2014年3月9日日曜日

紫陽花 7 - 52 Vol. 2



美佳は洋子と由貴や桃子だけではなく 今朝キャディーマスター室に
呼ばれた7人がなにか強い絆で結ばれているように感じた
その中心になっているのは神山だった
しかしこの空気のなかで神山と皆さん関係があるのでしょうと聞けないし
関係があるとしたらこんなに明るいはずがないと思った
洋子は美佳が何故聞いてきたか大体見当がつくが
ここで話す事ではないと感じあやふやな表現にとどめた
由貴も美佳の言葉に驚いたが自分から神山との事を話す事ではないと思った
桃子は話を聞いた時に美佳は気がついていると思ったが
神山との関係を知らない人間には絶対にしゃべらないと決めていた
美佳がその話をしてから由貴や桃子は美佳と話さないようになった
「せんぱ~い 眠ったくなりました すみません 少し寝ます」
「ええ 上原についたら起こしてあげるわ どうぞ」
たまたま美佳が前に座っているので由貴と桃子は顔を見合わせ
眠っているフリをして美佳と洋子の話を聞いていた
美佳は話題を杉田の話しに切り替えた

「運転手さん そこの角を曲がってください」
由紀枝は亜矢子とおしゃべりに夢中になっているとマンションまですぐだった
タクシーがマンションにつくと
「亜矢子さん 楽しかったわ ありがとうございます」
「こちらこそ ねえ由紀枝さん 神山さんの件だけれど
だれにも話さないほうがいいわよ ナタリーや涼子さん 美佳さんは
多少気がついていると思うけれど」
「そうですね 勿論 聞かれても話せる事ではないので大丈夫ですよ」
「ええ お願いね また会う機会があると思うから」
「は~い 分りました お疲れ様でした」
「はい お疲れ様でした では明日ね」
由紀枝は亜矢子のタクシーを見送ると亜矢子の言葉を思い出した
神山を中心に7人の女性が関係しているが
その7人が神山とSEXだけで結ばれているとは思っていなかった
由紀枝は神山にはまだ知らないところに女性がいると思ったが
自分と一緒の時には他の女性の事は一切口に出した事もないし
凄く幸せな関係をこれからも続けていきたいと思った

神山の運転する蒼いBMWでは祐子とカトリアーナが楽しく話していた
「ねえ 神山さん 今夜の食事メニューはどうしますか?」 
「うん 隣のホテルで食事会はどうかな ほら 祐子の優勝もあるしね」
「わぁ~嬉しいわ ねぇ カトリアーナ」
「ほんとうですか? 嬉しいわ そうしたらワインも一杯呑めるわね」
「おいおい ほどほどにしておくれよ 僕も呑みたいからさ」
「ふふふ 大丈夫ですよ 
でもね昨夜は大変頑張られたのでしょねえ祐子さん」
「そうですよ まさか由紀枝さんや亜矢子さんのお部屋にいかれるとは
思っていませんでしたよ」
「まあ そんなに苛めないでよ」
「ふふふ そうですね だって久しぶりでしょう 許しててあげるわ」
祐子はダイヤモンドのペンダントトップが気に入ったのか
「ねえ神山さん このダイヤモンド 似合っていますか」
「うん 大丈夫だよ 今まで以上に美しいく眩しいよ」
「ほんと? 嬉しいわ」
「いいな~ 私も欲しいな」
「カトリアーナは次回頑張っていい成績をだせば獲得できるよ
優勝スコアに限りなく近いもの 大丈夫だよ 集中して練習すれば」
「そうですよね 凄くいいクラブセットを買って頂いたのに練習しないとね」
「そうだよ 練習をするにしても 目的を持たないと上達しないよ
例えば 今日はアイアンの5番をマスターするとか 意識しないとね」
「ええ 私の練習もそうしていますよ 今日はドライバーの欠点を探すとか
結構意識してクラブを振っています」
「うん しかしみんなが同じことをしたら ますます大変だな」
「えっ どうして」
「だって 今はハンディキャップでこれだけスコアが接近しているのに
そのうちにグロススコアで並ばれるようになるよ
洋子や亜矢子のスコアって僕が2ヶ月前に出したスコアだよ
あのアレックスクラブに代えると 確かにスコアが良くなるよ
ロングホールでは第2打でグリーンを狙えるしね
距離のあるミドルでもセカンドが楽になるよ」
祐子やカトリアーナは神山の話をうなずいて聞いていたが祐子が
「神山さん ほら昨日練習をしたでしょ」
「うん 由紀枝も一緒に」」
「ええ その時にカトリアーナや由紀枝さんも誉めていたわ
クラブが凄くいいって
だってドライバーでも以前のクラブと最低で30yほど違うんですよ」
「そうだね 僕も驚いているよ
しかし力むとダメだね あっちに飛んで行ったりとか
まだまだ練習をしないとね」
「その時 由紀枝さんに教えて貰ったのよ 飛ばす秘訣を ねえカトリアーナ」
「ええ ついでに面白い話も聞いたわ  大根の話も」
「ああ あの話ね あの時は教える方も顔を真っ赤になっていたよ
しかし大根とおちんちんを聞き間違えるなんてねぇ、、、」
祐子とカトリアーナは思い出したのか笑いだしてしまった

アルタの高橋達3人は成績が悪かったのか皆無言だった
ただ酒に酔った高橋は車に乗った時から後ろの席で横になり寝ていた
運転する田中は時々内野に話をするが池ポチャ病が再発した事と
ラウンド中 自分のほほにキスをしてくれた涼子の事を思っていた
内野は20代の時に付き合っていた女性が居たが
辛い別れ方をして以来 殆ど女性と付き合っていなかった
「なあ 幸三ちゃん」
「えっ なんですか?急にどうしたんですか」
「あのさ 篠原涼子さんって 美佳の先輩だよね」
「ええ なんでもハーバード大学で一緒って聞いていますよ それが、、、」
「うん 出来ればもう一度逢いたいと思っているんだ」
「えっ 篠原さんとですか? あの経理の子とは、、、」
「あれは一緒に買い物をしただけで恋愛感情はないよ
むこもそう言っているよ」
「って事は なにか芽生えたんですね」
「うん 良く分らないからもう一度逢って確認をしたいんだよ」
「そうしたら美佳に頼めば大丈夫でしょ」
「そうかな、、、ほら美佳と鈴やさんの杉田さんを上手に引き合わせた
田所さんならどうだろうって思っているんだよ」
「そうですね 田所さんならなんでも話せるしいいでしょ
しかし何があったんですか 篠原さんと」
「う~ん なにもないよ、、、よし月曜日にでも話そうかな」
「先輩 後ろ 後ろの車 神山さんでしょ 凄いスピード出している」

田中は後ろの蒼いBMWが神山の車だと分ると左車線に避けると
神山が右側車線で田中のスピードに合わせ何かを話していた
「ねえ 祐子 僕の携帯でアルタの内野君を探して発信をしてくれないか」
祐子は神山から携帯電話を受け取ると内野に電話をした
「神山さん かかりましたよ」
「そうしたら高橋さんはどうしたのか聞いてくれる」
「はい 分りました
こちら神山さんの代理で靑山ですが 高橋さんはどうされましたか?」
「内野です 早いですね 高橋さんは後ろで横になって寝ています」
「は~い 分りました
神山さん 横になって寝ているそうですよ」
「うん ありがとう そうしたら気を付けて帰ってくださいと伝えて」
「内野さん 神山さんが 気を付けて帰ってくださいとの事です」
「了解です ありがとうございます」
神山は田中と内野に手を振るとスピードを上げた
「内野先輩 次は田所さんの車ですよ きっと」
洋子の運転する真紅のポルシェも
田中の車とスピードを合わせ田中に手を振った
「わぁ~ 凄い 田所さんって 運転凄いですね 先輩」
「うん 上手だし早いし それにメカに詳しいよ」
「わぁ~ 凄い もう見えなくなりましたよ
あの二人競争でもしているのかな よく捕まらないですよね」
「うちの社長も早いけれど 神山さんや田所さんには負けるね 早いよ」
「真紅のポルシェを運転する田所さんって格好よかったですね」
「うん 田所さんって何をしても似合うね 格好いいよ ほんと」
内野はますます月曜日になったら洋子に話す事を決めた

ジャックの運転する車に猛然と追いついてくる蒼いBMWをみると
「社長 きっと神山さんですよ 凄いスピードですよ」
神山はジャックの車の後ろにぴったりと付くと左に避けるのを待った
ジャックは神山をバックミラーで確認すると左車線に替えた
神山はジャックを確認すると手を振りスピードを上げた
「社長 やはり神山さんでした そうすると後ろは田所さんかな」
ジャックがバックミラーをみようとした時には田所の車は横にいて
手を振ると神山の後を追いかけた
「社長 あの二人 競争でもしているのかな」
「違うよ あれが神山さんにとっては普通のスピードだよ
田所さんもそうとう上手だと聞いているけれど 凄いね」
後ろに座っている篠原涼子がナタリーに
「私も神山さんの車に乗せてもらえばよかったな~」
「そうね 神山さんって格好いいですよね 出来れば私もそうしたいわ」

神山たちは楽しく話していると直ぐに 渋谷ICに着き
上原駅前までは車も空いていた
神山はニーナニーナの前を避け 国道側にある改札口前に車を止めた
直ぐに洋子の運転する真紅のポルシェが神山の後ろに止まった
洋子の車から降りた由貴たちはゴルフバッグをトランクから出し神山に
「神山さん ありがとうございました 楽しかったです」 
「私も 楽しかったです  ありがとうございました また 誘ってくださいね」
美佳はこの時も 由貴や桃子が神山と普通の関係でないと感じた
二人の神山を見る目がこんなにも 輝くものなのか 
生き生きしていた そして美佳は神山に
「神山さん 楽しかったです それに色々な人に会えてよかったです」
「やあ お疲れ様でした また次回も参加してくださいね
もう少し頑張れば 優勝も近いしね」
「はい 次回も参加させてくださいね 私も頑張って優勝賞金を一杯頂きます」
「そうそう 頑張ってね」
祐子とカトリアーナは美佳に励ましの挨拶を終わると
由貴や桃子と自然に手を握り挨拶をした
美佳はみんなが同じように自然に挨拶をしているのを見て羨ましく思った

洋子はそんな美佳を見て近寄ると  両手を出し手を握り
「美佳さん お疲れ様でした 杉田君ともうまくいっているようだし
後は  いい報告を待ってますね」 
「はい ありがとうございます 焦らないで頑張ります」
「そうよ 焦りは禁物よ なにかあったら相談してくださいね
私に出来る事は何でもと言っても 限界があるけれど 力になるわよ」
「ありがとうございます」  
美佳は再び神山にお辞儀をすると 由貴や桃子のところに行った
神山の車に祐子やカトリアーナが乗ると手を振って別れた 
「それでは 失礼するよ 気を付けて帰ってね 」
「は~い ありがとうございます 又 電話をくださいね 待ってます」
神山と洋子は由貴たちに手を振って車を発車させた 
由貴は神山と別れると桃子に 
「ねえ 桃子 そこのお寿司屋で早い夕食をしない?」 
「いいですね 今日はお家に帰っても夕飯の準備は出来ないわ
美佳さんはどうされますか?」 
「私は失礼して帰ります ごめんなさい」 
「いいのよ ご両親と一緒だから 羨ましいわ」 
「ええ でも又 誘ってくださいね」 
「そうね 電話をしますね でも杉田さんのほうが忙しいでしょ」 
「そんなことは無いですよ でも楽しかったです ありがとうございます」 
美佳は由貴たちと駅前で別れるとゴルフバッグを担ぎ改札口に向かった
「ねえ桃子 美佳さんは完全に気が付いているのかしら」
「ええ 多分、、、ただ何処まで神山さんと結び付けているかでしょう」
「そうね でもあの人は無理でしょ  ええ ふふふ杉田さんが居るし
杉田さんは鈴やさんでしょ どう考えても無理ね さあ行きましょう」
由貴と桃子はゴルフバッグを担ぎ駅前寿司屋に向かった

神山たちは赤坂のスタジオに戻るとゴルフバッグなど片付けた
「ねえ 洋子 少しくつろいでいきますか」 
「ええ そうしたいけれど 母が待っているから失礼します 残念ですが」
「そうだね 明日はどうする」 
「私がここに来ましょうか」 
「そうしたらお昼を一緒に食べようか」 
「ええ 嬉しいわ どうすればいいの?」 
「うん 会社で待っているよ」 
「はい 分かりました 12時頃でいいかしら」 
「うん お願いしますね」
「明日の夜はどうするの?」 
「ライオンからここに直接来るつもりだよ」 
「そうね そうしたらバーベキューにするの」 
「まだ考えていないけれど その方が自然でいいでしょう」 
「そうね 分かりました 明日が楽しみね」 
「うん では明日 会社で待っているよ そうだ 家まで送ってあげるよ」 
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」 
神山は洋子を車に乗せると代々木に向かった
「ねえあなた 明日彼女が帰るようなときはどうするの?」
「うん 仕方ないよ しかし洋子はお泊まり出来るでしょ」
「ええ そのつもりよ でもどうかしら 私と一緒に帰ると言ったら」 
「そうだね まだ仕事があるから離れることは出来ないと言うしかないね」
「そうね 明日は明日 そうしましょう」
二人が話していると洋子の家が近づき
「あっ そこで良いわよ ありがとうございます」 
「じゃあ 明日会社で待っているね」
「は~い 分かりました」
洋子を車から下ろすと神山は手を振って別れた

赤坂のスタジオに戻ると祐子やカトリアーナとスタジオで寛いだ
「お二人さん お疲れ様でした」
「まあ 神山さんこそ大変でしたね」
祐子は冷蔵庫からビールを出して3人のグラスに注ぐと
「では 一杯呑んだら風呂にはいろうか」
「ええ かんぱ~い」
神山は美味しそうにビールを呑むと祐子が
「神山さん 2階の主賓室のお風呂って結構大きいけれど
もっと大きなお風呂があると嬉しいな」
「そうだね 2階は5人位が限度だよな」
「ええ だからもう少し大きいのがあるといいな」
神山自身もう少し大きなお風呂が欲しかったが
借家なので余り考えていなかった

「祐子 あのプールとこの建物の間に造ろうか 大きいのを」
「わぁ~ 凄いわ そうしたらそこから2階に行かれるように階段を造れば
わざわざここに戻らないでお部屋にいかれますよ」
「そうだね でも出入り口が2階になると不便だから
どうだろう キッチンの向こうに何も使っていない部屋があるでしょ
そこを脱衣室にすれば1階からも入れるし
あとプールのほうにも出入り口を設ければ便利になるよ」
「そうしたらプールを冬でも泳げるように出来ませんか
ほら 温泉街によくある暖かいプールですよ」
「う~ん そうだ 冬というか寒い時期には温水プールで利用できて
暑い時期には普通のプールで利用できるようにしようか
だけれどあくまで借家だから どこまで出来るか分らないよ」
「わぁ~嬉しいわ そうしたらプールとお風呂が一緒に使えて嬉しいな~」
「でもさ 祐子 考えると維持費とかメンテナンスが大変だよ
だからプールとお風呂は切り離そうか その方が現実味があるよ」
「そう言われればそうですね でも大きなお風呂の外にプールっていいですよ」
「わかった 前向きに考えよう さあお風呂に行こうか」

3人は2階の主賓室にいくと部屋の大きな風呂に入った
神山が先に浴槽に浸かっていると祐子とカトリアーナがあとから入ってきた
二人は簡単に体を洗うと神山を挟んで湯船にはいった
祐子とカトリアーナは神山のへその下を触り始めカトリアーナが
「わぁ~ ジョリジョリしているわ 痛いわ」
「ほんと この痛さはちょっと勘弁ね クリちゃんが可哀相よ」
「ほんとうね これだと当分SEXは出来ないわね」
「そうしたら又 綺麗に剃りましょうか」
「そのほうがいいわね 少し生えてきたところは気持ちよかったわ」
「ねえ 神山さんそう言うことですから 綺麗に剃りましょうよ」
神山は二人の顔をみたが冗談ではなく本気で話しているので
「駄目だ もう勘弁してくれよ お願いします」
「ふふふ 神山さんも降参ね でも本当にSEXのとき痛いわよ」
「そうよね 私たちのことを考えてくれるならば剃ってほしいわ ねえ」
「いいの 3日ぐらい我慢すれば大丈夫だよ 生えてくるよ」
「私はそれでもいいの カトリアーナはどうするの お休みは2日までよ」
「だったらその時に考えるよ だから今日は勘弁してよ お願いします」
体を触ってふざけているとカトリアーナが
「神山さん 今日ね高橋さんにこのおっぱいを見られたの」
「えっ おっぱいを見られた?」

カトリアーナはゴルフをしている時の出来事を話すと
「それは酷い話だな どうしたんだろう」
「ナタリーや由紀枝さんも同じ様に見られていたの もう嫌!暗いスケベは」
「そうか 月曜日にでもそれとなく聞いてみるよ
しかしカトリアーナ一人がいやな思いをしたわけではないからな、、、」
「そうよ 由紀枝さんの時は露骨だったわ
グリーンでラインを読むでしょ 片膝をあげていると由紀枝さんの正面から
スカートのなかを覗いてニヤニヤしているのよ もうすけべ」
「おいおい 誰だって美人でピチピチで可愛い子がそんな格好すれば
スカートのなかを覗きたくなるものだよ」
「まあ 神山さんは違うと思ったのに 幻滅よ」
「僕はそこまで露骨な行動はしないよ あくまで一般論だよ
しかし そのお返しに3人でお尻を見せるとはたいした作戦だね
それで彼は後半の3ホールくずれたんだね なるほど」
「お昼も話をしている時なんか 私たちの顔を見ないで胸ばっかり見ていたわ
隣りのナタリーの胸を見ている時は ほんとうにいやらしいおやじだったわ」
「そうか それはまずいね わかった もう高橋さんの話はお終いにしよう
せっかく祐子が優勝したのにつまらなくなるよ」
「そうね 祐子さんごめんなさいね」
「いいわよ 私も同じ境遇だったらカトリアーナと一緒よ」

3人は高橋の話を終ると祐子とカトリアーナは先に風呂から出た
神山は湯船にゆっくり浸かり疲れを癒した
風呂から上がるとベッドに着替えが用意され祐子とカトリアーナは居なかった
神山は用意された薄手のバスローブを羽織って1階にいくと
祐子とカトリアーナが先にビールを呑んでいた
神山はソファーに座ると携帯電話で由紀枝に電話をした
「神山さん お疲れ様でした 楽しかったわ ありがとうございます」
「やあ おめでとうございます たいしたものだ」
「いえいえ あそこの練習場ですよ 大根のお陰です」
由紀枝はまた思い出して笑ってしまった
「しかし 大変だったね 今 カトリアーナから聞いたよ」
「ええ もう一緒に廻りたくありませんね なにか体が拒否しますね」
「そうか わかった ごめんね でも普段は普通だけれどね、、、」
「神山さん 昨夜 例のナイトクラブに連れて行ったでしょ」
「うん 彼とJr 内野君 田中君を連れて行ったよ」
「もしかしてそれが原因じゃないですか」
「えっ どういうこと?」
「ええ ほら普段 SEXに対してノーマルな人がアブノーマルなSEXを
体験したから 翌日までその気持ちを引きずっていたんでしょ」
「そうか コントロール出来なかったわけだ
遊んでいるところの女性と目の前にいる女性を同じ感覚でみていたんだ」
「ええ もうそれはいやらしかったですよ カトリアーナも言ってました
ナタリーさんはもっと酷いですよ
お昼の時に横に居るナタリーさんの胸を覗いていましたよ もう いやです」
「わかった ごめんね いやな思いをさせて 本人は車の中で寝ていたよ」
「えっ なぜ分ったんですか?」
「うん 追い越した時居ないので仲間に聞いたら後ろで寝ていますって」
「ふ~ん きっといやらしい夢をみていたんでしょ」
「兎にも角にも おめでとうございます 近いうちに行くよ」
「は~い 分りました 待っていますね」
「うん 賞金は大事に使いなさいね」
「は~い 分りました ありがとうございます では失礼しますね」

神山が電話を切ると祐子が
「まあ 遠くに居る人には優しいのね 羨ましいわ」
「おいおい そんなことは無いよ 今 由紀枝も言っていたよ
もう高橋さんと一緒に廻りたく無いって」
「そうでしょ 由紀枝さんが一番ショックを受けたでしょ 可哀相ね」
神山は体が落ち着くと祐子とカトリアーナに
「明日は女性のお客様がくるんだよ 洋子も一緒だけれどね
夕食は外でバーベキューを予定しているんだ」
「わぁ~ またお友達が増えるんですか 凄いですね」
「おいおい まだ手も握った事が無い人だよ 勘違いしないでね
ところで明日の天気予報はどうだろう?」
「ええ 快晴ですよ 今朝ホテルのTVで言ってました」
「そうしたらバーベキューで決定」
「神山さん 今夜はステーキ辞めますか」
「大丈夫だよ 魚介類や野菜を一杯注文しようよ
さあ時間もいいし出かけようか 散歩しながらいきましょう」
「は~い 分りました」
3人はそれぞれ着替えの為に部屋に戻った
神山はホテルに電話をしてギフトカードが使えるか聞くとOKの返事だった
「さあ それでは仕度はいいかな」
「はい OKですよ」
神山たち3人は夕日を背に受けて緩やかな坂を下り
赤坂スカイハイホテルに向かった 
祐子やカトリアーナはゴルフの成績が良かったのか話が弾んだ

神山も一緒に話しているとすぐに 目的のホテルに着いた 
「さあ 今夜はステーキでいいですね?」 
「私はステーキを食べたいけれど 
明晩 ステーキだから別なものがいいな ねえ カトリアーナはどうする?」
「そうしたら美味しいお肉を食べたいから しゃぶしゃぶはどうですか
以前6階のお店に連れていっていただいたところ」 
「そうね 神山さん しゃぶしゃぶを食べたいな」
「それでは今夜はしゃぶしゃぶに決定しますね」 
「わ~嬉しいわ 日本酒も呑もうかしら」 
「おいおい ワインを呑んで日本酒か 大丈夫かな?」 
「ふふふ 少し味わう程度ですよ ねえ 祐子さん」 
「そうね 少し味わう程度なら悪酔いしないと思うわ 神山さんどうですか?」
「うん まあ今夜はお祝い事だから良いでしょ」 
3人はホテルに着くと6階のしゃぶしゃぶ屋に入った
ランチタイムの時も混んでいるが 
夜になっても相変わらず客が入っていて テーブル席は一杯だった 
「まあ 少し待とうよ」 
「そうですね しかし土曜日なのにすごい混みようですね」 
「うん お肉が美味しいだけではないでしょう
ほら 店員のてきぱきした態度が好まれていると思うよ
ああいう接客をされると又来たくなるよね」
「うん そうそう 言えてますね
美味しいお店に行っても店員の接客が悪いとお料理も不味いですよね」
「そうだね 祐子が言うように 折角の料理が台無しになるね
接客って大切なんだよ もしかしたら料理より大切かもしれないよ
ほら デパートで同じものを販売しているけれど
最終的には接客態度に結び付いてくるからね」
「ええ わかります 本当に最終的には接客態度ですよねぇ」

3人が店の外でベンチに座っているとカトリアーナが
「ねえ祐子さん この曲名わかりますか?」
カトリアーナは店内にも流れているBGMの曲名を聞いた
「さあ、、、 でも聞く曲よね」
「この曲はビタースイート・サンバでね
そう昔 流行った曲だよ 確か ハーブ・アルパートが演奏しているよ」
「このトランペットがなんともいえませんね」
「うん ハーブ・アルパートで有名な曲があってね一度は聞いた事があるよ」
「何ですか その曲は」
「うん スイート・オブ・ハニーって曲さ
日本では 蜜の味かな 流行ったのは僕が中学生の時だと思ったな」
「えっ そんなに昔ですか まあ随分と古いですね」
「おいおい でもいつ聞いても新鮮だな」
「ねえ 神山さん 帰りにCDショップに寄ってみましょうか 欲しいな」
「そうだね ここの2階にあるよね 帰りに寄ってみよう
でも古い曲だからお目当てのCDがあるかどうか分からないよ」
神山達が話していると順番が来てテーブル席に案内された
祐子とカトリアーナはメニューを見て 
「神山さん たたきを頼んでも良いですか?」
「どうぞ 構わないよ 美味しいよ
しゃぶしゃぶのお肉はロースの霜降りを注文すればいいよ」  
「は~い 分かりました タレはポン酢で良いですか?」 
「うん お願いしますね」 
「そうしたら 私はゴマだれもいただこうかしら 前回頂いたときは
ポン酢だけだったの だから今回は胡麻も頂いてみるわ」 
「私もそうするわ」
祐子が3人分の料理を注文すると神山は生ビールを注文した
しばらくすると ウエイトレスがしゃぶしゃぶ鍋に
ダシの効いた汁を入れ牛肉を運んできた
「このお汁が沸騰するまでおまちください」
「はい ありがとう」
神山は生ビールが運ばれて来ると
「それでは改めてまして 祐子の優勝 おめでとうございます
よく頑張ったね 新しいゴルフクラブも喜ぶよ きっと
それと カトリアーナもよく頑張ったね 
僕も嬉しいよ  ありがとうございます」
「神山さんのおかげよ  だって普段使えないクラブでしょ 
折角買って頂いたのに変なスコアだと 申し訳ないわ ねえカトリアーナ」
「そうよ 私も自分なりに頑張ったわ
祐子さんが言うように悪いスコアは神山さんに申し訳ないわよ」
「おいおい 嬉しいよ しかし何もでないよ」
「いいの こういう時にしか言えないでしょ」 
「分かりました ありがとう では乾杯 優勝おめでとう」
神山の音頭で乾杯をすると祐子とカトリアーナは
生ビールを美味しそうに呑んだ

店内では先ほど聞いたハーブ・アルパートのBGMが流れていた
なん曲も流れているので 多分CDだと思いウエイトレスに聞いた
「すみませんが 今流れている曲ですがハーブ・アルパートの曲だと
思いますがCDですか?」
「ええ 店長のお気に入りですよ よくご存じですね」
「昔 よく聞いたもので」
「店長がお客様がこみ合っているときにかけるんですよ」
「へえ~ でもどうして?」
「ふふふ この人の曲ってテンポが良くて明るいでしょ」
「そうか テンポがいいから箸がすすむ訳だね」
「ええ そうですね あとこの曲って楽しいでしょ 
だから会話も弾むんですよ」
「わかりますよ どうもありがとうございます」
ウエイトレスは話を終ると厨房に戻り牛肉のたたきを運んできた
祐子とカトリアーナはたたきを食べると
「神山さん 凄く美味しいわ」
「うん ニンニクを少し付けるとさらに美味しいよ」
神山達はたたきやしゃぶしゃぶを堪能した
「ねえ 神山さん 今度は私たちだけで ゴルフをしないですか」
祐子が真剣な顔で言うので
「どうして?」
「ええ 憶測ですが 美佳さんとか 気が付いているんじゃないかなって」
「うーん、、、」
「私たちは何も話さないから 問題ないですけれど
神山さんが大丈夫かなって 思ったりしたんですよ」
「そうか、、、」
「ええ 上原で由貴さんと桃子ちゃんを降ろした時に
美佳さんが 神山さんと二人の事をずーっと見ていました」
「そうか うーん」
「そしたら洋子さんが 気が付いて美佳さんの手を握っていましたよ」
「うん そうか 分かった ありがとう
しかし 僕は基本的に 全員平等だからね 勿論 秘密は秘密だよ」
「多分 涼子さんやナタリーも気が付いていますよ」
「そうか 気が付くか うーん」
「もう 心配しているのに」
「ありがとう でもね 逃げるわけじゃないけど
僕は自分から進んで話をしないし 女性が黙っていれば問題ないと思うけど」
話を聞いていたカトリアーナが
「そうそう 神山さんが言うように 想像したい人には想像させればいいし
決して自分から言わなければ 神山さんに迷惑は掛からないと思うわ」
「そうかしら でもね 心配だわ」
「うん 分かった 祐子ありがとう
明日にでも洋子と相談してみるよ それからにしよう ねっ」
「はーい わかりました」
「よし じゃ一杯食べようね」
神山は牛肉を300g追加し 堪能した

食べ終わりギフト券で会計を済ませると2階のCDショップに向かった
エスカレーターで2階に着くとショップの中はCDや楽器を探している
お客で結構こみ合っていた
祐子とカトリアーナは早速ハーブ・アルパートのCDを探すが
なかなか見当たらなかった
神山が店員に聞くと在庫をパソコンで調べ
「お客様 ハーブ・アルパートの曲でしたらイージーリスニングの
コーナーにございます
あの3番の柱の向こう側がイージーリスニングのコーナーになっています」
祐子達はコーナーで探すと何枚かありハーブ・アルパートベストを選んだ
「ねえ 神山さん このCDでいいのかしら」
神山はCDを受け取り曲名を見て 
「うん 大丈夫だよ 僕が知っている曲は全部入っているし
先程しゃぶしゃぶ屋のBGMで流れていた曲もはいっているよ」
神山はCDを2枚持ってカウンターで清算すると1枚をカトリアーナに渡した
「はい カトリアーナ CDラジカセはあるでしょ」
「ええ 赤坂の寮にはあるけれど小さくて持ち運び出来るのは無いわ
買って頂いたのは嬉しいけれど、、、」
「よし小さくて何処にでも持っていけるのを買おう」
カトリアーナはCDラジカセのコーナーにいくと色々とあり迷ったが神山が
「このくらいの大きさでどう?」
「嬉しいわ 目覚まし機能やスリープも付いているしいいですね」
「よし 我が家の分も買おう 祐子も部屋で聴いたり外で聴いたり出来るでしょ」
「ありがとうございます バーベキューの時など使えますよね」
「そうそう 使えますよ」
神山はCDラジカセ2台をギフト券で会計を済ませタクシーで家に戻った

スタジオに戻ると祐子は早速CDラジカセで購入した
ハーブ・アルパートの曲を聞いた
神山もソファーで寛ぎ聞いていたが
「ねえ祐子 地下のオーディオルームで聞こうよ」
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」
3人は飲み物を持ち地下のオーディオルームに移った
7月9日に引越しをしてから数えるほどしか利用していなかった
本格的な設備で聞くと同じCDなのかと疑いたくなるほど音が違った
「違うわ~ ここで聞くとCDラジカセで聞けなくなるわね」
「ええ 祐子の言う通り スピーカーが違うと本当に違うわね
素人の私にもわかるわ」
「祐子さえよかったらここで聞いてもいいよ」
「ありがとうございます でも壊したら高そうな物ばかりだし遠慮します」
「そうだよね いくら自由に使っていいと言われても困るよね」
CDを聞き終わるりスタジオに戻ると神山が
「さあ 時間はまだ早いけれど寝ようか」
「そうですね お風呂に入って寝ましょか」
神山達は2階の主賓室にある風呂に入り体の疲れを取ると
「神山さん 残念ですね 今日はごめんなさいね」
「いいよ たまには何もしないで寝るのもわるくないよ」
神山は大きなベッドで祐子やカトリアーナと一緒に眠りについた






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