2012年5月23日水曜日

芽吹き 1 - 5



「お客さん 起きてください お客さん」
「うーん うん ああ ごめんなさい」
「よっぽど疲れているんですね 着きましたよ 上原です」
「どうもありがとう」
神山は料金を払い降りると 傍にあるコンビニで
紙コップや紙皿 おつまみなどを買い込み 部屋に戻った
(しかし このタイミングで 筒井さんや佐藤さんが
なんで事務所の開設お祝いなんだろう? 分からないな)
神山は催事課から持って来た デザイン用具をお菓子の空き缶に
入れたまま テーブルのところに置いた
(机が無いと言うことは 机も欲しいな)
神山はそんな事を考えながら FAXや留守電をチェックし
冷蔵庫から缶ビールを出して呑み始めた
テラスで風に涼みながら呑んでいると気持ちが良かった
横浜と違い 小高い丘の上にあるので 天気がよければ
遠くに富士山が見えるかもしれないと思った
(見晴らしがいいと こんなにも気分が良くなるんだ)
チェアーに座り景色を見ていると ドアフォンがなった
神山は時計を見て17時を確認し 扉脇にあるモニターを見ると
筒井の顔が大きく映し出されていた
「はーい 今開けます」
1階のガラスドアを開け暫くすると ドアフォンが鳴ったので
扉を開けた
「やあ 山ちゃん 事務所開設 おめでとう」
筒井と佐藤が日本酒を差し出し 挨拶した
「ありがとうございます 早速 頂いています」
神山は缶ビールを見せ みんなで大笑いをした

「どうだい 山ちゃん なにか足りないものは出てきた?」
「ええ 仕事机がないので どうしようか考えていたんですよ」
「ああ もう直ぐ届くよ 格好いいのが」
「そうですか 良かった 実はPCや電話台のところでは
ちょっとメモを取ったりするには充分ですが ちょっと狭いかな
って そう考えていたんです」
「うん ごめんね 間に合わなかったんだ ははは
そうそう これね 事務所開設お祝いで 足りないものがあったら
これで買ってください」
佐藤は封筒を出すと 神山に手渡した
「実は内藤さんからも頂いているんですよ なので、、、」
「ははは あれは社長のポケットマネーです これは会社のお金
それに お金なんて いくらあっても不自由はないでしょ」
神山は佐藤に言われ 封筒を自分のバックにしまった
「山ちゃん 私からも お祝い金だよ もっとも佐藤さんより
全然少ないけれど 使ってください」
神山は筒井の封筒も丁寧にお辞儀をしてもらい バックに仕舞った

冷蔵庫からおつまみや缶ビールを出し キッチンの作り付け棚から
紙コップや紙皿を取り出し 大きなテーブルにセットした
佐藤が折りたたみの椅子を 用意すると筒井はおつまみを紙皿に
出して 一応準備が出来ると 椅子に座りビールを紙コップに注ぎ
「それでは 事務所開設 おめでとう かんぱーい」
みなで紙コップを上にあげて乾杯した
このテーブルは2.4m x 0.9mと非常に大きな作業テーブルで
乾杯するのには適していなかった  
表面は上質の化粧版で仕上げら 小口処理も細かいところまで
きちんと仕上げられていた
「なんか 落ち着かないですね これからここで寝泊りするって」
「まあ 我慢してください 最初だけだと思いますよ
そうそう 呑んで忘れる前に これを渡して起きますよ」
佐藤は立ち上がり小さな白い封筒を 神山に手渡すと
「タクシー券が入っています どんどん使ってください」
「すんません ありがとうございます」
「ほら 急遽横浜に行くとか 色々と大変でしょ 気にしないで
使ってくださいね」
神山はタクシー券もバッグに仕舞い 上原の話を進めた

「そうすると 上原の現場は月曜日から動くんですね」
「うん 昨日賃貸借契約をしたから 月曜日から現場に入れるよ
もっとも 現場実測で2,3回入っているけれどね ははは」
神山は高橋から送られてきた図面や 昼に渡された図面を見せた
その図面を覗き込んでいたニーナ・ニーナの筒井が
「山ちゃん この図面はあくまでたたき台なんだよ
それで これから山ちゃんの仕事なんだ まったく新しい
デザインにしても構わないし ここから派生しても構わない」
「ええ アルタの考ちゃんもそのように言ってくれました
ただ オープンはいつですか 時間が無いと思いますよ」
「一応5月の半ばか6月初旬を考えているんだ」
神山は昨日電話で確認した事を 佐藤が居る前で再び確認した
3人が上原の話をしていると ドアフォンがなり見ると
作業服の男が二人立っていた
「はい 神山ですが」
「アルタさんから依頼された 机をお持ちしました」
「はーい 今開けますね」
神山は自動扉を開けると 玄関も開け放して作業員を待った
「夏はこうしたいけれど 風が抜けないですね」
「そうだな この造りだと 隣の部屋も開けないといけないしね
それに 扉がこんなにずれていると 風が迷子になるよ」
3人は大笑いした
暫くすると作業員が 机を持ってきて
「お邪魔します 神山様ですか」
「はい 待っていました 大きいですね」
「ええ 重たいんですよ 普通一人なんですが これは2人でないと」
そういって部屋に入れると 神山の指示したところに置かれた
「あと これが椅子です」
椅子もなかなかしゃれていて リクライニングでき クッションも
最高によかった
「では失礼します あっそうだった ここにサインをお願いします」
神山は配達伝票にサインをすると 配達員は部屋から出て行った

早速椅子に座り デスクのところで 手を置くとちょうど良かった
机に手を置いた時 肘が90度から100度くらいがいいと
人間工学的に言われている
「佐藤さん 最高にいいですね 使いやすそうだし」
「ありがとう 褒めてもらって嬉しいですよ」
「でも椅子は別として この机って オリジナルでしょ」
「さすが山ちゃんだね そうこれは横浜に納める分なんだがね」
「もう 大丈夫なんですか ははは」
「向こうは まだ時間があるし ちょうど出来上がったところでね
それで ここに搬入させて貰ったんですよ」
「うーん ほんとちょうどいい高さですよ この広さなら
ノートパソコンが一台置けますね」
「そうしたら 準備しようか?」
「お願いできますか こちらの大きいほうと使い分けますよ」
「分かりました 早速手配します 少し待ってくださいね」
「ええ 急ぎませんよ お願いします」
神山はセンターテーブルに戻り話をしているとドアフォンがなった
モニターを覗いてみると 酒屋だった
自動ドアを開け 玄関も開け放して待っていると
「神山様 こちらビールをお届けしました」
「はい ありがとう」
神山はその量に驚いた 瓶ビールが3ケースと缶ビールが3ケース
早速瓶ビールは冷蔵庫にいれたが 自分で笑ってしまった
「どうしたの 山ちゃん」
「ははは これじゃあ 折角の冷蔵庫がビールケースです ははは」
筒井と佐藤も大笑いした
「でも 現場の人間が ちょくちょく来たら直ぐになくなるよ」
「そうですね まあ1週間持てばいいかな」
「そうだ ビール券を渡しておくよ まだ残っているから」
佐藤は ここに来る前 酒屋によって配達を依頼したという
その時つかったビール券の残りがあるからと神山に渡した
「足りなくなったら また持ってきますよ 言ってくださいね」
「はい ありがとうございます」

神山たち3人が楽しく話していると又 ドアフォンがなった
「今日は多いな 誰だろ?」
佐藤と筒井は時計を見 顔を見合わせ 微笑んだ
「はーい どちらさま、、、あっ課長」
神山は筒井と佐藤に奥村課長が来たことを伝えると
「ごめんね 驚かせて ははは」
自動ドアと玄関を開けていると 暫くして奥村と倉元 由香里が来た
「おう 山ちゃん 事務所開設おめでとう ははは いいところだな」
「山ちゃん 驚かせて ごめんな」
「もう 驚きですよ さっき言ってくれればいいじゃないですか」
「まあまあ じゃあ失礼するよ」
神山は倉元が大きな荷物を持っているので聞いてみると
「ゴミ箱 食器洗いの洗剤 コップやお皿 日用品の高級品だ」
「えっ そんな ありがとうございます」
由香里は早速キッチンでコップを洗いテーブルに置いてくれた
佐藤と筒井はそのコップを手にすると
「日本製ではないですね 重たいですよ」
それを受けて奥村が
「ええ フランスの有名なコップです 最高級のクリスタルです」
「わぁー 持つ手が震えてきましたよ ははは」
由香里は冷蔵庫を開けると よく冷えた瓶ビールをだして
新しいグラスにビールを注いだ
「それでは 山ちゃん 事務所開設 おめでとう かんぱーい」
神山はみんなの気持ちが嬉しかった
「山ちゃん これ おつまみよ ほら貴方が好きなチーズよ」
「おお 出そうよ」
そういって 一箱開けてテーブルに出した

神山は先ほど筒井から向かいに祥子が住んでいる事は
社内でも何人も知らない事なので 出来ればオフレコにして欲しい
と言われ 向かい側の部屋が話題になっても 祥子のことを
話す事は無かった

「ねえ由香里姫 翔と大輔はどうしたの」
「うん お留守番よ 翔君は 猛勉強しているわよ
さっきもね この買い物行く時に 手伝って貰いたいから頼んだの
そうしたら『今は手が話せません』って それで倉さんに頼んで
翔君をひっぱりだした訳」
「ははは そんな事いうようになったんだ あいつ」
「おう 本人頑張っているぞ」
「そうですね 明日にでもご褒美をあげよう 頼もしいですね」
神山が翔のことを話していると ドアフォンがまた鳴った
「どうしたのかな 今日は多いな」
独り言を言いながらモニターを覗くと
「神山さま 駅前寿司屋です 出前をお届けしました」
神山は自動ドアを開けて 玄関も開けておいた
暫くすると
「こんばんわ 出前です ありがとうございます
空きましたらいつでもいいですから電話をください 器を回収します」
「はい ありがとう」
3人前の盛り合わせと 鮮魚のおつまみが4皿 
てんぷら盛り合わせが人数分と結構なご馳走がきた
「課長 ありがとうございます」
「山ちゃん これは佐藤部長のところだ」
神山は改めて佐藤にお礼を言った
「どういたしまして ほら安くて旨いだろ それで注文したんだ」
「ええ 昼に入ったんですが 新鮮で安くて はまりますね」
「ははは そうですね」
神山はモニターが非常に見やすいので佐藤に聞くと
「ええ 既存品と交換しました モニターも倍位大きくしました
ほらセキュリティーの問題があり 山ちゃん自身でなくとも
他の入居者に ご迷惑をおかけしたくないでしょ それですよ」
「そうですよね 今 変なのが多いから、、、」
「山ちゃん それを管理人に話し 早速全部屋交換をするそうですよ」
「わぁー 凄いですね」
神山は佐藤と話が終わると
「ちょっと失礼」
そういって 業務用の電話で催事課の杉田に電話をした
「はい 翔です」
「やあ 頑張っているみたいだね」
「まあ やるっきゃ無いでしょ 昇進遅れるし」
「そうだな 留守番 ありがとう」
「どういたしまして 由香里さんに買い物を手伝わされました
そうそう あのグラス 1客1万円するんですよ
割らないように 丁寧に扱ってくださいね」
「そんなに 高いものなのか 分かった 割っちゃたらごめんな」
「そうですね 形あるもの壊れますからね」
「それから この電話番号が ここの事務所の電話番号だ
一応 控えておいてください お願いします」
「先輩 駄目ですよ これって交換通しているでしょ もう」
「あっ そうかごめんごめん じゃあメモって」
神山は杉田に事務所の電話番号を伝えると電話を切った

お寿司が無くなりおつまみも無くなってきたので 時計を見ると
20時を回っていた
テーブルの上は お皿の上が殆どきれいになってきた時 佐藤が
「山ちゃん そろそろ失礼するよ 楽しかった がんばろうね」
「ありがとうございます お願いします」
それを聞いていた筒井も席から立ち上がり神山に
「私も失礼するよ 随分と楽しませてもらったよ ありがとう
そうそう 肝心なものを忘れていた」
筒井はカードを出すと神山に手渡し
「これはここのカードキーで 予備なんだ ウラに管理人さんの
連絡先が入っているけれど 紛失しないようにね」
「はい 困ったな こんなにカードが増えると わかりました」
「じゃあ 頼んだよ」
この時 倉元も立ち上がり
「おう 俺も失礼するよ ご馳走様 がんばろうな」
「倉さん ありがとうございます」
「そうですね 私も失礼します 山ちゃん 頑張って
明日9時の事は忘れないでな 頼んだよ」
「はい でも心配だな 目覚ましが無いんですよ」
「大丈夫よ ちゃんと買ってきてあるわ」
「由香里姫 ありがとうございます」
「ねえ 課長 私 ここを片付けてから帰ります」
「うん 悪いな そうしてあげて」
神山は4人を1階のエントランスまで見送り 部屋にもどった

「あーあ 疲れたよ」
「お疲れ様 でも広くて気持ちがいいお部屋ね」
由香里は冷蔵庫から新しいビールを出して神山に注ぐと
自分も呑みながら テラスに出て夜風に当たった 
二人でビールを呑み干すと由香里が
「さあ 片づけをしまーす 手伝ってね」
「はーい 了解」
由香里はニコニコして神山に伝えると キッチンに入り食器を洗った
ちょうどその時に神山の携帯電話がなり
「山ちゃん 携帯電話が鳴っているわよ ほら」
水道を止めると確かに自分の携帯電話だった
神山はタオルで手を拭いて携帯を手にすると テラスに出た
「祥子です こんばんわ 今 大丈夫ですか」
「うん ありがとう」
「夕方実家に戻り 先ほどご飯を済ませました それで子供は
TVに釘づけになったから 電話をしたの」
「仕事はうまくいったの?」
「ええ スムーズに運んでOKですよ 横浜から荷物は運べた?」
「うん 順調 明日驚くよ 完全な事務所だよ」
「へぇー そうなんだ」
「それから 筒井さんに言われたけれど 祥子さんがここに
居る事は誰にも話さないから 安心してね」
「そうそう 会社でもごく一部の人間だけなのよ
連絡は携帯電話で済ませるでしょ だからわざわざ教える事無いって」
「なので 僕も知らぬ存ぜぬで通すよ」
「お願いしますね あっ 子供が来たわ それでは又 明日ね」
「うん 会社には何時なの?」
「一応 12時頃と伝えてあります 失礼します」
祥子は子供が直ぐ傍に居るのだろう 最後は丁寧な口調だった
携帯電話を机に置くとキッチンに入った
「誰からだったの」
「うん アルタの現場の人だよ」
「後は 食器の水を切って拭くだけです」
「ありがとう そうそうこのグラス 1万もするんだって」
「翔君ね そうよ 上代はね でもバーゲンで3千円だったわ」
「それでも3千円か 落とせないな」
「ねえ お酒ってなにがあるの?」
「日本酒を呑む?」
「ええ そうしようかな」
神山は先ほど開けた日本酒をグラスに注ぎ由香里に渡した
「ようやく 落ち着いたわね 山ちゃん」
「ははは まあ慣れるまでは 落ち着かないよ」
二人で乾杯をして日本酒を呑んだ

「ねぇ 神山さん ようやく二人っきりになれたわ」
「しかし 由香里さんまずいですよ そんな」
神山は昨年4月に上野店から移動をしてきた時に
銀座店の催事課で歓送迎会が行われた
出席者は催事課だけではなく池上店長はじめ取引先も含めると
壮大な人数になった
池上店長の肝いりということで 取引先は我先に挨拶を求め
神山もそれに答え盃が進んだ
歓送迎会を無事に終えたが 二次会に出る勇気はなかった
少し足がふらつき始めていたところ由香里が
「私 何処かホテル探して介抱してきます」
「うん そうしてくれ 少し辛そうだし 頼むよ」
奥村が神山に大丈夫かと聞くが空返事しか返ってこなかった
神山自身はこの事を余り覚えてなく 久しぶりの不覚だった
翌日 目覚ましと時計が鳴っていたので目を覚ましてみると
隣に由香里が背中を向けて寝ていた
驚いた神山はここがどこだか分らず昨日の事を思い出したが
頭の中には由香里の姿は出てこなかった
暫く目をつぶっていると由香里がこちらに向きを変え
「どうしたの 神山さん おはよう」
「おはよう 斉藤さん」
「さいとうさんではなく ゆかりでしょ」
「うん 由香里さん」
「何を考えているの」
「いや 何で由香里さんとここにいるのだろうと思って」
「やだ 覚えていないの?」
「うん」
由香里は奥村と別れた後 高くもなく安くもないホテルを探し
神山をベッドまで運び寝かしたが
うわ言のように水が欲しいだの 頭が痛いだの言われ
結局 自宅に帰りそびた事を伝えた
神山は丁寧にお詫びとお礼を言った
神山は自分が裸でいる事が不思議でどうしたのか分らなかった
「昨夜 神山さんは私を求めてきたの」
「えっ 僕が 由香里さんを?」
「そう 頭痛が治まると 私の躰を触ってきて求めてきたの」
「えっ」
「いやだ 覚えていないの だけど久しぶりに気持ち良かったわ」
「そんな そんなに話していないのに」
「そうね しかし 女と男になると言葉なんか必要ないわ」
「しかし、、、」
神山はホテルの寝巻きを羽織トイレに入った
ユニットバスに湯を張り少し考えていたが由香里が
「ねえ 私もおトイレを使わせて」
「いいよ ちょっと待って 出るから」
神山は焦って出ようとしたがバスタオルが見つからず焦っていた時に
「もうだめ 神山さん見ないで あっちを向いていて」
狭い所で二人がもつれ合うようにしていた時 由香里は
便座に腰掛ける前にもらし始め
両足を硬く閉ざしている付け根から透明の液体が流れてきた
液体を流している間 由香里は直立した状態で両手は顔を覆い
生理現象が全て終ったとき由香里の秘所をシャワーで流してあげた
石鹸で丁寧に洗ってあげるとようやく足を広げ
自分から秘所をさらけ出しもっとも大切な処も洗わせた
顔を覆っていた両手は神山の肉棒を探り当て丁寧にシャワーで流し
今度はひざまずき 大きくなった肉棒を咥えたりしゃぶったりした
硬くなったのを確認した由香里はその場で交わりを求めてきたので
由香里をバスの壁に向けお尻を突き出させる格好で背後から交わり
最初のうちは神山が動いていたが 暫くすると
気持ちよくなって来たのか由香里もリズミカルに動き始めた
「うわぁー いっぱい ねえもう勘弁して」
神山は今度は正面を向かせ片足を持ち上げ交わったがすぐに
「あぁー きもちいいー もうすぐ ああぁー」
この体位だとクリトリスに当たるのか由香里は頂点に達した
由香里が頂点に達した後 神山もほどなく頂点に達した
シャワーが頭から流れている中で唇を重ね合わせた

「それだったら 私を避けることないでしょ
今年に入ってから 神山さん私を避けているもん 絶対に」
「そんな事ないよ 避けてなんていないよ」
「だったら ここで私を抱いて ねっ
ねえ お願い神山さん だ・い・て」 
由香里の片手は神山の肉棒をズボンの上から探り触っていた
(どうして、、君は昨年のクリスマスイヴを覚えているのか)
神山の思考とは別の動きをする下半身で
感じないように呪文を掛けても由香里の魔術には負けてしまった
「ほら こんなに元気になったじゃない」
由香里は勝ち誇ったように ズボンの上からぽんと叩き
ブラウスのボタンをはずし脱ぐと 神山に抱きついて来た
神山もどうなってもいいと半分妬けになり由香里を抱きしめ
造り付けのベッドを準備すると二人は久しぶりの感触を確かめた
神山が上になり重なったり 由香里が背を伸ばし上になったり
由香里は何回か頂点に達した後 暫くは動かなかった

神山がビールを呑みにキッチンに立つと 
「いいわね こんな所で生活をしてみたいわ」
「そんな事ないさ 事務所も兼ねているんだよ」
「でもいいわ 東京の隠れた一等地ですもん ビール私にも頂戴」
「うん」
新しい缶ビールをベッドに横たわっている由香里に差し出した
「ありがとう」
(あの時 君は僕ではなく 市川を選んでホテルに行っただろ
たまたま あのホテルに用があって見かけたんだ
まあ 今回の件は 市川は違うと言っているけれど、、、)
「どういたしまして」
お互いに羽織る物が無いので バスタオルを身につけた格好だった
「ちょっとシャワーを浴びてくる」
由香里にそう言うと バスルームに向かった
祥子の部屋で体験しているマジックミラーは今夜は使わなかった
バスルームを明るくして 思いっきり汗を流していると
由香里もバスルームに入ってきた
「ねえ 覚えている?」
「何を?」
「ほら初めての時 私間に合わなくて おもらしをしてしまった事」
「うん よく覚えているよ」
「その時 本当に恥ずかしかったの」
「そうだったね 躰が固まっていたもの」
「だけど 神山さんて凄く優しくしてくれたから 嬉しかったわ」
「特別に優しくしていた訳ではないよ 男だって恥ずかしいよ」
「ううん やさしかったよ」
由香里はその時を思い出したのか 神山の肉棒を洗い出した
下半身は勝手にそして立派な形に変身を遂げ 
由香里を喜ばせる体勢になった
由香里は自分から背を向けてお尻を突き出す格好になり
肉棒を向かい入れる準備をした
神山は少し悪戯をしてやろうと考えて 
座り込むと大事な秘所を指や唇で愛撫し始めると
「どうしたの だめ そんな事しては だめです」
由香里は突然の変わった攻撃を受け 心の準備が出来ていない所で
快楽を受け入れてしまい 膝をがくがくさせて頂点に達してしまった
「だめ もうだめ ねえ やめて お願い」
由香里は頂点に達した後も攻撃が続くので 躰をよじって逃げた
「なんで なんで入って来てくれなかったの
私 もうだめ なんか変な風に感じちゃったわ」
神山が由香里の秘所を触ると 滑りとした液体が溢れ出ていたので
躰を抱き寄せながら愛撫を始めると
「ねえ お願い入ってきて お願いします」
由香里はどうにもコントロール出来ない下半身をせめてながらも
満足していないものを神山に求めた
神山は再び硬直させると由香里の中にゆっくりと入り左右に動くと
由香里は待たされじらされた分 それだけで頂点に達してしまった
優しくそして少し強く締め付けられた肉棒は動かなかった
暫くすると肉棒への締め付けが更に強くなり 
突き出した由香里のお尻が前後に動き始めた
それに合わせ神山も動き始めると由香里の動きが激しくなり
上下左右だけではなく円運動が加わり 神山は我慢できず頂点に達し
由香里も神山に合わせるように頂点に達し その場にへたり込んだ

「さあ これで綺麗になったわね」
「うん 手伝ってくれてありがとう」
「そんなー 水臭い事言わないでくださいよ」
「いやいや 本当にありがとう」
「どういたしまして 又 来ていい?」
「う~ん 少し無理だよ」
「なんで?」
「だって 仕事を優先しなければいけないからな」
「由香里 寂しいもん」
「そんな我侭を言うなよ
由香里が居ると 目移りして仕事が出来ないじゃないか」
「やっぱり由香里の事 嫌いなんだ 避けてばっかり」
「違うよ 今晩は良いけど 僕の部屋から一人で女性が出て来たら
事情を知らない人間は どのように思うかでしょ
だから 僕が銀座に行った時に又合おうよ」
神山はなんとかここに来て貰いたくないのでバリアーを張ったが
「しょうがないわね しかし神山さんが浮気をしたら、、、
ここを切り取りますからね」
神山のズボンの上から大事な処をぽんぽんと触りながら言った
(だったら なぜ去年 僕を避けたんだ
僕だって 由香里さんともっと色々と体験したかったのに)
「分ったよ そんな事無いよ」
(でも 他の女性と本気になったら どうする?)
「本当よ 浮気しないでね 由香里寂しいもん」
「うん 分ったよ」
「それでは お邪魔しました これからどうするの?」
「うん パソコンや通信関係を確認したら寝ますよ 明日のために」
「ふ~ん では 帰りますね」
「うん 気を付けて」
神山がそう言っている時にプリンターが鳴り出し起動し始めた
「アルタから又 何か送ってきた」
「じゃあ 送って貰えないわね」
「うん ごめんね」
「ううん いいの お仕事優先 頑張ってね」
由香里は先ほどとは違う 明るい顔で神山にキスを求めてきた
「今夜は 本当に助かったよ 色々とありがとう」
そう言いながら 軽く唇にキスをした
「ここからなら 電車を利用するよりタクシーの方が早いだろう」
「ええ そうするわ」
「では 気を付けてね 明日は遅刻しないように銀座に行く」
「はい 神山さん気をつけてね 大切な日だから遅刻はなしよ」
神山は頷くと玄関を開け由香里を大通りの車が拾える所まできて
タクシーを拾うと由香里を乗せた
「山ちゃん ありがとう ばいばい」
「うん ありがとう 気をつけてね じゃ」
二人の挨拶が終わるとタクシーは新宿方面へ発車した






次回は5月28日掲載です
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