2014年3月29日土曜日

紫陽花 9 - 54 Vol. 1



6月22日 月曜日 23時
「ふふふ 少し生えてきましたね」
「うん 髭と同じさ 伸びてくれないと チクチクするよ」
「やはり チクチクしたの」
「うん なんか痛痒い感じだった」
祐子は神山の背中を洗っているときに おちんちんも丁寧にしごいた
丁度 剃られた後のところがじょりじょりし 気持ちよく神山に聞いた
「さあ 僕が洗う番だ」
祐子は交代をしないで 乳房を神山の背中に当てながら肉棒をしごき
片方の手はお尻からまわし 袋を愛撫した
「おお 新しい手を考えたね うーん 気持ちいいよ」
「そうでしょ 由貴さんから教えていただいたの ふふふ」
祐子は袋の愛撫を止めると 鈴口の愛撫に移った
神山は気持ちよく 肉棒の先に充血させると
「祐子 駄目だ 出るぞ」
「いいわよ 一杯出して」
祐子は手の動きを早くさせると 神山は堪らず出してしまった
「わぁー 一杯出てるわ よかった?」
「うん」
祐子は神山の前に跪くと 肉棒を丁寧に洗い流しキスをした
「さあ 今度は僕の番だ」
神山は祐子を立たせると 首から下へ順番にソープでマッサージした
後ろ向きにさせると 背中や脇腹も丁寧にマッサージし
肉棒をお尻に宛がいながら 乳房や乳首を愛撫した
「あっ 気持ちがいいわ あっ あっ うーん」
祐子は時々体を捩って 快楽から逃げようとするが
又 自分から快楽を求め 神山に身を任せるようになった
「あっ いいわ あっ あっ」
祐子は神山の肉棒を掴むと 上下に動かし大きく硬くしていった
神山も充分に硬くなると 祐子のヴァギナに手をやり
クリトリスを集中的に愛撫をした
祐子が快楽に耐えられなくなり 白く透き通る形のいいお尻を
神山の肉棒のところに 突き出すと
「入るよ」
「入れて お願い 我慢できないわ」
神山はヴァギナに挿入すると 最初はゆっくりと動かし
祐子の乳首を愛撫していた
「ああっ いいわ あっ あっ」
神山はだんだんとピストンを早くすると 祐子の喘ぎも激しくなり
「ねえ いきそう あっ あっ きてー」
「うん 気持ちいいよ うっ うっ」
二人の運動のテンポが合うと 祐子は快楽の最高潮に達し
「いぐぅー うっー あっー あっー」
神山は祐子の膣がどんどんと狭くなり肉棒は耐えられずに
「祐子 出るぞ」
「きてー いくわぁー あぁー」
祐子が果てると神山も合わせて 果ててしまった

6月23日 火曜日 小雨
「やあ おはよう」
「もう 何時まで寝ているんですか もう7時半ですよ」
「うん ごめんごめん 今起きます」
神山は昨夜バスルームで2回交わり ベッドで2回交わり
3回目には応じる事が出来ないで 降参をした
(あーあ 降参すると 翌日はきついな 参ったな)
神山はそう思いながら シャワーを浴びた
祐子は着替えを準備すると キッチンで朝食の準備をした
神山が下に降りると祐子は缶ビールを用意し神山に渡した
「祐子 久しぶりのお湿りだね」
「ええ 今年は空梅雨だから いいお湿りですね
紫陽花って 雨に合っていますね」
祐子は雑木林の紫陽花を神山に教えると 綺麗な花が咲いていた
まだ蕾もある紫陽花だが 祐子の言うように雨に似合っていると思った
雑木林の紫陽花は丁度30株位だが プールの方にも30株くらいあり
これから目の保養になると思い 満開が待ちどうしかった
「祐子 あの紫陽花の後ろに もみじがあるけれど あれが紅葉すると
さぞ綺麗だろうね」
「ええ あと西側の方に 百日紅もありますよ あれも小さな花で
可愛らしくて 見ていても飽きない花ですよ」
「ああ あのつるってした感じの木だね ここはいいね 桜や梅
紫陽花や百日紅 そしてもみじだもの 一年中花が見られる」
「ええ そうですね ふふふ いいお庭です
そろそろ朝食にされますか 簡単ですが、、、」
「うん ありがとう」 
神山はビールを呑みながら 庭の景色を楽しみ食事をした

「祐子 30分寝かしてください」
「はーい お休みになってください」
神山は30分寝る事にしたが 今日の仕事が頭の隅にあり
なかなか寝られなかったが 庭の紫陽花を見ているうちに寝入った
「あなた 起きてください お願いします もう」
祐子が起こしても なかなか起きないので 神山のおちんちんを引張ると
「わぁーお 痛い 分かったから止めて お願いします」
「ほんと 大きくて逞しいのに 夜は駄目ね もう」
神山は何も言えず 起き上がるとシャワーを浴びに主賓室に戻った
着替えを済ませると 祐子にキスをして
「今日も プールに行くの?」
「ええ そのつもりですが なぜ?」
神山はダイエットやボディーライン維持ならともかく
体力を付けられるのは 少々困った
「うん 程ほどに泳いできなさいね」
「駄目よ そうしたらラインが崩れるし それでもいいの?」
「分かった 存分に泳いでください」
神山は祐子が力をつけ 毎晩のように求められ 
毎晩降参したらどうなるんだろうと思うと 祐子がだんだんと怖くなった

次長室に着くと 神山は昨日のQ&Aをもう一度見直した
10時にはまだ1時間近くあり 銀行に電話をして現金を取りに来て貰った
現金を大きな袋に入れ現金輸送車に運ぶと神山は洋子にメモを残した
大口預金の部屋に入り5人の係員が10台の機械でお札を勘定し
対応したが20分くらい掛かり
「神山様 現金は20億円で間違いないでしょうか?」
「はい」
神山の通帳を預かると入金手続きがされ 次長室に戻った
「おはようございます 朝から銀行行かれたんですか」
「うん ここに現金の山があってもどうにもならないからね」
「そうそう ねえ 現金の預金先だけど スイスにあるスイス銀行から
先日返事が来ているのよ 待っていてね」
洋子はEMSを引き出しから出し神山に手渡した
【お問い合わせ頂いた 新規口座の開設については 担当役員の
合意が得られたので 開設をします 、、、、、、、、、、、
尚 出入金単位は100万円単位
以上 ご理解頂けましたら 下記担当係員まで希望口座番号と
10桁の英数暗証番号を 記入の上 返信してください
注意 口座番号は英数字で20文字以上です 数字には上の欄に
チェックを入れてください 、、、、、、、、、、、、、、、、
返信され次第に口座が設けられ 世界の銀行から入出金が出来ます
出金の場合は 担当係員に電話で指示をし 希望の銀行に送金します
その時に口座番号と暗証番号が必要になります、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 以上 スイス銀行】
「へぇー 凄いね洋子 どうしたの」
「ええ 以前あなたが 入金した時に銀行が潰れたらどうしようって
そんな話をしていたでしょ だから色々と調べて
向こうにあなたの財産などを知らせたのよ」
「へぇー 洋子が僕の財産を調べたの?」
「違う違う ごめんなさい 会社役員など 色々と職についているでしょ
だから会社名や役職名など 現在の職を全て書いたわ」
「ああ その部分の話ね なるほど」
「そうしたら 先日 本社人事に先方から電話があって 
在籍確認が出来た訳 それでアルタの武田さんの所ににも
電話があったって言っていたわよ だから申告したところへ
全部電話をして 在籍確認をしていると思います」
「なるほど それは助かった ありがとう
では早速 口座を書かなければいけないな」
神山は鈴やの個人番号から記入して名前を逆から入れると
丁度20文字になったが 更に最後に個人番号の逆からの数字を記入した
「洋子 記入したけれど どうやって返信するんだ」
「ええ 私がEMSで出すから大丈夫よ そうそうサインを忘れないでね
これからずーっと使うものだから」
「うん サインしたよ ではコピーを取ってくる」
神山は催事課に行くとみんなに挨拶をして申し込み書をコピーをした
「ではこれでお願いしますね」
神山は書類を洋子に渡すと EMS用の封筒にあて先など 簡単に記入し
申請書類を入れると 神山に
「はい 出来上がりです これで郵便局へ持っていけば 大体3日位で
スイス銀行に着きます」
「ありがとう でも入金方法が分からないな」
「あっ ごめんなさい その事については こちらの書類よ」
神山は洋子から書類を受け取り読んで見ると
銀行の窓口で普通に入金できるので一安心した

ソファーで寛いでいると アレックスジャパンのJrや秘書の篠原涼子
ジャック へリントン副社長とナタリー秘書が部屋に訪れた
神山はGプロの高橋や佐藤部長 GDの田辺 建築の渡辺を次長室に呼び
洋子は椅子を用意して みなが席に座った
「すみませんが アレックスブースと関りのある会社が来られますので
もう暫くお待ちください」
5分ほど待つと東都食品の副社長 田宮浩司と秘書の里香 
森和幸 営業推進部長の3名が訪れた
「神山さん 遅くなって申し訳ございません」
「大丈夫ですよ それでは初めてという方が居ると思いますので
私の方で紹介をさせて頂きます」
神山はGプロメンバーの紹介をし アレックスジャパン 東都食品と
全員の紹介をした
「では 責任者の高橋さん お願いします」
神山は次長席に座り 佐藤部長も神山の隣に座り打ち合わせを聞いた

高橋は昨日午後のシュミレーションのように分かり易く
ブースデザインを説明して行った
アレックスJrやジャックも頷きよく話を聞いていた
高橋の説明が一通り終わると神山が
「では 質問やご要望をお聞きし すり合わせをしたいと思います」
Jrは全体のイメージは大変素晴らしく 何も言う事は無い
ただ共有部分の地下と自分のブースの関連付けの件やイベントを
行う時のスペースや顧客整理と販売体制など かなり突っ込んだ
質問が出された

高橋が神山を見たので神山が
「共有部分の関連付けは 例えば基本カラーで誘導をする方法や
販売員にアレックスのユニフォームを着せるとか考えています
例えば 床導線ですが この中央通路に基本カラーを使い
アレックスブースまで引張ります ここにデザインしたのがあります
田辺さん お見せしてください」
田辺は昨日通りの展開になってきたので 気持ちに余裕がうまれ
説明をしても 分かり易くJrを納得させた
「ありがとうございます 田辺さんの説明 よく分かった
では 私はこの基本カラーとアレックスユニフォームがいいと思う
ジャックはどうですか」
「ええ 社長が言われたように 私もこれなら問題はありません」
「神山さん OKです これで進めてください あとイベントの事です」
「ええ 私はこのスペースで出来るイベントを考えています
例えばスーパーカーを展示し みんなに触って頂き見て貰う
で 例えばこの車にはこんなエピソードがあるという部分を
同じ展示場内で展開していきます
例えば この車がテスト中に350km出したというエピソードが
あったら ゲームコーナーの感覚で モニターに350kmで
走る映像を流すとかするわけです」
「おお 楽しいね 大変いいですよ でも神山さん
その話は 男の子の話で 女の子の場合はどうしますか」
「ええ 例えば 小さくて可愛らしい車を用意して 子供用に
ブースの中を開放するんです 勿論 大人になれば本物を見ますがね」
「なるほど 楽しい企画が一杯ありますね」
「ええ それで 企画の話は 基本線はこちらのGプロで考えます
その下の部分 更にその下のアイデアなどは会社で考えて頂き
こちらとすり合わせをしながら 進めればいいと思っています」
「そうですね 分かりました 私たちは 基本的にこのデザインでOKで
後 地下は先ほどの基本カラーの差し替えでOKです」
「ありがとう Jr この案はすでに先方に確認してあるので
このまま進めば 早くから手を付けられるよ
それで田宮副社長ですが アレックスのユニフォームでも
別に問題は無いですよね」
「ええ うちで調理や販売をしたとしても 問題はありません
ただ どこかに東都のロゴを入れて欲しいと思います」
神山は暫く考え
「どうでしょうか ユニフォームの中にロゴをデザインする方法は」
「ええ いいですね そうしましょう それなら問題ないです」
「Jr ユニフォームを白で作った場合 アレックスのロゴも入れようか」
「うん いいですね それだとよく分かりますよ OKです」
「田辺ちゃん 早速ユニフォームのデザインをお願いしますね」
「はい 分かりました」
「田宮副社長 出来れば横文字のロゴってありますか?」
「ええ あります そうしましたら メールで直ぐに送らせますよ
実際製作段階では きちんとしたロゴをお持ちいたします」
「はい 分かりました では田辺ちゃん メアドをお知らせしてね」
「はい 了解です」
「では アレックスブースの第一回の打ち合わせを終了したいと
思いますが なにかありますか?」
特に無いようなので神山は解散をした

「神山さん これなんですが 試食をしてください」
東都食品の田宮は缶詰とペットボトルの水を神山に渡した
「何ですか?」
神山は缶詰を開けると レタスの真空パックが出てきて
「そのレタスを缶詰にあけて頂き 水を線のところまで入れると
パリパリのレタスになります どうぞ試してください」
神山は言われたように すると乾燥したレタスが水を含み
少し大きくなったところで 水が無くなった
神山はレタスを食べてみたが 新鮮さとレタスの歯ごたえは充分あり
これはいけると思った
「美味しいですよ 出来たんですね」
「ええ 何とか作りました まだ試作段階でもっと自然に近づけようと
毎日実験を繰り返しています」
神山が缶詰を洋子に渡すと 一口食べてみた
「ええ 充分に美味しいですよ レタスのパリパリ感があって」
「ありがとうございます これを地下の共有部分で作りたいと思っています
そこで提案なんですが 工場とまではいかなくても生産ラインを
ガラス張りにして 皆さんに見て頂くとどうかなと思っています」
「それはいいアイデアですね 相乗効果も狙えるし いいですね」
「ええ これは利益を度外視した私の考えなんですよ
通常 工場見学をしなければ見る事は出来ませんが 食べているレタスが
このように缶詰になって製品になれば 大人だけではなくて
子供も喜ぶと思います なので当分の間はGOL限定販売です」
「そうですね 希少価値が生まれ 話題性も充分だし
では 田宮さん この事も鈴や食品と考えていきましょう いいですか」
「ええ お願いします ただ生産ラインについては 私どもで
経費を計上します 勿論 販売の時は鈴や食品さんと一緒にお願いします」
「そうですね それでしたら フード店舗内に レタスを栽培して
そのレタスを使って 缶詰とかフード店で食べて頂く事は出来ますか」
「ええ 充分に可能です レタスは日照時間の関係で大きくなったり
味や食感が変化します その事はデーターを取りました 副産物です」
「いいですね やりましょうよ でもレタスは自然のものと
遜色ない いい出来栄えでしたよ ありがとうございます」
「ええ 機械を1台壊しました ははは」
「えっ 大変ですね」
「ええ これはコーヒーと同じように 急速真空冷凍で作るんですよ
時間をかけると このように美味しいものは作れません
そこで 壊れるのを覚悟して 機械を弄り作ったんですが
次に レタスを入れたら うんともすんとも言わなくなりました ははは」
「はぁー 凄いですね 次のレタスを楽しみにしています」
「ええ 通常工場ラインだと 結構な広さが必要になりますが
イベント要素を考えると ミニ工場で済みます」
「はい それではその広さや 大体の感じを担当デザイナーと話して下さい」
「はい ありがとうございます 高橋さんでよろしいですか」
「ええ 高橋さんと話をして それから先は担当になります」
「では 高橋さん お願いします」
「はい 分かりました 楽しいプランなので 頑張ります」
神山はこれで ブースの説明が終わったので解散した

アレックスJrが神山にビーフジャーキーがどう進んでいるか聞きに来た
「うん もう少し待ってください 鈴や食品の時に話をします
なので もう少し時間が掛かります でも作りますよ」
「はい お願いします 私もGOL限定販売し 数字を見ながら
日本全国展開と世界展開を考えています」
「そうしたら どうだろう 味や品質管理を鈴や食品 製造を東都食品
販売をアレックスって どうかな?」
「おお いいアイデアです グッドですよ」
「それでは 鈴や食品の打ち合わせの時に提案しますが 東都食品の
田宮さんはその条件でよろしいですか」
「ええ 最終的には金銭が絡みますが 原案に賛成です」
「分かりました 洋子さん 今の話で覚書を製作してください」
洋子は会議が始まってからポイントを全てメモしていて 神山に
言われた事も直ぐに文章にした
【覚書 アレックス ビーフジャーキーの件について
本日 アレックスビーフジャーキー生産販売について 下記の様に
話が纏まり ここに記す
生産 東都食品 品質管理鈴や食品 販売アレックスJP
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
尚 出資額等詳細は 後日決定とする】
「うん ありがとう では各人のサインをお願いします」
最初に東都食品の田宮がサインをし 鈴や食品代理として神山がサイン
アレックスJPのJrがサインをした
立会人として 洋子 里香 涼子のサインが記されると
神山がサインの場所と時刻を記入してコピーをみなに手渡した

「さあ 話をしていると どんどんと進み楽しくなりましたね」
田宮もJrもニコニコして 神山に握手をして退室し
神山はビルの表でみんなを見送った
「山ちゃん 凄いことになったね」
「うん 考ちゃん 頼みますよ 楽しいよね これでリピーターが
増えれば 充分に存続は出来ます 勿論気を抜いたら駄目ですよ」
「ええ そうですね それにイベントプランをGプロで行うという事は
アルタが行うという事でしょ それも凄いですね」
「ええ 仕事が無くならない様に 考えました」
「ええ 早速社長に報告をさせて頂きます ありがとうございます」
高橋たちGプロのメンバーが次長室を出る時に佐藤部長が
「山ちゃん ありがとうございます」
深々とお辞儀をしたので
「佐藤部長 僕もアルタの社員ですよ 当たり前のことです」
佐藤は頭を上げると嬉しいのか 涙ぐんでいた
「さあ 洋子 久しぶりに近くの中華でも行きますか」
「そうね 雨が降っているから 近い方がいいわね」
「じゃ 催事課の翔を誘って見るか」
「ええ 近状も聞きたいし そうしましょう」
神山が催事課にいくと たまたま杉田と屋敷がいて
「こんにちは先輩 どうされたんですか」
「うん お昼はどうかなって」
「わぁー ごちです なあテツっ」
「はい ありがとうございます ご馳走になります」
4人は近くの中華料理店に入ると神山が生ビールと餃子を注文した
13時を過ぎていたが 店内は満席状態に近かったが
ピーク時のように外で待つ事はなかった

「翔 お中元の出だしはまずまずじゃないか 良かったな」
「ええ テツも良く動いてくれるし 僕も助かっていますよ」
「どうだね 屋敷君 少しは慣れて来たかな」
「ええ 最初の時と比べると 楽しく仕事が出来ます 大分慣れました」
「うん 何しろ現場が一番さ そうすると若い子から慕われ
だんだんと屋敷君の株が上がるよ そうすればしめたもので
催事課でも評価も上がり 結果進級が早くなるって構図さ」
「そうですね まだまだ実感はないですが なにしろ与えられた仕事を
無難にこなす それだけですね 自分の力をもっとつけないと
次のスッテップに上がれませんから」
神山はまだ若いのに良く出来ていると思い感心した
「ところで翔 例の話はどうしたの」
杉田は顔を真っ赤にさせて
「はい 結婚します」
それを聞いた屋敷は
「えっ先輩 そうなんですか おめでとうございます」
「うん そのつもりでいるよ まだ美佳さんには話していないんです」
「そうか 喜ぶぞ 早く話してあげろよ」
「ええ 今夜残業が無いので 逢った時に話します」
「翔君 良かったわね ふふふ でも独身ライフが出来ないからね」
「そ そんなぁー 僕は遊んでいませんよ もう なぁテツ」
「ええ その代わり 僕がいつも大変ですよ 酔っ払いに付き合ってね」
「またぁー そこを強調しないの もう 酒を呑べば酔うの もう」
「まあまあ これからは少し控えて 美佳さんの為にもな」
「はい 分かりました」

「そうそう 神山さん 涼子さんと先ほど少し話したの」
「ああ あの話ね うん」
「それで 今夜お時間よろしいですか」
「ああ いいよ そうしたらみんなで食事をするか 祐子も誘おうか」
「ええ その方が緊張しなくていいと思うわ」
神山はアレックスJrに電話をして涼子に残業をさせないように頼んだ
「神山さん 了解したよ もう少し早い時間でもいいよ」
「なら 赤坂のスカイホテル6階にステーキハウスがあるので
そこに6時でお願いします 僕が予約を入れておきます」
「はい了解です それから先ほどの覚書を 本国の父親にFAXしました」
「ありがとう こちらでもFAXしておいたが 喜ぶよきっと」
「はい では6時に現地で お願いします」
「洋子 JrはOKで6時にステーキハウスで待ち合わせだ」
洋子は頷くと早速 予約の電話をいれ席をキープした
「先輩 涼子さんて この間の涼子さんですか」
「うん そうだよ」
「へぇー それで 何かあったんですか」
「ははは まあもう少ししたら 話せる状態なら話すよ 何もないよ」
杉田と屋敷が餃子を良く食べるので神山は野菜炒めと餃子の大盛りを
追加注文すると 杉田が生ビールも追加した
丁度全員のジョッキが空になりいいタイミングで注文した
神山は杉田が 以前に比べ周りをよく観察するようになったと嬉しかった
みんなで餃子やビールを呑んでいると神山の携帯が鳴った
「はい 神山ですが」
「内藤です 凄いですね 滑り出しは絶好調ですね」
「ははは まだまだこれからですよ それで、、、」
「ええ 経費が絡みますが 送られたFAXを見る限り 充分安泰です
そこで 会社として気持ちを入金させて頂きました」
「えっ 入金ですか またぁー 社員としては当然ですよ」
「ええ ですが利益が明確に分かり それが持続すると判断しました
山ちゃん 素晴らしいですね ほんと気持ちですから」
「はい ありがとうございます」
「では」
神山が電話を切ると洋子が心配そうな顔で
「どうされたんですか 入金って」
「ああ 先ほどのプランが内藤さんは 非常に良いと評価され
会社として気持ちを入金したという話です」
洋子は安心したのか ニコニコして 神山にキスをした

「あーあ 田所さん それはないですよ なあテツ」
「ほんと 見ていられない もう」
二人に攻撃され洋子は顔を真っ赤にして
「ごめんなさい でも自分のように嬉しいのよ」
その時に洋子の携帯がなり出てみると内藤だった
内容は神山と同じだったが 短時間で書類を纏め上げた事に対し
会社として評価をしたい よって特別ボーナスを振り込んだと伝えられた
挨拶をして電話を切ると神山に
「わぁー 私にも特別ボーナスだって やったぁー」
今度は神山が洋子にキスをすると 杉田と屋敷は何も言えず黙っていた
追加したビールや餃子が来ても 二人は神山と話をしなかった
「おいおい翔 どうしたんだ 黙っていて」
「だって 先輩 目の毒ですよ もう なぁテツ」
「ええ いい迷惑です そんなキスなんて 田所さんなら
まだ乙女で可愛らしくて 許せるけれど 次長がこの場でキスは駄目です」
そういうと 二人は神山を少し軽蔑しながら 箸を進めた
「ははは 挨拶だよ まあ慣れていないからな
でも翔だって そのうちに大勢の前でキスをする事になるよ」
「僕は自分からしませんよ もう」
「あれっ 先輩 先日は抱きしめてキスをするって 
例えみんなが見ていてもって そう言ってましたよ 違うんですか」
「あーあ もう ばらさなくてもいいじゃん この場はこの場です もう」
4人は大笑いをしながら 食事を終えた

次長室に戻ると神山は祐子に電話をしてみると留守電だった
「神山です 今夜は外食になりますので 5時には部屋に居てください」
暫くすると 祐子から電話があった
「ごめんなさい 祐子です 留守電を聞いて電話をしました」
「やあ プールですか?」
「ええ それで 1時間に1回ロッカーに戻り 携帯を見ています」
「ありがとう それで6時に美佳さんと洋子と食事をするので
5時には戻っていて欲しいんだ」
「わぁー 美佳さんと一緒ですか 嬉しいわ では5時ですね」
「うん 頼んだよ」
「ハイ 了解です 今日はもう2kmを2回泳ぎました 凄いでしょ」
神山はどんどんと体力をつける祐子が怖かった
「はい 頑張って泳いでくださいね では」
神山は電話を切ると洋子に 昨日降参した事や
これから体力をつける祐子の事を話すると
「まあ 珍しいわね あなたがそんな弱音を吐くなんて」
「うん 困ったもんだ あーあ 失敗したな プールの会員権
100万円を出してしまったんだよ あーあ 失敗した」
「いいじゃない 若いときだけよ 頑張れるのは 贅沢な悩みよ」
「そうか でもね 今朝も思ったんだ
昨夜降参しただろ そうしたら少し主導権を握られてさ
朝寝のときも ちんちんを引っ張って起こすし その後がいいんだ
こんなに元気なのに 夜は駄目ねって もう自身なくしたよ あーあ」
「ふふふ いいじゃない 楽しそう」
「おいおい 僕は真剣に悩んでいるんですよ 楽しいなんて あーあ
そうだ 30分寝かしてください」
「はいはい 分かりました」

昼寝を起こした洋子が
「ねえ 大丈夫 なにか魘されていたわよ」
「うん 大丈夫さ ありがとう」
神山は昨日制作したQ&Aを洋子に見せた
「わぁー 凄いわね 大丈夫よ あなたが言うように
このプロジェクトだけじゃなくて 色々と使えるわ」
「ほんと 人事の神様が言うのだったら 間違いないな」
「ねえ 私の意見も入れていいかしら」
「うん いいよ お願いします」
洋子は軽やかなキー操作で直ぐに神山の書類を制作し
「どう こんな感じで」
「へぇー 僕が気が付かない事まで網羅してる 大したものです」
「ねえ 本社の人事に知らせてもいいでしょ きっと役に立つわ」
「うん いいよ そんなに役に立つかな 当たり前のことだけどな」
「ええ だけど当たり前が分からない社員が増えているでしょ
特に外商は 既存の客ばかり狙っているけれど 新規開拓って
この8月からじゃないですか その時にも役に立つわ」
「えっ そんなところに役に立つのかな」
「ええ 勿論 このままといかないでしょうけれど これをたたき台にして
人事で考えてもらえば いいマニュアルが出来るわ」
「分かった お任せします」
神山はアレックスブースの纏めを整理していると亜矢子から電話があった
「やあ 先日はお疲れ様でした」
「ふふふ お元気そうね」
「うん なんとか どうされました」
「ええ 前から話していた 土地の購入と建物の話だけど」
「うん」
「それで 土地はいいところが見つかったのよ」
「それは良かった それでもう見にいったの?」
「ええ 会社から離れているけれど 病院が直ぐ傍で いい所なんです
それで家を建てるのに 例の不動産屋の弟さんが建築会社の社長を
されているって聞いたの」
「うん 由紀枝のマンションもそこで建てたと聞いているよ」
「だから そこに頼もうと思っているの」
「うん そうだね 色々と繋がりが分かるし良いと思うよ」
「それで 基本的なデザインをあなたにお願いしようかなと思っているの」
「おいおい 僕はそこまでは出来ないよ やはり餅は餅屋だよ
でもアドバイスなら可能だよ それでどうかな」
「そうね そうしたら あなたの時間が空く時でいいから 御殿場に
来て そこで打ち合わせをしたいんだけど いいかしら」
「うん 大丈夫だよ その時に亜矢子の希望と僕の考えを話し
後はデザインとお金の問題だと思うけど それでいいかな」
「ええ ではお待ちしています」
「うん 今週はGOLの大変な時期なんだ だから少し後になる」
「ふふふ 分かったわ でも私 寂しいの お願いね」
「もう そんな苛めないで 分かりました 伺いますよ」

電話を切ると洋子が
「亜矢子さん どうしたの」
「うん 御殿場で病院に近いところに土地を見つけたんだって
それで僕にデザインをして欲しいと言われたんだけど
そこまで出来ないから アドバイスをするよって」
「へぇー 良かったわね そうすると 家を建てるんだ いいなぁー」
「うん お母さんに安心してもらうのと 自分が安心できるからね」
「そうね 親孝行ね そうしたらこの書類を本社に持っていきます」
「はい お願いしますね 照れくさいな ははは」
「大丈夫よ 完璧だから」
洋子は神山にキスをすると 次長室を出て行った
神山は明日のニーナ・ニーナブースを見ていると予算が気になり
どうしても2つの箱が欲しかった
自分なりにアイデアを出しスケッチをしたが どれも
帯に短し襷に長しで どうにも使えなかった
神山は考えていてもいい案が出てこないので 筒井に電話をした
「やあ お久しぶり 凄いスコアじゃないか」
「ええ たまたまですよ」
「職務でも僕を追い越し ゴルフでも僕は負けたよ それで」
「ええ GOLのブース予算ですが その後変化はありましたか?」
「うん 僕も何回かパリと話をしているんだ でもね 態度を変えないな」
「うーん そうすると当初の3000万円ですか」
「うん そうだね ただし大きなイベント 例えばクリスマスセールなど
そのような時には 予算が貰えると言われ 先日も確約書を貰ったよ」
「良かったですね 分かりました 明日は10時にお願いします」
「うん 本当に申し訳ないな 僕の力が足りなくて」
「いえいえ そんな事はないですよ ではお待ちしています」






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2014年3月24日月曜日

紫陽花 8 - 53 Vol. 3



6月22日 月曜日 曇り
「じゃあカトリアーナ 何かあったら携帯まで電話をくださいね」
「はい 分かりました それでもうここには来られないんですか」
「うーん なるべく来るようにしたいな」
「うん 分かりました 私も連休の時には遊びに行きます」
「うん 連絡を待っています では」
「はーい ありがとうございました」
神山は伊豆山ホテル スキエの駐車場でカトリアーナと別れた
昨夜は4人で楽しんだが 今朝早いという事で早く寝た
それでも 24時を過ぎていたが神山は6時に目を覚まし
カトリアーナと浴室で戯れると 近いうちに会う約束をした
神山は伊豆山を下ると 小田原に向かい東名高速を使い
赤坂のスタジオに戻ってきた
「お疲れ様でした」
「さあ それでは出勤の支度は出来たかな」
「ええ 大丈夫よ あなたは休まなくていいの」
「そうしたらビールを呑んで 一眠りします 今は9時だから大丈夫だね」
洋子が話していると祐子がビールを持ってきて
「はい どうぞ ふふふ」
「うん ありがとう そうだ 洋子が運転すればいいんだね うん」
「わぁー 運転してもいいですか 嬉しいわ」
洋子は神山の頬にキスをすると祐子が
「もう 洋子さんたら直ぐに神山さんにキスをするんだから ずるい もう」
「ははは 仲良くね でもカトリアーナは当分向こうでアルバイトだって」
「そうすると 暫く逢えないわね 寂しいわ」
「まあ こちらから出向けばいいんだけどね ただ仕事が詰まるとね」
「そうよね でも時間を作って 行きましょうよ ねっ」
「うん そうしよう」
神山はビールを2本呑むと横になって眠りに着いた

「遅いな 今日はいつもより遅いのかな なあ幸三ちゃん」
「先輩 まだ9時30分ですよ 10時になれば来ますよ
落ち着いてくださいよ」
鈴やGプロの部屋では内野誠二が田所洋子の出勤をまだかと待っていた
先日のゴルフ場で内野に応援をしてくれた篠原涼子の事で相談しようと
朝早くからきて 落ち着かない時間を過ごしていた
「それで先輩はどうなんですか」
「どうなんですかって?」
「ええ ほら断られた時のことですよ 大丈夫ですか?」
「うん その事もちゃんと考えているよ 大丈夫さ」
「でも 上手くいくといいですね 応援しますから」
「うん 美佳も上手くいっている様子だし 田所さんに話せば
なにか気が楽になるような 気がするんだ」
「そうですね 僕も早く出現しないかな」
「そうだね 頑張らないとな」
二人が話しているところへ高橋孝一が出勤してきた
「おはよう 早いね二人とも」
「課長が遅いんですよ もう直ぐ10時ですよ」
「えっ また まだ9時40分じゃないか 脅かすなよ もう」
二人は高橋が出勤してきたので 雑談を止めて仕事の話に変わった
高橋は今日からクライアントの説明会と思い準備を万全にした
「二人とも 確か今日からクライアント説明会だけど
説明不足にならないように きちんと準備をしてくれるかな」
「はい 何時呼ばれても大丈夫なように準備を しています」
高橋が自分のブースや鈴や食品 ニーナ・ニーナなどのブースを
点検している時に神山が部屋に入ってきた

「やあ おはようございます 先日はお疲れ様でした」
「山ちゃんこそ お疲れ様でした それで今 最終確認をしていたんだ」
「うん ありがとう 完璧だね それでクライアントの説明会は
明日からです それで今日はそのシュミレーションをします
勿論 デザインと予算が絡んできます 予算については
ある程度のところまで 突っ込んで話します いいですね」
「そうすると 山ちゃんがクライアントになるわけ?」
「うん でもいいし 田所さんでもいいと思っているよ なにか?」
「うん 第三者がいた方が チェックできると思ったんですよ」
「うん そうですね でも大丈夫だよ 彼女に任せておけば ねっ」
「はい そうですね 任せましょう それで何時からですか」
「うん これから次長室で始めようと思うけど どうかな」
「了解です 大丈夫ですよ 行きましょう」
神山を先頭に3階の次長室に入ると洋子が笑顔でみなを迎えた
内野は席に着く前に洋子に
「田所さん 実はご相談したい事がありますので 時間を作ってください」
「まあ 誠二さんから相談 いいわよ そうしたらこのシュミレーションの
休憩時間のときでもいいかしら」
「はい お願いします」
内野誠二はこの言葉を伝えるとにこやかな顔になり ほっとした

「最初は アレックスブースからです 説明は担当者のみ
他の人は自分のときの参考にしてください いいですね
それから考ちゃん 出来れば午後からは 建築も交えた方がいいな」
「そうですね これから連絡しますが 何時ごろにしますか」
「うん 2時にここでいいですよ そうすれば訴求力が上がるでしょ」
「ええ 別の角度から見ても この方法がベターと説明できます」
「うん では連絡をしてくれるかな それだったら 午後からは
グラフィックの田辺君や見積もりの山下君も一緒にどうだろう 」
「そうですね 彼らはもう少ししたら来ると思いますよ
途中で連絡を入れます とりあえず渡辺に電話をします」
高橋はアルタスカイのここの現場を見ている渡辺高次課長に内容を話すと
快く引き受けてくれ 14時にGプロの部屋に来てくれる事になった
「山ちゃん OKです 楽しみにしていますと言っていました」
「うん では初めようか 最初の挨拶は抜きで 本筋から入ってね」
アレックスブースの高橋からプランの説明が始まると
さすがに慣れているのか 神山も頷く事が多く 終了した
「さあ 洋子さんどうでしたか 今の説明は」
「ええ 出資者として聞いていましたが 大変分かり易く説明され
私は 感心し このプランに出資したくなりました」
「って 事で 大丈夫のようですね 僕も自分の思いが反映されていて
凄くよく纏めてもらったと思っています 考ちゃん ありがとう」
「いえいえ 緊張しましたよ 正直」
「ははは では10分休憩しよう」
神山はそういうと冷蔵庫から缶ビールを取り出しみんなに配った
「田所さん よろしいですか」
「ええ 神山さん ちょっと席を外します」
「うん 10分したら戻ってきてね お願いします」
「はーい」

内野は洋子と二人だけで話したかったので ビルの屋上に来てもらった
「どうしたの 内野さん」
「ええ 実は 先日のゴルフの時に 篠原さんが僕の事を
応援してくれたんです それで その事で彼女のことが 
好きになりまして 田所さんにそこら辺を聞いて貰いたいんです
勿論 僕の思いだけですから 彼女が嫌と言えば諦めます」
「そうなの そんなに応援してくれたんだ」
「ええ 池ポチャのときも 応援してくれたし 何か芽生えた感じです」
「ふふふ 分かったわ 駄目だった時は 潔く諦められる?」
「ええ 大丈夫です なんか自分で言うとあがってしまい
何も言えなくなると思うんですよ なのでお願いします」
「ふふふ 分かりました でも 先方にも都合があるから 時間は掛かるわ」
「はい お願いします」
内野は深々とお辞儀をして洋子にお願いをした

「さあ 次は鈴や食品だよ 幸三ちゃん お願いします」
田中幸三は今回の目玉になっている地下共有部分については
説明不足と思われるくらい 説明をしなかった
その他については 高橋と優劣付けがたい説明で終了した
「幸三ちゃん なんで地下部分を省いたの?」
「ええ ここは私が説明するより 神山さんがトータルで説明されると思い
省きました 私の説明だとどうしても鈴や食品に偏ります
しかし 経費捻出を考えるなら 神山さんに説明していただいた方が
グローバルな角度で話されますから 省きました」
神山は暫く考え 田中の言うとおりだと思った
「分かりました ありがとう 午後もそれで行きましょう
ただ 午後はミックスします いいですね そこではちゃんと
説明をしてください 考ちゃん 頼みましたよ」
「はい 了解です 僕が山ちゃんになって説明をします」
「うん そうそう それでお願いします 洋子さんどうでしたか」
「ええ 不明瞭なところを除けば 出資します OKです」
「って ことで10分休憩」
高橋がGプロの部屋に行くと田辺と山下が出勤していたので
午後から本格的なシュミレーションをするので 今回も見て欲しいと
次長室に連れてきた
神山は冷蔵庫から缶ビールを取り出し みんなに配ると
「さあ ニーナ・ニーナだけれど 楽しみだな まあゆっくり呑んでやろう」
Gプロの面々も缶ビールを呑んでいると佐藤部長が次長室にきて
「山ちゃん お疲れ様 遅れて申し訳ない」
神山は缶ビールを佐藤に渡すと
「大丈夫ですよ 順調に進んでいます 田所出資者はOKですから」
「へぇー そうですか 見れなくて残念です」
「でも 午後から本格的なシュミレーションです その時もお願いしますね」

「さあ 誠二ちゃん お願いしますね」
「参りましたね 皆さんが居るのに」
「まあ 現実はそうでしょ 緊張しないでリラックスして」
内野はAプラン(箱を1つしか借りれなかった場合)とBプラン
(箱を2つ借りて 真ん中の仕切りを排除した場合)を
分かり易く説明した 神山は予算のことを話すと 最初は頼りなさそうな
顔をしたが 洋子の顔を見て 頷いているのに勇気付けられ
神山を驚かすほどの説得力ある 説明をし終了した
「誠二ちゃん 凄いよ 完璧だ 僕は意地悪な質問をしたけれど
この位の質問は出てくるよ しかし大したものです」
佐藤部長も神山の質問に丁寧に答えた内野を褒めていた
「どうですか 洋子出資者は」
「はい 大変分かり易くくすぐられました 出資はOKです ふふふ」
「って事で 誠二ちゃん 大したものだ うん
では 2時から ここで建築を交えた本格的なシュミレーションをします
遅れないようにお願いしますね そうそう田辺ちゃんと山下ちゃんも
当然だけど 参加してね 午後はそちらにも質問するから」
「はい 分かりました」
「はい ありがとうございます では解散」

「洋子 ありがとう さあどこに行こうか」
「ねえ 築地はどうかしら」
「ははは また断られたりして でも電話をしてください」
洋子はクスクス笑いながらいせ丸に電話をすると神山にOKサインを出した
「良かったわ さあ行きましょう」
洋子と神山はタクシーで築地の寿司屋いせ丸に向かった
暖簾をくぐると女将が笑顔で迎えてくれて 奥座敷を案内してくれた
「洋子 内野君の相談って なんだったの」
「ええ 先日のゴルフでアレックスの篠原涼子さんが
ずっと応援をしてくれたんですって それで内野さんに恋に芽生えた
みたいなんですって だから自分で言えないから 私に聞いて欲しい
そういった内容よ」
「ふーん そうか 大変な役を仰せつかったね」
「でも 振られたら潔く諦めるって言っていたわ」
「うーん そうなんだ でも先ほどの彼は大したものだった うん」
「ふふふ あなたが意地悪な質問をしたでしょ」
「うん」
「彼ったら私の顔を見ているの だから頷いてのよ
そうしたら 私も驚いたわ ピンポイントでちゃんと説明できたし」
「そうか あの時は洋子の事を見ていたんだ 僕も驚いたよ
急にエンジンがかかって そのままエンストしないもんね」
「ええ だからきっと自分が頼りに出来る素敵な人が出来たら
きっと今まで以上の力を発揮するわよ 間違いないわ」
「そうだね うん じゃ篠原さんの件はお願いしますね」
「はーい 分かりました」
女将が気を利かせて 鮮魚のつまみとビールを運んでくると神山は
美味しいといって 良く箸が進んだ
「ねえ 祐子さんはどうしているのかしら ほら急に一人でしょ」
「うん大丈夫だよ 僕が心配しなくても 彼女は自分をちゃんと見ている
今日も多分 掃除が終わったら プールで泳いでいるよ」
「そうなの 私だったら そこまで出来るかしら」
「またまた そんな可愛い事言っちゃって」
「まあ 失礼な 可愛いですよ 幾つになっても もう」
丁度その時に 女将がネギトロの巻物を運んできたので日本酒を頼んだ
「大丈夫? まだ大切なお仕事があるのに」
「うん 大丈夫 多少呑んでいた方が ストレートに出るから ははは」
「まあ 知らないわよ 本当に」
「まあまあ ほら相手のことを考えるでしょ それを無くすのさ」
「ほんとは呑みたいんでしょ もう」
「うん 言えている 洋子も呑みなさい」
「えっー では少しね」
洋子と神山は日本酒を呑みながら お寿司を充分堪能し部屋に戻った

午後からのシュミレーションは 各ブース担当とグラフィックデザイナーの
田辺と見積もり関係の山下 建築設計の渡辺が同席し クライアントとして
神山と洋子が質問をする役になり 佐藤部長は後ろで見学をする事になった
「では 最初はアレックスのブースから初めましょう」
高橋は今朝の練習でも 上手にポイントを分かり易く説明していった
説明が一通り終わったところで神山や洋子の質問が始まった
「高橋さん ここの地下部分では私どもアレックスのカラーが
出ていないように 見受けられるのですが 経費はどうなっていますか」
「ええ 仰られるとおり このパースはあくまでもたたき台です
会社のカラーを出していくとなれば 調整をさせて頂きますが
具体的に どのようなご提案がございますか」
神山と洋子は高橋も上手に受けていると思い神山が
「ええ 例えばここの壁ですが この部分を我が社の基本カラー
ブルーとグリーンを使ってもらえると ブースからの導線がしっかりと
表現できると思いますが 如何でしょうか」
高橋はグラフィックの田辺と相談をして
「はい それでしたら 基本カラーのブルーとグリーンを
全面に出していきます ただ 両方のカラーを細かく端から端まで
デザインするのではなくてアレックスブースに近い方はより
アレックスを表現できるように変更します ただ この共有部分は
鈴や食品さんも入っていますので そこはご理解をお願いします」
神山と洋子は頷いて
「考ちゃん 今ので充分です ポイントはアレックスと鈴や食品で
この地下を盛り上げると言う事で どちらかが目立っても
けんかしてしまうんだ だから アレックスに近い方は
カラーを出してもいいと思います 洋子さんはありますか?」
「ええ 私も今の説明で充分逃げ道を作りながら 尚且つ相手を満足させ
充分な説明だと思います」
「うん ありがとう 後はイベントの話などになると思います
そうすると 僕の出番で色々と資料を見せながら進めていきます」
「じゃ 山ちゃん こんな感じでよかったのかな」
「うん この質問は想定内だからね お願いしますね ところで田辺ちゃん
この後 どの様に進めるのかな」
「ええ アレックスカラーを通路と壁に上手に配色して ブースの入り口で
完全にアレックスと分かるように します 例えば白い床にこちら側の
鈴や食品さんでは 20cm幅のラインでも アレックスの入り口では
もっと太く そう楔形のようなデザインにすれば 顧客誘導にもなるし
面白い効果があると思います」
「そうだね 食品では普通のラインだが アレックスブースに入る直前で
カラーが全面的に出ると 面白い構成が出来ますね」
「ええ そこはもう想定してデザインは考えています 一応たたき台ですが」
田辺はPCで処理をしたデザインを見せてくれた
「うん なかなかいいですね このデザインなら自然に溶け込みますね
そうしたら 本番の時にもこれを使いましょう」
「はい ありがとうございます」

午後のシュミレーションを終えると神山が高橋と田中に
「そうしたら 考ちゃんと幸三ちゃんはブースまでで 地下の共有部分は
僕が説明していこうか どうしますか」
「ええ その方がいいと思いますよ 山ちゃんが話してくれた方が
ある部分安心だし 説得力もあるし うん助かります」
「ははは 駄目だよ考ちゃん なにも出ないですよ
分かりました 地下については 僕が説明していきます」
神山は時計を見ると17時を指していたので
「では 今日はありがとうございます 明日は考ちゃん お願いしますね
それから 田辺ちゃんと山下ちゃん 渡辺ちゃんも同席してね」
「はい 了解しました」
「明日は10時からここで行います 遅れないように来てください」
Gプロの面々は洋子と神山にお辞儀をして 部屋を出て行った
「山ちゃん ありがとう しかしここまで準備しておけば
もう後は簡単に進みますね」
「そうですね 現実的な話はやはり経費でしょうね どこまで出すか
例えアレックスが出しても 鈴や食品が出さなければ 東都食品も
それ以上出さないでしょ そこですね ポイントは」
「そうしたら 明日も私はこちらで聞いていていいですね」
「ええ 勿論ですよ 佐藤部長にいて頂いたほうが 安心ですよ」
「ははは それはこちらの台詞ですよ では明日 10時前に来ます」
「ええ お願いしますね」

佐藤部長が部屋を出てようやく今日の仕事が終わった
「洋子は今日は早く帰ったほうがいいね」
「ええ 昨夜の事がありますから 早く帰ります」
「そうしたら 今日はもういいよ」
「そうですか お中元のお礼状がもう少しで終わりますけれど」
「うん 明日早く来て 仕上げてくれればいいですよ それで大丈夫?」
「ええ もう9割がた入力してあるので あと少しです」
「うん じゃ明日にしてください」
「ではお先に失礼しますね」
洋子はそういうと私服に着替え 次長室を出て行った
神山は夕飯のことを思い祐子に電話をした
「わぁー 神山さん お疲れ様です」
「うん 今日は久しぶりに疲れたな ははは それで今夜は
夕飯を外で食べるから 準備してくださいね」
「はーい 分かりました 大体何時頃ですか」
「うん 後1時間くらいで そっちに行きます」
「はい お待ちしています 楽しいなぁー 待っていますねー」
「うん では」
神山は電話を切ると 明日予想される質問の返答を考え書いて行った
レポート用紙を眺めてみると どこのブースでも使えるようだった
神山はこれをマニュアルにすれば 今後の仕事にも使えると判断し
明日にでも洋子に修正をしてもらい 完成させようと思った

神山は蒼いBMWをガレージに仕舞うと祐子の出迎えを受けた
「おいおい キスは分かったよ」
「だって 待ちどうしかったんだもの いいでしょ」
「さあ 着替えをするからね」
神山は2階の主賓室に入ると 簡単にシャワーを浴び着替えた
下に行くと祐子が待っていて
「今夜は何処に連れて行ってくれるんですか?」
「うん 上原の駅前寿司に行こうと思っているよ」
「わぁー 嬉しいわ」
神山はタクシーを呼ぶと ソファーで寛いだ
祐子とビールを呑んでいると 門扉にタクシーが着たので部屋を出た
上原で降りニーナ・ニーナブティックの前を通ると由貴と目が合い
神山はご飯を食べる格好して 駅前寿司を指差すと由貴は頷いた
暖簾をくぐると女将がいつもの様に 奥の座敷を案内され
早速 神山は生ビールと注文した
「ねえ 神山さん 私ね今日は午前中にお仕事を済ませて
午後からはスカイハイホテルのプールに行ってきたの ふふふ」
「そうか どう 泳ぎやすかった?」
「ええ それでそこの会員になっちゃった ふふふ」
「へぇー 凄いね」
「ええ だって1時間800円でしょ 3時間泳ぐと2400円ですよ」
「えっ 1時間800円もするのか あそこが」
「だから 子供や家族連れと言った 普段良く見かける光景ではないわ
なので 泳ぎやすいし 気持ちがいいわよ ふふふ」
「で 会員券は幾らだったの」
「ええ 正会員で100万円したけど 入会したわ」
「えっ 100万円 おいおい 凄いなー」
「だって ドリンクや軽食が無料なの 1回いくと5千円掛かるもん
それに同伴者 1名まで正会員と同じ待遇よ だから神山さんも
一緒に行った場合 全て無料なの いいでしょ ふふふ」
神山は一石二鳥の金額にしては まあまあ仕方が無いかと思い
バッグから100万円を取り出し
「じゃ これを渡しておきます 会員権の補充だよ」
「わぁー ありがとうございます」
「でも 会員になるとパスポートをぶら下げてプールに入るの?」
「ううん 受付でパスポートを見せると ICが組み込まれた
ブレスレットかショーツの脇に挟む布を渡されるのよ
それで着替えた時に 渡された物を身につけていればいいの」
「へぇー おしゃれだね」
「ええ ドリンクの時もわざわざ財布を取りに行かなくてもいいし
ロッカーも会員になると 間仕切りされていてシャワー付きなの」
「へぇー 凄く豪華だね」
「それからね 化粧室もあるんです ほらドライヤーなんかがあるわよ」
「へぇー 普通見かけないよね」
「そうでしょ お風呂屋さんより綺麗だったわ」
二人が話しながら食べたり呑んだりしていると
ニーナ・ニーナの浜野由貴と安田桃子が入ってきた
祐子が気が付き 手を振ると由貴と桃子も手を振って答えた
「わぁー 神山さん こんばんわ 誘っていただいてうれしいわ」
桃子と由貴は神山の頬にキスをすると 神山達と反対側に座った
「さあ どんどんと食べてね」
「はーい」

由貴と桃子は神山と一昨日会ったばかりなのに 仕事の事や
ゴルフの事など 話をして盛り上がった
ここでも美佳の話が出たが 神山は決して自分から言わなければ
向こうも変な詮索をしなくなるよと みんなに伝えると
由貴や桃子は頷いて 自分達から話題を変えた
「ねえ 神山さん 先日久保チーフが 棚の飾り付けを変えたんですよ」
「うん いいことだね 最初に話しをしてあるんだ」
「それでね お客様でグラスが凄く気に入られて 銀座を紹介したんです」
「そうすると グラスが良く見えるように工夫したんだね いい事だね」
「ええ それでそのお客様が又来られて ありがとうって 言われました
勿論 ディスプレイのグラスは無かったんですが 1客7千円もする
インポート物を購入されたと 言われてましたよ」
「へぇー そうか うちは良い物があるけれど 訴求力が無いのかな」
「そうですよ お客様はちゃんと見ています だからチーフも喜んでました」
「うん 先ほどは気が付かなかったけれど 帰りにでも見てみるよ」
「ええ この頃チーフも明るくなって 私も元気を貰っています」
「うん 由貴と桃子が頑張っているから 嬉しいんだよ 良かったね」
神山は祥子と会わなければいけないと思いながらも なかなか時間を
作らなかったが いい材料が出てきたので 会いたくなった
もしかしたら どこかに別な男が出来て 明るくなったのか、、、
兎にも角にも時間を作り会おうと思った






.

2014年3月19日水曜日

紫陽花 8 - 53 Vol. 2



本社ビルに入ると神山にお辞儀をする人間ばかりで
「なんかさ ちょっと前まで山ちゃんと呼んでいてくれた人が
お辞儀だもんな 寂しいな」
「仕方無いでしょ それだけ偉くなったんだから」
「うーん お飾りの理事だもんな 困ったもんだ」
話していると 8階のフロアに着き秘書室に向かった
「ねえ 秋山さん 居る?」
「ふふふ お待ちかねですよ どうぞ」
秋山の案内で副社長室に入ると時田が椅子から立ち上がり出迎えた
「おお ようやく来たか」
「はい 遅くなってすみません それで キャディーバッグや
スラックス ポロシャツなど アレックスで揃えてきました」
「えっ スラックスまで揃えてくれたか ありがとう」
「ええ 洋子さんの提案ですよ 洋子さんを褒めてください」
「そうか 洋子か、、、 ありがとう よく気が付いたね うん」
洋子はスラックスやポロシャツを袋から取り出し 時田の体に合わせると
時田は姿見の前に行き自分の姿に納得をした
「おお いいな この組み合わせもいいな うん ありがとう」
「よかったです 褒めて頂いて ふふふ」
「社長 クラブも触ってください」
「おお そうだな ごめんごめん」
時田はキャディーバッグからドライバーを取り出すと 軽く素振りをした
「うん 軽くて振りぬきやすいな いいクラブだ ありがとう」
「良かったです気に入って頂いて 飛びますよ 但し力まないでください」
「うん 分かった そうしたら今夜から練習だ ははは
ところで 山ちゃん 洋子とはどうなんだ」
「えっ 洋子さんですか ええー 普通に頑張って貰っています、、、」
神山が答えられないとみた洋子が
「まあ おじ様ったら さっきもキスをしたわよ ねえ 神山さん」
神山は何も言えずに顔を赤くしていると
「そうか うん 分かった うん よしよし」
時田は自分の席に戻ると 引き出しから包みを出して
「洋子 これはお小遣いだ 取っておきなさい さあ」
「はーい ありがとうございます」
「しかし この頃 綺麗になったな このフロアでもみんなが言っている」
「ふふふ ありがとうございます これからもっと綺麗になるわね」
「うん たまにはここに来なさいね なあ山ちゃん 頼みます」
「はい 分かりました ありがとうございます」
二人は時田にお辞儀をして 部屋を出て秘書課に挨拶をした

「助かったよ ありがとう」
「ふふふ お小遣い貰っちゃった 又行きましょうね」
洋子は本社ビルを出ると 神山に抱きつきたかったが我慢をして歩いた
次長室に戻ると神山は洋子に
「ねえ 御殿場の打ち合わせだけど 明日はどこと話をするのかな」
「ええ 明日は入れていません 準備のために空けました」
「そうか うん それで」
「23日火曜日10時からアレックスジャパン 24日がニーナ・ニーナ
25日が鈴や食品です 26日が東都食品です 共に朝10時です」
神山はこの時点で 東都食品と単独打ち合わせをするか迷った
プランはアレックスジャパンブースと鈴や食品ブースに跨り
単独より 組み合わせで考えたほうがいいと思い
「洋子 悪いけれど東都食品はアレックスと鈴やの時にも呼んで貰えるかな
それで 話を聞いてもらうだけでいいんだ」
「はい 分かりました それで最終的には26日にお金を含む話をする」
「では 23日と25日には各ブースの展開を見て頂く感じですね」
「うん その方がいいな うん そうしてください」
「はい それでは明日にでも調整をします」
「うん お願いします」
「ねえ このお中元だけど どうするの?」
「うん どうにかしないといけないけれど どうしようか」
「だって 本格的なお中元って これからでしょ」
神山はお中元の山を見て どうしたら良いか考えたがいい案が浮ばなかった
「ねえ そうしたら配送からコンテナを借りて 何処かに保管しますか」
「そうだね 打ち合わせの時に有ると 不味いもんね うん分かった」

神山は配送課に行くと事情を説明して コンテナを1台借りた
次長室に戻ると洋子も手伝い お中元の山は綺麗に無くなった
神山は配送課へ運ぶと 空いている倉庫に入れて 鍵を閉めた
「すみません課長 近日中に処分しますから」
「いいですよ 山ちゃんの事だったら 断れないよ
いつも助けて貰っているんだ 何とか力になりますよ」
「ええ お願いします」
神山は次長室に戻ると仕事に集中した
16時を過ぎた頃に 祐子から電話があった
「はい 神山ですが」
「祐子です お仕事中ごめんなさい」
「うん どうした?」
「ええ プールから戻るところですが ホテルのお肉屋さんが
半額サービスをしているんです それでどうかと思いまして電話しました」
「そうか ありがとう そうしたら まだ分からないけれど
5人だから 少し余分に買っておいてもいいですよ」
「はーい 分かりました」
「ところで お肉は大丈夫だろうね」
「ええ カトリアーナと生を少し頂いたら 美味しかったですよ」
「うん お願いします 立て替えておいてね
そうそう それだったら 魚介類も買っておいてくれるかな」
「ええ 伊勢えびも新鮮で美味しそうなのが安いです」
「分かった 任せますので お願いしますね」
「はーい 了解しました 早く帰ってきてね」
「うん では」
電話を切ると洋子が
「どうしたんですか?」
「うん 今夜の食材でお肉が安いけど買ってもいいかって」
「へぇー 祐子さん?」
「うん 午後からホテルのプールに行っていてね 丁度帰るところで
お肉が半額のセールをしていたんだ それで聞いて来たんだよ」
「へぇー そうしたら今日は買い物なしで 帰れるわね」
「うん 生肉を食べたら美味しいかったって 期待できるね」
「わぁー 凄いですね」
「ほら 時々食べているから 分かるんだろうね」
「そうね 良かったわね こういう時に役に立つのね」
「うん ありがたい話さ さあ 今日はここまでかな」

神山は冷蔵庫から缶ビールを取り出し ソファーに座った
「はい 洋子 どうぞ」
二人は缶ビールを呑むと軽くキスをした
「ねえ 洋子 今朝だけど翔から相談を受けたんだ」
神山は杉田から言われたことを掻い摘んで話すと
「私だったら 妹さんの事情や家の事情も分かるけれど
まずは 美佳さんを一番に考えるわ だってみんなが賛成しているんだし」
「そうだよね これで反対意見があると大変だけどな」
「そうそう 反対がなければ 前に進んだ方が懸命だと思うわ」
「うん そうすると 近いうちにいい報告がくるかな」
「そうね そう願っていましょう 社内でも浮いた話は全然ないし
この頃はすっかりお兄さんになったみたいよ ふふふ」
「へぇー そうか 今朝はそんな話は出なかったな
勿論 自分のことで精一杯だからな」
神山は缶ビールを呑むと洋子に30分寝るといい ソファーに横になった
時間になると洋子が起こし
「ふぁー すっきしした さてそろそろお迎えですね」
「ふふふ 楽しみでしょ」
「うーん 半分半分かな」
「どうして あんなに綺麗な方と一緒にお食事よ」
「うん でもね ほら毛が中途半端だからさ」
「まぁ ご自分が悪戯をしなければ良かったのに ねえ」
「まあね 反省しているよ あーあ おっかない」
「さあ 少し早いけれど 行きましょうよ」

神山と洋子は支度をして部屋を出ると 三山百貨店の南口についた
時計を見るとまだ17時には10分くらい時間があった
「洋子 ここの百貨店て 若い層の客が多くなったね」
「ええ うちも考えないといけないわね うちは半分くらいかしら」
「そうか そうすると上野はもっと層が上だな 大変だな」
「先日もニーナ・ニーナさんが 外商顧客じゃない新しい顧客で
売り上げが伸びているって そう言っていたわ」
「そうだよな 外商も早く手を打たないと負けるな」
「そうそう 2階のブティックでも 同じような事を言っていたわ」
「そうすると改装工事が始まるかな うーん難しいな」
神山と洋子がそんな話をしていると 後ろから山脇絵美が
「神山さん 遅くなってごめんなさい」
「あっ 山脇さん こんばんわ つい先ほど来たばかりですよ」
「店長が急にゴルフのことで色々と言われ 遅くなりました」
「ははは 今度の水曜日ですか」
「まあ 良くご存知ですね」
「ええ うちの社長も悩んでいましたよ ははは」
「ほんと 幾つになられても 元気でいいですね」
神山たち3人は ホテルの入り口につくと
「では 車を持ってきますから ここで待っていてください」
「へぇー 車ですか 凄いですね」

神山は駐車場に行くと蒼いBMWに乗るとゆっくりと走りだした
二人が待つところに行くと
「では 後ろに乗ってください ねえ洋子さん お願いしますね」
「わぁー BMWじゃないですか 凄いわ」
「絵美さん どうぞ先に乗って」
神山は後ろに二人を乗せると赤坂のスタジオに向かった
車を外壁の門扉のところで止めると 山脇絵美は
「へぇー ここですか 凄いところに住んでいるんですね」
「ええ しかし賃貸ですよ」
門扉が開くと玄関で二人をおろし 車をガレージに仕舞った
玄関で祐子とカトリアーナが出迎え
「いらっしゃいませ どうぞ」
「はっ はい ありがとうございます」
絵美は外人のメイドも雇っていると思い 驚き声が出なかった
「祐子 お客様をゲストルームにご案内して」
「洋子さんも 一緒でいいですか」
神山は洋子の顔を伺うと 頷いているのでOKと返事をした
祐子の先導で ゲストルームに着くと絵美は更に驚き
「まあ 大きなお部屋で 素敵ですね 映画を見ているようよ」
「そうでしょ 私もお部屋の大きさに最初は驚きましたよ」
祐子が洋子に着替えの案内をすると絵美が
「一応 準備はしたんだけど、、、」
「今夜は 屋外でバーベキューですから こちらを着てください」
「はい 分かりました ありがとう」
祐子はゲストルームから出ると主賓室の神山に
「あなた お客様って 綺麗な方ですね」
「うん 洋子と同い年かな 綺麗だろ」
「ふふふ それで今夜は 楽しいわね」
そういうと神山の大事なところをポンと叩き 下にいった
神山は着替えを済ませると 外にバーベキューセットの組み立てや
ガーデンテーブルの掃除をして準備をした
なかなか下に降りて来ないので ビールを呑んでいると
「ふふふ 神山さん 初めてですよ 殿方のトランクスって」
絵美は着替える時に トランクスを勧められたが 最初は躊躇した
しかし洋子や祐子 カトリアーナがトランクスを穿き
「ノーパンで穿くと気持ちがいいですよ 穿いて駄目だったら
ご自分で用意したのを穿けばいいわ チャレンジよ」
絵美は洋子に勧められ穿いたが ノーパンが気持ちよかった
「これって 癖になりそうね 夏はいいわね」
「そうでしょ 私も癖になりました」
二人は顔を見合わせて笑った 祐子が見かねて
「さあ 下で待っていますよ 早くしてください」

「絵美さん お似合いですよ 全然可笑しくないですよ」
「神山さんにそういって頂くと 自信がつきます ふふふ」
「じゃ 私たちは準備しますね」
洋子と祐子 カトリアーナはキャーキャー言いながらキッチンに戻り
食材の調理や飲み物を準備した
「絵美さんは 外でバーベキューって初めてですか」
「ええ 何回かありますが こうやって広いお庭でするのは初めてです」
「よかった そうしたら楽しんでくださいね」
「神山さんて 外人のメイドさんも雇われているんですか?」
「いえいえ 彼女は僕のお友達ですよ っていうかみんなの友達です」
山脇絵美は神山の話している内容が いまいち理解できず頷いていた
「はーい お待ちどうさまでした」
「うん ありがとう」
カトリアーナは神山の隣に座るとキスをして
「今ね 洋子さんにも生を食べて頂いたの 美味しいって よかったわ」
「そうか そんな美味しいんだ 祐子 カトリアーナありがとう」
「どういたしまして 良かったわ」
「そうだ絵美さん 紹介しますよ」
神山は絵美に簡単に紹介すると どこで繋がりがあるのか分からなかった
それに洋子を含め ここに居る女性はみな綺麗で美しく生き生きしていた
カトリアーナがグラスを並べると神山がビールを注ぎ
「それでは 山脇絵美さんのご訪問を祝してかんぱーい」
みんなでグラスを合わせると ビールを呑んだ
最初は神山が野菜類や魚介類を焼き 焼きあがるとみんなに配った
「美味しいですね このお野菜も甘くて美味しいわ」
「祐子 褒められたぞ 良かったね」
「ええ ありがとうございます これも半額でしたよ ふふふ」
神山は祐子の買い物の目に狂いは無いと見て
魚介類も表面が焼けた程度で みんなに配ると
「このイカも 美味しいわ ねえあなたも食べて」
洋子がいうとカトリアーナが神山に
「はい 口を開けてくださいね はーい どうぞ」
「うん いけるね 美味しい どんどん食べてね」
神山はビールがなくなると ワインを取りにキッチンにいった
大きなバケツに氷を一杯入れて 戻ってくると
「さあ ワインを注ぎますよ」
神山はワインをみんなのグラスに注ぐと
「では改めて かんぱーい」

「ねえ 私が焼きますから どうぞ召し上がってください」
「うん ありがとう」
神山は洋子と焼き手を変わって貰うと絵美に
「如何ですか いつもこんな感じですよ」
「嬉しいわ 久しぶりよこんなに笑ったり 楽しく過ごせるのは」
それを聞いていた祐子が
「山脇さん 神山さんとお話をするともっと楽しいですよ ねえ」
「おいおい いつも苛められてばかりですよ ははは」
「でも 神山さんて 知れば知るほど分からない方ですね」
「えっ どうしてですか」
「うーん 洋子さんは会社でしょ 祐子さんはメイドクラブでしょ
カトリアーナさんは大学生でしょ 繋がらないのよ」
「ああ そこの部分は余り深く考えない方がいいですよ
そのうちに分かる時がくれば 分かりますから」
「そうね 余り詮索しても 気疲れするだけですよね ふふふ」
暫くみんなで楽しく食べていると
「ねえ そろそろ美味しいステーキを頂きましょうよ」
「そうだね 祐子 準備をしてくれるかな」
「はーい 今もって来ますね」

その時に 絵美の携帯電話がなり
「はい 山脇ですが」
絵美は多分店長からの電話だろう 頷くばかりだった
「神山さん 店長がこれからお出かけなんですよ それで付いてきなさいって
なので 美味しいステーキは次回にさせてください」
「はい でも秘書の方って大変ですね」
「ええ 本当は私の上司が居るんですが 男性で今夜は女性が良いそうです」
「ますます 大変ですね それでは美味しいステーキは次回ということで」
「ええ 本当に申し訳ございません」
山脇絵美は深々とお辞儀をして 洋子と一緒にゲストルームに行った
祐子がステーキを持ってくると
「どうしたんですか 山脇さん」
「うん これからお仕事だって 可哀想だね」
「へぇー 大変ですね 確か店長さんの秘書って言ってましたよね」
「うん 今夜は上司の男性ではなく 絵美さんが必要なんだって
そうしたら このステーキをみんなで食べようよ」
「はーい 洋子さんが一緒にゲストルームに行っています」
その時に洋子から携帯に電話が入った
「ねえ タクシーを呼んで欲しいそうです」
「うん 分かった これから頼みますよ」
「はーい 了解です」
神山達はバーベキューを一時中断して 玄関のところで絵美を待った

「神山さん 本当にごめんなさい 次は必ず泊まりで伺います」
「えっ 泊まりで、、、」
「ええ 今 洋子さんにそれとなく あっ洋子さんは話されていませんよ
私が感じたんです ごめんなさい」
「ふふふ いいのよ絵美さん また来てね」
「ええ その時はお願いしますね 楽しみだわ」
絵美は洋子と気が合うのか よく話をした
タクシーが門扉のところに着いたので 5人は玄関を出て門扉まで歩いた
「神山さん ご馳走様でした」
「いえいえ これからが美味しいステーキなのに残念です また」
「はい また伺います」
絵美は車内からお辞儀をすると タクシーは発車した
「さあ バーベキューのやり直しです 食べましょう」
「ふふふ 残念ね」
「まあ お仕事だから仕方ないでしょ それより何を聞かれたの」
「ええ 随分と仲がいいですねって だから強い絆で結ばれていますよって
ただそれだけですよ そうしたら彼女が なるほどって頷いていたの」
「うん まあ本当の事だから 別に問題ないさ さあ食べようよ」
二人がゆっくり歩いていると 祐子やカトリアーナが早く来てと呼んだ
「さあ それでは乾杯しよう」
神山はワイングラスを持つとみんなに乾杯して 少し呑んだ
「さあ ステーキを焼くよ お肉も焼きごろになっているし美味しいよ」
「わぁー 楽しみです 早く食べたいよー」
「そうね 神山さんね 今日はプールでカトリアーナに一杯教えてもらったわ
だから お腹がぺこぺこでーす」
「そうか いいことだよ 待っていてね もう直ぐだから
それはそうと カトリアーナは何時頃に帰るのかな」
「うん 出来れば午前中に帰ろうと思っているよ」
「そうか それだったら早い時間なら 送ってあげるよ どうする?」
「早い時間って 何時ごろですか」
「うーん 8時ごろとかそこら辺だね」
「そうしたら 送ってもらおうかな その方が楽チンだし」
「そうよ 電車より早いからそうしなさいよ ねえあなた」
祐子が
「そうしたら 毛を剃らないとね ふふふ 早寝 早起き ふふふ」
「おいおい また剃るきかよ もう」
「大丈夫よ 最初だけで 後は気持ちよかったわ」
「わぁー 洋子さん ずるいぃー もう
でも 実験台になって貰ったんだから 文句言えないか ふふふ」
「おいおい ステーキが焼けたよ ハイお皿を出してくださいね」
神山の号令で みな取り皿を出して ステーキを盛って貰った
「わぁー 美味しいわ ねえ祐子さん 極上のお肉よ ねえあなた」
「うん 美味しいよ さいこーだね 祐子 ありがとう」
「どういたしまして でもね最初に見つけたのはカトリアーナなのよ ねっ」
「ふふふ だって50%OFFって目立ったんですよ だから」
「うん 二人ともありがとう 僕が感心したのは 価格だけじゃなくて
ちゃんと生肉を試食して 判断した事が素敵な出来事だと思うよ ねえ洋子」
「そう 私も値段に釣られて買うときがあるけれど 試食まではないわ
たいしたものです 本当よ ありがとうございます ふふふ」
4人は 美味しいステーキを食べると祐子が
「ガーリックライスを用意していますが 半分でいいですか」
「うん 僕は普段どおりで構わないけれど 女性軍はどうかな」
洋子とカトリアーナも祐子と同じように 半分で言いというので
キッチンに戻り準備をした

ガーリックライスを食べ終わると 神山もさすがにお腹が一杯になり
「ねえ 少し休ませてくれるかな お願いします」
祐子がキッチンに戻ると フルーツのデザートを運んできて
「はい 神山さんも食べてね お願いします ふふふ」
神山は器に盛られたフルーツを見ると お腹が一杯で食べられなかった
「だめよ 食べないとお預けよ ねえ祐子さん」
「ええ カトリアーナと一生懸命創ったのよ 食べてね ふふふ」
神山はカトリアーナと祐子の視線に耐えられず 一口食べると
「わぁー 甘くて美味しいよ うん 全部食べるから うん 大丈夫」
洋子達3人は神山が無理をして食べているのが分かり クスクス笑った

何とか食べた神山は罰ゲームで負けてしまい 一人キッチンで片付けた
「ねえ 洋子さん 本当に痛くなかったの?」
「うーん 最初だけよ ほら私も久しぶりだから 気にしなかったわ」
「そうなんですね だったら可哀想だから 剃るのは止めようかしら」
カトリアーナは
「でも 痛いと嫌だなー だって気が散るし 集中出来ないでしょ」
「大丈夫よ カトリアーナ 洋子さんが最初だけだって 言っているし」
「そうよ 大丈夫よ その時になって痛かったら剃ればいいでしょ ねっ」
「そうね そうしましょう」
「ねえ 洋子さん お手伝いに行きましょうよ」
3人はゲストルームで寛ぐと神山を手伝いに下におりた
「おお 来てくれたね ありがとう やっぱり多いと助かるよ」
「ふふふ 多分寂しがっていると思ってね ねぇカトリアーナ」
「そうそう 神山さんと今夜が最後でしょ だからお手伝いよ」
「えっ 最後って どうして」
「ううん この連休が最後でしょ もう 分からないの嫌ね ふふふ」
4人は大笑いしながら 片づけを進めた







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2014年3月14日金曜日

紫陽花 8 - 53 Vol. 1



6月21日 日曜日 快晴
久しぶりに早起きした神山は2人を起こさないようベッドを出て
バルコニーでビールを呑みタバコを吹かした
早朝は気持ちがよくすがすがしい気分で庭をみていると
昨日貰ったゴルフクラブを試したくなった
ガレージから昨日のゴルフクラブを出すと庭で素振りをした
内藤社長から貰ったクラブと振り比べるとシャフトが少し硬く感じられ
実際にゴルフボールを打ちたくなったが素振りだけにした
暫く素振りをすると2階のバルコニーから祐子とカトリアーナが
「わぁ~ 凄いわ 練習熱心ですね」
「やあ おはよう 早いね」
「ええ 昨夜は早かったでしょ 目が覚めました」
「ほら 庭に出て運動したら 気持ちがいいよ」
「は~い 分りました」
庭に祐子とカトリアーナが来ると神山はゴルフスイングを教えてあげた
「祐子 上手になったね 一緒にまわっている時も思ったけれど
練習場のときと全然違うよ 軸のブレが無いよ」
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」
神山はカトリアーナのフォームもチェックし
「カトリアーナ 左の壁を意識すると重心移動がスムーズにいくよ」
話を聞いていた祐子が体を触りながらカトリアーナに教えると
「そうなのね 分るわ ありがとうございます」
熱心に練習をしていると神山はおなかに空腹感を覚え祐子に
「祐子 早いけれど朝食にしないか」
「えっ まだ6時ですよ 準備をなにもしていませんよ どうしましょう」
「そうか でもおなかが空いたよ」
「祐子さん 私もお腹が空いたわ」
「神山さん ホテルのバイキングにしましょうか」
「おっそうだね オープン時間を聞いてみるよ」
スタジオに戻り電話で聞いてみると朝6時30分の営業開始とわかった
「祐子 6時30分から食べられるから歩いていこうよ
シャワーを浴びて仕度をすれば丁度いい時間だよ」
「は~い 分りました そうしましょう」
3人は再び2階の主賓室に戻り風呂に入り汗を流した

神山は支度をして1階のスタジオで待つと 祐子とカトリアーナが部屋から
出てきて 神山に着ている物を見せた
「うん セクシーで 決まっていますよ」
「良かったわ ねえカトリアーナ」

3人は ゴルフの話をしながらスカイハイホテルまで歩いていった
6Fのレストランに入るとまだ 満席ではないが結構 席が埋まっていた
神山達は好きな料理を選び席に戻ると ビールを注文した
話題の中心は新しいゴルフクラブで 祐子やカトリアーナも
次回のゴルフコンペでは絶対に 昨日以上のスコアを出すと話していた
「しかし 二人とも凄いスコアで回ったね 大したものです」
「そんなぁー 神山さんだって午前中は37だったでしょ 驚いたわ」
「そうよ このままだと午後はもっといいスコアで回ると思ったわ」
「ははは そこがゴルフさ 思ったようにいかなかったね」
「でも グロスで75って もうハイアマチュアじゃないですか」
「うん たまたまだよ やはり練習しないと駄目ですね」
靑山祐子とカトリアーナは頷きあって
「神山さん 午前中はゴルフの練習をしてもいいですか」
「うん 大丈夫だよ 今夜はバーベキューだから 4時ごろまでに
帰ってきてくれればいいよ うん」
「わぁー 本当ですか ねえ カトリアーナそうしたら
午後はここのプールで泳ごうか?」
「いいわね でも 水着が無いわ 向こうに置いてあるから」
神山が
「そうしたら 代々木に打ちに行くんだったら 帰りに渋谷で買えばいいよ
先日 買った場所は覚えているでしょ」
「ええ でもそんなに何着もいいんですか」
「うん そうだ 祐子も一緒に買えばいいよ ねっそうしなさい」
神山はそういうと祐子に20万円を渡した
「これで ゴルフと水着と お昼は美味しいものを食べなさい」
祐子はニコニコして受け取り カトリアーナと喜んでいた

食事が終わると タクシーでスタジオに戻り神山は30分寝た
「神山さん 起きてください 30分過ぎましたよ」
「ふぁー すっきりした ありがとう」
神山は2階の主賓室にある風呂でシャワーを浴びた
出かける支度を済ませスタジオに行くと 祐子とカトリアーナが
「では 神山さんを見送ったら 練習に行ってきます」
「うん 気をつけてね なにかあったら携帯までね」
「はーい 分かりました 行ってらっしゃい」
神山は二人に見送られ 蒼いBMWで銀座に向かった
次長室には9時ごろ着き コンペの後片付けなどをしていると
直ぐに30分や1時間経ってしまった
次長席の周りが綺麗になり 仕事をしようとした時 電話が鳴った
「こちらは警備室ですが 神山次長さんはいらっしゃいますか」
「はい 私ですが」
「おはようございます 実はお中元が一杯で取りに来て欲しいんですが」
「そうか 分かりました 伺います」
神山は隣の催事課から台車を借りる時 たまたま杉田に捕まり
「先輩 お疲れ様でした 凄いスコアでしたね」
「うん たまたまさ でも早いな」
「ええ 昨夜 美佳から聞きました」
「そうか 上手く行っているみたいだね」
「それで 実は少し相談にのって頂きたいんですよ」
「うん いいよ そうしたら 荷物を持ってきてからにしようか」
「大丈夫ですか」
「うん いいよ」
「では お電話をお待ちしています」
「うん じゃ 借りるね」
神山は杉田と別れると 別棟にある警備室に向かった

「はい 神山次長 これだけあるんですよ」
警備員は段ボール箱に入れて 整理してある中元の山を見せた
「はぁー 凄いなこれは」
元々警備員が待機をしたり 小休憩で使う休憩室が中元のダンボールで
休憩できない状態になっていた
神山は5往復して警備室から運ぶと 今度は次長室がダンボールの
山になり どこに動かしても 邪魔になってしまった
「参ったなぁー しかしこれから本格的なお中元かー」
神山はビールを呑むと 杉田に電話をして
「はい 杉田です」
「うん 今だったらいいよ こっちの部屋に来る?」
「いいんですか 伺っても?」
「うん どうぞ」
電話を切ると 杉田が次長室に入ってきた

「わぁー どうしたんですか」
「ははは お中元さ 困ったよ そうそう内緒だよ いいね」
「ええ それは 内緒ですけれど 凄いですね へぇー」
神山は冷蔵庫から缶ビールを取り出し 杉田に渡すと
「頂きます」
「うん 僕も多少は話を聞いているが」
「ええ 両親も妹も僕が婿になる事に 賛成なんですよ」
「うん いいじゃないか 何が不満なんだ」
「ええ そうすると今度は妹が 婿を取らないといけなくなるでしょ」
「うん そうなるな」
「そうすると 妹の自由を奪うようで なにか後ろめたさがあるんです」
「そうか そこを悩んでいるんだね」
「ええ 美佳さんとも上手く行くと思っているんですが そこだけです」
「翔 美佳さんの場合は お兄さんが亡くなっただろ
でも 翔の妹さんは 話しをしようとしたら 直ぐに話せるじゃないか」
「ええ そこも考えていますよ でも どうなんでしょうか
実際問題 僕が居なくても大丈夫だと思うんですよ
でも なんか妹を一人にするのが 可哀想な気がして、、、」
「翔 妹さんももう子供じゃないよ もう少し大人として見ないと
それに 翔の問題じゃなくて 妹さんの問題だろ
これから未知の事を くよくよ考えても時間の無駄だし
それに 返事を待っている美佳さんに対しても 失礼になるよ」
「そうですね うーん 未知の事をくよくよ考えないか、、、
分かりました 先輩 もう一度妹と話してみます」
「うん 僕は大丈夫だと思うよ かえってスッキリって言われたりして」
「またぁー 先輩 それは無いでしょ もう」
「ははは 結構そうかもしれないぞ まあしっかり相談しなさい」
「はい ありがとうございました」

神山は翔を見送ると お中元の整理に追われた
包装紙に張ってあるお届け伝票を 綺麗に切り取り纏めて 包装紙も
ダンボールに捨てていくと直ぐに一杯になった
商品をギフトボックスからだしダンボールに入れ替えても
それでもダンボールの山は無くならなかった
神山は次長席の上を綺麗にすると 仕事に集中した
11時30分を過ぎた頃に 洋子が出勤してきて
「まぁ どうしたんですか おはようございます」
「ははは お中元さ 困ったもんだよ 朝から一仕事さ
だって 警備員の控え室がこれで埋もれていて 休憩が出来なかった」
「わぁー そんなに でも 凄いわね
そうそう 昨日はお疲れ様でした ありがとうございます」
「うん お疲れ様 助かったよ 洋子のお陰さ」
洋子は嬉しくて神山にキスをすると 電話が掛かってきた
「ハイ 次長室です」
「洋子さん こんにちわ 秋山です」
「こんにちわ もしかして」
「そうよ 印鑑と台車を持ってきてね 前回の倍くらいあるわ」
「えっ 前回の倍ですか」
「そうよ 袋が12個よ 神山さんが居たら手伝ってもらった方がいいわ」
「はい ありがとうございます 分かりました 伺います」
洋子は電話を切ると神山に 本社秘書室に書留が沢山来ている事と
一人では持てないので 手伝って欲しい事を伝えた
「えっー そんなに来ているの もう 仕事が出来ないな もう」
「はいはい 行きましょうね そうだわ 配当金も持って行きます」
「うん そうだね」

神山は催事課で台車を借り 本社秘書課へ向かった
8階でエレベーターを降りると 本社人事課の神山ファンから
「神山さん 応援していたのに 残念です 悔しいです」
「うん 調子は良かったんだ でもね女性のハンデには勝てなかった」
「次は頑張ってくださいね 応援していますから」
「うん お願いしますね」
神山と洋子は秘書課に行くと
「ねえ 社長はいらっしゃる?」
「ええ いらっしゃるわよ 入る?」
洋子は神山を見て 頷くので 時田と会うと申し出た
秋山が副社長室で確認すると
「どうぞ お入りください」
神山は台車を秘書課に預けて 副社長室に入った
時田は二人を見て
「山ちゃん 久しぶりに着てくれたな」
「はい いつも応援をしてくださいまして ありがとうございます」
「まあまあ ここに座りなさい 洋子も」
二人は勧められるまま ソファーに座ると
「しかし 昨日は二人とも残念な成績だったな」
「まぁ おじ様 早いですね」
「うん 内藤さんから電話があったよ わしも6-7は1票だからな
彼は穴狙いで 10票も買ったって言っていたよ 残念だ ははは」
「はい これが配当金です」
洋子は投票クレジットと2万5千円を時田に渡した
「うん ありがとう しかし山ちゃん グロスがいいな 75なんて
凄いじゃないか 今度教えてくれよ 頼みます」
「ええ あれはメンバーが良かったのと たまたまですよ」
「聞いたぞ 新しいクラブだって そんなに良いかな」
「ええ 力をセーブした方が真っ直ぐに飛ぶんですよ 僕もまだまだ
練習不足ですが それでもよく飛びましたよ お勧めです」
「よし アレックスのニューモデルだな」
「ええ」
時田は秘書の秋山を呼ぶと引き出しから100万円を出し
「なあ 申し訳ないけど ゴルフ売場で 神山次長と同じクラブ
そうだアレックスのニューモデルを買ってきてくれ」
神山は金額を見て
「社長 クラブセットで135万円ですよ」
「えっ そんなに高いのか うん分かった」
そういうと 財布から35万円を出して
「じゃ 秋山君 頼んだよ」
「まあ どうされたんですか 
暫くプレーしないって先日お話されていたのに ねえ 洋子さん」
「うん クラブを変えればスコアだって 良くなるさ ははは」

神山達は話が一区切りついたので 台車に書留を積んで次長室に戻った
「わぁー どうしよう もう 仕事が出来ない あーあ」
「まあ 贅沢な悩みですね さあ 現金だけでも片付けましょうよ」
神山と洋子はお届け票を綺麗に切り取りながら 現金やギフトカードを
次長席に積んでいった
「まあ ご丁寧に 桐の箱に入れて来ているわ」
「うん その箱代だけでも 大変だよ」
洋子も少し呆れながら 整理するとようやく終わり
「凄いわね 全部で472社から来ていたわよ」
「へぇー もう 日本全国だね これは」
「でも 協会のお中元は無いんでしょ こちらには」
「うん でも混ざっているよ 見た事無いところが多いし 困ったな」
「はいはい 現金が3億1千2百万でギフトや商品券が4千1百万よ」
「うん ありがとう そうしたら 雛形があるでしょ
それを使って お礼状を出しておいてください 郵税は出すからさ」
「大丈夫よ 軍資金から出しておきますから しかし凄いわね」
「ははは 仕事が出来ませーん もう いっそうの事止めようかな」
「なにを言っているんですか まだまだ止めないでくださいね」
「そうだね よし 今日はどこに行こうか」
「今夜がお肉だから お寿司がいいわ」
「築地にするか」
「ええ 聞いて見ますね」
洋子は築地のいせ丸に電話をして 空いているか確認すると
「はい 分かりました ねえ あなた 空きが無いんですって」
「そうか そうしたら 店のうなぎでも行くか」
「わぁー 嬉しいわ」
二人は現金やギフトカードをダンボールにいれ造り付けの棚に仕舞った

神山と洋子は鈴やのうなぎ屋に行くと 時田とばったり会い
「おう よく会うな うなぎか?」
「ええ そうよ おじ様もうなぎですか?」
「うん 暫く食べていないからな 一緒にどうだね」
「ええ お願いします ねえ 次長」
神山は少し照れながら 頷いた
奥にある特別座敷に通されると 時田が神山に
「山ちゃん あのクラブだが わしの店にはもう在庫がないんだ
欲しい時に 無いんだ 困ったもんだ 今度の水曜日になんとしても
あのクラブで 隣をやっつけようと思っていたんだが 上手く行かないな」
「えっ 隣って 三山百貨店ですか」
「うん あそこの店長がわしと同じハンデで いつも勝ったり負けたりだが
ここ3回くらい 負け続けているんだ だから今回は勝ちたいんだ」
銀座にある鈴や百貨店や三山百貨店など 中央通りに面した大きな
店舗で構成されている 銀座中央会があり 1ヶ月か2ヶ月に1回
ゴルフの親睦会が開催されている
「そうですか 3回も続けてだと 少しがっかりしますよね」
「うん だから先月も負けた時は 少し休もうと思っていたんじゃ
ところが 山ちゃんの成績を聞いたら やる気が出てきたんだよ ははは」
神山はそこまで聞くと 自分の成績は自分だけではなくて
このように他人に希望も与えていると感じていた
「ところで よく売れているんだな 入荷が何時になるか判りませんだと
アレックスは出荷調整をしているんじゃないか なあ山ちゃん」
神山はアレックスの最高責任者として そのような事は無いと思ったが
果たして そこまで調整する余裕は無いと思っていた
「多分 調整ではなく 生産が追いつかないのだと思いますよ
現実に その調整をしても アレックスは儲からないですよ」
「そうだな うーん 困ったな」
神山はアレックスJrに電話をして聞いてみる事にした
「すみません ちょっと電話で確認します」
そういうと席を外し 携帯電話でアレックスJrに電話をした
「神山さん こんにちわ 昨日はお疲れ様でした」
「やあ お疲れ様 ところで聞きたいんだけど 例の僕が持っている
クラブだけど うちのお店に在庫が無いんだよ どうなっているのかな」
「うん 神山さん あのクラブはもともと生産が少ないんです
だから 無くなると 入荷時期がはっきりしないんですよ」
「そうか そうすると 会社の倉庫にはあるのかな?」
「神山さんが買うんですか?」
「うん 普段お世話になっている人が 欲しいけどって」
「ちょっと待ってね 在庫を調べるから」
アレックスJrはPCで在庫を調べると まだ少しあるので
「神山さん 今日中に来れれば大丈夫だよ」
「そうか そうしたら送ってもらえるかな?」
「うん そうしたいんだけど ほら現金で決済しないといけないし」
「じゃ 立て替えておいて欲しいな」
「うん 実は昨日 帰りの車の中で ばれてしまってお金が無いんだ」
「ああ あの件がばれたの?」
「うん ナタリーと涼子にお金を取られた 口止め料 高いんだよ」
「ははは そうか 仕方ないな わかった じゃ今日中にいくよ
だから 1セットは必ず確保してください そうそうパターと
キャディーバッグもお願いね 全部で145万円だよね」
「うん 助かる 正規の値段なら抑えます 了解しました」
「ははは お願いします」

神山は席に戻ると時田に
「すみませんでした 何とかあります ご用意できます」
「おお そうか ありがとう よかった」
時田は秘書課に電話をして大至急 お金を持ってくるよう指示をした
「社長 いいですよ いつも応援をして頂いていますから
今回は私から プレゼントさせて頂きますよ」
「うん ありがとう その気持ちで充分じゃ」
時田は機嫌がよくなり 仲居に蒲焼の追加と日本酒を追加した
仲居が襖を閉めて直ぐに襖が開いた
「あら 神山次長と洋子さんもご一緒だったの」
「おう 秋山君 君は済んだのか」
「いいえ まだです」
「そうか そうしたらどうだ 一緒に」
「いいえ そんな 私はご遠慮させて頂きますよ ありがとうございます」
「うん 分かった」
「社長 こちらです」
時田は包みを受け取り頷くと 秋山はお辞儀をして襖を閉めた
「さあ 山ちゃん これで買ってきてくれ お願いします」
「はい 分かりました」
神山が包みを受け取ると洋子が
「おじ様 あのクラブって 力を入れすぎない方が いいですよ」
「おう そうか それでよく飛ぶのか」
「ええ 神山もそうですが 力むと練習不足で左や右に行きますが
もう 何も考えないで軽く振れば 真っ直ぐですよ」
「うん わかった 洋子もいいスコアだしな よし頑張るぞ ははは」

洋子と神山は昼食をゆっくりと摂ったので部屋には14時に戻った
「ねえ洋子 この包みだけど500万だよ お駄賃として貰い過ぎだよ」
「そうね ねえ そうしたらシューズとかスラックスとかは」
「そうか アレックスで揃えてプレゼントすればいいか」
「そうよ 喜ぶんじゃない きっと」
「そうしたら 社長のウエストやウェアサイズを聞いて
売場で買おうよ それでクラブは僕が取りに行くから 揃ったら
持って行ってあげれば 喜ぶんじゃないかな」
「そうね そうしましょう」
「じゃ 洋子 頼みます 30分寝かしてね」
「私も 少し寝かせてね ふふふ」
二人はソファーに横になると直ぐに寝て 目覚ましで起きた
「じゃ 洋子 お願いしますね 代金はこれを使って」
神山は午前中に整理したギフトカード50万円分を渡した
「まさか こんなに必要ないでしょ」
「うん スラックスを2本とかさ ポロシャツを3枚とかさ ねっ」
「そうね 分かりました」
「じゃ 僕は 急いで行ってくるよ すそ上げも忘れずお願いしますね」
「はーい 了解でーす 行ってらっしゃい」

神山と洋子は別々に行動を起こし30分すると神山が先に戻っていた
洋子は時田に分からないように股下寸法を聞くのに時間がかかり
「ごめんなさい ようやく終わりました」
「ご苦労様でした ありがとう で足りた?」
「ええ 充分に足りました はい お釣りです」
「うん 洋子 取っておきなさい」
「わぁー ありがとうございます」
神山がソファーでビールを呑んで寛いでいると
「ねえ 欲しくなちゃった 夜まで待てないの ふふふ」
「おいで」
洋子は神山の隣に座ると キスをして身を任せた
神山も5日ぶりの洋子に 下半身が反応し直ぐに肉棒と化した
洋子が神山のショーツを下げると まだ伸びきっていない毛に
「わぁー まだじょりじょりするわね でもいいわ」
「うん 困った事だ このお陰で昨夜もお預けさ とほほ」
洋子もパンストとショーツを下げると すでに濡れていて
いつ挿入されてもいい状態だった
「洋子 凄いぞ 今日は べちょべちょだよ」
「恥ずかしいから そんなに言わないで 早くください」
神山は洋子をソファーから降ろすと 後ろ向きにさせ挿入した
暫くと言ってもたった5日しか見なかった お尻だが
白く透き通る肌が 昼の外光で眩しさを増していた
神山は昨日 毛のせいで祐子やカトリアーナと交わっていないので
元気は有り余っていた
腰のスピードを上げると洋子は直ぐに果ててしまい
神山も膣に負け簡単に果ててしまった
「あーあ さっぱりしたわ さあお仕事お仕事 ふふふ」
「あのー あのさ 痛くなかった」
「ええ 最初はちくちくと痛かったけど 慣れると大丈夫よ」
「そうか じゃ今夜は剃らなくて 大丈夫かな」
「でもね 初めてだったら どうかしら うーん」
「そうか 洋子も絵美さんが初めてと思うか、、、」
「ええ だと思うなぁー でもこればっかりはね」
「そうだね まあ当って砕けろかな ははは」
「さあ おじ様のところに行きましょうよ」
神山は頷くと 洋子と次長室を出た







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2014年3月9日日曜日

紫陽花 7 - 52 Vol. 2



美佳は洋子と由貴や桃子だけではなく 今朝キャディーマスター室に
呼ばれた7人がなにか強い絆で結ばれているように感じた
その中心になっているのは神山だった
しかしこの空気のなかで神山と皆さん関係があるのでしょうと聞けないし
関係があるとしたらこんなに明るいはずがないと思った
洋子は美佳が何故聞いてきたか大体見当がつくが
ここで話す事ではないと感じあやふやな表現にとどめた
由貴も美佳の言葉に驚いたが自分から神山との事を話す事ではないと思った
桃子は話を聞いた時に美佳は気がついていると思ったが
神山との関係を知らない人間には絶対にしゃべらないと決めていた
美佳がその話をしてから由貴や桃子は美佳と話さないようになった
「せんぱ~い 眠ったくなりました すみません 少し寝ます」
「ええ 上原についたら起こしてあげるわ どうぞ」
たまたま美佳が前に座っているので由貴と桃子は顔を見合わせ
眠っているフリをして美佳と洋子の話を聞いていた
美佳は話題を杉田の話しに切り替えた

「運転手さん そこの角を曲がってください」
由紀枝は亜矢子とおしゃべりに夢中になっているとマンションまですぐだった
タクシーがマンションにつくと
「亜矢子さん 楽しかったわ ありがとうございます」
「こちらこそ ねえ由紀枝さん 神山さんの件だけれど
だれにも話さないほうがいいわよ ナタリーや涼子さん 美佳さんは
多少気がついていると思うけれど」
「そうですね 勿論 聞かれても話せる事ではないので大丈夫ですよ」
「ええ お願いね また会う機会があると思うから」
「は~い 分りました お疲れ様でした」
「はい お疲れ様でした では明日ね」
由紀枝は亜矢子のタクシーを見送ると亜矢子の言葉を思い出した
神山を中心に7人の女性が関係しているが
その7人が神山とSEXだけで結ばれているとは思っていなかった
由紀枝は神山にはまだ知らないところに女性がいると思ったが
自分と一緒の時には他の女性の事は一切口に出した事もないし
凄く幸せな関係をこれからも続けていきたいと思った

神山の運転する蒼いBMWでは祐子とカトリアーナが楽しく話していた
「ねえ 神山さん 今夜の食事メニューはどうしますか?」 
「うん 隣のホテルで食事会はどうかな ほら 祐子の優勝もあるしね」
「わぁ~嬉しいわ ねぇ カトリアーナ」
「ほんとうですか? 嬉しいわ そうしたらワインも一杯呑めるわね」
「おいおい ほどほどにしておくれよ 僕も呑みたいからさ」
「ふふふ 大丈夫ですよ 
でもね昨夜は大変頑張られたのでしょねえ祐子さん」
「そうですよ まさか由紀枝さんや亜矢子さんのお部屋にいかれるとは
思っていませんでしたよ」
「まあ そんなに苛めないでよ」
「ふふふ そうですね だって久しぶりでしょう 許しててあげるわ」
祐子はダイヤモンドのペンダントトップが気に入ったのか
「ねえ神山さん このダイヤモンド 似合っていますか」
「うん 大丈夫だよ 今まで以上に美しいく眩しいよ」
「ほんと? 嬉しいわ」
「いいな~ 私も欲しいな」
「カトリアーナは次回頑張っていい成績をだせば獲得できるよ
優勝スコアに限りなく近いもの 大丈夫だよ 集中して練習すれば」
「そうですよね 凄くいいクラブセットを買って頂いたのに練習しないとね」
「そうだよ 練習をするにしても 目的を持たないと上達しないよ
例えば 今日はアイアンの5番をマスターするとか 意識しないとね」
「ええ 私の練習もそうしていますよ 今日はドライバーの欠点を探すとか
結構意識してクラブを振っています」
「うん しかしみんなが同じことをしたら ますます大変だな」
「えっ どうして」
「だって 今はハンディキャップでこれだけスコアが接近しているのに
そのうちにグロススコアで並ばれるようになるよ
洋子や亜矢子のスコアって僕が2ヶ月前に出したスコアだよ
あのアレックスクラブに代えると 確かにスコアが良くなるよ
ロングホールでは第2打でグリーンを狙えるしね
距離のあるミドルでもセカンドが楽になるよ」
祐子やカトリアーナは神山の話をうなずいて聞いていたが祐子が
「神山さん ほら昨日練習をしたでしょ」
「うん 由紀枝も一緒に」」
「ええ その時にカトリアーナや由紀枝さんも誉めていたわ
クラブが凄くいいって
だってドライバーでも以前のクラブと最低で30yほど違うんですよ」
「そうだね 僕も驚いているよ
しかし力むとダメだね あっちに飛んで行ったりとか
まだまだ練習をしないとね」
「その時 由紀枝さんに教えて貰ったのよ 飛ばす秘訣を ねえカトリアーナ」
「ええ ついでに面白い話も聞いたわ  大根の話も」
「ああ あの話ね あの時は教える方も顔を真っ赤になっていたよ
しかし大根とおちんちんを聞き間違えるなんてねぇ、、、」
祐子とカトリアーナは思い出したのか笑いだしてしまった

アルタの高橋達3人は成績が悪かったのか皆無言だった
ただ酒に酔った高橋は車に乗った時から後ろの席で横になり寝ていた
運転する田中は時々内野に話をするが池ポチャ病が再発した事と
ラウンド中 自分のほほにキスをしてくれた涼子の事を思っていた
内野は20代の時に付き合っていた女性が居たが
辛い別れ方をして以来 殆ど女性と付き合っていなかった
「なあ 幸三ちゃん」
「えっ なんですか?急にどうしたんですか」
「あのさ 篠原涼子さんって 美佳の先輩だよね」
「ええ なんでもハーバード大学で一緒って聞いていますよ それが、、、」
「うん 出来ればもう一度逢いたいと思っているんだ」
「えっ 篠原さんとですか? あの経理の子とは、、、」
「あれは一緒に買い物をしただけで恋愛感情はないよ
むこもそう言っているよ」
「って事は なにか芽生えたんですね」
「うん 良く分らないからもう一度逢って確認をしたいんだよ」
「そうしたら美佳に頼めば大丈夫でしょ」
「そうかな、、、ほら美佳と鈴やさんの杉田さんを上手に引き合わせた
田所さんならどうだろうって思っているんだよ」
「そうですね 田所さんならなんでも話せるしいいでしょ
しかし何があったんですか 篠原さんと」
「う~ん なにもないよ、、、よし月曜日にでも話そうかな」
「先輩 後ろ 後ろの車 神山さんでしょ 凄いスピード出している」

田中は後ろの蒼いBMWが神山の車だと分ると左車線に避けると
神山が右側車線で田中のスピードに合わせ何かを話していた
「ねえ 祐子 僕の携帯でアルタの内野君を探して発信をしてくれないか」
祐子は神山から携帯電話を受け取ると内野に電話をした
「神山さん かかりましたよ」
「そうしたら高橋さんはどうしたのか聞いてくれる」
「はい 分りました
こちら神山さんの代理で靑山ですが 高橋さんはどうされましたか?」
「内野です 早いですね 高橋さんは後ろで横になって寝ています」
「は~い 分りました
神山さん 横になって寝ているそうですよ」
「うん ありがとう そうしたら気を付けて帰ってくださいと伝えて」
「内野さん 神山さんが 気を付けて帰ってくださいとの事です」
「了解です ありがとうございます」
神山は田中と内野に手を振るとスピードを上げた
「内野先輩 次は田所さんの車ですよ きっと」
洋子の運転する真紅のポルシェも
田中の車とスピードを合わせ田中に手を振った
「わぁ~ 凄い 田所さんって 運転凄いですね 先輩」
「うん 上手だし早いし それにメカに詳しいよ」
「わぁ~ 凄い もう見えなくなりましたよ
あの二人競争でもしているのかな よく捕まらないですよね」
「うちの社長も早いけれど 神山さんや田所さんには負けるね 早いよ」
「真紅のポルシェを運転する田所さんって格好よかったですね」
「うん 田所さんって何をしても似合うね 格好いいよ ほんと」
内野はますます月曜日になったら洋子に話す事を決めた

ジャックの運転する車に猛然と追いついてくる蒼いBMWをみると
「社長 きっと神山さんですよ 凄いスピードですよ」
神山はジャックの車の後ろにぴったりと付くと左に避けるのを待った
ジャックは神山をバックミラーで確認すると左車線に替えた
神山はジャックを確認すると手を振りスピードを上げた
「社長 やはり神山さんでした そうすると後ろは田所さんかな」
ジャックがバックミラーをみようとした時には田所の車は横にいて
手を振ると神山の後を追いかけた
「社長 あの二人 競争でもしているのかな」
「違うよ あれが神山さんにとっては普通のスピードだよ
田所さんもそうとう上手だと聞いているけれど 凄いね」
後ろに座っている篠原涼子がナタリーに
「私も神山さんの車に乗せてもらえばよかったな~」
「そうね 神山さんって格好いいですよね 出来れば私もそうしたいわ」

神山たちは楽しく話していると直ぐに 渋谷ICに着き
上原駅前までは車も空いていた
神山はニーナニーナの前を避け 国道側にある改札口前に車を止めた
直ぐに洋子の運転する真紅のポルシェが神山の後ろに止まった
洋子の車から降りた由貴たちはゴルフバッグをトランクから出し神山に
「神山さん ありがとうございました 楽しかったです」 
「私も 楽しかったです  ありがとうございました また 誘ってくださいね」
美佳はこの時も 由貴や桃子が神山と普通の関係でないと感じた
二人の神山を見る目がこんなにも 輝くものなのか 
生き生きしていた そして美佳は神山に
「神山さん 楽しかったです それに色々な人に会えてよかったです」
「やあ お疲れ様でした また次回も参加してくださいね
もう少し頑張れば 優勝も近いしね」
「はい 次回も参加させてくださいね 私も頑張って優勝賞金を一杯頂きます」
「そうそう 頑張ってね」
祐子とカトリアーナは美佳に励ましの挨拶を終わると
由貴や桃子と自然に手を握り挨拶をした
美佳はみんなが同じように自然に挨拶をしているのを見て羨ましく思った

洋子はそんな美佳を見て近寄ると  両手を出し手を握り
「美佳さん お疲れ様でした 杉田君ともうまくいっているようだし
後は  いい報告を待ってますね」 
「はい ありがとうございます 焦らないで頑張ります」
「そうよ 焦りは禁物よ なにかあったら相談してくださいね
私に出来る事は何でもと言っても 限界があるけれど 力になるわよ」
「ありがとうございます」  
美佳は再び神山にお辞儀をすると 由貴や桃子のところに行った
神山の車に祐子やカトリアーナが乗ると手を振って別れた 
「それでは 失礼するよ 気を付けて帰ってね 」
「は~い ありがとうございます 又 電話をくださいね 待ってます」
神山と洋子は由貴たちに手を振って車を発車させた 
由貴は神山と別れると桃子に 
「ねえ 桃子 そこのお寿司屋で早い夕食をしない?」 
「いいですね 今日はお家に帰っても夕飯の準備は出来ないわ
美佳さんはどうされますか?」 
「私は失礼して帰ります ごめんなさい」 
「いいのよ ご両親と一緒だから 羨ましいわ」 
「ええ でも又 誘ってくださいね」 
「そうね 電話をしますね でも杉田さんのほうが忙しいでしょ」 
「そんなことは無いですよ でも楽しかったです ありがとうございます」 
美佳は由貴たちと駅前で別れるとゴルフバッグを担ぎ改札口に向かった
「ねえ桃子 美佳さんは完全に気が付いているのかしら」
「ええ 多分、、、ただ何処まで神山さんと結び付けているかでしょう」
「そうね でもあの人は無理でしょ  ええ ふふふ杉田さんが居るし
杉田さんは鈴やさんでしょ どう考えても無理ね さあ行きましょう」
由貴と桃子はゴルフバッグを担ぎ駅前寿司屋に向かった

神山たちは赤坂のスタジオに戻るとゴルフバッグなど片付けた
「ねえ 洋子 少しくつろいでいきますか」 
「ええ そうしたいけれど 母が待っているから失礼します 残念ですが」
「そうだね 明日はどうする」 
「私がここに来ましょうか」 
「そうしたらお昼を一緒に食べようか」 
「ええ 嬉しいわ どうすればいいの?」 
「うん 会社で待っているよ」 
「はい 分かりました 12時頃でいいかしら」 
「うん お願いしますね」
「明日の夜はどうするの?」 
「ライオンからここに直接来るつもりだよ」 
「そうね そうしたらバーベキューにするの」 
「まだ考えていないけれど その方が自然でいいでしょう」 
「そうね 分かりました 明日が楽しみね」 
「うん では明日 会社で待っているよ そうだ 家まで送ってあげるよ」 
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」 
神山は洋子を車に乗せると代々木に向かった
「ねえあなた 明日彼女が帰るようなときはどうするの?」
「うん 仕方ないよ しかし洋子はお泊まり出来るでしょ」
「ええ そのつもりよ でもどうかしら 私と一緒に帰ると言ったら」 
「そうだね まだ仕事があるから離れることは出来ないと言うしかないね」
「そうね 明日は明日 そうしましょう」
二人が話していると洋子の家が近づき
「あっ そこで良いわよ ありがとうございます」 
「じゃあ 明日会社で待っているね」
「は~い 分かりました」
洋子を車から下ろすと神山は手を振って別れた

赤坂のスタジオに戻ると祐子やカトリアーナとスタジオで寛いだ
「お二人さん お疲れ様でした」
「まあ 神山さんこそ大変でしたね」
祐子は冷蔵庫からビールを出して3人のグラスに注ぐと
「では 一杯呑んだら風呂にはいろうか」
「ええ かんぱ~い」
神山は美味しそうにビールを呑むと祐子が
「神山さん 2階の主賓室のお風呂って結構大きいけれど
もっと大きなお風呂があると嬉しいな」
「そうだね 2階は5人位が限度だよな」
「ええ だからもう少し大きいのがあるといいな」
神山自身もう少し大きなお風呂が欲しかったが
借家なので余り考えていなかった

「祐子 あのプールとこの建物の間に造ろうか 大きいのを」
「わぁ~ 凄いわ そうしたらそこから2階に行かれるように階段を造れば
わざわざここに戻らないでお部屋にいかれますよ」
「そうだね でも出入り口が2階になると不便だから
どうだろう キッチンの向こうに何も使っていない部屋があるでしょ
そこを脱衣室にすれば1階からも入れるし
あとプールのほうにも出入り口を設ければ便利になるよ」
「そうしたらプールを冬でも泳げるように出来ませんか
ほら 温泉街によくある暖かいプールですよ」
「う~ん そうだ 冬というか寒い時期には温水プールで利用できて
暑い時期には普通のプールで利用できるようにしようか
だけれどあくまで借家だから どこまで出来るか分らないよ」
「わぁ~嬉しいわ そうしたらプールとお風呂が一緒に使えて嬉しいな~」
「でもさ 祐子 考えると維持費とかメンテナンスが大変だよ
だからプールとお風呂は切り離そうか その方が現実味があるよ」
「そう言われればそうですね でも大きなお風呂の外にプールっていいですよ」
「わかった 前向きに考えよう さあお風呂に行こうか」

3人は2階の主賓室にいくと部屋の大きな風呂に入った
神山が先に浴槽に浸かっていると祐子とカトリアーナがあとから入ってきた
二人は簡単に体を洗うと神山を挟んで湯船にはいった
祐子とカトリアーナは神山のへその下を触り始めカトリアーナが
「わぁ~ ジョリジョリしているわ 痛いわ」
「ほんと この痛さはちょっと勘弁ね クリちゃんが可哀相よ」
「ほんとうね これだと当分SEXは出来ないわね」
「そうしたら又 綺麗に剃りましょうか」
「そのほうがいいわね 少し生えてきたところは気持ちよかったわ」
「ねえ 神山さんそう言うことですから 綺麗に剃りましょうよ」
神山は二人の顔をみたが冗談ではなく本気で話しているので
「駄目だ もう勘弁してくれよ お願いします」
「ふふふ 神山さんも降参ね でも本当にSEXのとき痛いわよ」
「そうよね 私たちのことを考えてくれるならば剃ってほしいわ ねえ」
「いいの 3日ぐらい我慢すれば大丈夫だよ 生えてくるよ」
「私はそれでもいいの カトリアーナはどうするの お休みは2日までよ」
「だったらその時に考えるよ だから今日は勘弁してよ お願いします」
体を触ってふざけているとカトリアーナが
「神山さん 今日ね高橋さんにこのおっぱいを見られたの」
「えっ おっぱいを見られた?」

カトリアーナはゴルフをしている時の出来事を話すと
「それは酷い話だな どうしたんだろう」
「ナタリーや由紀枝さんも同じ様に見られていたの もう嫌!暗いスケベは」
「そうか 月曜日にでもそれとなく聞いてみるよ
しかしカトリアーナ一人がいやな思いをしたわけではないからな、、、」
「そうよ 由紀枝さんの時は露骨だったわ
グリーンでラインを読むでしょ 片膝をあげていると由紀枝さんの正面から
スカートのなかを覗いてニヤニヤしているのよ もうすけべ」
「おいおい 誰だって美人でピチピチで可愛い子がそんな格好すれば
スカートのなかを覗きたくなるものだよ」
「まあ 神山さんは違うと思ったのに 幻滅よ」
「僕はそこまで露骨な行動はしないよ あくまで一般論だよ
しかし そのお返しに3人でお尻を見せるとはたいした作戦だね
それで彼は後半の3ホールくずれたんだね なるほど」
「お昼も話をしている時なんか 私たちの顔を見ないで胸ばっかり見ていたわ
隣りのナタリーの胸を見ている時は ほんとうにいやらしいおやじだったわ」
「そうか それはまずいね わかった もう高橋さんの話はお終いにしよう
せっかく祐子が優勝したのにつまらなくなるよ」
「そうね 祐子さんごめんなさいね」
「いいわよ 私も同じ境遇だったらカトリアーナと一緒よ」

3人は高橋の話を終ると祐子とカトリアーナは先に風呂から出た
神山は湯船にゆっくり浸かり疲れを癒した
風呂から上がるとベッドに着替えが用意され祐子とカトリアーナは居なかった
神山は用意された薄手のバスローブを羽織って1階にいくと
祐子とカトリアーナが先にビールを呑んでいた
神山はソファーに座ると携帯電話で由紀枝に電話をした
「神山さん お疲れ様でした 楽しかったわ ありがとうございます」
「やあ おめでとうございます たいしたものだ」
「いえいえ あそこの練習場ですよ 大根のお陰です」
由紀枝はまた思い出して笑ってしまった
「しかし 大変だったね 今 カトリアーナから聞いたよ」
「ええ もう一緒に廻りたくありませんね なにか体が拒否しますね」
「そうか わかった ごめんね でも普段は普通だけれどね、、、」
「神山さん 昨夜 例のナイトクラブに連れて行ったでしょ」
「うん 彼とJr 内野君 田中君を連れて行ったよ」
「もしかしてそれが原因じゃないですか」
「えっ どういうこと?」
「ええ ほら普段 SEXに対してノーマルな人がアブノーマルなSEXを
体験したから 翌日までその気持ちを引きずっていたんでしょ」
「そうか コントロール出来なかったわけだ
遊んでいるところの女性と目の前にいる女性を同じ感覚でみていたんだ」
「ええ もうそれはいやらしかったですよ カトリアーナも言ってました
ナタリーさんはもっと酷いですよ
お昼の時に横に居るナタリーさんの胸を覗いていましたよ もう いやです」
「わかった ごめんね いやな思いをさせて 本人は車の中で寝ていたよ」
「えっ なぜ分ったんですか?」
「うん 追い越した時居ないので仲間に聞いたら後ろで寝ていますって」
「ふ~ん きっといやらしい夢をみていたんでしょ」
「兎にも角にも おめでとうございます 近いうちに行くよ」
「は~い 分りました 待っていますね」
「うん 賞金は大事に使いなさいね」
「は~い 分りました ありがとうございます では失礼しますね」

神山が電話を切ると祐子が
「まあ 遠くに居る人には優しいのね 羨ましいわ」
「おいおい そんなことは無いよ 今 由紀枝も言っていたよ
もう高橋さんと一緒に廻りたく無いって」
「そうでしょ 由紀枝さんが一番ショックを受けたでしょ 可哀相ね」
神山は体が落ち着くと祐子とカトリアーナに
「明日は女性のお客様がくるんだよ 洋子も一緒だけれどね
夕食は外でバーベキューを予定しているんだ」
「わぁ~ またお友達が増えるんですか 凄いですね」
「おいおい まだ手も握った事が無い人だよ 勘違いしないでね
ところで明日の天気予報はどうだろう?」
「ええ 快晴ですよ 今朝ホテルのTVで言ってました」
「そうしたらバーベキューで決定」
「神山さん 今夜はステーキ辞めますか」
「大丈夫だよ 魚介類や野菜を一杯注文しようよ
さあ時間もいいし出かけようか 散歩しながらいきましょう」
「は~い 分りました」
3人はそれぞれ着替えの為に部屋に戻った
神山はホテルに電話をしてギフトカードが使えるか聞くとOKの返事だった
「さあ それでは仕度はいいかな」
「はい OKですよ」
神山たち3人は夕日を背に受けて緩やかな坂を下り
赤坂スカイハイホテルに向かった 
祐子やカトリアーナはゴルフの成績が良かったのか話が弾んだ

神山も一緒に話しているとすぐに 目的のホテルに着いた 
「さあ 今夜はステーキでいいですね?」 
「私はステーキを食べたいけれど 
明晩 ステーキだから別なものがいいな ねえ カトリアーナはどうする?」
「そうしたら美味しいお肉を食べたいから しゃぶしゃぶはどうですか
以前6階のお店に連れていっていただいたところ」 
「そうね 神山さん しゃぶしゃぶを食べたいな」
「それでは今夜はしゃぶしゃぶに決定しますね」 
「わ~嬉しいわ 日本酒も呑もうかしら」 
「おいおい ワインを呑んで日本酒か 大丈夫かな?」 
「ふふふ 少し味わう程度ですよ ねえ 祐子さん」 
「そうね 少し味わう程度なら悪酔いしないと思うわ 神山さんどうですか?」
「うん まあ今夜はお祝い事だから良いでしょ」 
3人はホテルに着くと6階のしゃぶしゃぶ屋に入った
ランチタイムの時も混んでいるが 
夜になっても相変わらず客が入っていて テーブル席は一杯だった 
「まあ 少し待とうよ」 
「そうですね しかし土曜日なのにすごい混みようですね」 
「うん お肉が美味しいだけではないでしょう
ほら 店員のてきぱきした態度が好まれていると思うよ
ああいう接客をされると又来たくなるよね」
「うん そうそう 言えてますね
美味しいお店に行っても店員の接客が悪いとお料理も不味いですよね」
「そうだね 祐子が言うように 折角の料理が台無しになるね
接客って大切なんだよ もしかしたら料理より大切かもしれないよ
ほら デパートで同じものを販売しているけれど
最終的には接客態度に結び付いてくるからね」
「ええ わかります 本当に最終的には接客態度ですよねぇ」

3人が店の外でベンチに座っているとカトリアーナが
「ねえ祐子さん この曲名わかりますか?」
カトリアーナは店内にも流れているBGMの曲名を聞いた
「さあ、、、 でも聞く曲よね」
「この曲はビタースイート・サンバでね
そう昔 流行った曲だよ 確か ハーブ・アルパートが演奏しているよ」
「このトランペットがなんともいえませんね」
「うん ハーブ・アルパートで有名な曲があってね一度は聞いた事があるよ」
「何ですか その曲は」
「うん スイート・オブ・ハニーって曲さ
日本では 蜜の味かな 流行ったのは僕が中学生の時だと思ったな」
「えっ そんなに昔ですか まあ随分と古いですね」
「おいおい でもいつ聞いても新鮮だな」
「ねえ 神山さん 帰りにCDショップに寄ってみましょうか 欲しいな」
「そうだね ここの2階にあるよね 帰りに寄ってみよう
でも古い曲だからお目当てのCDがあるかどうか分からないよ」
神山達が話していると順番が来てテーブル席に案内された
祐子とカトリアーナはメニューを見て 
「神山さん たたきを頼んでも良いですか?」
「どうぞ 構わないよ 美味しいよ
しゃぶしゃぶのお肉はロースの霜降りを注文すればいいよ」  
「は~い 分かりました タレはポン酢で良いですか?」 
「うん お願いしますね」 
「そうしたら 私はゴマだれもいただこうかしら 前回頂いたときは
ポン酢だけだったの だから今回は胡麻も頂いてみるわ」 
「私もそうするわ」
祐子が3人分の料理を注文すると神山は生ビールを注文した
しばらくすると ウエイトレスがしゃぶしゃぶ鍋に
ダシの効いた汁を入れ牛肉を運んできた
「このお汁が沸騰するまでおまちください」
「はい ありがとう」
神山は生ビールが運ばれて来ると
「それでは改めてまして 祐子の優勝 おめでとうございます
よく頑張ったね 新しいゴルフクラブも喜ぶよ きっと
それと カトリアーナもよく頑張ったね 
僕も嬉しいよ  ありがとうございます」
「神山さんのおかげよ  だって普段使えないクラブでしょ 
折角買って頂いたのに変なスコアだと 申し訳ないわ ねえカトリアーナ」
「そうよ 私も自分なりに頑張ったわ
祐子さんが言うように悪いスコアは神山さんに申し訳ないわよ」
「おいおい 嬉しいよ しかし何もでないよ」
「いいの こういう時にしか言えないでしょ」 
「分かりました ありがとう では乾杯 優勝おめでとう」
神山の音頭で乾杯をすると祐子とカトリアーナは
生ビールを美味しそうに呑んだ

店内では先ほど聞いたハーブ・アルパートのBGMが流れていた
なん曲も流れているので 多分CDだと思いウエイトレスに聞いた
「すみませんが 今流れている曲ですがハーブ・アルパートの曲だと
思いますがCDですか?」
「ええ 店長のお気に入りですよ よくご存じですね」
「昔 よく聞いたもので」
「店長がお客様がこみ合っているときにかけるんですよ」
「へえ~ でもどうして?」
「ふふふ この人の曲ってテンポが良くて明るいでしょ」
「そうか テンポがいいから箸がすすむ訳だね」
「ええ そうですね あとこの曲って楽しいでしょ 
だから会話も弾むんですよ」
「わかりますよ どうもありがとうございます」
ウエイトレスは話を終ると厨房に戻り牛肉のたたきを運んできた
祐子とカトリアーナはたたきを食べると
「神山さん 凄く美味しいわ」
「うん ニンニクを少し付けるとさらに美味しいよ」
神山達はたたきやしゃぶしゃぶを堪能した
「ねえ 神山さん 今度は私たちだけで ゴルフをしないですか」
祐子が真剣な顔で言うので
「どうして?」
「ええ 憶測ですが 美佳さんとか 気が付いているんじゃないかなって」
「うーん、、、」
「私たちは何も話さないから 問題ないですけれど
神山さんが大丈夫かなって 思ったりしたんですよ」
「そうか、、、」
「ええ 上原で由貴さんと桃子ちゃんを降ろした時に
美佳さんが 神山さんと二人の事をずーっと見ていました」
「そうか うーん」
「そしたら洋子さんが 気が付いて美佳さんの手を握っていましたよ」
「うん そうか 分かった ありがとう
しかし 僕は基本的に 全員平等だからね 勿論 秘密は秘密だよ」
「多分 涼子さんやナタリーも気が付いていますよ」
「そうか 気が付くか うーん」
「もう 心配しているのに」
「ありがとう でもね 逃げるわけじゃないけど
僕は自分から進んで話をしないし 女性が黙っていれば問題ないと思うけど」
話を聞いていたカトリアーナが
「そうそう 神山さんが言うように 想像したい人には想像させればいいし
決して自分から言わなければ 神山さんに迷惑は掛からないと思うわ」
「そうかしら でもね 心配だわ」
「うん 分かった 祐子ありがとう
明日にでも洋子と相談してみるよ それからにしよう ねっ」
「はーい わかりました」
「よし じゃ一杯食べようね」
神山は牛肉を300g追加し 堪能した

食べ終わりギフト券で会計を済ませると2階のCDショップに向かった
エスカレーターで2階に着くとショップの中はCDや楽器を探している
お客で結構こみ合っていた
祐子とカトリアーナは早速ハーブ・アルパートのCDを探すが
なかなか見当たらなかった
神山が店員に聞くと在庫をパソコンで調べ
「お客様 ハーブ・アルパートの曲でしたらイージーリスニングの
コーナーにございます
あの3番の柱の向こう側がイージーリスニングのコーナーになっています」
祐子達はコーナーで探すと何枚かありハーブ・アルパートベストを選んだ
「ねえ 神山さん このCDでいいのかしら」
神山はCDを受け取り曲名を見て 
「うん 大丈夫だよ 僕が知っている曲は全部入っているし
先程しゃぶしゃぶ屋のBGMで流れていた曲もはいっているよ」
神山はCDを2枚持ってカウンターで清算すると1枚をカトリアーナに渡した
「はい カトリアーナ CDラジカセはあるでしょ」
「ええ 赤坂の寮にはあるけれど小さくて持ち運び出来るのは無いわ
買って頂いたのは嬉しいけれど、、、」
「よし小さくて何処にでも持っていけるのを買おう」
カトリアーナはCDラジカセのコーナーにいくと色々とあり迷ったが神山が
「このくらいの大きさでどう?」
「嬉しいわ 目覚まし機能やスリープも付いているしいいですね」
「よし 我が家の分も買おう 祐子も部屋で聴いたり外で聴いたり出来るでしょ」
「ありがとうございます バーベキューの時など使えますよね」
「そうそう 使えますよ」
神山はCDラジカセ2台をギフト券で会計を済ませタクシーで家に戻った

スタジオに戻ると祐子は早速CDラジカセで購入した
ハーブ・アルパートの曲を聞いた
神山もソファーで寛ぎ聞いていたが
「ねえ祐子 地下のオーディオルームで聞こうよ」
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」
3人は飲み物を持ち地下のオーディオルームに移った
7月9日に引越しをしてから数えるほどしか利用していなかった
本格的な設備で聞くと同じCDなのかと疑いたくなるほど音が違った
「違うわ~ ここで聞くとCDラジカセで聞けなくなるわね」
「ええ 祐子の言う通り スピーカーが違うと本当に違うわね
素人の私にもわかるわ」
「祐子さえよかったらここで聞いてもいいよ」
「ありがとうございます でも壊したら高そうな物ばかりだし遠慮します」
「そうだよね いくら自由に使っていいと言われても困るよね」
CDを聞き終わるりスタジオに戻ると神山が
「さあ 時間はまだ早いけれど寝ようか」
「そうですね お風呂に入って寝ましょか」
神山達は2階の主賓室にある風呂に入り体の疲れを取ると
「神山さん 残念ですね 今日はごめんなさいね」
「いいよ たまには何もしないで寝るのもわるくないよ」
神山は大きなベッドで祐子やカトリアーナと一緒に眠りについた






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2014年3月4日火曜日

紫陽花 7 - 52 Vol. 1



6月20日 土曜日
グリーンを出ると全員でキャディーに御礼をした
「ありがとうございました」
「こちらこそ ありがとうございます ふふふ 楽しかったわよ」
神山達はキャディー室にいくとクラブの本数を調べ改めて
キャディーにお礼を言って分かれた
「さあ スコアチェックをしよう 僕が読み上げるから
間違っていたら教えてね」
神山は祐子から順番に1番ホールから18番ホールまでの打数を読み上げた
「以上 間違いはあったかな?」
「無かったですよ OKです」
「そうしたら お風呂でゆっくりしてきてね ほらあそこがパーティー会場」
「は~い 分りました では失礼しま~す」
神山はパーティー会場に入ると洋子がPCにデーター入力をしていた
「やあ お疲れ様 ありがとう」
「お帰りなさい お疲れ様でした」
「お疲れ様 はいスコアカード」
洋子は受け取ると早速PCにデーターを入力した
「洋子 風呂に行ってきなさいよ」
「ええ 貴方が先に着替えてきて それから行くわ」
「そうだね ではお願いしますね すぐに戻るから」 

神山はロッカールームで着替えるとパーティー会場に戻った
「やあ お待たせしました」
「ねえ このスコア 間違っていない?」
「うん 3人がいる所で順番に読み上げて確認しているけれど どうして」
「大変よ 由紀枝さんと祐子さんが1位なのよ ハンデも一緒でしょ
だから2人が優勝よ」
「えっ 同じスコアか、、、考えていなかったけれど、、、
うん 賞金と副賞は余分に持って来ているから大丈夫だよ そうか、、、
まあ 洋子は早く風呂に入りなさい ありがとう」
神山は洋子のデーターを基にしてスコアスクラッチの勝ち負けを調べた
暫くすると亜矢子がお風呂から出てきて
「お手伝いをしますね ふふふ お疲れ様でした」
「やあ ありがとうございます そちらこそお疲れ様でした
そうだ 僕は車から賞品を運ぶからここにいてくれるかな お願いします」
「は~い 分りました」
神山は準備した賞品を3回に分けて会場に運んだ
特に400万円するクラブセットを運ぶ時には細心の注意を払った

幹事のテーブルが正面左斜めに用意され後ろにホワイトボードが用意された
亜矢子が賞品を正面のテーブルに並べていると
神山はスコアを大きな紙に書き入れてホワイトボードに貼った
亜矢子がそれを見て
「あらっ 1位が2人で3位が2人 私と洋子さんが5位なの へぇ~
それも1打差なのね わぁ~ 凄いわね」
「そうなんだ だから馬券は6-7で高配当だよ」
暫くすると風呂から上がってきた面々が好きなところに座り始めた
洋子が戻ると神山は
「ねえ洋子 6-7で配当が29277円だけど 25000円にすると
ここのプレー代金やお昼も払えるけれど いいよね」
「そうね ここのプレー代金は内藤さん支払いでしょ」
「そうなんだ だからこれで支払いをすれば負担がないと思うけど」
「ええ そうしましょうよ だって貴方だって個人で負担している分が
1千万円以上あるわけだから そうしましょう」

神山は配当金を25000円にして当選者の各会社封筒に入れた
風呂から出てきて自分の成績を確認し歓ぶ者がいたり がっかりする者が
何も言わず席についたりした
全員が揃うと神山は内線電話で飲みものを持って来るように指示をした
料理が運ばれシャンパンやワイン ビールが運ばれると神山が
「え~ それではみなさんお疲れ様でした
これから優勝並びに各賞の発表を行いますが食べて呑んでください
では 本日はお疲れ様でした かんぱ~い」
みんながシャンパンで乾杯すると幹事テーブルの隣りに座った洋子に
「ありがとう 助かったよ」
「どういたしまして 事故が無くてよかったわ」
「うん シャンパンは3杯にしよう 後があるからね」
「そうね 私も3杯にするわ」
各人の成績は次の通りになった


 

OUT IN GS HC スコア
 優勝
由紀枝 42 45 87 17 70
 優勝
祐子 42 45 87 17 70
 3位
由貴 44 46 90 19 71
 3位
桃子 44 46 90 19 71
 5位
洋子 42 40 82 10 72
 5位
亜矢子 42 40 82 10 72
 7位
カトリアーナ 42 44 86 13 73
 8位
神山 37 38 75 75
 9位
美佳 48 44 92 16 76
 9位
涼子 47 45 92 16 76
11位
ナタリー 49 48 97 20 77
12位
Jr 44 52 96 96
13位
ジャック 49 49 98 98
14位
高橋 48 59 107 107
15位
田中 53 54 107 107
16位
内野 55 56 111 111

神山はみんなが一息つき雑談が始まったので
「それでは 優勝者に賞金を渡しますので こちらに来てください
優勝 庄司由紀枝さん 靑山祐子さん どうぞ」
由紀枝と祐子が正面に並ぶとみんなから拍手が沸いた
「はい 優勝おめでとうございます
本来ならば1位と2位の賞金をたして割るのですが
ここでは1位は1位の賞金を差し上げます 
お二人に150万円分のギフトカードです 皆さん拍手~」
拍手のなか神山は由紀枝と祐子に手渡すと
「優勝副賞として 700万円のダイヤモンドペンダントトップです」
神山は二人の首にネックレスを掛けるとダイヤモンドが輝いた
「わぁ~嬉しいわ 素敵なペンダントトップ ねえ祐子さん」
「ええ 素敵ね 頂けてうれしいわ」
由紀枝と祐子は神山のほほにキスをしてお辞儀をした
「え~ 今回優勝スコアから11位までが70台 それも7打差と
非常にレベルの高い競技会でした
優勝スコアもグロス87と素晴らしいスコアだと思います
それが二人揃って出るとは思いませんでした
そこで 優勝者の今の気持ちを伺いましょう まず庄司由紀枝さん」
由紀枝はみんなにお辞儀をした後に

「ありがとうございます 大変嬉しく 楽しかった一日でした はいお終い」
由紀枝の短い挨拶に会場は大笑いした
「ありがとうございます では靑山祐子さん お願いします」
靑山祐子もみんなにお辞儀をすると
「ありがとうございます 今日は今までの出来事で一番楽しい出来事です
パーティーのメンバーに恵まれ楽しくプレーが出来ました 以上です
あっ 神山さんありがとうございます 以上です」
「はい ありがとうございます どうぞ席に戻ってね
では2位が無くなりましたので3位の発表ですが これまた2名です
浜野由貴さん 安田桃子さん どうぞこちらへ」

由貴と桃子が正面に立ちみんなにお辞儀をすると拍手が沸いた
「3位 おめでとうございます 3位賞金57万5千円分のギフトカードです」
神山は二人に渡すと由貴と桃子は神山とみんなにお辞儀をした
「3位にも副賞があります 200万円のダイヤモンドペンダントトップです」
神山は由貴と桃子の首からネックレスを掛けるとダイヤが輝いた
由貴と桃子は神山のほほにキスをすると拍手が沸いた
「3位とはいえ優勝スコアとたった1打差です
非常に残念ですがこれが勝負の世界ですが よく頑張りました
皆さんもう一度暖かい拍手でお祝いをしてください
それでは 3位になられた ご感想を一言お願いします まず浜野さん」
「はい 今日はメンバーに励まされ 楽しくプレーが出来ました
そうそう 神山さん ありがとうございます」
由貴はそういうと再び神山のほほにキスをすると 拍手や歓声が沸いた
「はい ありがとうございます 次は安田さん どうぞ」
「はーい 先輩と一緒の3位でとても嬉しいです ありがとうございました」
桃子もお辞儀をした後に神山の頬にキスをすると 又 拍手や歓声が沸いた
「はい お二人とも頑張ったね ありがとう」
由貴と桃子は拍手のなか自分の席に戻った
「ありがとうございました それでは次の5位ですがまたまた2名です
田所洋子さん 桜川亜矢子さん どうぞこちらへ」
亜矢子と洋子は正面に立つとみんなに向ってお辞儀をし神山にお辞儀をした
「え~ 5位の賞金は32万5千円分のギフトカードです」
神山はギフトカードを二人に渡すと
「はい ありがとうございます では席にお戻りください」
亜矢子と洋子は神山のほほにキスをすると自分の席に戻った
7位のカトリアーナに渡し8位の時に
「え~8位は私です」
神山は自分でギフトカードを持つと洋子がギフトカードを持ち
「はい お疲れ様でした おめでとうございます」
そう言い 改めて神山に手渡しした
以下順番に渡し最後内野に
「では16位になった内野さん どうぞこちらに」
内野は頭をかきながら正面に行くとお辞儀をした
「はい16位 5万円分のギフトカードです よかったね」
内野はギフトカードを貰うと右手でみんなに見せながらお辞儀をした
「では 一言どうでしょうか?」
「はい パーティーの皆さんに申し訳なく思っていますよ
色々と励まされ頑張りましたが 皆さんの足を引っ張ったようで、、、」
「はい ありがとうございます では席にお戻りください」
内野は高橋と田中が待っている席に戻ると励まされた

「次にニアピン賞の発表です 名前を呼ばれた方はこちらまでお願いします
3番ニアピン賞 田所さん 6番ニアピン賞 浜野さん
12番ニアピン賞 ナタリーさん 15番ニアピン賞 小谷さん どうぞ」
ニアピン賞は4ホール共女性が獲得した
神山はそれぞれに金貨15枚が一包みになっているニアピン賞を渡した
金貨を手にすると会場のみんなから拍手が沸いた
「次はドラコン賞獲得者を発表しますので 名前を呼ばれた方は
こちらまでお願いします
アレックスJrさん 庄司さん 靑山さん ジャックさん カトリアーナさん
高橋さん 桜川さん 内野さん 安田さん 田中さん ナタリーさん
篠原さん それと私です」
美佳 ナタリー 由貴を除いた全員が呼ばれた
神山は洋子の製作してくれたデーターを元に金貨を包みJrから
順番に獲得したドラコン数に応じた金貨を渡した
由紀枝は席に戻ると早速包みの一つを開けた

シンプルなケースに入った金貨をみて隣りに座っている祐子に
「ねえ祐子さん これでペンダントを作ろうかしら」
「ええ そうね 私も考えていたのよ よかったら一緒に作ってあげるわよ
ほら神山さんの鈴やさんで作ればいいでしょ」
「そうね そうしたら1枚渡しておくわね」
「ねえ ネックレスは要らないでしょ」
「ええ 要らないわ あるものに付けるわ」
ドラコン賞最後は神山が洋子から受け取ると会場から拍手が沸いた
神山は洋子に婦人ゴルフウェア上下セットの対象者を相談した
「どうだろう 下から5名だと亜矢子と洋子が同スコアだけれど
ここは亜矢子にゆずって貰えるかな?」
「ええ いいわよ 私はお店で購入できるし」
「ありがとう 買ってあげるよ」
神山は立ちあがるとみんなに
「それでは残念賞を発表しますので こちらまでお願いしますね
まずナタリーさん 篠原さん 小谷さん カトリアーナさん
桜川さん 本当に残念でした どうぞ」
神山はナタリーから順番にアレックスの婦人ゴルフウェア上下セットを 
渡し 最後の亜矢子が

「いいの 洋子さんは?」
「後日東京で購入するよ 大丈夫だよ」
「良かったわ ありがとうございます」
「さあ 次は男性の残念賞です 内野さん 田中さん 高橋さん どうぞ」
神山は内野から順番に紳士ゴルフウェア上下セットをプレゼントした
「さあ 本日最後の賞品です
アレックスゴルフクラブセット 400万円相当です
女性上位2名 男性上位2名にプレゼントです
まず 庄司さん 靑山さん どうぞこちらへ」
パーティー会場では400万円のゴルフクラブという事でみな驚いた
神山は由紀枝と祐子にゴルフクラブセットを渡した
紳士用は洋子が神山とアレックスJrに渡した
Jrが神山に
「神山さんありがとうございます」
「今度はもう少しいいスコアで廻ろうよ」
「ええ それで神山さん このクラブセットですが
お揃いのキャディーバッグがあります 今度神山さんのところに送りますよ」
「うん ありがとう 楽しみに待っているよ」

洋子は馬券の配当金を分け終わると神山に
「馬券のお金 各社分配終了です」
「ありがとう」
神山は洋子が作ったデーターを見ながら
「え~ 楽しみな馬券の発表です
今回は1位と2位ではなくなりましたが 6枠庄司さん 7枠靑山さんが
優勝で枠は6-7でした 配当金は25000円です
まず浜野さん 4票当りです こちらに来てください」
神山は封筒に貼ってある投票用紙と金額を確認して由貴に渡した
「次はアレックスJrさん どうぞ」
Jrの一人勝ちで10票分25万円と投票用紙を渡した
「次はアルタの高橋さん お願いします」
高橋が神山のところに来ると投票用紙を見せて
「ねっ内藤さん一人で25万円です アルタ横浜や下請けは皆無でした」
「はい 了解です これは小谷さんに渡しますがいいですか」
「ええOKですよ お願いしますね」
「しかし山ちゃんのスコアだって悪くないのに 残念だったね」
「うん 今日のグロススコアを参考にして修正するよ
しかし 男性はハンデ無しだからきついけれどね」
「男性がハンデで上位に来てもつまらないですよ このままでいいですよ」
「そうだよね じゃあ次回ね」
「ええ 頑張りましょう」
高橋が美佳のところに行くと神山は
「次はゴテンバ グランド イン 桜川さんお願いします」
亜矢子が来ると投票用紙を見せて
「亜矢子が10票 由紀枝が2票 あれっ由紀枝はここでも買っているんだ」
「ええ そうよ」
神山は30万円と投票用紙を渡した
洋子に
「これは本社の分で 社長と西野理事の分で5万円」
神山は封筒に投票用紙と5万円を入れると洋子に渡した
「え~ 由紀枝さん 祐子さん カトリアーナさん どうぞ来てください」
神山は由紀枝と祐子に150万円ずつ渡し
カトリアーナには100万円渡した
洋子と神山は50万円ずつ貰い配当金を配り終わると 1打500円の
勝ち負け表をホワイトボードに張った


優勝
由紀枝 101000
優勝
祐子 101000
3位
由貴 93000
3位
桃子 93000
5位
洋子 85000
5位
亜矢子 85000
7位
カトリアーナ 71000
8位
神山 61000
9位
美佳 53000
9位
涼子 53000
11位
ナタリー 45000
12位
Jr -107000
13位
ジャック -123000
14位
高橋 -195000
15位
田中 -195000
16位
内野 -227000

「え~ ここに書かれているマイナスの方 金額を徴収します
こちらにお願いします」    
神山の説明が終ると高橋が
「あの~ 金貨でもいいですか」
「う~ん 考えたんだけれども 金貨は辞めようよ
やはり貰う方も金貨より現金の方がいいでしょ、、、高橋さんちょっと」
神山は高橋を呼ぶと
「ねえ 金貨1枚3万円で引き取るよ どう?」
「そうして貰うと助かります では金貨5枚です お願いします」
神山は金貨を受け取ると15万円を高橋に渡した
席に戻ると田中と内野も神山に
「高橋さんと同じで3万円でお願いします」
神山は田中から金貨5枚を受け取り15万円を渡し
内野は金貨4枚を神山に渡すと12万円を渡した
「不足分はフロント脇にATMがあるからそれを利用してね」
神山は洋子にマイナス分の徴収出来次第プラスの人に分けるように指示をした
「僕はフロントで清算をしてくるよ お願いしますね」
「は~い 分りました」

神山はフロントに行き事情を説明すると
「神山様 ありがとうございます そうしましたらすぐに計算をいしまして
パーティー会場に伺いますが如何でしょうか」
「う~ん ここで待つよ お願いします」
フロントは内藤のメンバー料金で計算をし神山に金額を提示した
プレー費がメンバー紹介でも24万円してコースで飲食した分が4万円
昼食代が15万円で合計43万円の支払いをした
会場に戻ると洋子が神山に
「スクラッチは終了ですよ」
「ありがとう こちらも清算を終ったよ ご馳走様でした」
「貴方こそご苦労様でした ありがとうございます」
パーティー会場は料理や飲み物が少なくなったので
「え~ 料理も少なくなりました 最後まで食べたら解散にしましょう
それでは 中締めを行いますので全員起立をお願いします 一本〆です
みなさん お疲れ様でした ありがとうございます
いよー ポン
ありがとうございます 次回も開催する予定です 是非参加してくださいね」

中締めが終ると亜矢子と由紀枝が神山の所にきて
「ありがとうございます 楽しかったわ
それから凄い賞品でビックリしています」
由紀枝はニコニコすると神山のほほにキスをし賞品を
重たそうに持ち会場を出た
亜矢子も
「楽しかったわ ありがとうございます 
洋子さんと一緒に廻れてよかったわよ お疲れのところお疲れ様でした」
「うん 違う疲れだからね 大丈夫だよ
そうしたら悪いけれどタクシーでお願いしますね」
「ええ 分りました 又 来てね 待っています」
「うん 電話をするよ」
神山が亜矢子と挨拶を済ませるとアレックスJrが
「神山さん ありがとうございます 本当に楽しかったよ
それと 幹事 ご苦労様 次回はうちからもお手伝いを出しますよ」
「うん ありがとう 気を付けてね」
「ええ では失礼します」

アレックスジャパンの面々は神山にお辞儀をして会場を後にした
アルタの高橋が神山に
「山ちゃん ありがとうございます 楽しかった」
「孝ちゃん 残念だったね 次回はもっといいスコアで頑張ろうよ」
高橋の挨拶が終ると内野や田中が神山にお辞儀をして会場を後にした
会場に残っているのは神山ファミリー5人の女性と美佳だった
「さあ洋子 我々も帰りましょうか」
「そうね 早く帰ってお風呂に入りたいわ」
「そうだね 僕もビールを呑みたいよ
さあ 祐子 由貴 桃子 帰るよ カトリアーナ 帰るよ」
神山や女性達は不要になったダンボールや備品類を車に積んだ
クラブセットを車に積むと洋子に確認をした
「由貴 桃子 美佳ちゃんは上原でいいんだよね」
「ええ 私の方に乗せるわ」
「うん お願いしますね では帰ろうか」
神山は祐子とカトリアーナを乗せると洋子の車を見ていた
全員が乗り終わると神山の蒼いBMWはゴルフ場を後にした
洋子の運転する真紅のポルシェも蒼いBMWについていった

パーティー会場を出た由紀枝はタクシーを待っていると亜矢子がきた
「由紀枝さんお疲れ様」
「亜矢子さんこそお疲れ様でした そうそう良かったら一緒のタクシーに
しませんか 今日はタクシーが少ないそうですよ」
「そうしたら一緒でも構わないかしら」
「ええ 私のマンション経由でいいでしょ」
「そうね お願いします」
二人はフロントで呼んで貰ったタクシーに乗ると亜矢子が
「由紀枝さん 改めておめでとうございます 素晴らしいわね」
「亜矢子さんだって素晴らしいスコアじゃないですか
私のはまぐれですよ ハンデで救われただけですよ
前半は42といいスコアを出しましたが後半は45でしょ まぐれです」
「でも まぐれでもいいスコアよ 私も洋子さんも82を出した事が無いから
凄く嬉しいのよ 由紀枝さんと5打差でしょ もうハンデは一緒ね」
「そんな~ まだ2つや3つはありますよ だって40は出せないですよ」
「ふふふ 練習よ」
「だめだめ でもあのクラブは凄くいいですね
洋子さんと亜矢子さんって同じ位飛ばすんですか」
「そうね 殆ど一緒かしら でもねお互いホール毎に攻め方が違うから
単純に比較は出来ないけれど一緒かしら
でも由紀枝さんの方が飛ばすでしょ 洋子さんがっかりしていたわ
本人はドラコンのつもりだったのに由紀枝さんや祐子さんに抜かれたって」
「でも本当に1mとか5mの世界ですよ 抜いてもそんなところですよ
それより祐子さんも飛ばしますね 私のボールが抜かれましたよ
そうそうカトリアーナが飛ぶ時と飛ばない時があるので驚きましたよ」
「どうしたの?」
「ええ私もですが まだクラブに慣れていないと思いますよ
昨日 東京で練習をしたときにもナイスショットしたあとにミスショットとか
勿論 私も出ますけれどカトリアーナはハッキリしていましたよ」
「そうなの そんなにハッキリとわかるの ふ~ん」
「でも 私たちより若いから次回は怖いですね」
「そうね スイングを見ていても飛ばしそうだったわ いやな相手だわ」
「ええ そうそう亜矢子さん 私のマンションのすぐ傍にゴルフ練習場が
出来まして 私 会員になりました 時間を作って一緒にいきましょうよ」
「そうね どちらかが休みで翌日公休だと一緒に出来るわね」
「ええ でも 帰りが大変か~」
「大丈夫よ 車を買ったから大丈夫よ」
「そうそう 何を買ったんですか」
「マーチよ」
「私と一緒ですね ちょっとしたお買い物に便利ですよね」
「ええ 扱いやすいし値段も手ごろだし 買いました ふふふ」
「そうしたら早速スケジュールを見ていける日を決めましょうよ」
「そうね 80を切れるように頑張るわ」
「わぁ~ 凄いわ 私はまだまだ80の前半で廻れるように練習です」
「あのクラブだと確実に5つ違うわね ロングが狙えるでしょ
長いパー4も狙えるでしょ だから計算すると6つか7つ違うわよ」
「そうそう 私もそれでミスショットをしたんですよ
狙えるところまで飛ぶのはいいんですが その後が悪いから駄目ですね」
「そうでしょ 狙えるところまで飛ぶから余計に力むわね
後は精神面を鍛えるのね 私もミスをしないように頑張るわ
ねえ 話は違うけれど アルタの高橋さん どうしたの?」
「ええ 午前中から私たちの胸を見ていて厭らしいのが度を越したんです
お昼の時も話を聞いていないで 私とカトリアーナの胸ばかりみていて
ナタリーさんも横からそれとなく覗かれていたんですよ」
「まあ そうなの いい迷惑ね 私 お風呂から出てクラブを確認しに
キャディー室まで行ったら3組のキャディーさんが他のキャディーさんと
話していてね 男性一人だと大変だわって そんな事を話していたのよ
それでどうしたのか聞くと 女性の方がお尻を見せたりして男性を
挑発していたと言っていたからおかしいと思ったの
だってナタリーさんは ほら余り親しくないのに一緒に行動したわけでしょ」
「ええ ラインを読んでいる時もスカートの中を覗いているんですよ
いやらしい目でニヤニヤしていて それでカトリアーナが耳打ちしてくれて 
カトリアーナもラインを読んでいる時に覗かれたと言いまして
だったら高橋さんがパッティングの時にお尻を見せて踊りを
しましょうって事ですよ もう本当にいやだわ」
「そうだったの 神山さんには報告した?」
「いいえ まだですよ」
「電話があったら話しなさいね」
「ええ でも今夜 カトリアーナは赤坂なので話しますよ きっと」
「そうなの いいわね学生さんは 羨ましいわ」
「ほんと羨ましいですね」

アレックスジャパンの面々はパーティー会場を出るとジャックが運転する車で
ゴルフ場を後にした
御殿場ICから東名高速道路に入るとジャックがJrに
「どうしたんですか 午後からスコアが乱れて」
「う~ん 色々とあってね それで乱れたよ」
「午後のプレーが始まる時に洋子さんと神山さんが話していましたけれど
社長 知らない女性と一夜を過したんですか?」
「えっ なんで、、、」
「ええ 洋子さんは社長が白状したとはっきりと言っていましたよ」
「う~ん ねえみんな 内緒にしてくて お願いします」
後ろに座っている涼子とナタリーは顔を見合わせナタリーが
「勿論 秘密にしますよ でないと会社が潰れますからね ふふふ
でもね 口止め料って高いでしょ ねえ涼子さん」
「ええ秘書ですから内緒にしますよ でもね~ 相当高いですよ
副社長 どうですかね 一人10万円ですかね」
「涼子秘書 もう少し高くてもいいでしょ アメリカでは100万円出しても
安いくらいですよ まあ出産を控えているので一人50万円にしましょうか」
「副社長 そうですね Jr 聞きましたか 3人に50万円ずつ
勿論 現金ですよ お願いしますね」
「おいおい なんでそんなに苛めるの もう」
「Jrが悪いんでしょ 誘われても行かなければいいでしょ
それといってもそこだけにして部屋に連れ込まなくてもいいでしょ」
「う~ん わかった 本当に内緒にしてください でないと離婚ですよ」
アレックスJrはバッグから150万円を出して後ろに居る涼子に渡した

「涼子 本当に内緒だからね お願いしますね」
「ふふふ いいわよ あと欲しい物があるんだけどな~ 
そうしたら確実に内緒になるかな~」
「そうよね 私もあのクラブセットを欲しいわ ねえあなた」
運転中のジャックは言葉を濁らせたが
「社長 この際 買って頂くと100%安心な秘密になりますよ」
「そうそう アレックスチームが最新モデルや新作のファッションを着て
宣伝しなければいけないのに 今日は反対だったでしょ
ここはクラブやウェア上下含め揃えて頂くと100%完全な秘密になります」
Jrは考えた末に
「分りました 月曜日に揃えますよ しかし絶対に秘密にしてくださいね」
涼子とナタリー ジャックはニコニコ笑って
「お願いしま~す 楽しみにしています ねえ涼子 ナタリー」
「ええ 月曜日が楽しみだわ」
こうしてアレックスJrは3人にクラブセットからウェアを
プレゼントする事になった
ナタリーが涼子に
「ねえアルタの高橋さんって知っている?」
「いいえ 初めてお目にかかりましたけれど なにか?」
「ええ 朝から私や由紀枝さん カトリアーナさんの胸や
グリーンでラインを読む時にスカートの中をニヤニヤして見ているのよ
ほらラインを読む時って片膝を立てて構えるでしょ」
「ええ 分ります でも立っている人からだと見えないでしょ なかまで」
「そうね多分 でもいやねえ」
「それでどうしたんですか」
「16番の時かしら 高橋さんがパットをする時構えるでしょ
そのとき由紀枝さんとカトリアーナさんと私とでお尻を見せて
プリプリダンスをしたの そうしたら崩れたわ 効果覿面よ
それまで2パットで抑えていたのに5パットや4パットよ」
「まあ お尻を見せたんですか 凄いですね」
「ええカトリアーナさんも由紀枝さんも積極的で 私が参加しないと
ほら女性の仲間意識ってあるでしょ だから私も思い切って参加したの」
「へぇ~ 由紀枝さんってそんなに積極的ですか~
私はカトリアーナの方が積極的だと思ったけど
でも仲がいいですよね あの2人だけじゃなくて
田所さん桜川さん由紀枝さん由貴さん みんなそれぞれ違う職場なのに
なにか家族みたいな雰囲気を持っていますね」
「ええ 私の組は由紀枝さんとカトリアーナさんだけれど
本当に姉妹みたいに話をしていたわ 羨ましいわ」
「何があるんだろう 分らないわ」

その話を聞いていたJrが
「そうそう 亜矢子さんと洋子さんって姉妹じゃないの
ティーグランドでハッとしたんだよ
構えているときの目付きや振り抜いた後の顔つきがそっくりだし
フェアウェイでも二人でよく笑っていたよ きっと姉妹だよ」
「そう言われれば似ているわね ねえ涼子さんどう思う?」
「う~ん 姉妹といえば姉妹だし 違うといえば違うような気がしますね
私は亜矢子さんと洋子さんだけではなくて みんな似ているように思えます」
「そうね そう言われれば顔つきや体型だけじゃなくて
もっと深いところで似ているわね みんな美人で可愛くて 
だからお昼の時に由紀枝さんとカトリアーナさんが
神山さんのテーブルに行ったのね その時に誰が誰だか分らなかったわ」
「そんなに神山さんて人気があるんだ~」
「神山さんの席に行った二人はニコニコして話をしていたわ
それからほら今朝のクラブの件 きっと神山さんが買ったのよ みんなに」
「でもなんで?」
「分らないわ 神山さんって独身でしょ」
「ええ多分」
「そうしたらどうなのかしら でもねえ 女性だとすぐに分るから」
「えっ何がですか?」
「例えばよ 洋子さんや亜矢子さん由紀枝さん由貴さん達が神山さんと
関係しているとしても、、、隠す訳にいかないし 逆に分れば
いやな思いをするでしょ ゴルフどころじゃないわよ」
「えっ 神山さんがあそこの女性全員と関係しているんですか
まさか だってそんな事をしたらあんなに仲良くしていないでしょ」
「そうよね だとしたらなにかしら あ~分らないからやめましょう」
「ええ 仲がいい事は良い事ですから 余り考えないほうがいですよ」
「そうね そうしましょう でも気になるわね、、、」

真紅のポルシェに乗っている美佳が洋子に
「洋子さん 由貴さんや桃子さんと仲がいいですね」
「そうかしら ほら大学の先輩後輩だからでしょ ねえ由貴さん」
「ええ 話せる先輩がこんな近くに存在しているなんて幸せよ ねえ桃子」
「そうですよ よく話 よく食べて よく呑んで いい先輩だわ」
「ふふふ ありがとうございます 何もでないわ
早く帰ってお風呂に入るわ 明日もお仕事だから」
「へぇ~ 先輩大変ですね」
「ええ でも楽しいわね お仕事は楽しくしないと疲れるわね」
「へぇ~ それだけの関係ですか 洋子さんは、、、」
「えっ なんで?」
「ええ なにかもっと強い絆っていうか そういうのを感じるんですよ」
「へぇ~ そうなの 普通の先輩後輩よ そう言う関係ね」





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