
「う~ん わかっているわよ 亜矢子さんでしょ」
「えっ えっ なんで えっ」
「何で 慌てるの いいの この間 話している時 わかったもん
女の感ね これは 私 大丈夫ですよ ご安心下さい
ただ 私といる時は 私のもの いいわね」
洋子は神山のおちんちんを握り締めよじ挙げた
「わかったから辞めてくれ 痛い お願いします」
「ほんとよ 私 貴方に大切な物をあげたけど 後悔していないの
だって 素敵なひとと一緒にいられるんだったら いいわって
だから 後悔していないよ こんなにいい男いないもん
だから どこで女をつくっても私 自信あるから大丈夫ですよ」
「ごめんなさい」
「誤る事ではないでしょ きっと亜矢子さんも気が付いているはずよ」
「ごめん」
「もういいの 最初から私一人ではない事は覚悟していたから
一緒の時は私だけを考えてね でないと亜矢子さんだって
辛いだろうと思うわ」
「うん ありがとう」
「だからと言って 自分から探し出したら ただの助平親父よ
わかったぁ ほんと 結婚できないと思っていたし いいわ」
そう言い洋子は神山の胸で泣き出した
そのまま二人は横になったが洋子は泣き止まなかった
亜矢子が言ったように現実を見た悲しさがこみあげて来た時だった 
神山は洋子の髪を優しくなでて
「洋子 ずーっと 一緒じゃないか
会社で一緒 終ってからも一緒 一杯一緒じゃないか
洋子が泣いていると 寂しくなるよ」
「もう ばか ばか」
洋子は神山の胸にコブシを当て続けた 
洋子は自分を責め責めてももって行き場所がなく神山に当っていた
「ほら 笑ってごらん 泣いている洋子は嫌いだよ
笑顔の洋子が大好きなんだ」
洋子は涙でぐしゃぐしゃになった顔を作り笑いして
「こんな顔でもいいの」
「もちろん 素敵だよ」
神山は洋子と唇を合わせた
洋子はまた新しい涙が出てきたが 嬉しい涙だった
暫くすると洋子の気持ちが多少落ち着いたのか
「ねぇ お願いがあるの」
「うん なに」
「今度ね 亜矢子さんと一緒に旅行しましょ」
「うん わかった 時間をつくるけどなんで」
「うん 二人で貴方を監視する協定を作るの」
「えっ~ 協定、、、なに」
「もうこれ以上 女を作らないように ねっ」
「わかったよ 逢わせますよ もう苛めないで お願いします」
神山は起きて洋子にお辞儀をして誤った
「いいのよ あなたは女が寄って来るのよ だって素敵ですもん
だからこれ以上寄せ付けないようにするの わかった」
「はい 分りました」
「私と一緒の時は絶対に寄せ付けないわ 亜矢子さんといる時は
亜矢子さんがガードするの わかった」
「はい 分りました ごめんなさい」
「じゃあ 優しくしてくれる」
「うん OKさ」
洋子は神山を抱きしめて キスを求めてきた
神山と洋子はベッドの中で交わり 洋子は今まで以上に
激しく 強く感じていた 神山も変身した洋子を容赦なく攻めた
神山と洋子は二回も昇天し ぐったりと横になっていた
洋子の髪の毛をいじって洋子は神山の顔をいじったりしていると
神山の携帯が鳴り飛び起きて出てみると内藤社長からだった

「山ちゃん 内藤です」
「こんばんわ 神山です」
「山ちゃん いいお知らせで電話をしました」
「はい?」
「筒井さんが 異常なしで 今週中には退院の見込みです」
「ふぁ~良かったですね 精密検査ってそんなに早く出るんですか」
「うん 細かい所はまだ判らない所が有るみたいだけど
退院は出来る事になりました 先ほど奥さんから電話がありました」
「良かったです 喜んでいますね きっと」
「ええ そのうち退院祝いですね 軽く」
「そうですね あまり奥様に心配掛けない程度に」 
「ええ ところで何処?」
「ええ 代々木です 洋子さんと打ち合わせです」
「ごめんなさいね では」
神山は電話をテーブルに置いて冷蔵庫からビールを出しコップを持って
寝室に行き チェストにおいた ビールをグラスに注ぎ
「さあ ビール」
「ありがとう だれ?」
「内藤社長からで 筒井さん 今週中に退院だって」
「へぇ~ 大丈夫ですか?」
「うん 支障がないからだろ ただ細かい所はこれからだって」
「よかったわ 奥さん心配していたものね ねぇ」
「うん よかった 今朝のお見舞いが良かったのかな」
「また~ でもそうやっていい方に考える所が素敵ね 厭味がないし」
「うん 天然ボケだから」
「うん だから女が付いて来るのよ わかる?」
「わからないな~」
「あなたって 女だけは無知ね ほんと」
「分りました 膣の内も知らないし なんにも知らない」
神山と洋子は見詰め合って笑った
洋子が真剣な顔つきで
「ねぇ 信じてね これから言う事 嘘じゃないの」
「わかったけど」
「ねぇ 貴方は辛いでしょうけど 由香里とは縁を切って」
「なにそれ 突然」
「はっきり言うわね 由香里は倉元さんと出来ているの
セックスフレンドなの」
「えっ~ ほんと」
「ほんとよ 自分で言っていたのよ あなたが銀座にくる前だけど」
「へぇ~ そうなんだ そういえばあの二人
妙に息が合っているなと思った事もしばしばあるよ」
「そうでしょ だから巻き込まれたくないの わかって」
「うん わかった 辞めると言っても この頃は逢っていないし」
「絶対に止めてね 今後 由香里と怪しかったら 
私 会社辞めます 良いですね」
「わかったよ そこまで言わなくても」
「貴方 感度が鈍いから教えてあげたんじゃない」
「わかったよ 感度が鈍いのは磨き様がないんだって ありがとう」
「ほんとよ 約束してくれる」
「うん 約束するよ」
「そうしたら 絶対に目を開けたらだめよ 約束できる」
「分ったわ そしたら ベッドから出てここに立って 目を瞑って」
神山はベッドから出て 目を瞑ってたっているとがさがさ音がした
洋子が暫くすると 
「目を開けていいわよ」
洋子は先日神山にゴテンバ グランド インで買ってもらった
スケスケで上品なキャミソールとレースの
付いた透けているショーツをつけていた
「ふぁ~ すごくいいね 少しHぽっくって」
「ねぇ だから由香里のことは金輪際忘れてね」
「うん 分ったわ」
「ねぇ もう一度 優しくして」
「しかし もう元気が出ないよ」
「まあ うそ仰って おちんちんは上を向いているのに?」
「えっ うん」
神山は下を見るとおちんちんは確かに反応していて上を向いていた
「ねっ 元気でしょ」
そう言って洋子が神山の上になって神山を攻めた
神山も艶かしい洋子に翻弄され又 交わった
神山と洋子は今度こそ力尽き果てぐったりとなった
「これで さっぱりしたわ これからは 亜矢子さんと独占だからね
分ったわね 絶対嘘 言い逃れは聞きませんからね」
「分ったわよ 苛めないでお願いします」
「よし その心構えは 120点」
また二人で大笑いした
洋子はこれで神山と結婚しない事を決意した

「洋子 そろそろ夕飯を食べよう 駅前寿司にいこう」
「ええ」
神山と洋子は出かける仕度を済ませると
「忘れ物はないかな」
「もう いつもそうね それで忘れるもんね 困った人」
また笑い声が部屋に響いた
神山はボストンを持って一応部屋の中を見渡した
「OKだ いこう」
洋子はくすくす笑いながら神山のあとに付いて部屋をでた 
タクシーが来たので乗り込み行き先を告げた
「ねえ 内藤社長以外の人には 代々木をアルタの事務所としよう」
「それより 御殿場プロジェクトチームにしたら だって嘘じゃないし」
「アルタで本格的に動いたら紛らわしいよ」
「そうね でもアルタで作るんだったら Gプロジェクトにすれば」
「いいね 頂きそうしよう」
「Gプロジェクトって格好良いし ねぇ」
「うん」
「作業ジャンパーとかに背中にマークすれば格好いいですよ」
「うん そうしよう ロゴマークを作って 作業帽から服まで付けよう」
「ええ 一目で判るしいいわね」
タクシーは上原の駅前寿司屋に着いた
店内に入ると平日なのでこの時間帯は込んでいなかった
女将が何時ものように奥の座敷に案内しビールを持ってきた
二人で乾杯をしていると神山の携帯がなった アルタの高橋からだった
「こんばんわ 高橋です」
「やあ 孝ちゃん こんばんわ」
「いまどこ」
「えっ 駅前だよ 何時もの所」
「お邪魔していい?」
「うん 今来たところです」
「そうしたら 直ぐに出かけます」
電話を切ると神山が
「孝ちゃんがお邪魔して良いって なんか他人行儀だよな」
「私たちに気を使ってくれているのよ」
「そうか うん」
神山は時計を見ると20時になるところだった
神山と洋子は出てくる鮮魚の盛り合わせを美味しく食べていると
「山ちゃん こんばんわ」
神山は一瞬驚いて
「どうしたの 今 ちっと前でしょ 電話」
「うん ニーナ・ニーナさんの所から電話したんだ」
後ろから内野誠二が
「神山部長 先日は失礼しました ご迷惑をお掛けしました」
「なんだ 誠二君も一緒か まあ そんな堅苦しい挨拶はいいよ 座って
ところで ニーナ・ニーナが どうしたの?」
「ええ 御殿場アウトレットの勉強で来ました」
「そうか そうだよね」
4人で顔を合わせるのは三日ぶりだが 随分と逢っていないように思えた
女将がビールとおつまみを運んできた
神山達は再会を祝って乾杯した
話題はやはり神山のスーパープレーで盛りあがった
「山ちゃん 清算しようね この間の分を計算すると
山ちゃん+43 田所さん+31 高橋-5 内野-69 になりました
だから これを納めてください」
高橋は7万4千円をだして神山と洋子に渡した 神山が
「僕は いいよ こんなに」
「ええ 私もいいわ」
高橋が
「ありがたい言葉ですが 賭けは賭けですから」
内野誠二も
「次回は頂けるようがんばります なんで受け取ってください」
「分ったわ 洋子さん頂こう 次回に貯金をしよう」
「はい 分りました 次も池があるところがいいな~」
皆で笑った 高橋が
「ニーナ・ニーナさん 売上が良くて嬉しい悲鳴ですって」
「へぇ~ それはよかったね しかしアンテナの機能は大丈夫ですか?」
「ええ 筋が見えてきたと言っていましたよ」
「それは良かったね あとデーターだね どう生かすか」 
「ええ そこも ほら山ちゃんが注意して泣いた女の子 少し生意気な」
「うん 浜野君だね」
「そう その子が一生懸命に仕事をしているみたいですよ」
「じゃあ お灸が効いた訳だ」
「そうですね もう直ぐ来ますよ 彼女達」
「うん 来たら良い知らせが教えてあげよう」 
その時タイミングよくニーナ・ニーナの面々が来た
祥子たちが
「こんばんわ」
仕事が上手く行っているのか祥子はニコニコしていた
神山は
「久保さん達 みんなが頑張っているからいい事教えてあげるよ」
「なんですか いい事って」
「うん 副社長の筒井さんが今週中には退院です」
面々は 手を握ったり隣りの子と話したりで大騒ぎになった 神山が
「そこで ここは僕たちからご馳走するから一杯食べてください」
またまたニーナ・ニーナの女の子達ははしゃぎ大騒ぎになった
洋子は神山の決断に頷いて 小声で
「さすがね やっぱり私の おちんちんね」
「なんだって 聞こえないよ」
「いいの」
神山の大事な所をポンと叩いた
ニーナ・ニーナと神山たちの間にあった衝立が取り除かれ
8人掛けの大きなテーブルになって盛り上がった 神山は高橋に
「今日は 持つよ」
「駄目ですよ 怒られます」
「明日から孝ちゃんの上司だよ そうだ 24時を廻ればいい訳だ」
「山ちゃん ほんと こっちで持つよ 怒られるんだ」 
洋子が
「いいの 神山が持つと言った時は大丈夫です 安心してください」
高橋と内野は洋子の変身振りに驚いき
「田所さん 完全に秘書ですね 分りました ご馳走になります」
「そう 最初から素直にねぇ」
「そうか 明日から 山ちゃんって 呼べないんだ なあ内野」
「ええ なんか寂しいですね」
「おいおい そんなのは関係ないよ 山ちゃんでいいよ
肩書きは外で勝負する時だけさ 普段は山ちゃんだよ」
「しかし 周りがね どうでしょう 先輩」
「大丈夫さ 内藤社長が山ちゃんと呼べばいい訳だ 大丈夫だよ」
8人はみんなと話してビールや日本酒がどんどんと運ばれた
神山はようやく一枚岩になったニーナ・ニーナを観て安心した
みんなが神山にお酌をして断らないで呑んでいると疲れが出てきて
神山が皆に
「今日は ありがとう 君たちを見て安心した
久保さん 浜野君 これからも頑張ってね
僕も御殿場アウトレットに付いては頑張るから
明日は 酔っ払った格好だとスーツが泣くのでここいらで
失礼します あとゆっくりしていってください」
神山は財布から10万円をだし高橋に
「悪いけどここ 最後まで付き合って貰えないかな これでお願いします」
「はい 常務 畏まりました」
又 みんなで笑った 洋子も
「すみませんが 私も失礼します 明日の準備でごめんなさいね」
神山は少しよろけたが みんなに手を振って別れた
洋子も直ぐにでて神山にお辞儀をして
「お疲れ様でした 明日早めに行きます」
「うん 頼んだよ では」
「お休みなさい」
「うん」
二人が別れた時に祥子が出てきて神山を追い駆け
「ありがとうございます 本当にありがとうございます」
祥子も深々とお辞儀をしてお礼を言った 終ると洋子を追い駆け
やはり 同じことを伝えた 洋子もお辞儀をしていた
祥子は神山のところに戻ってくると
「今夜は早く寝てください お休みなさい ご馳走様でした」
「うん では」
神山はまだ車を待っている洋子に大きな声で
「気を付けてね 明日は頼んだよ」
洋子も大きな声で
「分りました 寝坊をしないようにお願いします」
手を振って神山は上原のマンションに戻った
部屋に入ると簡単にシャワーを浴び
裸のままビールを持ちテラスでタバコを吹かしながら呑んだ
ほろ酔いで温かくなっている体に冷たい風が気持ち良かった
神山は明日対決するアレックス氏の事をシュミレーションしていた
だんだんと体が冷えて来たので ベッドに横になった
疲れが体中を駆けめぐりすぐに寝てしまった





.

2013年3月19日火曜日

薔薇 4 - 29 Vol. 2



神山はしたから押し上げると
「だめ おくまで来ているわ ああぁー きてー ああぁー」
神山は乳首を掴んで愛撫し始めた
亜矢子は腰の動きを上下と前後と色々変化させてきた
さらに歯で軽く噛むと 状態を退け反らし
「あっ あ・な・た ちんぽ いい きて あうぅ あぅ~」
片手で乳首を強くつねると
「いぐぅ~ あうぅ あぅ~ いぐぅ~ きて」
亜矢子の膣がきつくなり 腰の動きも早くなって
「だめだ でる」
「きて~ いぐぅ~ ああっ」
ふたりは一緒に昇天した そのままの格好でいたが神山が抜こうとすると
「だめよ 今 余韻を楽しんでいるの」
亜矢子は腰を更に下げて神山が逃げられないようにした
段々小さくなるちんぽを諦めたのか
「許してあげる」
亜矢子は腰をあげて許してあげ 一緒に湯船に浸かった
「気持ちよかったわ すっきりした でもねまだじんじんしているのよ」
神山は指で秘所の中を触ると
「ねえ やめて ほんと躰が持たないわ お願いします」
暫くそのままの格好で湯に浸かっていると石畳の階段に
カランコロンと下駄の音が響いてきたので
あわてて浴衣を羽織 帰る準備をした 
施錠してある竹の扉が叩かれ
「すみません 交代をお願いできますか」
「ええ もう少しで出ますから待ってください」
神山達とすれ違ったのは同年代のカップルだった
部屋へ戻ると神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子と呑んだ
「ふぁ~ 気持ちいいわ なんかさっぱりした後って」
「うん 風呂上りのビールは最高だね」
二人でそんな話をしていると亜矢子が
「ねぇ 今日 一杯入って貰ったから疲れたわ 寝ましょ」
「うん 明日会社だし 寝ようか」
「ねぇ 貴方がまだ元気あるんだったら お口でするわ」
「いや もう駄目だね 遠慮はしていないよ」
神山と亜矢子は新しくして貰った布団で眠ってしまった

4月29日 水曜日 小雨
神山と亜矢子は朝早くから部屋にある露天風呂に入り交わっていた
衝立越しに若女将が
「朝食のご用意が出来ました ご準備が出来ましたら
呼び鈴でご連絡をお願い致します」
そう言い衝立の向こうにいる神山と亜矢子に声を掛け出て行った
「亜矢子 でよう」
「ええ 少しまって」
亜矢子はシャワーで髪を流した
バスタオルでよくふき取り浴衣をきてテーブルの前に座った
神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子に渡し呑んだ
「あ~あ 美味しい 今日はやだね 雨なんか降って」
「ええ お客さんも辛いわよね 雨だと こうやって部屋の中なら別ね」
神山は呼び鈴で若女将を呼ぶと直ぐに来て
「失礼致します」
と言い丁寧に襖を開け部屋に入ってきた
朝食は焼き魚が出され七輪で焼かれた 直ぐに頂くと美味しかった
神山と亜矢子はもう一本だけビールを頼んで持ってきてもらった
お互いこれから仕事があったので自重した
全て食べ終わると まだ時間があったので二人は少しだけ寝た
1時間も寝たのか頭はすっきりしていた
亜矢子は起きていて化粧をしていた 軽く化粧をしたといっても
地が綺麗だから見違えるようになる
「さあ 仕度できたわ あなたもしてくださいね」
神山は浴衣を脱ぎ捨てて替え下着を穿いた
Gパンを穿いてTシャツを着ると
「こちらもOKだよ」
神山は電話で帰る事とタクシーの手配を伝え 部屋を見渡し出た
離れの玄関には傘が用意されていて 旅館の玄関まで行った
会計を済ませようとすると亜矢子が
「ねえ今日は私が出すわ お願いします」
神山は頷き亜矢子が清算をした
タバコを吸って待っているとタクシーが来て乗り込んだ
若女将が
「またのお越しをお待ちしております」
深々とお辞儀をして見送ってくれた
「あれだけのサービスで5万円は安いわね」
「うん 安いよ」
神山は小声で
「あそこは僕の上司の紹介なんだ普通は一人3万を超えるんだ」 
亜矢子も小声で
「そうなの わかったわ」
「また お店のお客様でもあるんだよ そんな訳で多少
優遇してもらっているんだ」
「そうなの」
話していると熱海の駅ロータリーに着き亜矢子が先に下りた
「ここで待っていて そうだ あっちはタクシーが来ないから」
神山はまた歩かなければ行けなかったので タクシーで
フェアレディーZを駐車しているホテルまで行った
早速周りを点検したが異常なかったので乗り込んだ

直ぐに発車して熱海駅ロータリーに入ると亜矢子が寄って来て
「ふぁ~凄い車ね 気を付けてね また電話します」
「うん 橘さんの事何でもいいからメモして教えて
何か 解決策があると思うし 後は椿さんに話す事だ
自分で抱え込んでも解決はしない いいね」
「はい 今日にでも 支配人に話します ありがとうございます」 
「うん では」
神山は昨日来た道を帰った
小田原で有料道路に乗って少しスピードを出せたが さすが雨なので
控えめに走った それでも100を下回る事無く走れた
神山はこの車だったら雪以外なら500km走っても大丈夫だと感じた
公表数字では燃費 リッター8.2kmとなっていて
満タン72リッターなので数字上は500kmを越すが神山の運転だと
半分とみておけば大丈夫だった
気持ちよく走っていると銀座につき地下の駐車場へ入庫した
次長室のビルまで僅かだが濡れてしまった
熱海を9時30分に出たからちょうど一時間かかった
ビルに入ろうとするとしまっているので 定休日と気がつき
カードをスキャンさせ暗証番号を逆さから入力すると開いた
次長室へも同様の操作ではいると洋子が来ていた
「やあ おはようございます 早いね」
「おはようございます ええ 貧乏性ですかね 家でゆっくり出来なくて」
神山は洋子の躰を思い切り抱きしめた
「だめです お見舞いが済んでからです」
「わかった 洋子 傘 どこかにないかな」
「そうしたら 警備室で借りとけば」
「あと 濡れた傘を入れておくビニール袋はある」
「それも警備室で借りたら」
「あの黄色いのを?」
「ええ 仕方ないでしょ」
「わかった 何か飲み物はある?」
「ええ コーヒーがあるわ 仕度しますね」
洋子は冷蔵庫からペットボトルのコーヒーを取り出し
コップに注ぎ神山に渡した
ソファーに座った神山はタバコを吹かしながら
「その後筒井さんやニーナ・ニーナから連絡はあった?」
「いいえ なしです それと確認しましたら 
安田病院の新館で間違いありません」
「そこの病院は新館と本館を間違えると偉い事になるからね
僕は以前見舞いに行ったけど 間違えたので建物でてぐるりと1周
ほんと 分りづらいね」
「ええ 私も間違えて大変でしたよ」
「なんかさ 赤い建物とか蒼い建物とかと表現してくれると助かるな」
洋子は笑いながら聞いていた
「さあ それではいこうか お見舞いの袋は?」
洋子が神山に手渡すと
「ふぁ~ 綺麗な字だね うん見直した 
英語で書かれたらどうしようと思っていたよ」
洋子は笑いながら
「そんな事 するわけ無いでしょ もう」
「わかった ごめん ではいこう 今度は運転してくれる?」
「ええ 嬉しいわ」

二人はビルをでて 駆け足でホテルの地下駐車場へ入った
フェアレディーZに乗り込むと洋子は警備員室で傘を借り
直ぐに文京区にある安田病院の新館へ車を走らせた
車を駐車場に止めると傘をさして病院へ入った
筒井の病室は直ぐに判り入り口で扉をノックすると中から女性の声で
「どうぞお入りください」
と言われ入った
ベッドで筒井が弱々しく寝ていて 夫人が付き添っていた
「この度は 驚いている次第です 少ないですが受け取ってください」
「申し訳ございません 先ほど意識を取り戻したんですよ
今は眠っている状態です」
「あ~良かったですね 戻されたなら大丈夫ですよ ご安心下さい」
「ええ 久保さんや浜野さんが朝早くから来てくださって
意識が戻ったので帰られました 助かりました」
「そうなんですか でも良かったです」
話し声が聞こえたのか 筒井は目を覚まし
「やあ 山ちゃん 田所さん心配かけたね 済みません」
「ごめんなさい 声が大きすぎましたね」
「いやね 急にふぁ~として目がさめたらここでさ
本人はなにもわからないって事なんだ 午後から精密検査を
行うようになっているらしい まいったね」
「多分 心労ですよ 大丈夫ですよ 直ぐに現場復帰ですよ
休める時休んでください
それと昨日頂いたスーツで30日の辞令を頂きます」
筒井はにこやかな顔で
「そうか ありがとうございます あのスーツも山ちゃんに
来てもらえて喜んでいるよ きっと」
「ネクタイは田所さんと久保さんに選んで頂きました
勿論 ニーナ・ニーナさんですよ」
「そうか みて見たいな 明日抜け出そうかな」
奥さんがニコニコしていた顔をこわばらせて
「お願いしますから辞めてください これ以上嫌です」
「おう 分りました 山ちゃんが来てくれているんだ お茶 ほら」
「あっ 良いですよ すぐに帰ります
そのうちきちんと正装して本社に伺いますよ
早く良くなってください」
「うん わかった 山ちゃんありがとうございます」
「では 失礼致します お邪魔しました」
神山と洋子はお辞儀をして部屋を出た 
「良かったわね」
「うん 精密検査次第だね 喜べるのは 
ただ意識が戻ったから大丈夫だと思うよ」
「そうね」
「さあ次長室に戻ろう 今度は運転するよ」
「は~い 分りました」

二人は駐車場へ行って車に乗り込んだ
銀座の次長室まで20分くらい掛かった
車をホテルの地下駐車場に止めると次長室へ戻った
部屋に入ると神山は冷蔵庫からビールを出して洋子に渡し
ソファーで呑みながら 洋子に
「昨夜の東都食品の件だけど 見せてくれる」
洋子は昨夜ここでプリントした書類を神山に見せた
全てに目を通すと
「どう思う」
「ええ なんか酷いですね 会社をSEXする場所と
考えている役員が多くて 女性社員はそれをネタに恐喝とか
考えられない世界ですね」
「うん 性モラルがないのかな 崩れているのか」
「それで どうするんですか この会社を」
「うん 鈴や食品の傘下に出来ないかなと思っている」
「えっ鈴や食品の傘下」
「うん 会社全部じゃないよ 切り刻む だから部分的にだよ
向こうのAと言う部門があって業績が悪るかったら
お荷物でしょ そこを切り離して傘下にするわけ」
「う~ん 凄い事考えているのね」
「御殿場アウトレットに出店するのに何が足りないかと言うと
総合的に経験不足 一流が居ない これでは出店は無理だよ
そこで 選択肢として テナント募集形式にするか
鈴や食品の体質を変えるか これしかないんだ どう」
「ええ 貴方の考えているとおりよ もうそこまで考えているんだ」
「うん そこでしつこくステーキに拘ったが 例えばだよ
あれを御殿場でなくても食べられたら口コミで広がるだろ
先日の 地ビール作戦と一緒さ だから色々な組み合わせが出来るよう
こちらで用意している訳さ だから始まったばかりだよ
アレックスグループも見通しがついているしね 料理方法は
考えている アレックスジャパンはアルタの傘下にする」
「えっアレックスジャパンをアルタの傘下???」
「うん 御殿場アウトレットと平行して考えていろ」
「ねェ あなたの言う事は分るけど そこまで出来るかしら」
「うん 出来る 信じなければ信じないでいいよ
僕は会社を動かした事は一度もない しかし人を動かす事は出来る
僕が言っているのは会社形態じゃない 
内藤社長がアレックスジャパンの最高顧問になれば 
アレックスジャパンはアルタの傘下さ そう言う事さ」
「あっそうか そうよね 内藤社長が実権をとるんですもんね」
「うん たまたま僕は運が良くて重要人物と会っている訳さ
それって チャンスだろ 生かしていかなければただの遊びだよ
そのためには裏情報を集める事が大切なんだ」
「ねぇ 私 わかったけど あなたが何か大きすぎて
わからなくなったわ 私一人で大丈夫?」
「うん 大丈夫だよ こんな程度でOKさ あとは僕が料理するから」
「私 あなたと一緒にいられるかしら」
「うん 慣れれば大丈夫だよ」
神山は冷蔵庫からビールを2本出して洋子に渡しタバコを吹かした
洋子は神山がどこか遠い世界を見ているように見えてきた
「御殿場アウトレットは普通にお仕事をするんでしょ」
「うん さっきの組み合わせとかその他の業種の組み合わせ
こういった事を考えなければ廃れるだろうね」
「そうね」
「例えばだよ アレックスブティックを造りました
毎月 目玉商品が格安で出品します どうこれって」
「う~ん 普通でしょ」
「毎月買いに行く まあ 2,3ヶ月に一回 買いに行く?」
「う~ん どうでしょうね」
「そこで あのブティックに必ず行きたくなる方法 心理を考えるのさ
二つ三つ挙げると さっき言ったイベント
これは何処の店でも考えるんだ
僕は この方法でない 方法で例えばクッキーが出来る過程を
みせ出来立てを食べてもらうとか そういった異業種の組み合わせを
考えているんだよ」
「う~ん そうね あそこって美味しいわもありだし そうか」
「そうそう そうなんだよ ひとつの事を出し切ると後が廃れるんだ
だから組み合わせが絶対条件になってくる
僕が描いているのは アレックスグループブティックの真中を
くりぬいて 広場を造って そこにさっき行ったような異業種を
年2、3回或いは 4、5回のペースで替えていけば飽きが
来ないだろうと思う その下のレベルでイベントを開催していけば   
楽しくて面白くて 安いアレックス商品が買えるわけさ」
「すごいわ そう言うふうに考えられないわね普通 そうしたら
楽しくて又行って イベントを見るだけで良い訳でしょ
そうするとアレックスのネームバリューが上がる訳ですね」
「うん 僕はそのプラスアルファーの底辺を上げたいのさ」
「あっ そうか 素晴らしいわよ 私 幸せだわ」
「御殿場アウトレットには多分時計屋は出ないよ そこで
時計屋の宣伝もしながら アレックスで使うわけさ」
神山は次長室からスケッチブックを持ってきて簡単な絵を書いた
「凄いわね みんな喜ぶわ絶対ね」
「分ってくれた 僕がしたいこと」
「うん 凄くわかる わたしこの時間あなたと一緒って幸せよ
だって出来ない夢じゃないもの できるわ」
「楽しいだろ 考えているだけでも」
「ええ みえるわ うん ちゃんと見えている 大丈夫よ」
洋子はようやく神山の進めたい所に光が見えてきたし
これで心構えも出来て戦う準備が出来たと思った
「ふぁ~ わたしが独占している すごいな~」
「ありがとう だから洋子は焦らずに僕が指示してくれた事を
こなしてくれればいいよ 背伸びする事はないから」
「だけど 趣旨を聞かないと分らないままになり捗らないかも」
「御殿場アウトレットに関しては先ほどから言っている通り
だってその他は仕事ないじゃん」
「まあ ないわね」
「だから 食べて呑んで 自分の栄養にするのさ わかった」
「は~い 分りました それから昨夜報告しなかったのですが
AEXのカードが届きました こちらです」
洋子は神山に郵便物を手渡した
神山は開けてみると格好いいカードが現れた
「すごいわね 格好いいわね きらきらが」
「さあ このカードは何時使うかですね 殆ど使わないね
しかしこんなこと言うと洋子に怒られるから言わないよ」
「そうね 今の状況だと使わないわね」
「今年 洋子のクリスマスプレゼントが第一号かな その後は 来年の
ホワイトデー そんな所か」
「うん もう 私が心配してんのに 知らない」
「ほお 怒った顔も素敵だよ」
「怒っていませんよ 飽きれているのよ」
「どちらにしても 普段と違う顔しても素敵だよ ははは」
「もう わらって 知りません」
「ところで 銀行の口座変更は何時から出来るの?」
「ええ 直ぐ出来ると思いますけど 1ヶ月くらい後がベターじゃない」
「そうするか あとカードケースを買わなければいけなくなった」
「お財布は」
「うん 財布に入れると膨らむのが嫌なんだよ」
「そうね そうしたら あすニーナ・ニーナさんで買えば」
「うん 急に2枚も増えて困っているんだ そうだ
フェアレディーZの鍵も何か付けないと無くすね」
「ええ 明日店内で探しましょう 素敵なスーツを着て
私もスーツを着るわね朝から一緒よ」
「そうか 洋子も着るんだよな 参ったな また有名になるよ」
「いじゃない いい事で有名になるんだから あのスーツを 
着こなせる男性は数少ないわよ ほんと 自信もってね」
「ありがとう そろそろお昼にしよう それでここは閉店にしよう」 
「大丈夫ですか?」
「うん 大丈夫だよ」
神山は忘れ物が無いか点検して出ようとした時 亜矢子から電話があった
「はい 神山です」
「亜矢子です お忙ししところ済みません」
「そんな」
「今 1千万円振り込んでおきました」
「どうもありがとうございます」 
「では 急いでいますから 失礼します」
「はい」
洋子が
「だれ?」
「うん 昨夜あった人からお礼さ さあ出かけよう」
「は~い 分りました」

神山と洋子は傍のビル8階にある串カツ定食を食べる事にした
「今日は貴婦人を使わないから存分に呑んでいいよ」
「そうですね 車があると呑めないしね」
「ここは良く来ていたけど美味しいよ 夜だってそんな高くないし」
「こんど夜来ましょうよ」
「うん そうしよう」
神山と洋子は順番に出される串カツをワインを呑みながら食べて
美味しい串カツは追加して食べた
神山と洋子は食べ終わると神山が
「さあ それでは代々木へいこう」
「そうね お昼寝もしたいし」 
神山は 早速AEXのカードを使った
「ふふふ やっぱりね 私 絶対に使うと思っていたの」
「そしたら 使った うん口座を変更するのに履歴がないとね」
「そうね お店は手数料引かれるから嫌がるけどね」
「うん あるんだから使わないといけないな」 
神山と洋子は店を出てタクシーで渋谷の家具店に行った
洋子は代々木マンションのカーテン寸法を測っていたので
今日 買うつもりだった
寝室と居間 浴室の分を購入して代々木のマンションへ向った
部屋に入ると外側にレース 内側に緞帳のカーテンを吊るし
まだ早い時間だが雨天で外が暗いのでレースのカーテンを閉めた
「素敵なお部屋ね いいわ 気持ちが落ち着くわ」
「うん カーテンを閉めると違った世界だね」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子渡しグラスに注いだ
ようやくここでゆっくり出来て神山は洋子に
「洋子 ここに泊まるときがあるよ いいね」
「ええ 何とかするわ あなたと一緒なら努力するわね」
「ありがとう さあ 風呂に入ろう」
洋子は
「わかったわ 先に入っていて」
神山は言われた通り先に入り湯船に湯をためた 
シャワーで簡単に洗い流し湯船に使っていると洋子が入ってきて
「ねえ 恥ずかしいから 外を見ていて」
神山はガラス越しに見える雨雲と遠い景色を見ていた
照明を点けていないので浴室内は外からの光だけだった
「失礼します」
洋子が湯船に入ってきた
神山はまだ一回しか経験がないので緊張しているのがわかった
「こうやって座ると遠い景色しか見えないのが残念だね」
「ええ それに雨だし」
「この部屋は外から見てもテラスで死角になって見えないんだよ
だからこうやって立ちあがっても大丈夫だよ」






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2013年3月14日木曜日

薔薇 4 - 29 Vol. 1



玄関に入ると若女将が出迎えてくれ
「いらっしゃいませ 神山様お待ちしておりました」
丁寧にお辞儀をして挨拶をした ニコニコし
「どうぞ ご案内いたします」
若女将の案内で通された離れは静かに神山を待っていた
「どうぞ こちらの離れでございます」
離れの玄関で靴を脱ぎ部屋に入ってみると相模湾が見渡せる部屋だった
神山と亜矢子が座ると若女将がお茶を用意してくれた
「お食事は6時頃でよろしいですか」
「ええ お願いします」
若女将は下がるときに
「準備が整うまで ここに御用意させて頂きました
地元の物を味わってくださいませ」
若女将は丁寧にお辞儀をして襖を閉めた
神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子に渡し
「先に話しておくね 老人ホームの件」
神山と亜矢子はだされた珍味を食べながら話した
「ええ」
「実は 今日アルタの内藤社長と話したんだ 結果から言うと
大変難しいそうだ 資金が足りないみたいだね ただし内藤社長は
少し考えさせてくれと今日のところは保留になりました」
「そう ありがとうございます」
「うん 亜矢子とお母さんが住む新築工事は出来ると言われたよ
ただ少し割高になるって」
「そうしようかしら」
「5千万円もあればりっぱな家が出来るそうだ あと土地の購入費が
必要になってくるでしょ だから今の資金だとマイホームだね」
「そうね そうしようかしら 話が駄目だったら」
「うん でもアルタの方で出す事になったら夢が実現できるしね 
希望をもって もう少し待ってくれない」
「ええ お待ちしております」
「さあ 露天風呂に入ろうよ」
「ええ でも離れに露天風呂があるなんて素敵ね」
「うん 素敵だ 亜矢子も素敵だ」

「もう いや 付け加えたでしょ 分るわよそんな事」
神山は亜矢子のところにいって 抱き寄せた
「もう 分ったから」
神山は亜矢子の唇を奪うと亜矢子は力が抜け神山にもたれてきた
暫くキスをしていると亜矢子の手が神山のおちんちんを探し始めた
神山は正座をしているももの付け根に手をすべり込ませると
足を投げ出し開いてきた 亜矢子が
「もう駄目 お願いだから触らないで 今脱ぐから」
「僕が脱がせてあげる」
亜矢子は頷き神山に任せた
奥に布団が敷いて用意されていたので亜矢子をつれて
一枚ずつ剥していった
綺麗なオフホワイトのブラウスを脱がせハンガーに掛けて
ブラジャーのホックを外すと形のいい乳房が現れた
神山は乳房にむしゃぶりつくと亜矢子は喘いできた
「ねえ スカートも脱ぐから」
神山はスカートを降ろし脱がせると パンストが怪しく光っていた
パンストのまま亜矢子を抱きしめ秘所をまさぐると生暖かく湿っていて
亜矢子の手が神山のGパンのジッパーをさげておちんちんを触ってきた
神山は自分ですべてを脱ぎ 大きくなった肉棒を亜矢子に見せると
口を寄せ咥えてきた 片方の手で肉棒を握り上手に動かし
空いた手はショーツの中に入れて動かしていた
神山は亜矢子を寝かせ今度は自分が亜矢子の秘所を愛撫していると
赤いショーツがどんどん濡れて来てパンストもべとべとしてきたので
ショーツとパンストを一緒にずり下げた亜矢子が
「あっ」
と 短く声を出して神山の肉棒をさらに硬く大きくしようと
両手と口の攻撃を受けた
神山もあらわになった亜矢子の秘所を優しくなでたりしていたが
クリトリスをつつき始めると腰を動かしてきた
歯で小さなつぼみを噛んだり舐めたりを繰り返していると
「だめ いくわ あっ あっ」
神山は更に指を秘所の中に入れるとぬめりがある体液でスムーズに
動かす事が出来るので 体を入れ替えた
亜矢子は手をそえてヴァギナに導き挿入されると
「うっ あっ い・い い・い・わ  気持ちいい」
神山はゆっくりと動き始めると亜矢子は顔をゆがめ髪を乱れさせ
自分から腰を振ってきた
「ねぇ 本当に気持ちいいわ いきそう、、、」
神山は片方の手でクリトリスを愛撫し始めた
「ねぇ だめっ だめっったら お願い いくわ お願い」
乳首を強くねじったり優しく揉んでいると腰の動きが速くなり
神山も挿入している肉棒の運動を段々と早くしていった
亜矢子の膣がきゅんと締め付けてきたとき
「ああぁ いくわ あなたも、、、ああぁ、、、」
「亜矢子 僕もだめだ 我慢できない、、、」
「ねぇ きて ねぇ、、、」
亜矢子はそこで昇天してしまった
神山もそれを合図に昇天してしまった
ぐったりしている亜矢子から肉棒を抜き出すと
「あつっ だめ、、、だめだったらぁー」
神山が完全に出ると亜矢子はようやく快楽から
開放されたようにぐったりとなった

神山は亜矢子の横に寝て 腰を触っていると
「ねぇ あなた 少し休ませて お願い」
亜矢子の顔には汗がびっしょりだった
暫くそのままの格好でいると海からの風が二人の躰を優しくなでた
「亜矢子 露天風呂にいこうよ」
「ええ よかったわ 素敵よあなた」
そう言い跳ね起き神山にキスをしてバスタオルをもって
露天風呂に入った
神山もあとから入る時にまだ元気なおちんちんを観て
「ふぁ~ まだ元気なんだ ねぇ座って ここ」
神山は言われたように湯船の縁に座ると亜矢子は近づき
「ねえ やっぱり厭らしい格好ね ここ」
洋子は亀頭をそう表現した
「だけどここがなければ 人類はこうやって居ないよ」
「なんで?」
「この亀頭のえらがあるだろう ここで発射された
精子が逆流しないよう そいうゆう構造になっているんだよ」
「へぇ~ 初めて聞いたわ 何でも知っているのね」
「若い時考えた持論でした おそまつ」
「な~んだ 持論だったの でも言われた時なるほどって思ったわ」
「うん そうだろ」
亜矢子は元気がなく小さくなるおちんちんに
「お疲れ様でした」
と言ってキスをした 
神山と亜矢子が湯船で気持ち良くなっていると
襖が開き 若女将が
「失礼致します」
と言い部屋と露天風呂の間に衝立を立て
「お夕飯の仕度をさせて頂きます ごゆっくりして下さいませ」
若女将は部屋を出ていた
「ふぁ~ 見られちゃたったわ ふふふ でもいいわ こうやって
愛している人と一緒だったら 怖くないもん」
亜矢子は神山に正面を向いて抱きつきおちんちんを触り始めた
神山を跨ぐ格好でおちんちんを小さなつぼみにあてがうと
「ああ 気持ちいいわ ああ いい」
亜矢子は少しづつ腰をゆっくり動かし始め喘ぎ声も漏らすようになった
神山は人差し指でクリトリスを触り始めると
「ねぇ 欲しくなっちゃうわ 辞めて ねぇ」
それでも神山は動きを早くしたり強く触ったり愛撫を繰り返した
「あっ あつっ い・い・わ」
部屋の襖が開き
「失礼致します お夕飯の仕度が出来ましたが どうされますか」
神山は
「あと 10分ほどで上がるのでお願いします」
「はい 畏まりましたどうぞごゆっくりしてください
お上がりになられましたらテーブルの呼び鈴を押して
ご連絡をお願いいたします」
若女将は神山と亜矢子にお辞儀をし襖を閉めて出て行った
「さあ 亜矢子でよう」
「そうね でましょう」
湯船で立ち上がると神山のおちんちんは上を向いていた
「大丈夫なの こんなで」
亜矢子を後ろ向きにして手を縁に掴まらせ躰をくの字にすると
神山は大きく硬くなった肉棒を亜矢子のヴァギナに挿入した
「ああ いいわ あっ あっ きもち・い・い」
空いてる手でクリトリスを触ると更に躰をよじり
「ああっ だめっ い・い・わ  あつっ あつっ」
神山はスピードを増すと膣が締まってきて
我慢できなくなった
「でる」
「きてー いくわぁー き・て・早・く い・く あぁー」
亜矢子は昇天したのか 頭を下げた 段々もどる膣から肉棒を抜くと
「あっ でちゃだめ あっ」
神山は抜いた肉棒を湯で軽く流し 亜矢子の秘所から溢れ出てくる
体液を優しく流してあげた 亜矢子は振り向いてキスをした
「こんなに大事にされて幸せよ」
「さあ でよう 小さくなったし」
神山と亜矢子はおちんちんを観て笑った
露天風呂からあがるとバスタオルで亜矢子の躰を拭き
「今度は私よ」

亜矢子は神山の体をいとおしそうに丁寧にふいた
浴衣を着て呼び鈴で連絡を取ると神山は冷蔵庫からビールを出して
亜矢子と呑み若女将がくるのを待ったがすぐに襖が開き
「失礼します ご用意を致します暫くお待ちください」
若女将は笑顔で盆で運ばれた料理を座卓の上に並べていた
どれも趣向を凝らした料理で美味しいそうだった
さらにもう一つの盆から伊勢海老やくろだいの船盛を座卓に乗せると
鮮魚のオンパレードになった 並べ終わると若女将が
「本日は この様なところにご宿泊頂きましてありがとうございます」
「こちらこそ 宜しくお願いしますね」
「はい それではこちらに火を入れさせて頂きます」
「お願いします」
若女将が小さな七輪に火を入れ
「このかつおは ここではめったに捕れない早鰹です」
一口大の鰹を火であぶり取り皿に置いていった
「どうぞ お召し上がりくださいませ 温かくても美味しいですよ」
「初めて 温かい あぶりを頂くの」
「普通は 冷ましますけど あぶりたても美味しいですよ」
亜矢子はすぐにたれに付け口に運んだ
「おいしい~ 本当に美味しい」
「よかったです お褒め頂きまして」
神山も若女将の勧めるあぶりを口に運んだ
「若女将 美味しいです ありがとう」
「気に入って頂いて 恐縮です」
二人は若女将があぶってくれた鰹を無言で口に運んだ
お酒を呑む事を忘れていた神山は
「若女将 日本酒をください」
「はい かしこまりました」
鰹のあぶりを済ませると 日本酒を用意する為部屋を出た
神山は冷蔵庫からビールを出しコップに注ぎ
「では 改めて 乾杯」
「はい 乾杯」
亜矢子も神山も鮮魚を味わっていた
ビールを呑み終えた頃 若女将が日本酒を持ってきた
一緒に漬けタレも用意し
「このタレはあぶりが冷めてから使って下さい
又 一味違った美味しさですよ」
「気を使ってくれてありがとう」
「では ごゆっくりお召し上がりくださいませ」
「うん」
「お下げの御用は こちらの呼び鈴でお願いします」
「はい 分りました」
若女将は先ほどと同じように深くお辞儀をし襖を閉めた
亜矢子も神山も並んでいる料理を味わいながら口に運び
「こんなに美味しいのは初めてだわ」
亜矢子は料理が美味しいからか日本酒をよく呑んだ
料理が減ってきた時 すみませんといいながら若女将が襖を開け
「失礼致します ご飯のご用意が出来ましたが いかが致しましょうか」
「ありがとうございます そこに置いといてください それとお酒を
追加してください」 
「はい 畏まりました」
若女将はお辞儀をして出て行った

「ねぇ あの方 綺麗ね どう?」
「うん 笑顔がいいね いつもにこにこしているし」
「そうじゃなくて どう?」
「だから なに?」
「ば~か 知らないもう だから抱いてみたいかって事を聞いているの」
「えっ あの若女将を それはないでしょ なんか沸かないよ」
「うん やっぱり あなたって美人で可愛くてボインでが好みでしょ」
「当たり前だよ 世の男性はみなそうさ」
「まあそれは分るわ しかし貴方はその願望が強いのよ そして
決定的な貴方の弱みって自分で分る?」
「う~ん わからないな」
「あんたの弱みは 辛い過去を持った女性で影を持っている女性ね」
「なんで分る?」
「だって 私でしょ 洋子さんでしょ 同じじゃない 境遇が」
神山は気がつかなかったが 言われて納得した 由香里もそうだった
「ねっ 分った だからあの若女将のように影がない人には
興味が湧かないのよ」 
「なるほど そうか」
失礼しますと言って襖が開けられ
「失礼します 日本酒をお持ち致しました」
そう言い神山のお猪口に酒を注ぎ亜矢子にも注ぎ終わると
挨拶をして出て行った
「ねっ 分るでしょ 自分でも あの人は三拍子揃った
いい女性よ 多分人気者だと思うわ だけど影がないから
貴方は興味が湧かないのよ」
「うん まあ自分がわかったからじゃあ変えなさいって言われてもね」
「そうね 洋子さんと話している時も同じ雰囲気を持っていたから
ああやってお話が出来たんじゃないかしら」
「ふ~ん そうなんだ ぜんぜん分りません」
「そうね 貴方はそれでいいわ でないとただの助平おやじよ」
「そうか すけべね だれでも持っているけど僕の場合は
ネガティブじゃなくポジティブに考えているから救われるのかな」
「そうだと思うわ それと貴方の実績でしょ それが女にとって
すごく大きな要因になるわ だって若い子はそれは元気で楽しいけど
世の中の色々な仕組みがわかっていないし 例え何かしようとしても
動かせないでしょ そこが違うわね 貴方は凄いもの だから
洋子さんだって付いてくると思うわ 女って実力があるだけじゃ
付いていかないもん 秘めた力と 元気ね」
「なんか 今夜は亜矢子の講演会になったね」
「そんな あなたが知らない事教えているんでしょ もう 知らない」
「ごめんなさい そう言うつもりじゃないんだ」
「女わね 実力 優しさ 元気勿論おちんちんも含めて だけど
おちんちんが元気ないとその人自体元気無いわよ それと思いやり
最後にお金 良く若いカップルで お金が無くても幸せですって
よく聞くけど それはその時のベールで覆われていて見えないのよ
幾つになっても見えなければ その人なりの幸せでしょうが
女としてどうかってなると疑問符が付くと思うわ 違う?」
「そうだね う~ん そうすると僕には何が足りない?」
亜矢子は笑って
「あなたは 有り余っているわ だからみんな付いて来るでしょ
それに優しさと思いやりがあるから男の人にも好かれているわよ」
「そう言われれば 後輩からはよく言われるな
実は今朝 部屋が変わるんで自分の荷物を整理していたら
後輩が 僕がいる時しないで下さいって 辛いですからって言われた」
「そうでしょ だから貴方は変な事考えないでこのまま進むしか
ないわね もっといい男になってみようとか そんな上辺を
考え出したら お終いよ ただの助平おやじよ わかった」
「わかった 元気がなくなった」
神山は立ち上がり ちじみ上がったおちんちんを亜矢子に見せた
「もう 食べているのに ば~か 汚いわよ 小さいのなんて」
神山は自分でしごいて大きくすると
「これでもだめか」
亜矢子は我慢できずふきだしてしまった
「わかったからしまって お願いします でないと食べられなくなるわ」
神山は座って 
「しかし 洋子さんは気付いているんだろうか」
「当たり前でしょ だからあなたは洋子さんといる時は
彼女を大切にして守ればいいのよ 多分あなたと結婚は考えていないわよ
洋子さんは負けず嫌いで男勝りでしょ」
「うん 車は良く知っているし 運転は上手だね」
「そうね 悲しい時 辛い時に運転を覚えたんでしょうねきっと
私が卓球にのめりこんで現実を見たく無かった時代があったように
彼女にもそいゆう時期が合ったと思うわ」
「ありがとう 胸にしまっておくよ」
「ええ そうしてね」
呑み終わると亜矢子がご飯をつけてくれて
「では 頂こう 椀が冷めたけど頂きます」
二人は見詰め合って笑いご飯を食べた 
「この間の赤沢ホテルも良かったけど ここも落ち着くわね」
「うん こうやって潮風を浴びながら食べるのもいいよね」
「ええ 私 幸せだな~」

亜矢子が幸せな気分でいる時に亜矢子の携帯電話がなった
「はい桜川です」
亜矢子は頷き話していたが
「いつも急で お金だけでは済みませんよ もう少し人を増やすとか
考えて頂かないと 私も疲れます」
まだ話が続き 最後に頷き電話を切ると
「あなた ごめんなさい 明日 緊急出勤になりました ごめんなさい」
「先日もそうだったね 仕方ないじゃないか」
「本当にごめんなさい」
「おいおい 亜矢子が悪いわけじゃないから 元気出して」
「この頃 橘副支配人が可笑しいのね 何が原因だか分らないけど
若い子の小さなミスをした時に 必要以上に怒るの だから若い子は
辞めないで頑張ってはいるけど 繰り替えされると休んじゃうのよ」
「困ったね なんだろうね それで何時から」 
「ええ 14時出勤です」
「まったく こちらの動きを読んでいるみたいだね」
「ほんと 嫌になるわね」
「わかったけど中途半端な時間だね」
「ええ」
「亜矢子さ このままの格好で出られるの?」
「ええ それは問題ないけど 赤パンが一枚だし」
「うん そうしたら その格好でOKなら 御殿場の病院もあるし
送っていくよ 実は車で来ているんだ だからホテルの傍まで
送っていくよ」
「うん 嬉しいけど だめ そんな事したら仕事にならないもん
だから今夜一杯して お願い」
「うん わかった」 
神山は食事が終った事を呼び鈴で知らせると直ぐに若女将が来て
デザートを持ってきてくれた
「明日の朝食は7時ですが宜しいですか」
「ええ お願いします」
若女将が部屋を出て行くと今度は神山の携帯電話がなった
「はい 神山です」
「私です 夜分に済みません」
「うん どうしました」
「ええ いまアルタの内藤社長から電話があったんですが 
ニーナ・ニーナの筒井副社長が今日夕方会社で倒れたと連絡が
今 入りました 命に別状は無いそうですが いかがしますか」
「うん わかった 明日12時にまでに次長室に行く 申し訳ないが
一緒に行ってくれるかな ごめんなさい」
「ええ 構いません」
「洋子は11時頃出てくれば充分だよ それと正装はしないこと
今日の格好でいいからね あとお見舞金で 2人で幾らにするかだ」
「そうですね 10万円では少ないですし かといって高額になると
先方のお返しが大変ですし」
「わかった 連名で30万包みなさい 会社や役職はいらない」
「はい 分りました」
「筒井さんは病院?」
「ええ 意識が戻っていないんですって」 
「どこ」
「安田病院の新館と言われました 明日確認します」
「あそこの病院なら大きいし先生もしっかりしている 大丈夫だ
確認だけはしておいて お願いします」
「はい それから 東都食品ですが 色々と出てきました
こちらも整理して置きます」
「やっぱり 出てきたか 洋子忙しくなるぞ わかった
もう帰りなさい 今日はもう良いよ お願いします」
「はい 分りました では帰らせて頂きます」
「うん では明日 おやすみ」

亜矢子に
「なんて事でしょうね」
「倒れたって 何方ですか?」
「うん ニーナ・ニーナの副社長さんだよ
僕を可愛がってくれて 今日も人事命課前だけど挨拶に行ったら
凄く喜んでくれて 今夜 暇かって言われたから 仕事ですって
ことわったんだよ でも命に別状は無いから安心だけどね」
「よかったわね」
神山はなんでこの時間に内藤社長から洋子に電話が行ったのだろうと
不思議に思った 洋子に電話をした
「たびたび 神山です」
「はい 私です」
「うん なんでこの時間 20時なのに洋子のところに来たの?」
「済みませんでした 実は内藤社長が筒井さんに話がって
電話をしたら社員からこの事を知って
ここの部屋に電話をしてきてくれたんです 済みません 
言葉が足りなくて」
「うん わかった 携帯は鳴っていないし 内藤社長には
話していたけど忘れたかな 兎に角分りました ありがとう」
「はい 失礼致します」
神山は亜矢子に
「明日はここでゆっくりとして帰りましょう 10時にここを
出れば間に合いますか」
「ええ でも早くても構わないわよ」
「分りました お言葉に甘えて9時過ぎにしましょう」
神山は呼び鈴をならし卓上を片付けてもらった
「如何でしたか お口に合いましたでしょうか」
「ええ ご馳走様でした」
「こちらを片付けましたら 床を新しくご用意させて頂きますが」
「うん お願いします」
「よろしければ 下の露天浴場もご堪能下さいませ」
「混浴ですか?」
「いいえ 家族風呂ですよ 今の時間は空いていますがどうされますか」
神山は亜矢子の顔を見てみると頷いたので
「では 伺いますので お願いします」
「はい 分りました その間にご用意させて頂きます」

石畳の階段を進むと竹で出来た門があり中から湯気が立っていた
広さは内風呂より広かったが造りは殆ど一緒だったが
湯船の底が浅い所と深い所と段差があった
浅い所は子供が倒れても沈まないくらい浅く
深いところは家庭用の深さと一緒位だった
亜矢子と神山は浴衣を脱ぎシャワーで躰を流すと
どちらかとも無くキスをし抱き合った
神山はおちんちんを亜矢子に押し付けると
亜矢子も腰を動かして押し付けておちんちん片手で握りしめた
離れると亜矢子が湯船にしゃがみおちんちんを咥えこんだ
上手に両手を使い肉棒を大きく硬くしていった
「ねえ亜矢子 だめだ 出るよ」
「いいわよ 受け止めてあげる だして」
亜矢子はそう言うと手の動きと口の動きを早くした
強く握ったり速く動かしたり 段々と上手になってきた
「わあ だめだ でる」
神山は発射してしまった
亜矢子は最後の一滴までしぼった
「美味しかったわ」
亜矢子はそう言うと神山を湯船に座らせ片足は湯船で片方は外に出し
神山の頭を跨ぐ格好になり口の所に自分の秘所をあてがった
腰を振ると気持ち良くなってきたのか喘ぎ声が漏れてきた
神山は空いてる指を使って秘所の中に入れるとスルッと入った
唇でクリトリスを柔らかく噛んでいると腰の動きが速くなった
「あっ あっ うっ いいわ い・き・そ・う」
神山は指を廻し始めると
「ああっ うっ いく あつっ うっ だ・め」
亜矢子は秘所からねばねばした体液を溢れさせ昇天してしまった
神山はその体液を飲み込み
「亜矢子のも美味しかったぞ」
神山が言うと亜矢子は湯船に浸かり
「でもこの頃 可笑しいのよ」
「どこが?」
「躰 全体が敏感になって あなたがちょっとでも触ると
あそこがジーンと疼いてくるの 普段はなんとも無いのにね」
「そうすると 僕が触るともう濡れてくるんだ」
「ええ この間も触らないでって言ったでしょ ほんとよ」
試しにクリトリスを優しく触ると亜矢子は躰をよじって
「だめ ねえ やめて あ」
神山は更につねったりしていると
「ほしいわ あっ うっ 」
「何がほしいの?」
「あっ あっ あ・な・た ちんぽ あつっ きもちいい」
秘所に指を入れて先ほどのように廻すと
「だめ いきそう ねえ あっ あっ ちょうだい ちんぽ」
亜矢子は空いている手で神山の肉棒をしごき始めた
硬く大きくなった肉棒を亜矢子はさらに大きくしようとした
神山は縁に腰掛け亜矢子を抱き上げ神山の腰を跨がせた
亜矢子が腰を落とす時に自分で肉棒を握りヴァギナにあてがった
腰を落とすと肉棒は秘所にすっぽり入り
「ああ いいわ 気持ちいいの あっ あっ 」
「うん 僕も気持ち良いよ」





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2013年3月9日土曜日

薔薇 3 - 28 Vol. 2



「今 自分が言っただろ」
「ああッ またはまった もう」
「まあ ほんと良かったな」
神山はまた引き出しの中を整理し始めた 杉田が寂しそうに
「先輩 僕が居ない時にお願いします 辛いですから」
神山は
「そうか わかった ごめんな」

そう言いダンボールを纏めていると内線が掛かってきた
神山が躊躇していると杉田がでて
「はい 催事課の杉田ですが」
「私は隣りの田所です 今の応対は120点よ」
「えっ 試したんですか ひどいな~ このごろ直しているんですよ」
「そうね いいわよいまので 試したんじゃないの 神山部長は居ますか」
「はい 代わります  先輩 洋子さん」
「うん ありがとう はい神山です」
「いま納車です 至急パーキングまで来てくださいって 西野理事から」
「わかった なにか持っていくものは」
「ええ 会社だから不要と仰られていたわ」
神山は翔に
「ついてくるか 納車だ」
「いきます」
神山と杉田はパーキングの事務所に駆け足で向った
洋子は後から歩いてきた
(まあ 駆け足して 嬉しいのね 
いいわね男っていくつになっても無邪気になれるのね)
フェアレディーZが置いてある場所に行くと西野理事が
「早く来たよ ビックリした」
「ありがとうございます 綺麗だなこの曲線」
「山ちゃん こちら今回お世話になった日産の方だ」 
神山と日産の部長が挨拶を終ると 簡単な説明がされた
全てを聞き終わると 部長が
「これが車の鍵です 以上で終わりです」
西野理事がちょと一回りしてくればと進められたので
助手席に洋子を乗せて走った しかし込んでいる道なので
3速で充分だった ハンドルは敏感に反応してくれて楽だった
1周してくると西野理事が
「どうだ山ちゃん なにか問題点は無いか?」
「ええ いまのところ無しです ただトップを入れていないから
分りませんが 今日 静岡へ行きますから試します」
「わかった では部長さん ありがとうございます
また なにか発生しましたらご連絡いたします」 
西野理事は神山に
「では 大切に頼んだよ」
「はい 分りました ありがとうございます」
西野理事が戻っていくと洋子が
「ねぇ 首都高を1周しましょう 時間はあるわ」
「うん そうしよう じゃあ 翔 悪いけど 次ぎ乗せるから」
「はい 分りました 行ってらっしゃい」
「最初は私が運転していい?」
「うん 構わないよ 途中で降りて交代しよう」
「そうね」
洋子はフェアレディーZの運転席に乗り込むと体を包んでくれる
シートに満足をしていた 
エンジンを掛けると
「良い音ね 素敵だわ」
洋子は直ぐに発進させ巧みなハンドル捌きで直ぐに高速に入った
トップに入れて走り回っているとあっという間に渋谷にきた
下に降りて運転を交代するとやはりトップで走ってもまだまだ
余力を残していた 暫く走っていると銀座の出口が迫ってきて
下に降りると鈴やの前にあるホテル禅の地下駐車場へ止めた
「いいわね この音好きよ」
「うん スムーズにシフトが出来るね」
話していると警備員がこちらに来たので名刺を渡し
「これからお世話になります よろしくお願いします」
警備員も帽子を取って挨拶をした

「さあ お昼はどうする」
「ええ ニーナ・ニーナさんは2時でしょ」
「うん 時間はまだ2時間以上あるな そうしたろしゃぶしゃぶはどう」
「ええ いきたいわ~」
神山と洋子は近くのしゃぶしゃぶに行った
夜は高いが平日の昼間はランチタイムで美味しいお肉を
格安で提供している店で女性客にも人気が高い
ショッピングビルの3階にありエレベーターを降りて直ぐにお店が在った
まだお昼休み前だったので比較的空いていた
店員に案内され ビールと定食2人前を注文した
直ぐにビールが出され神山と洋子は
「貴婦人に乾杯」
ふたりは美味しそうにビールを呑んだ
神山は
「このお店の良い所は 安くて美味しい それかな」
「だけど夜は高いんでしょ」
「うん 勿論お肉が違うと思うけど 4500円からだよ
来た事無いけどね 以前夜のメニューが誤って置いてあり
驚いて 帰ろうと思ったよ」
「夜はそんなに高いんだ やっぱり昼でいいわね」
しゃぶしゃぶの用意がされお肉がくると直ぐになくなり
追加注文をした 洋子は
「ステーキもいいけどこう言ったさっぱりもいいわね」
「うん 結構さっぱりと頂けるね ポン酢も美味しいし」
お肉と野菜を食べて最後はきしめんをこのスープで頂く
スープの中に塩と胡椒 ねぎを入れると美味しい
ご飯を入れてお茶漬けのように食べる人もいる
デザートを出されそれも食べ終わるといい気もちになった
部屋に戻ると洋子に1時間昼ねすると言ってソファーに横になった
昨夜は早く寝たのにまだ眠たく直ぐに寝てしまった

暫くすると洋子が
「あなた そろそろ起きて下さい 時間です」
神山ははっとして起き上がり
「ありがとう 気持ちよかった 抜けたな コーヒーを買ってくる」
そう言い神山はコーヒーを買い部屋に戻った
「はい 洋子の分」
神山は洋子にコーヒーを渡すと次長席の引出しから50万円だし
財布に入れ洋子がコーヒーを飲み終わると
「さあ そろそろいこうか 大丈夫」
「ええ 行きましょう」
ふたりは駐車場にいってフェアレディーZに乗り込んだ
運転は神山がした
「ねえ 洋子さ今日だけど 例の東都食品の調査 あれ 明日で良いから
今日は留守電で帰宅して良いよ」 
「えっ ほんとですか」
「うん 1日からだろう煩くなるのは だから休める時
休んで でなかったら今日ある程度しあげ明日は休みでいいよ」
「分りました 今日頑張ってあした休みます」
「もしかして 明日早かったら代々木に行きます
13時までに電話するけどなかったらお母さんと夕飯を食べてね」
「は~い 分りました でもいいの 一人で」
「僕より 母親だろ 一緒にいられる時は一緒にね」
話している間に青山のニーナ・ニーナについた
まだ時間まで充分あったがエレベーターで6階に行くと
受付があり
「神山さまお待ちしておりました どうぞこちらへ」
受付嬢に案内されたのは応接間だった
お茶を用意され暫くすると 筒井副社長ら3名が部屋に入ってきた
筒井は神山を見ると挨拶抜きで神山に近寄り
「先日は 本当に感謝しております ありがとうございます」 
深々とお辞儀をし挨拶された
神山は
「筒井さん さあ頭を上げてください」
筒井たち4人はゆっくりと頭を上げ神山を見ていた
「筒井さん良かったじゃないですか おかげで僕は後輩から
色々と言われていますよ」
「ええ 杉田さんも遅くまで上原でがんばって頂き感謝で一杯です
さあ どうぞお掛けください」
神山は礼を言って座った
「本当は人事命課のあとに伺うのが本筋ですが 30日を過ぎると
こちらに来られるのが遅くなると危惧して今日伺いました」 
「わざわざご丁寧にありがとうございます」
「私は30日の人事命課で東京本社次長になります で隣りの
田所さんは部長 私の専属秘書として働いて貰います
彼女は4月20日に人事命課を頂いていまして現在は
一緒に行動をしています 尚 4月30日は鈴やだけではなく
アルタの担当常務で入社します 田所さんも部長 私の専属秘書で
入社します 筒井さん並びに皆様にはこれからもお世話になります
よろしくお願いします」
「ご丁寧に 本当にありがとうございます それと神山さんにご注意を
受けたことにより今は一枚岩になり頑張っています
その件についても 感謝いたしております ありがとうございます」
筒井が終ると 祥子と浜野が
「本当に恥ずかしい所をお見せし失礼致しました
ご指導を承り現在 浜野も職務を忠実にこなしています
本当に神山様のお陰です 上原も順調な売上でこれも神山様を中心に
造っていただいた宝物だと思って仕事をしています」
祥子が終ると 浜野が
「先日はありがとうございます 目が覚め人の大切さを実感しています
これからもどうぞ至らない所がございましたらご指導のほう
宜しくお願い致します」
全員が終ると筒井が電話で受付に例のものを持ってきてくれと言うと
受付嬢が部屋に入ってきて筒井に手渡した
「山ちゃん これは日本いや世界でたった一着のスーツだこれを着て
くれないか 私だけではなくニーナ・ニーナジャパン皆からの
プレゼントだ 受け取ってくれないか」
神山は少し考えてから
「はい ありがとうございます 大切にします」
「よかったわ」
ニーナ・ニーナの面々が喜んで拍手が沸いた
「山ちゃん さあ開けて来てください」
神山は携帯ハンガーから出すと 洋子の着ているスーツと同じ生地の
スーツだった 
「わあ 格好良いですね もしかして田所さんのスーツと同じ生地ですか」
「うん そうです 早速そちらの部屋で着替えてください」
神山は案内された部屋で着替えると結構動きやすかったし軽かった 
「こんな感じです」
神山が みんなに分るよう廻ると
「凄い似合うわ すてきね」
と口々に誉められた 洋子も素敵ですと言っていた
神山はしわになるので今までのGパンスタイルに着替え席に戻ると
シャンパンが用意されていた
「それではささやかですが ご昇進お祝いおめでとうございます 乾杯」
神山はちょっと口につけ筒井に
「今日 車で来たんです 済みません」
「いつも車じゃないか」
「あっ 自分の車です 勿論 会社もちですが」
「えっ 自分の車って 会社が買ってくれたの?」
「ええ そうです 先ほど納車され 今銀座から乗ってきました」
「へぇ~ みんな 山ちゃんは会社から車をプレゼントされたんだ
君たちも見習いなさい いいね」
「はい 分りました」
「なので 田所さんは運転しませんから勧めてください お願いします」
「わかった 悪かったな 知らなかったもんだから 今度ゆっくり」
「ありがとうございます このスーツは 紳士は扱っていないですよね」
「3年程前にニーナ・ニーナのファッションショーが開かれた時
作られた特注品で 男性モデルが着た最初で最後のスーツだよ
3人だから3着作って ニーナ・ニーナパリ本社
ニーナ・ニーナニューヨーク そしてニーナ・ニーナジャパン ここに
納められたんだ だから世界で一着しかないんだ」
「いいんですか 僕みたいな者が頂いて」
「うん 我社を救ってくれた恩人だからね 皆もそう決めていたみたいだ」
「分りました ありがとうございます そうすると靴とシャツを
揃えないといけないですね ふぁ~大変だ 田所さん」
洋子が
「優しい心温まるお話ですね ありがとうございます 神山も
今まで以上 男に磨きが掛かると思います 
今後もお力添えをよろしくお願いします」
またみんなから拍手が起きた
筒井が
「さあ 堅苦しい話はここまで 少しですが楽しんで下さい」
「山ちゃん 今夜はどう?」
「済みません これから静岡です 車で」
「えっ 静岡 御殿場ではなく」
「御殿場も入りますが 行く所は静岡です」
「なんなの?まあ仕事だろうが」
「ええ まだ決まっていないので公表しないで下さい」
神山はアルタと老人ホームの件を掻い摘んで話した
「へぇ~ 山ちゃん 何でも出来ちゃうね 僕には付いて行けないや」
「そうですよ 副社長と中味の構造が違いますよきっと」
「私も凄いと思いましたもん だって池上店長さんを整理要員に
しちゃうんですよ それで池上店長さんは何も言わないでお客さんに
もまれながら一生懸命でした それと商品がなくなる前にマイクロで
銀座にお客さんを運ぶなんて誰が考えますか それと副社長も
仰られましたが 入場制限のタイミング 
正直 神山様があの場に居なかったら
どうなっているんだろうと考えると怖いです」 
「ありがとうございます ただ普段から考えている事を
実行しているだけで 特別な事は無いですよ
一つ言えるのは 僕一人では出来ません 協力してくれる人が
居るから出来るんです それだけですね」 
「あのあと知っている 聞いた?」
「いえ、、、?」
「1階のフロアだけではなくて 地下食料品が凄い売れたんだって
結局 人が人を呼んだんだね 店長も驚いていたよ」
「それで納得 夜 催事課で宴会ですって 池上店長が歌われたそうです」
「そんなに嬉しかったんだね それが山ちゃんだからだろう」
「まあ そうしときましょ」
洋子は祥子や浜野と話していた
筒井が 
「では 楽しんでいると思いますが そろそろ時間です
次回はゆっくりとしましょう 山ちゃん 田所さん 
その時は出席してくださいね」
「ありがとうございます 仲間に入れてもらいます」 
筒井が 下まで送ると言ったのでみな一緒に降りてきて駐車場にきた 
一同が驚いて声が出なかった 筒井が
「このフェアレディーZ?」
「ええ アルタの内藤社長は4シートですが これは2シートです
ハンドルも軽くて結構はまりますね ねぇ田所さん」
「ええ いい車です 素直ですね もっとも新しいし 先ほど
首都高を130,140出したんですがびくともしなかったですよ」
「えっ 田所さんが140を出すんですか」
「ええ 神山さんは140,150さしてさすがって ねぇ」
「ええ 230出しても平気でしょ この車は」
筒井が
「なに 二人ともスピード狂?」
「いえ 全然 安全運転ですよ メリハリをつけ運転しているのです」
「まあ わかった 気を付けてね」

神山と洋子はニーナ・ニーナの面々に挨拶をして車を出した
神山が
「さっきのスーツだけど軽いね だから女性に愛されるんだね」
「ええ軽かったでしょ 貴方すごいわ 格好良かった
私が言っているから 本格的よ 惚れ直したわ
30日に着なさいよ 素敵よ」
「うん 靴が無いし シャツもないし ネクタイ無いし
あの手に合うものは何も無し」
「ねぇ 何時に出るの」 
「うん 熱海に5時待ち合わせ そこからはこの車で入らない
バスかタクシーだよ」
「貴方の運転なら 1時間で行くわ まだ2時30分よ 
戻ったら 大急ぎで買いましょ 靴だけ選べばあとは私が
選んでおくわ そうしましょ」
「うん 悪いね 時間を取ってもらい」
「ううん 素敵なほうがいいもん」
「わかった そうしたら 靴を買って シャツまでいけるでしょう」
「ええ」
「あと靴下だ あの手は持っていない それとポケットチーフ
そうか 洋子のを借りれば済むね」 
「ええ 大丈夫よ 私のでも 後は無いわね」
「うん」
「ほら 貴方も運転上手よ」
「ありがとうございます 何もでないな運転中は」
二人は大笑いした
直ぐに鈴やについた 車をホテルの地下駐車場に入れると
スーツを持ってそのまま紳士靴売場に行った
結構種類があったが 先日の係長がいて説明すると
3足候補を持ってきた 洋子も一緒に選んだ
「どれも似たり寄ったりだね」
「この靴が合うと思うわ」
「そうだな これにしよう じゃあちょと穿かせて それと薄い靴下を
貸して貰えるかな」
係長は薄手の靴下を用意してくれた
神山は鏡の前に立ってスーツのズボンを当てて 
「これでいい お会計は現金でするからね 幾ら」
係長は 4万8千円と言ったので5万円出した
洋子が靴を持ってくれてシャツ売場に行った
「シャツも色々あるね」
「ネクタイだから このスーツだとワイドカラーがいいかな」
以前の係長が寄って来て
「神山部長様先日は失礼しました」
神山はシャツに詳しい人間を呼んでもらった
直ぐに来て 神山はスーツをハンガーから出して見せた
2種類のシャツを選び 通常こちらを着られる方が多いと説明を受け
洋子と相談してもう一方のシャツを選んだ 2万円だった
まだ時間があったので 靴下を買いネクタイを選ぼうと思ったが
「柄があると可笑しいかな」
「そうね わたしは無いほうが好きだけど 当たり前になるし
いっそうの事 ニーナ・ニーナに行ってみましょうよ」
「うん」
ふたりはニーナ・ニーナのブティックでネクタイを探し始めた
丁度祥子が用事があって戻ってきたので聞いてみると
「確か無地ではなかった筈です」
祥子が合うネクタイを3本出してくれた
どれも個性が強かったが 洋子と祥子が同じ意見で決まった
3万円だったので清算をして 急いで部屋に戻ると
まだ3時30分だったので その場で着替え洋子に見てもらった
「どう」
「ええ 凄く素敵よ ポケットチーフがあるから待っていて」
洋子はクローゼットから自分のポケットチーフを出して
神山の胸に差した 着替え室に入って見てみると 
全てにバランスが取れていて可笑しくなかった
神山は着替え室の中でGパンスタイルに替え出ると
スーツや靴を整理してボストンバッグを持って仕度した
「これで 問題ないね」
「ええ 大丈夫ですよ ご安心下さい あとは片付けます」
「うん ありがとう 忘れ物はないな それと30日だけど
何時に出られる」
「ええ 9時30分でしょ 私は9時頃来ますよ」
「わかった ありがとう 電話します」
「はい 分りました 気を付けてね 行ってらっしゃい」
「うん」

神山は時計を見ると3時15分になっていた
地下の駐車場からフェアレディーZを出すと
ビルの前に洋子がいたので止ると
「これ忘れ物」
「なに?」
「お金 朝も さっきも使ったでしょ だから50万円入ってます」
「ありがとう 忘れていた では行ってきます」
「はい」
神山は静かに出し 銀座通りを走り首都高に入って
東名高速に入った 今日の東名は空いてたのでどんどんスピードがでた
あまり出しすぎると不味いと思って少し控えたが
それでも130は下がらなかった 小田原に出て真鶴にくると
燃料が心配になったので スタンドによってハイオクを
満タンにして貰った 下の道路はゆっくりと走り熱海についた
やはり早かった 1時間掛からなかった 屋根つきの駐車場を
見つけるのに苦労したが ホテルの駐車場を借りる事にした 
洋子が心配してくれているので電話をすると
「ありがとう さっき着いたよ 気持ちよかった
車はホテルの駐車場に入れた」
「良かったわ まだ新車だからいたずらは嫌ですもん
早かったわね 200出した?」
「出さないよ でもまだ踏み込めたよ 150くらいが安定しているね」
「そうでしょ あの車ってその位のスピードでも
アクセルコントロールが出来るし最高よね 帰りも気を付けてね」
「うん なるべく電話をする 今日はありがとう」
「は~い 分りました」
電話を切ると祥子に電話をした直ぐに出て
「私です 今日はありがとうございます でも車素敵ね」
「うん 仕事だよ 全て仕事です それとネクタイありがとう
早速次長室で着替え鏡を見たらよかったよ 田所さんも誉めていた
今は もう熱海に来ているんだ これから仕事です」
「熱海?」
「うん 御殿場とは違うけど まだハッキリしていないので
何もいえないけどね」
「明日は?」
「こちらでの話し合いがめど着けば早いし分らない」
「遅くなってもいいから 電話ください 寂しいわ」
「おいおい 分るけど こちらはいつも電話をしているよ」
「そうね ごめんなさい これから気を付けます」
「まあ 会社の中が良くなれば良い事じゃないか」
「ええ ありがとうございます 助かったわ」 
「では がんばって」
「は~い 分りました」

神山は時計を見るとまだ4時30分だったので
離れのある網代の清碧旅館へ電話をすると空いているのでOKとの事
神山は2名で予約を入れた
先日のように時間が余ったが 亜矢子に電話をした
「私です こんにちわ」
「やあ 今何処にいますか?」
「ええ ごめんなさい 先に熱海に来ているわ」
「ほんと 僕も来ているよ どこにいる」
「ええ 駅の改札でて直ぐ右にある喫茶店」
「わかった 直ぐに行くから出て待っていて」
「はい 分りました」
神山は歩いて改札口に行き亜矢子を見つけた
「こんにちわ ごめんなさい 早く来て」
「こちらこそ もっと早く電話をすればよかった」
「ううん 私が電話すればよかたのね」
「そんな事ないよ 僕が悪かった」
「今日はどこ?」
「網代です」
「ねぇ 赤いの穿いてきた?」 
「うん 穿いているよ」
「そうしたら 運試ししよう」
神山と亜矢子は先日大当たりを出した宝くじ売場に行き
スクラッチ宝くじを選んだ
先日同様に神山の手が自然と動き一枚を選んび銀のところを削った
又当った 3万円が当った 今度は亜矢子が選んだのを削ると
1万円が当った
「まだ 運が味方してくれているわ」
「では この宝くじを買ってみようよ」
「そうね 今日はどんな数字にしますか」
「う~ん この間の数字は覚えている?」
「ええ ここにメモをしているわ」
「そうしたら 数字を逆にしてどうだろう」
「いい考えね 縁起のある数字ですのもね」
神山は亜矢子の数字を逆した
09組 153920の番号を探すと売場のおばさんは
ニコニコしてあるわよと教えてくれたので
その番号を含む10枚を連番で買った
今度は神山の数字で99組 170124となってまた
おばさんに探してもらったら今度のもあって
その番号を含む10枚を連番で買った
「では タクシーに乗ろう」

神山はロータリーで客待ちのタクシーに乗り込み
「網代の清碧旅館までお願いします」
神山は老人ホームの件を話そうとしたが金額が大きいので辞めた
「ねぇ あの田所さんて 素敵な方ね 女性が見てもうっとりするわ」
「彼女も亜矢子の事を素敵だって言っていたよ」
「ねぇ あなた あの人と関係しているでしょ いいの
お仕事上仕方ないわ だけどね 私と一緒の時は私だけにしてね」
「わかった ごめん」
「ううん 誤らなくてもいいの 貴方のような素敵な男性は
そういないわ 女性がほおって置かないわよ その方が女は
良いに決まっているでしょ 自然の摂理よ」
「わかった」
「だから堂々としていいのよ 多分あの人も分っているはずよ
ただ口に出さないだけだわ 怖いから その夢を破れば
私みたいに強くなれるわよ」
「そうか そんなに分るんだ 彼女の事 よく話していたね
椿さんも仲がいいですねって仰られてたよ」
「う~ん 何かわからないけど 凄く自然に話せたわ
高校の同級生と久しぶりに会うって感覚じゃなくて
さっきまで 話していた感じで話せたわ 不思議ね 初めてよ」
「そんな事あるんだ」
先日の話をしていると旅館に着いた






.

2013年3月4日月曜日

薔薇 3 - 28 Vol. 1



神山は駅前寿司屋を出ると洋子と別れ 上原のマンションに帰った
部屋に入るとボストンの中から洗濯物を取り出し洗濯機の中へ入れた
FAXを見るとアルタの田中から明日7時に次長室に伺いますと
書かれた物だった 受信時間が18時になっていたので
時間変更依頼をする前の物だと判断した
神山は23時を少し廻っているが祥子に電話をしたが出なかった
留守電に
【明日は早く出勤する為 朝食は不要です 今日はこれから寝ます】
とメッセージを残した
神山はシャワーを浴びて浴槽のジャグジーで疲れを取った
髪の毛を洗い流し浴室から出て冷蔵庫からビールを出し呑んだ
テーブルに置いた携帯が鳴ったので出てみると祥子からだった
「ごめんなさい 遅くなりまして 今 帰るところです
メッセージは聞きました」
「うん」
「それと昨日のショップの件 大変ありがとうございます
助かりました」
「それはそうと なんで直ぐに出られない?」
「ええ ごめんなさい なるべく気をつけているんですけど」
「明日 早いから今夜は寝ます」
「ごめんなさい ほんと では お休みなさい」

神山は電話を切るとタバコを吹かしビールを呑んでいると携帯が鳴った
「はい 神山ですが」
「亜矢子です 夜分にごめんなさい 実は相談があって電話したの いい」
「うん 大丈夫だよ」
「この間のお金だけど 何か良い使い道無いか考えたんです
それで病院の近くに私と同じ境遇の方たちの為に
老人ホームを作ってあげようかなって考えたんです」
「うん 良いけど 運営するに当って資格とかいるんでしょ」
「ええ 私は母と一緒に母屋で生活できれば良いわ
運営自体は信頼できる人に任せるわ」
「うん そうか そうすると 大きな建物を建てて
お母さんと一緒に暮らす部分と 老人ホームの部分と合体した
建物が良い訳なんだ」
「ええ そうすれば母も一人じゃないし 楽しく生活できると思うの
どうでしょう それともあのお金じゃ足りないかしら」
「わかった 調べるよ 今日は何時まで起きているの」
「ええ もう直ぐ仮眠です」
「う~ん そうしたら明日の夕方逢って泊まりは出来る?」
「うれし~ 出来ます」
「わかった 17時に熱海でどうですか」
「分りました うれしいわ~ 楽しみにしています」
「うん わかった その病院の名前を教えて」
「ええ ちょっとまってね 御殿場xxxxx病院よ」
「出来るだけ近い所に建てたいんだね」
「ええ」
「今のゴテンバ グランド インとは近いの」
「ええ そんなに遠くは無いわ そうそう今日いかれた
ゴルフ場の辺りよ」
「そうしたら 環境がいいね 空気が美味しかったよ」
「そうでしょ だから母をいい環境に移したいの 
ごめんなさい 長話をして では明日17時にお待ちしています」
「はい では」
神山は祥子に電話をした
「はい 私です」
「神山ですが 遅くてごめん 実は今 急に決まった事だけど
明日仕事で出かけますで29日の夜帰ってきます」
「そう お仕事 何処?」
「御殿場方面さ 又電話します」
「はい 気を付けて お休みなさい」
神山は明日の仕度をしてベッドに入った

4月28日 火曜日 
目覚まし時計のベルの音で神山は飛び起きた
シャワーで躰を引き締め ビールを持ってテラスに出た
今朝は快晴ではないが うっすらと日が差していた
タバコを吹かし雲の形を見ているとぼんやりと出来たが 
今日 やっておかなければいけない事を頭に叩き込んだ
神山はまさかと思ったが昨夜干した赤いパンツを穿いて仕度をした
アルタから貰った支度金500万をカメラバッグからだし
ビトロのボストンに入れ部屋を見渡し後にした
一応祥子に携帯に
【神山です おはようございます これから行ってきます】
と 留守電メッセージを入れておいた
車を拾って代々木のマンションに着くと洋子は先に来ていて
「おはようございます」
「うん おはよう 疲れはとれた?」
「ええ ぐっすりよ どうしたの ボストン持って」
「うん 泊まりで御殿場周辺に行く」
「えっ お仕事?」
「うん まあ そんなとこです」
「なんか大変ね」
「うん 有料老人ホームの下話しさ」
「老人ホーム 貴方が?」
「うん まあ まだ白紙だよ 何も決まっていない」
「それで お出掛けするんだ 大変」
洋子は神山から鍵を受け取るとバンで銀座に向った

催事課の入っているビルに着くとアルタの田中幸三がすでに来ていた
「幸三ちゃん おはようです 早いじゃない」
「神山さん おはようございます 高橋から聞きましたが
早く来ちゃいました」
「うん ありがとう では早速部屋に入りましょう
だけど このビルの鍵を警備室に取りに行かないといけないな」
「大丈夫ですよ ご安心下さい このドアのここにこのカードを
こうやってスキャンさせ暗証番号をここのボタンで入力すると開きます」
「これでいいの 暗証番号は」
「神山さんの会社の個人番号を逆さから入れてください」 
「後ろからだと え~とっ これでいい訳だ」
「はい ほら開きました ここを開けると警備室のパネルに
青ランプが点灯します スキャンをすると点滅です それから
スキャンをして30秒以内に暗証番号が合致しないと最初から
やり直しになります このシステムは次長室のドアも一緒です」
「凄いセキュりティーシステムだね」
「ありがとうございます では行きましょう」
部屋の前に着くと素晴らしく格好のいい壁が出来上がっていた
「幸三ちゃん すごいね どこか別世界に来たみたいだ」
「ええ 昨夜も催事課の皆さんに誉められました」
「誰か入った?」
「いいえ 入りたがった方はいらっしゃいましたが お断りしました」
「うん ありがとう」 
神山はカードをスキャンさせ暗証番号を入力しノブを下げると
まさに圧倒される別世界だった
「素晴らしい 普通じゃ考えられないし造らないよ」
「ええ 私も喜んでいます 奇抜だけど飽きの来ないデザイン 
勉強させて頂きました」
神山は床の出来上がりが想像以上の出来だったので嬉しかった
早速次長席に座り感触を楽しんだ 洋子が
「素晴らしいわ 配色も素晴らしいし もう120点ね」
3人は大笑いした
「幸三ちゃん ここの引出しの鍵は?」
「ええ 先ほどのカードで金色の部分を引き出しの金色部分に
あわせてください」
神山は言われた通りにするとカチャと音がして少し出てきた
「凄いね これも幸三ちゃんが考えたの 素晴らしいね」
「ええ 何とか出来ました」
「そうすると このカードは2枚あって 洋子さんの引出しも開くんだ」
「ええ そうです 何かあったときは 暗証番号を変更できます」
「ありがとう そうすると 作り付けの扉についている金色も
このカードで開くんだ」
「ええ デザイン的に全部に付けてあります」
幸三は扉を開け タバコの箱より小さいBOXのスイッチを差し
「ここのスイッチをオンにすると電気が流れカードを当てないと
開かない状態に出来ます」
「そうすると 自分で都合が悪い所はONにしておけば
僕と洋子さん以外は開けられないんだ」
「ええ そうです」
「格好いいわね お客さんが来た時 カードを当てて扉を開けるなんて
素敵よ ありがとうございます ねぇ 神山さん」
「うん 戦略OKだね」
この後 電話の設定やインターホンの設定を聞いた
この部屋は 神山と洋子が在席している時 来客するとまず
電話器インターホンで話し 中でドアを自動で開けることが出来る
リモコンがあり 不在時は本社の営業時間ないなら秘書課に繋がり
営業時間外は留守電にセットされる あと営業時間内であっても
留守電にセットできるようにもなっている 
逆に営業時間外でもこの受付に直接繋がるようにセットできた
メッセージの音声調節の細かい事はマニュアルに書いてあった
神山は
「じゃあ 今は 営業時間外でしょ そこへ僕が来たとしよう
洋子さん 設定をしてね 1分後に受話器を取りますから」
「はい 分りました」
神山は一回部屋の外に出て待ったが
壁には もう神山次長のプレートが貼ってあった
1分が過ぎたので受話器を取ってみると
「おはようございます 神山次長席です どちらさまでしょうか?」
「神山です おはようございます 開けてください」
神山は開けてくれると思ったが開かないので
「おいおい開けてくれ」
「カードはどうされましたか」
神山はカードをスキャンさせ暗証番号を入力すると開いた
「まいったな こら」
3人はまた大笑いした
「神山さん この扉自動扉のばねが可笑しくなったら
こちらの機械係で治せませんので私にお電話ください」
「わかった ありがとう しかし仕事が楽しくなるね ねぇ洋子さん」
「ええ ほんと今まで体験した事無い事ばかりです」
幸三は今度は空調機や電気関係を説明した
神山と洋子は全ての説明を聞き終わると 
「なにか異常が有ったときは幸三ちゃんに電話をすればいい訳だ」
「ええ この電話機の3番に僕の携帯が記憶されていますから
#押して3を押して頂ければ私の携帯に繋がります」
「そうか 幸三ちゃんの3か 分りやすくていいね」
「順番を変える事や電話番号や住所 名前などの登録も
このマニュアルに書いてあります」
「わかった ありがとう 助かったよ」
幸三は完全に引渡しを終えたので
「では失礼します」
「うん ありがとう」
神山は幸三が部屋を出たあとモニターを見ると幸三がエレベーターで
帰るところが映し出されていた

「ようやく 出来たね」
「ええ お仕事の環境も良いですし 最高ですね」
洋子は神山に近づきキスをした
神山は思い切り抱きしめたが自重した
「さあ 洋子さん PCなど色々と点検して直ぐに動くようにしよう」
「は~い 分りました」
「洋子 この電話でも留守番設定できるんでしょ」 
「ええ 大丈夫です 最後に設定したのが生きます」 
「そうするとさっきはそっちの電話で設定していても僕がこちらで
設定すれば この設定が生きるんだ」
「ええ そうです」 
神山は留守電にして音声を小さくし時計を見るとまだ8時だった
「洋子 今朝は食べてきた?」
「いいえ まだです」
「うん そうしたらコンビニでサンドイッチでいいかな」
「ええ 私 行って来ます」
「うん お願いするね あとコーヒーも」
神山は洋子に
お使いを頼み部屋で足りない物を次長席で書いていた
アルタの計らいでモニターにTVチューナーが付いていたので
TVを見ることにした 上原にはTVチューナーが無いので
TVは見なかったがここと代々木で見られることになった
声を少し大きくして部屋の外に出て聞いてみたが全然音漏れは無かった
そこに洋子が帰ってきて
「なにやっているんですか?」
「うん 音漏れの検査さ 今 TVの音を大きくしているんだ
聞こえないだろう」
「ええ ぜんぜん聞こえないわ」
神山がドアを開けて見ると大きな音が耳を襲った
「ふぁ~大きい音 これだけ大きくても大丈夫なんですね」
神山は音を小さくしながら
「うん 幸三ちゃん完璧に作ったね」
そう言って神山は持ってきた500万円をだし
「昨日話をした分です ここから今日100万持って行き 残りは
引き出しに入れておく いいね」
「私も持ってきました 390万あります これはそうすると」
「うん 洋子の引き出しに入れておいてください
で 上原に約150万おいてあります さあ食べよう」
「頂きま~す」
神山と洋子はTVを見ながらサンドイッチを食べた
食べ終わった神山がタバコを吸いはじめたが灰皿が無かった
「あとで灰皿と空気清浄機を買おう 忘れていたよ」
「あと ごみばこも一緒に買いましょう」
「ゴミ箱が無いんだ 忘れていた 代々木は買ったよね」
「ええ 買いました」
「あ~あ 肝心な物を忘れていたよ」 
神山と洋子は笑った

時間が8時30分になったので二人は車でアルタへ向った
少し早く着いたので 受付の小谷美佳が
「神山様 こちらで少々お待ちくださいませ」
と仕切りのある待合室に案内され暫く待った
9時少し前に小谷美佳が先導して 奥にある応接室に案内された
内藤社長以下役員が数名いて神山を向いいれた
「やあ よく来てくださいました」
内藤社長が声を掛けてくれ神山も
「何時もお世話にありがとうございます 本日はまだ人事命課前ですが
色々と動き出している事もあり ご挨拶に伺わせて頂きました」
「山ちゃん 堅苦しい挨拶はそこまでで こちらから紹介しよう」
内藤社長が佐藤部長以下紹介して 自己紹介が終ると
「普段はみんな山ちゃんと呼んでいるが 神山 龍巳さんです
それと こちらが田所洋子さんです 田所洋子さんは
我社の社員になられます お願いします 役職は部長で
山ちゃんの専属秘書です 尚 この本社に席は無く
鈴やさんに次長室を設けそこで勤務します」
佐藤が
「山ちゃん 色々と聞いています 凄いとしかいいようがない
私も応援させてもらうから 頑張ってください お願いします」
「こちらこそ 今月初めのお話が無ければこのような 喜ばしい
事態になっていません 感謝をしております」 
内藤社長が皆を座らせ 受付にコーヒーを頼んだ
雑談が始まりコーヒーを飲んでいると 内藤社長が神山に
「山ちゃんちょっと」
と言って席を立ち部屋の隅で
「高橋から聞いたけど 新築するんだって?」
「ああ その件は 保留になり今 違う方向に話がいっています」 
「うん なに?」
「ええ 最初は自分の家の新築だったんですが 老人ホームを
考え始めたんです」
「山ちゃんが?」
「あっ 知人です それでアルタさんでそこまで出来るか否か と金額
で 今は老人ホームの話を詰め様としているんです」
「山ちゃんの知人が家を新築し様と考えていたが 老人ホームに
考えが変わってきたと そう言う事ですか」
「ええ」
「出来ない事無いけど 割高になるな それと幾らぐらい 予算は」
「ええ 約 2億です」
「う~ん 一般家屋なら 5千万も出せば充分りっぱな箱は出来るけど
老人ホームだと 最低4億は見ておいたほうがいいと思いますよ」
「そうですか 私も調べたら 2億できついと思っていました」
「そこでアルタと繋がりは」
「ええ 知人本人は経営に参加しないという事で こちらで
運営していくと そう考えたんです」
「そうか その手があるね うん分りました ちょっと時間を下さい」
「はい で今日ニーナ・ニーナさんの挨拶が終ったら 静岡に行きます」
「えっ そんな 相変わらずですね 貴婦人で」
「ええ 貴婦人で しかし私のは2シーターですよ 社長より
ランクが下です」
「まあ 2人分の価格でしょ 気を付けて行って来て下さいね」
「ええ 最初から飛ばすとエンジン壊れますから 程々で行きます」
「ええ お願いしますね それと代々木はどうですか?」
「ええ ほぼ揃いました ありがとうございます 代々木ホテルですね」
「良かったですね そしたらこれ今日の軍資金です泊まりでしょ」
「ありがとうございます なぜ分りますか?」
「男だったら 分るでしょ さあ」
神山は内藤社長から封筒を貰いお辞儀して挨拶をした
「それと 昨日は済みません 内野が」
「いえ 楽しかったですよ ありがとうございます」
「すごいスコアですね 驚きました」
「いえ あれも社長から頂いたクラブのお陰です」
「そうか ぼくもあのクラブはいいと思っていたんだ そうか」
「ええ バランスが僕に合っていまして 最高です」
「そんなに良いの」
「ええ 殆ど7割方の力で フルスイングすると曲がるので
練習をして なじみます」
「あのスコア 7割がた はあ よしあれを買おう」
「ええ 良いですよ」
「あっ ごめんごめん ではどうしますかお昼は」
「ええ 次長室 あっ 次長室ありがとうございます 気に入りました」
「それは良かった 先ほど田中から報告ありました」
「ええ 次長室などまだ揃えなければいけなくて 済みません」
「そうですね では今度は30日にお待ちしています」
「はい その時は貴婦人で来ます」
「はい お待ちしています 
それではみなさん これで山ちゃんが帰ります 玄関まで行きましょう」
アルタの内藤社長と神山が話しながら玄関に来た時 洋子が小谷美佳に
「どう 翔君」
「ありがとうございます 全然いい人ですね 
まだお会いしていませんが そのうちにお会いしたいと思っています」
「そうしたら 催事課のみんなで合うからその時 いらっしゃい」
「はい ありがとうございます お待ちしています」
洋子の話しが終ると神山が皆に
「ご多忙の所ありがとうございます 失礼致します」
と挨拶をして アルタ本社を後にした 

「土地の件は?」
「うん 大丈夫だよさっき話した それで小谷さん なんだって」
「ええ 翔君を気に入ったみたいね」
「ほう 良かったね それはそれは」
「近いうちに催事課の人たちと合わせるわって約束したの」
「いいね そうすうと部下が出来て 彼女が出来て 
そろそろ僕の話題から 逸れてほしいね」 
「大丈夫ですよ 若いから直ぐに話題の中心になりますよ」
杉田の話をしていると鈴やについた 洋子を下ろし
そのままパーキングに行って バンを返した
部屋に入る時 早速インターホンを使うと 扉が静かに開いた
最初に目に飛び込むのが洋子だった 神山は洋子に
「交代しよう 外から入ってきて 僕はここに座っているからね」
洋子が外に出て インターホンを使うと扉が開き 神山が最初に
飛び込んできた
「どう思う」
「えっ」
「うん 照明がもう少し明るくても良いかなと思ったんだけど」
「そうね 逆光だからこちらから照明を当てないと暗く感じるわね」
「うん そうしたら#3で話すよ」
洋子が操作し 神山が子機を持ってソファーに座り幸三と話した
「やっぱり幸三ちゃんも気になっていたそうだよ」
「さすがね 貴方は凄いわね 驚くわ」
神山は時計を見ると10時になったばかりだった 祥子に電話した
「神山ですが おはようございます」
「私です おはようございます」
「実は 先日話したビジネススーツの件なんだけど」
「ええ あるわよ 準備はして有ります」
「今日は銀座にいるの?」
「ええ 午後から貴方のご挨拶があるので本社に戻りますよ」
「ありがとう そうしたらこれから伺います お願いしますね」
「はい お待ちしております」

神山と洋子は部屋を出て店内のニーナ・ニーナに向った
店内では神山とすれ違う社員がみなお辞儀をしていた
自身なんだか訳が分らなかったし洋子に聞いても分らないと言った
ニーナ・ニーナに着くと祥子が笑顔で迎えてくれた
「先日は色々とご手配して頂きましてありがとうございます
あの時は ここの商品も半分無くなり 買いそびれた方は
他のブティックをご覧になっていましたよ」
「そんなに凄かったの?」
「ええ 上原が無くなってからもお客様が列を作って最後まで大変でした」
「まあ 良かったね 早速 スーツを見せてください」
祥子が出してきたスーツを洋子は試着をした
「こちらの方が動きやすいわ 生地は一緒ですか」 
「ええ 一緒です 違いは袖の付け根が少し大きい事くらいです」
「そうしたら これを2着でいいかな」
「ええ 2着あれば充分です」
「あと ハイヒールもご用意しました」
洋子は穿いてみて少し歩いてみて
「いいわ これいい 疲れないわ」
「同じのを3足下さい それとブラウスだったよね」
「はい このブラウスもビジネスなので
袖の付け根が少し大きい事です 見た目はあまり分りません」
洋子はブラウスも試着し腕を廻したりし
「やはり違うわね 凄くいいわ」
「これは何枚買う?」
「そうですね 3枚もれば大丈夫です」
「そうしたら 合計してください 現金で払います」 
「はい スーツが18万円x2で36万円 ハイヒールが5万円x3で
15万円 ブラウスが4万円x3で12万円で 合計63万円になります」
神山が63万円だし祥子に手渡した
「これどうしようかな まだ買うし」
「お届けしますよ」
「うん でも居ないからね」
「催事課は」
「うん もう当てにしたら怒られるでしょ」
「大丈夫ですよ 後で人事の後輩が取りに来ます」
「そうか そうしたら 30分位だけど 置いといてね」
「はい 畏まりました」
祥子は笑顔で見送ってくれた
二人は家庭用品売場へ行って部屋に合ったゴミ箱と灰皿を買って
「洋子 もう忘れ物はないよね」
「ええ 出来れば雑巾位かしら バケツも必要ね」

神山はバケツ 洋子はゴミ箱を持って部屋に戻った
洋子は早速人事に置いてあるものを後輩に頼んで持って来る様指示をし
ニーナ・ニーナにもあるので忘れないよう伝えた
神山は催事課にある分を持ってくると言って部屋を出た
催事課に行くと奥村課長しか居なかったので挨拶をすると
「山ちゃん すごいね またやったね」
「えっ」
「ニーナ・ニーナのオープンだよ お陰でこちらも大変だったよ」
「ああ 上原組のツアーですね 今聞きました」
「何しろ 普段の倍以上の売上だよ 池上店長も喜んで
夜はここで宴会さ みんな疲れたよ おれも借り出されたんだ」
「お疲れ様でした」
「筒井さんも大喜びでもう笑いが止らないんじゃない」
「そんなに 良かったですね」
「きょうは?」
「ええ 荷物の移動です」
「そうか 見せてくれるか 部屋 だれも見ていないんだ」
「内緒ですよ」
「うん わかった」
神山は荷物を持って部屋を出て受話器を使ってドアをあけた
奥村課長は入った瞬間
「ふぁ~ なんだ凄いね なんかさ鈴やじゃないよ」
カウンターで洋子が
「いらっしゃいませ 奥村課長」
「やあ 田所さん 凄いところですね なんか別世界だな」
「ええ ここから新しい世界を創造していくんです」
「はあ~ 奇抜は奇抜だけど 落ち着いているし変な雰囲気ですね」
神山が
「はい 洋子さん これで一人目 ねぇ」
洋子は頷いて OKサインを出した
「なんだ 一人目って」
「ええ 内緒です ふふふ」
「気持ち悪いな」
「ところで奥村課長 催事課が全員集まる日はいつですか?」
「えっ どうして」
「ええ 皆さんにご迷惑をお掛けしたんで慰労会をしようと思って」
「わかった ちょっと待ってくれ」 
部屋に戻って出勤簿を持ってきた
「4日の月曜日はみんな来ているな 夜 空けるよう伝えるわ」
「洋子さん 4日月曜日 何時ですか」
「うん由香里姫のタイムカードがあるしな 6時か」
「洋子さん 4日月 18時催事課と入れてください」
「は~い 分りました」
催事課の電話が鳴ったので奥村課長は
「じゃあ お願い」
「ええ 場所は後ほど」
「では ハンガーにかけて整理するか」
神山は自分の荷物を整理してジャケットを掛けるのにわざわざ
クローゼットを開けなければいけない事に不満があった
ジャケットに入っている内藤社長から貰った封筒を開けてみると
50万円入っていてそのままの状態でボストンに入れた
「さあ あなた綺麗になったでしょ」
「ありがとう 感謝しているよ」
神山は抱き寄せてキスをした 
「だめです 後輩が来ます」
「そうだね そうしたらコーヒーでも買って来ようかそこの自販機だけど」
「ええ コーヒーくらい出しても良いかな」
「じゃあ買ってくるよ」 
神山が出たとき人事の若い女性が2人で台車を押してきた
「ここの受話器で扉が開くよ」
そう言われ 後輩が受話器を取上げると田所が出たので
慌てて 人事のものですと言うと ドアが開いた
二人が台車を押しているので神山が手伝い部屋の中に入れた
「驚きました 突然先輩の声が聞こえたから 済みませんでした」
「いいのよ 悪いのは神山さんでしょ」
「ええ 受話器でドアが開くと言われたので まさかと思ったんですよ」
神山は
「じゃあ 買ってくる」
神山はほんの2,3分の所にある自販機で缶コーヒーを買い部屋に戻った
「はい これ飲んでいって」
神山はそう言って次長席に座り
鍵のついた引出しから5千円札2枚をだして
「少ないけど お駄賃 内緒だよ いいね」
「えっ~そんな 先輩頂いていいんですか」
「頂いていいわよ 内緒よ」
「ふぁ~ うれしいわ」
二人は笑顔で5千円札を握って幸せそうだった
神山と洋子は自分にもこんな時期があったな~と思い出していた
「先輩 このお部屋 誰が考えたんですか」
「神山さんよ どうして」
「ええ すごく格好いいんですよ だけど落ち着きますね
わたしもこんな感じのお部屋に住みたいなって思ったんです」
「私もです なんか圧倒されそうなんだけど バランスが取れていて
落ち着くって言うか 変な雰囲気ですね」
「洋子さん 3人目」
「そうですね」
神山と洋子は笑っていた 若い女の子達はコーヒーを飲み終わったので
「失礼しました 先輩 また用事があったら私を指名してくださいね」 
「はい」
「では 神山部長 ありがとうございました 失礼します」
女の子達が出て行くと静かになった
「やはりこの部屋は なにか特別な見る人の心が見えるようだね」
「ええ 面白いわね それはそうと4日は何処にしますか」
「近場だと 四季だけど 築地にしようか
銀座築地 寿司屋いせ丸で決定」
神山が電話しようとすると洋子が
「私がします 電話番号を教えてください」
神山が教えると9人で予約を入れ大丈夫だった
「洋子なぜ9人なの 8人だろ」
「いいのよ お楽しみって言うか アルタの小谷さんを呼ぶの」
「そうか それはいいや 話題が逸れて ありがとう
4日ってことは我々の部下になるんだ そうか まあ下を
繋いでおけば何かあったときは助かるでしょ」
「そうね 上より下ですね」
神山がソファーで寛いでいると洋子は自分のスーツを片付けたり
目の前を行ったり来たりしていた 
神山も何かやろうと思って立ち上がったが何も無いので洋子の
お尻を撫でると
「なにやっているの 私は忙しいのに もう」
そう言って神山の手をピシッと叩いた 結構本気だったので
「催事課で使っていたもの持ってくる」
そう言い退散した
神山は催事課の部屋に行き自分で使っていたデザイン用具を
ダンボールに詰め込んでいた 杉田が店内から戻ってきて
「先輩 いらっしゃいませ 先日はありがとうございます」
「うん ところで 上原ご苦労様でした」
「ああ もう先輩が帰った後大変でしたよ ここの1階はお客さんで
一杯になるし 僕なんて5時過ぎまで上原に居たんですよ
ほんと 疲れました だけどその夜 池上店長がご苦労様でしたで
この部屋で宴会でした 池上店長も歌なんか歌ってましたよ」
「そんなに喜んだか」
「ええ なにが嬉しかったのか 怖いくらい上機嫌でした」
「それで 日本酒を呑みすぎか 翔は」
「ええ 何で分るんですか 誰から聞いたんですか 僕がべろべろに
なって 足腰が立たなくなったって」





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