2012年10月20日土曜日

青葉 4 - 18 Vol. 3



ここからの眺めは 山側に新幹線を見ることが出来るが
反対側は山になっていて 海を見ることは出来なかった
それでも 南西の位置に海を望めるが 遠かった
町並みを一望できるので 注意すると人がまばらだった
メインストリートは屋根がありはっきりしないが
歩道が露出している所には 観光客らしき人の姿は見えず
この頃では観光客が少なくなってきていると聞くが事実だった
もっとも まだ3時過ぎなので
夕方 夜になれば観光客などで賑わうだろうと思った
この時期熱海はこれといった観光が無いので客が少ないのか
年が明ければ熱海の梅園で梅が咲き賑わい桜の時期まで
観光客は一杯になり ホテルも旅館もフル回転になる
夏は夏で海水浴客が来るので この時期もリゾートホテルは
満室になる そう考えると 今は春でなく夏でも無いので
一番空いている時期だった

暫く街並みを見たあと 小田原工場の報告をしようと携帯を出した
最初は由香里に電話をした
「神山です」
「はい 私です どうしたの?」
「うん 小田原工場だけど順調です 明日皆に伝えて」
「いいけど どうして?」
「朝一番に電話できなかったら 心配するでしょ だから」
「わかったわ」 
「温泉饅頭って 食べる?」
「ええ 好きよ 食べるけど?」
「意味は無いよ お土産さ 買っていくよ 待っててね」
「は~い 待っています 気をつけてね」
神山は電話を切ると筒井に電話した
「神山ですが」
「おお 筒井です こんにちは」
「こんにちは 今 アルタの小田原工場を見学しました
上原の什器類ですが 綺麗に仕上がっています 順調ですよ」
「そうか 山ちゃんが言うのだから大丈夫だな」
「ええ 大丈夫です 24日はこちらから直接上原に行きます」
「確か休みだろ 大変だな」
「大丈夫です 明日はゆっくり静養し鋭気を養いますから」
「ははは、、、 久保君には僕から連絡しておこうか?」
「ええ お願いします 忘れると大変ですから」
「わかった では気をつけて」
神山は大切な電話を終ると安心したが 亜矢子が心配になった
携帯電話をポケットにしまおうとした時にベルが鳴った
「はい 神山です」
「亜矢子です ごめんなさい 遅くなって もう直ぐ熱海です」
「分った では改札口の傍に立っているよ」
「は~い ほんと今 トンネルに入り、、、、、、」
電話が切れてしまった 神山は大急ぎで階段を下り駅まで走った
改札口に着くと入線が終っていて 改札口に向かってくる人が多く
果たして亜矢子は分るだろうか 危惧をしていた
目を凝らし探していると 亜矢子が手を振って小走りに来た
「やあ 久しぶり」
「ええ ごめんなさい 遅くなって」
「いいよ 熱海の街並みを見ていたから」
神山はデパートの屋上を指差し 亜矢子に言った  
亜矢子はにこっと笑みを見せほほに軽くキスをした
神山は今夜の宿を決めていなかった
どこかで亜矢子と相談したかった
亜矢子は蒸気機関車が飾ってある所に行き座って神山を手招きした
「そうよね あなた忙しすぎるもの」 
「う~ん まあ そうだね ゆっくりとは検討できないしな」
神山はホテルの無料宿泊券を見せた 驚いた亜矢子は
「どうしたの こんなに それに有名なホテルばかり、、、」
「うん 仕事の関係で手に入ったんだ どこに行きたい」
亜矢子はどこのホテルも甲乙つけがたく 迷っていた
「そうしたら 連泊がいいか 日替わりにするか?」
「それは連泊の方が落ち着くわ でもほんと 迷うわ」
「そうしたら 伊豆高原にするか?」
「そうね 私 1回行きたかったの」
「それだったら 早く言えばよかったじゃないか こら」
神山は亜矢子のおでこを 人差し指でちょんと触った 
亜矢子は逃げずに受けて くすっと笑った
よく見るとスリムGパンに白のTシャツ 麻のジャケットと
神山と一緒で 神山自身 驚いていた
Gパンの色も形も一緒でリバイスのスリムだった
麻のジャケットは 神山が淡いモスグリーンで
亜矢子はホワイトベージュだった
襟の格好からポケット縫製までそっくりだった
「多分 貴方はこんな格好だろうなと
想像してジャケットは買ったの 似合っているかしら 大丈夫?」
「うん 気がつくのが遅かった ごめんね 似合っているよ」
神山はいじらしい一面を発見した
伊豆高原にある赤沢ホテルに電話をすると 満室になっているが
スイートだとまだ空きがあるけれども 宿泊券の種類で追加料金が
発生する事があります それでも宜しいようでしたらご予約を
お願いしますと言われ 予約を入れこれから熱海を出ますと伝えた
「よし 行こう 伊豆高原へ」

亜矢子はけらけら笑いながら 着いて来た
乗車券を買って改札口直ぐ左の階段を上って待っていると
伊豆急下田行きが直ぐに入線する タイミングが良かった
乗車し席に着くと 発車が4時5分なので
急いでビールとおつまみを買った
神山が後ろの車両を見るとロイヤルボックスと書かれた車両が
連結されているので 車掌に聞いてみると 800円追加すれば 
利用できると教えてくれた
席に戻った神山は亜矢子にロイヤルボックスに移る事を伝え
移動した この車両は座席数が極端に少なく
JRのグリーン車よりゆったり出来た
窓際 特に海側に座席が向いていて 車窓からの風景は横に流れる
山側は 4人掛けのボックスシートになっている
海側に座った二人は 同じ格好なので目立った
ホームを歩いている人が車内を見れば この席は目が合う
でも亜矢子は気にしないで 神山に寄りかかってきた
神山はビールのプルトップを開け 亜矢子に手渡した
「ほんと 丁度1週間ぶりだね 再会にかんぱあ~い」
亜矢子もビールを一緒に呑んで一息つくと
「私ね この1週間いろんな事があったの 疲れたわ
だけど 今日あなたに会えたら疲れが何処かに行っちゃったわ」
神山は 自分も忙しかったけど 亜矢子の話を聞くことにしたが
電車が動き始め 最初はトンネルだが 網代を過ぎると海が
見え隠れするようになる
亜矢子の話は 宝くじ2等1千万円が当って 驚いた事と
母親の病状が良くならないので大きい病院に移したらもう少し
こちらに来るのが遅かったら だめになっていたなど
夜勤をしている亜矢子にとっては 辛い事が重なったと思った
「それでね 当選金なんだけど 半分あります ごめんなさい」
亜矢子は500万円の小切手を出した 驚いた神山は
「いいよ 亜矢子が使えば 僕はいいよ」
「でも 買ったのはあなたでしょ だから半分 
ごめんなさい 全額お渡しするつもりだったの 
だけど母に使ったの 本当に ごめんなさい」
亜矢子は俯き涙を流しごめんなさいを何回も言った 神山は明るく
「でも 赤パンは亜矢子の赤パンじゃないか だから亜矢子のだよ」
少し声が大きかったのか 亜矢子は顔を真っ赤にして
「恥ずかしいでしょ いわないで いじわる」
今度は 笑うのをこらえて 涙を流した
「ねぇ 受け取らないんだったら 赤パンの話 止めないからね」
「やめて もう いじわる」
ますます赤くなり 可愛らしかった
「わったわ だけど本当にいいの? 私は助かるけど、、、」
「うん さっきから言っているように 大丈夫
あれば 車を買うけど 亜矢子と一緒だと美味しい地ビール
呑む事出来ないジャン お母さんに使って 赤パンの魔力だよ」
「もう ばか 言わないって約束でしょ」
亜矢子は 嬉しくなったのか 顔を涙でぐしゃぐしゃにして
神山の胸を 叩いてきた
「ほら こっちを向いてごらん」
亜矢子は最初はいやいやしたが 神山に顔を向けた
「ほら マスカラがとれて パンダだぞ」
亜矢子は鏡を見て ティッシュで綺麗にふき取った
「ねぇ 可笑しくない 平気?」
亜矢子のすっぴんは初めてではないが さらに綺麗に見えた
「大丈夫だよ 化粧無くても充分 いや充分以上さ」
「だめよ 誤魔化したって そうしたらこの小切手頂きます」
「うん しかし あの あ・か・パ・ンの魔力は凄いな」
「ねぇ そう赤パン 赤パンって言わないで お願いだから
あのショーツは 友人が話していたの それで買ってみたの」
「そうなんだ そうするとその友人にお礼を言わないとねぇ」
「ええ だけどそんな事したら ねたまれるから言わないわ」
「あっそうか そんな事で関係が壊れると嫌だよね そうだね」

話が一通り済むと車窓に海が見えてきた
車内を見渡すと 二人だけで女性の車掌は扉の向こう側にいた
時々こちらを観ているみたいだが 席には来なかった
ビールを呑み終わると なんだか物足りなくなったので
車掌を呼んでみると
「はい こちらにメニューがございます」
そう言われ 神山は恥ずかしくなった
アルコールメニューが目の前にあって
『ご注文は赤いボタンを押してお待ちください』と書いてあった
神山はウイスキーの水割りセットを頼み亜矢子も同じ物を頼んだ
「ふぁ~ ここにメニューが有ったなんて 知りませんでした」
「そうね 私か気が付けばよかったわね ごめんなさい」
亜矢子は自分のせいで神山の精神状態を混乱したと思い謝った
「そんなこと無いよ 僕が気が付かなかっただけさ」
神山は亜矢子のほほに口を近づけようとした時 女性の車掌が
「お待ちどうさまでした」
と 水割りセットを持ってきた
小さいサイズのミネラルウォーター 紙コップに氷 
ミニュチュアサイズのウイスキー コレがワンセット
神山も亜矢子もびっくりして 
「もう少し 大きいかと思ったわ しかしホテルに置いているのも
このサイズだから しかたないでしょ ねぇ あなた」
亜矢子はそう言いながら 神山のセットを作り 
「はい 出来ました ウイスキーの水加減わからないので 
ごめんなさい」
亜矢子は自分のを作ると さあ呑みましょと誘った
「ねぇ 話し変るけど 教えて」
「なにを?」
「うん 今夜の赤沢ホテルだけど スタンダードが満室で
スイートに泊まるんだけど」
「えっ スイート 凄いわ すごすぎる」
「うん そこで この券だともしかして追加料金が
発生するかもしれないんだって 資金は大丈夫だけど
実際 あのクラスだとスタンダードの倍見ておけば大丈夫かな?」
「そうね そんなとこだと思います だけどそこまでしていいの?」
「うん それは大丈夫だけど ほら何も知らないと
価値が分らないから」
「そうだけど すごいわ ほんとよ 部屋が取れないので有名よ」
「へぇー じゃあ凄いとこに行くんだ~ やったね 亜矢子」
「嬉しいわ 夢見ているみたい」
「夢じゃないよ ほら」
そう言って 亜矢子のほほに軽くキスをした
亜矢子は真っ赤な顔になって
「収まりましたので 今夜は可愛がってください」
神山に顔を向けず俯いたまま 小さい声で伝えてきた
「わかった 分ったからこっち向いてごらん」
亜矢子はまた泣いているのか 何も言わずに顔を胸に付けてきた
優しく髪をなでてあげると リンスの甘い香りが漂った
ほほを両手で優しくはさみ 顔を上げると目が潤んでいた
亜矢子は目をつぶり口を少し出し神山と唇を合わせた
僅かな時間だったが 昨日のように1週間前の情事が思い出された
目を開けてみると こちらを向いていた女性車掌と目が合い
彼女は気まずさそうに 目をそらした
神山は女性車掌にウインクをし 亜矢子の髪をなでた
亜矢子は目を開き 嬉しいと言った

神山はウイスキーを呑むと亜矢子も呑み 明日の観光を話し始めた
「どこに行きたい? 時間はたっぷり有るしどこでも行けるよ」
「そうね 迷うわ 会社では休みになったら どこどこに
行きたいって思う事が あるんだけど、、、」
「う~ん 天気が良さそうだし 近場で遊ぼうか?」
「ええ あなたに任せます お願いします」
神山と亜矢子が話していると伊豆高原駅に着いた
駅前からタクシーを利用しホテルに着くと
チェックインの手続きをした
「先ほど 予約した神山ですが、、、」
受付にそう言ってチケットを渡すと
「神山様 このチケットはどこのお部屋にお泊り頂いても 
追加料金は発生しません ご安心下さい」
受付嬢は笑みを浮かべ答えた
「そうしたら 一番よいお部屋をお願いします」
「はい このチケットのご利用は当ホテルの最上クラスを
ご用意させて頂いてます お部屋をお調べいたしますので
少々お待ちください」
受付嬢が空き部屋 それも最上級クラスを探しあて 神山に
「お部屋をご案内しますので ここにご記入をお願いします」
連絡先などが書き込む用紙に 神山の連絡先を記入し
亜矢子のところで迷っていると
「お名前さまだけで 結構です」
神山は同伴者のところに亜矢子と記入し 用紙を返した
部屋まで案内という事で その受付嬢がカウンターから出てきて
「お荷物を お持ちいたします」
亜矢子の荷物を持ち 神山も勧められたが 
断り自分で持つ事を伝えた
受付嬢は歩きながら 
「そのチケットは 最高級のVIPチケットです
ですから チケット1枚で5名様までOKで何泊でもできます」
「そうすると 夏休みなんか利用できますね」
「はい しかしシーズンインは最大で2週間のご利用なんです」
「それでも2週間はいいね ねぇ亜矢子」
「そうね 素晴らしいわ」
話をしているとエレベーターで7階に行った
一番奥まで進み
「こちらのお部屋でございます 別館スイートルームでございます
尚 このカードがお部屋の鍵になっておりますので
大切にお取り扱いを お願いします
紛失のさいはフロントまでご連絡下さい
あと ご宿泊は本日と明日の2泊3日でよろしいですか」
「ええ お願いします」
「ご宿泊延期の場合 お部屋が変わることもございます
ご容赦ください」
「食事は部屋で頂けるの?」 
「申し訳ございませんが 3階のレストランをご利用となります
おタバコは お吸いになられますか?」
「はい 吸います」
「では ご夕食は7時からご用意させて頂きますのでお願いします」
「はい わかりました どうもありがとうございます」

神山はカードを受け取り部屋に入りカーテンを開くと 
海がすぐそばまで迫っていて景観は最高だった 亜矢子を呼び
二人でテラスに出て 海を暫く見ていた
「私のホテルからも 駿河湾が見えるけど こんなに近くないわ
凄いわ 気にいちゃった」
亜矢子が下を見てみると 10M位有る崖の上に建てられていた
「ねぇ あなた下を見て 道路の向こうは直ぐ海よ」
神山も一緒になって下を覗いて見た
「凄いね こんな所に建てるなんて」
部屋に戻り浴室を覗いて見ると
シンプルに造られ思ったより広かった
テーブルに置いてあるホテル案内を見ていると『貸切露天風呂』が
載っていた 亜矢子を呼ぶと冷蔵庫からビールとコップを取り出し
神山の所へ来た コップにビールを注ぎ終ると
「さあ ようやく二人きりになれたわ 乾杯」
神山はビールを呑みながら『貸切露天風呂』の事を指した
「いいわね 行きましょうか まだご飯まで時間有るでしょ」
「うん 有るよ」
フロントに電話をすると 今利用中なので6時からの利用に
なることとフロントに鍵を取りに着て欲しい事を告げられた
「ねぇ あなた 利用時間が30分って書いてあるわ」
「まあ 30分も浸かっていたら のびちゃうよ」
神山はそう言うと 亜矢子にキスをすると亜矢子は
唇を薄く開け答えた 亜矢子が立ち上がり
ジャケットをクローゼットにしまった
「ねぇ あなたもジャケットを 脱いで着替えましょう」
神山はジャケットを脱ぎながら Gパンも脱いで亜矢子に渡すと
「そのTシャツ 明日も着る?」
「ううん 着替えは持ってきているから」
神山は亜矢子の手を自分の元気になった所へ導くと
「だめでしょ これからお風呂に行くんだから
私だって我慢しているのに ほんと元気なんだから」
そう言って神山の大事なところをポンとたたき 
「ねえ 海を見ていて」
神山は用意してある浴衣を着て テラスのほうに向かった
海の向こうには まだ日が沈みそうもないが 
確実に時間を刻んでいた
テラスに出ていると 亜矢子も出てきて 一緒にながめた
フェンスに寄りかかった神山に亜矢子も同じ格好をして
「ねぇ ほんとに私でいいの?
それにこんなに素晴らしいところを?」
神山は亜矢子が何を考えているのか分ったが 正直な気持ちは
「うん きみがいい だからこうやってきたんだよ」
と しか言えなかった
亜矢子は説明不足を非難しなかった けど今を大切にしようと
いつも考えているので それだけで充分だった
逆に『大好きです 結婚しましょう』と言われる方が
もっと辛くなるだろうと 考えた
亜矢子は気を取り直して
「ねぇ 時間大丈夫ですか?」
時計を見るとあと5分ほどで6時になる
「よし フロントに行こう」
神山と亜矢子は部屋を見渡し出た

フロントで鍵を受け取ると 丁度先客が出てくる時で
軽くお辞儀をし 貸切露天風呂に入った
普段は男女別々の露天風呂としてあるが 
夕方5時から深夜24時まで貸切露天風呂として開放されていた
朝6時からは 男女別々の露天風呂となる
神山は浴衣を脱ぎ簡単にたたむと亜矢子が慣れた
手つきでたたみ直し乱れ籠に入れてくれた 
亜矢子も浴衣を脱いだが下には何も着けていなかった
神山は自分が下着を付けているのを恥じ 急いで丸めて籠に入れた
ガラス戸を開けると簡単な洗い場があり その向こうには
タタミ12畳ほどの広い露天風呂があった
神山と亜矢子は広い湯船の端で抱き合った
「いいわ~ こんな経験初めてよ ほんとよ」
「僕も初めてが多くびっくりしているよ」
神山は疑問だった浴衣の下に何もつけていないのを聞いてみた  
「だって 電車の中であなたに助けられたら それだけで、、、」
「なにかしたかな?」
「まだ素性も知らない 私に大金をくれたでしょ」
「うん まあ元々亜矢子のもんだし」
「そんなあなたに ジーンと来て、、、それとキスしたでしょ」
「うん」
「わかって」
「そうか それで顔だけでなく パンツもぐちゃぐちゃ?」
「そうなの だから早く脱ぎたかったの」
「だけど 着替えはあるんでしょ」
「ええ 余分に持ってきているわ だけどあなたと居ると、、、」
「えっ」
「何枚あっても足りないわきっと だから脱いじゃったの」
亜矢子は神山に唇を向けてきたので 合わせた
せがむように亜矢子の唇は動いた
神山も空いている手で乳首を触ると
唇から喘ぐ声が漏れ始め 首をがくんと後ろにそらし
「嬉しいわ あなた 待っていたのよ 今日を」 
神山はもう片方の手で背中を支え 乳首にキスをした
亜矢子はそれだけで気持ちいいのか 喘いでいた
今度は軽く噛み唇で転がすと 背中が伊勢エビのように
ぴょんとそった
「う~ん だめ 気持ちいいわ あなた だめ」
神山は空いてる手を 亜矢子の秘所に触ると 
ぬめった状態に成っていて彼女は腰を動かし始めた
「ねぇ お願い だめよ」
そう言って亜矢子は神山を制すると 
今度は亜矢子が神山の肉棒を掴んだ
「大きいわ 素敵よ ちゃんとおりこうさんにしていた」
そう言いながら 湯船の中で動かし始めた
神山は湯船の縁に座り 肉棒を亜矢子の前に突き出すと
亜矢子は咥え 教えられたとおり動かし始めた
神山も 気持ちが良くなってきたので フェラチオを止めて
亜矢子を西の太陽に向け 後ろから入った
「こんな、、、はじめて、、、すごくいいわ、、、」
亜矢子は自分で腰を動かしてきて
神山とリズムが合うようになった
「ねぇ、、、もう、いっぱい、、、だ、め、よ わたし、、、」
腰の動きが少し速くなったので 神山も我慢できなくなった
「亜矢子 オレもだめだ」
「一緒に いきましょ、、、き、て、、、、きて」 
神山は うん と力を入れると亜矢子の中に発射した
「あぁ、、、き、た、、、いくわ、、、、あ、っ、っ」
亜矢子の声は最後は聞き取れないくらいほど
小さくなったが一緒に昇天した

亜矢子は神山の肩に顔をあずけ 神山のおちんちんを触っていた
「ねぇ ほんとにおりこうさんにしていた?」
「うん」
「でも うそでもいいや 私の前では私のおちんちんだもの」
亜矢子は神山が例え浮気をしていても 或いは他に女がいても
自分と一緒の時は 自分の事だけを考えてくれていれば
それはそれで良いと思った
まだ 全てを独占できないと思うし
一緒の時間を楽しく過ごせれば そのほうが良いと感じた
例え遊びであっても 私にとって最高の男性だから 自分の行動に
悔いを残さないよう二人の時間を大切にしようと考えていた
暫く浸かっていると 躰が温まり汗が出てきたので
「そろそろ出ようか 次も待っているかも」
「そうね 出ましょ」
亜矢子は神山のおちんちんを掴んだまま立ち上がるリ
引っ張ると抜けて
「いゃ~ 抜けちゃった やだ~ こんなに可愛くなっている」
亜矢子は手のひらでお手玉をしながらクスクス笑った 
脱衣所で仕度をし時計を見ると 約束の30分だった
「次が来ているね きっと」
鍵を開けそっと扉を開けると 誰もいなかった
顔を見合わせ 笑みがこぼれた
「じゃあ 先に部屋に戻っていて フロントに行ってくる」
「でもカード 置いて来ちゃった」
神山は亜矢子にカードを渡すと別れ鍵をフロントへ返した
フロントで夕食事にワインを用意できるか尋ねると
「はい 神山様の場合 ホテル自慢のワイン1本無料で
ご準備出来ますよ」
「へぇ 凄いね あのチケットは」
「ええ 滅多にいらっしゃいませんよ ビールは呑み放題です」
「えっ 呑み放題 それも凄いけど
しかし何処かの居酒屋ではないし そんなにビールばかりはねぇ」
フロント嬢は笑みを浮かべながら 答えていた
「お食事も一般の方と違い特別料理をご準備させて頂きます」
「はあ 食事も、、、 だけどあのチケットはなに?」
「ええ ホテル協会の許可を頂き 一流企業様にご購入して
頂いているチケットでございます」
「そうか」
「ええ チケットに番号が入っていたと思いますが その番号で
ランクづけが分ります ホテルではスタンダードのお部屋
ご提供のみで あとご購入金額でスイートになるか
特別料理になるかなどランク分けされます
お食事はチケットのお客様は特別料理ですが
さらに上のランクがございます そのような部分を各企業様に
ご購入して頂いています」
「ちなみに 私のプラン普通にお支払いすると
おいくら位でしょうか?あっ大体でいいですよ」
「ええ 大体ですが」
そう言うと電卓をはじき
「大体ですが お一人様 約6万円ですが このホテルの会員様に
なられますと僅かな金額を追加されるだけで 本日のプランに
ご変更できます こちらがパンフレットでございます」
「はい 分りました ありがとう パンフは頂きます」
神山はエレベーターを待つ間パンフを開いて金額をみて 驚いた
(会員権が500万円 凄いな)
何回かよったら元が取れるんだろうと 計算したら二人で
利用するだけだったら166泊出来る 
しかし じじ ばば まごまご と大家族で 1週間利用となると
10シーズンで元が取れる計算になった
神山は高いものか 安い物か判断できなかった

部屋の前でベルを鳴らすと 直ぐに亜矢子が出てきて
「お帰りなさい 遅かったわね」
「うん 食事の時ワインを頼めるか聞いていたんだ」
「当然 あるでしょ それで?」
「神山様のプランは1本無料で付いていますって」
「へぇ 凄いわね 赤字にならないのかしら」
「からくりがあったよ これ」
神山はパンフを見せながらフロントで聞いたことを伝えると
亜矢子が
「そうすると あなたはそのお金を一杯出してチケットを買った
業者さんから貰った訳なんだ 凄いわねそこの業者さんどこ?」
「うん アルタの内藤社長さ」
「へぇ 凄い アルタさんも 会員制ホテル業界から
認められているんだ そして そのチケットを貰ったあなたは
アルタから認められている」
「うん まあ そこでこの会員権を買った場合に10年くらい
利用すれば元が取れる計算なんだよ」
「ええ 大体そのように設定されているわね 実はうちもあるの
リゾート部分が ただプールとかテニス場はこれからですけど」
「へぇー知らなかった と言うより聞く機会なかったし
それで金額?」
「うちは高いわよ 1200万円で販売しているけど
権売業者では 今1500万円で取引されているわ」
「えっ 1500万円 高いと言うか分らないな」
「しかし あなたも会員よ だってカード受け取ったでしょ」
「うん」
神山は免許証入れからカードを取り出し
「これが1200万円 へぇー
そうすると売ると最低でも1000万か」
「うん普通はね だけどあなたのは譲渡や売買できない会員なの」 
「なんだ でも凄いね それだけの価値があるんだ このカード」
「ええ アルタさんでは 社長が一般の会員権で
奥様 おばあちゃんや 家族の方は あなたと一緒よ」
「へぇ~ 凄いね」
「結局 正会員様に対し5枚までかな 非売のカードを作れるのは」
「まあ 一緒に居れば問題ないし フロントで告げれば問題ないけど
カードがあれば いちいち正会員に断らなくても利用できるしね」
「ええ そうゆうメリットは有るわ
だから 貴方は選ばれたエリートなの 自由に使えるわよホテルを」
「そうか いつ行ってもいつもの最上階?」
「ええ 貴方の場合は最上階よ」
「そうすると アルタはアウトレットの仕事が有るけど
どうするのかな 人数が大変でしょ」
「基本的にはスタンダードを利用して頂いくし
ベッドも増やすと思うわ」
「そうか それで僕が行くと 最上階で、、、ちょっと可哀相だね」
「仕方ないでしょ慈善事業じゃないから
アルタさんも分ってくださるわ」  
「そうすると 僕はどう言う事になるんだろう?」
「いいの あなたは 椿が認定したんだから だから同じ
VIPカード会員でも 貴方のほうが上にランクされているの
だから 最高級のVIPなの わかる?」
「いや全然」
「ほら 椿オーナー自ら認定したから上なのよ
もっと分りやすく言うとね 正会員さんはゴールドカードなの
その下がシルバーカードなの 貴方はプラチナカードでしょ
だから上なの」
「でも 譲渡が出来ない限定会員な訳だ」
「そう だから威張っていていいのよ 好きなこと出来るわ」
「もういいよ 君をゲットしたから」
「まあ だから内藤さまのお仕事でも 椿が絡んでいない時は
普通のシルバー会員の扱いになるわ この間のように
椿が絡んでいれば プラチナ会員と同じよ
まあゴールドも一緒だけど」
「うん分った これからも亜矢子の顔を見に時々行こう」
「うん 待っているわ」
亜矢子は神山に抱きつき 唇を合わせた
神山はさっきから大きな音が気になっているので
「ねぇ やけに音が響かないか まあ寝るのに気にならないけど」
「ごめんなさい わたしが使っているの お化粧室で乾かしているの
多分乾いたと思うから ちょっと待っていて」
亜矢子は立ち上がって 化粧室に入り洗濯物を持ってきた
ショーツを丁寧にたたむとクローゼットのバッグにしまった
化粧室の乾燥ボタンをOFFにすると静かな部屋に戻った
「さっき露天風呂から帰ってから洗ったの 
貴方がよごしたパ、ン、ツを」
「ごめんごめん 乾燥機の音だったんだ 乾いた?」 
「ええ ちゃんと乾いていたわ」






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