洋子の話がが終ると神山は
「翔 100点じゃないか いいぞちゃんと出来たな」
「田所さんに120点貰いました 先輩より貰いました~」
杉田がニコニコしているので
「翔 小谷さん何がすきだって」
「ええ お魚ですって あっ だめです 言いません 知りません」
神山と洋子は翔の姿を見て笑った
そこへ倉元が店内から戻ってきた 洋子を見て
「おう いらっしゃい 昨夜はどうでした」
「ええ 大変綺麗な店舗でしたね」
「それだけ」
「ええ その後 しめ鯖を頂きましたが まだお仕事が有るって
直ぐに引き上げましたよ」
「そうか」
「おう 翔 どうなんだ?」
「僕は荷物運びですから 副社長とはそこまでですが何か?」
「おう 山ちゃん どう?」
「だって 翔と一緒だし分りませんよ」
「そうだよな、、、」
「洋子さん 暫く待っていて下さい 秋の仕事を翔に伝えるだけですから」
「はい 分りました」
「翔 秋の店外催事だ これが昨年の資料な 多分対前年で来る
そこで ファザードのデザインを考えた あくまで参考だよ
ここは 各ブティックのマネキンのしたに観葉植物を置いている
ここで大きな声では言えないが 予算調整をする 出っ張れば
他の場所 例えば受付の植木とか 止めてブティックだけにするとか
什器は殆ど同じものを使っているので変動は少ないはず
まあ 今から用意しておけば間に合うよ わかった」
「はい 分りました ありがとうございます」
「うん 頼んだよ もう 翔が主役だからな」
「でも寂しいです」
洋子が間髪入れずに
「その分 小谷さんに気持ちを持っていけばいいでしょ ねぇ」
洋子は翔に首を横に振りながら言った 翔も気が付いて
「は~い がんばります 先輩 ありがとうございます」
そう言って神山から貰った資料を 点検し始めた
神山は直ぐに何かあると感じたが ここでは聞いても
答えは出てこないだろうと思った
「おい 翔 お肉は好きか?ハンバーガーじゃないぞ ステーキだ」
「は~い 大好きです」
「よし これから昼だけど出られるか?」
「はい お供します」
「わかった 課長 翔を昼に連れて行きます ステーキを食べるんで
ワインも呑ませます 私の仕事のお供です お借りします」
「わかった 今夜残業だからほどほどにな翔」
「はい 分りました」
杉田は神山に連れて行ってもらうので嬉しかった
「倉さん すみません 今日は 戻ってきません 残業は翔に任せます」
「おう こんどオレも誘ってな」
「ええ 魚を食べる時 そして日本酒が美味いところですね」
「おう 新潟か富山 あっちだな なんだ何の仕事だ?」
「御殿場アウトレットに鈴やが食堂出店するので 下準備です」
「おう そうか そうだな 変なもんだされると 銀座だけじゃなく
鈴やの評判が悪くなるもんな わかった 翔 今日は味を
しっかり覚えるんだぞ わかったな」
「はい 分りました」
「では 大変お待たせしました 出かけましょう」
神山は部屋を出て 洋子に
「ステーキが美味しいところ知っている?」
「う~ん 人事に自称食通が居るから聞いて見るわね」
洋子は人事に電話をし詳しく聞いていた
「神山さん その子は実際に食べてはいないけどって断ってから
日比谷のパレルホテルの最上階は一番じゃないって
帝国屋ホテルも美味しいけれど 人気があるのはパレルだって」
「わかった この格好で入れるかな?」
「聞いてみるわ」
洋子は今度パレルホテルに電話をして 確認した
「大丈夫よ よかったわ 帝国屋は確かスーツでネクタイよ」
「うん そこらへんも 人気を左右しているんだろうな」
「そうね 女性もスーツを着なければいけないし」
「翔 タクシーを捕まえて頂戴」
「こんなに天気がいいから 歩いていきましょうよ」
「分った だったら 歩いて来い タクシーで行くから」
「はい 呼びます すみません」
神山は洋子と顔を見合わせ笑った
タクシーに乗り込むと
「先輩 そうすると帝国屋にも行くんですか 何時かは?」
「うん そうなるかな 分らないけど」
「そうしたら 味見しますから呼んでください お願いします」
「こんどは どっかの受付嬢がいいかな ねぇ洋子さん」
「それも良いかもね」
「なんで そこで小谷さんが出てくる訳ですか?」
「小谷さんなんて言ってないぞ さては何か約束したな 洋子さん?」
洋子は
「いえ なにも ほんと 隠していません」
「ほら 隠していませんは 隠していますだよ ぼろが出た
翔 はっきり言え でないと左遷だ」
翔は困って 洋子を見た
「洋子さん 副社長の左遷と 先輩の左遷って どっちが強いんですか?」
「ほら 翔 言っちゃった 知らないぞ」
洋子が
「翔君 仕方ないわね 私が白状するわ 実は昨夜行った所は
副社長の2号さんが経営している所なの だから絶対に皆に
知られたくないって 隠しているの だからこの話が
周りに知れ渡ると大変な事になるの だから黙っていて お願いします」
「なんだ そんな事か 黙っているよ 翔も忘れろいいか」
「はい 分りました」
「結局さ その場で得意がっていても 最後に損をするのは自分だぜ
わかる 翔 だから忘れれば 怪しい言葉は出てこないよ 忘れなさい
さっき課長から尋ねられた時は 上手かったじゃないか
僕もひっやっとしたけどな 知らない事は知らない」
タクシーはパレルホテルの車付けに付き3人がおりた
最上階まで行くと荷物預かりがありそこで預けた
ウエイターが窓際に空き席があるので案内した
神山はメニューを見て 最上級のステーキとビールを頼んだ
ランチメニューではないので サラダと簡単なおつまみも頼んだ
翔はワインが無い事に気がつき
「先輩 ワインが無いですよ」
「うん 分っているさ ビールを呑んでからだ 慌てるな それより
美味しいお肉を五感で味わってな あとで感想文を貰う いいね」
「はい」
一番最初にビールとおつまみが出てきた 神山は小さい紙にメモをとった
「では 美味しいお肉に乾杯」
みんなで乾杯した 神山は呑み始めた時間を記入した
普通に食べ 普通におしゃべりした 翔がビール追加を聞いたのでOKと
答えると翔がウエイトレスを呼びビールの追加を注文した
神山はまた時間を記入した 暫くしてビールが届いた 今度は神山と洋子の
分を注文した それもメモった 神山は洋子に
「今は6,70%の入りでしょ 後でいいけど ここの席数と出来れば
従業員 ウエイターやウエイトレス 厨房の人数を把握して欲しい」
「はい 分りました」
洋子は言われた事を手帳にメモした 暫くして神山と洋子の
ビールが運ばれてきた 神山はメモった
杉田は自分だけ早くビールを呑んではいけないと思ったのか
余り呑まなくなり おしゃべりも減った
「翔 呑んでいいんだぞ 好きに呑めよ それもデーターになるし
但し書きが必要だがね」
「なんですか その但し書きって」
「うん 小谷さんに思いを寄せている呑み助って」
「うぇ~ そんな事さっきから書いているんですか 参ったな~」
そう言って翔はビールを注文した 神山は時間をメモった
「翔 今度 築地へ行くか」
「ええ 先輩と」
杉田は余り嬉しそうでなかった
「いや 催事課全員と 私たち2名と小谷さんだ どうだね?」
「嬉しいですけど なんかお役に立てるんですかね」
「わからない 翔 御殿場アウトレットに鈴やが出るだろ
その時の準備なんだ 全ては だから全然役に立たない
資料も有っても仕方ないだろう 僕は辛いけどな 仕事だから」
「いいですよ それで感想文ですね」
「うん そうだ 全員に書いてもらう ほんの些細な事までな
それと この話は一応倉さんには概要を話しただけだ
翔は 忘れてくれ いいね」
「そうよ 翔君 事前に伝わると 小谷さん来ないわよ 分った」
「はい 分りました 今度こそ忘れます 今夜小谷さんの夢をみて」
翔のビールが運ばれ 神山はワインメニューを頼んだ
洋子にメモを頼んだ
ウエイターがワインメニューを持ってきて説明をした
「そうしたら その一番人気のあるワインと 一番人気の無い
ワイン それから中間のワインをお願いします」
ウエイテーは畏まりましたと言って戻っていったが 首を傾げていた
暫くすると ウエイターが上司を連れこちらに来て
「いらっしゃいませ お客様ご注文ありがとうございます
只今ウエイターから聞いたのですが 私どもでは 人気の無い
ワインは置いてございません 大変失礼ですが 何かの取材でしたら
お断りさせて頂きたいんですが」
神山はカチンと来たが チャンスと思い 名刺を出した
「申し訳ございません 色々と勉強をさせて頂いているんです」
「鈴やさんにはいつもお世話になっています
ご無礼をお詫びください」
洋子も名刺を出すと 今度はもっと驚き 神山に対し深々とお辞儀をした
上司は 名刺を差し出した
【日比谷パレルホテル 担当支配人 二ノ宮三朗】
「私は この30日が辞令でして 秘書が先に出来てしまい
まあ 仕事優先で 連れています ここが美味しいお肉をご提供
されていると評判でしたので立ち寄らせて頂きました」
「そうだったんですか そうしましたら手前どものソムリエが居ますので
呼んでまいります おい君 ソムリエを呼んで来てくれないか」
ウエイターは厨房に戻りソムリエを連れてきた
お互い名刺交換をし
名刺には【日比谷パレルホテル ソムリエ 矢野 純一】
神山は二ノ宮三朗に伝えた事をはなし
ソムリエ矢野 純一も
「そうですね 難しいですね やはり ライトがお好きな方
ミディアム ヘヴィーがお好きな方 色々ですね」
「分りました 人気があるのは ライトですか?」
「ええ 今はライトボディーが人気があります」
「そうしましたら ライトで 一番呑まれているワイン それと
余り呑まれないワインをお願いします」
「はい 畏まりました たまに御社の時田さんもいらっしゃいますよ
美味しいワインあるかって」
「そうですか 白ですか」
「はい 良くご存知で」
「ええ 次長になるにはその位知っておかないとねぇ」
ソムリエは 神山を見直し深々とお辞儀をして厨房に戻った 二ノ宮が
「ステーキはご用意して宜しいでしょうか」
「うん お願いします」
二ノ宮も深々とお辞儀をして戻っていった 神山は時間をメモった
「先輩 格好いいですね すきっとしました」
「なあ この事は自慢話ではないんだ 忘れろ 小谷さんの夢見て」
「はい 忘れます しかし偉くなると皆秘密なんだな ねぇ田所さん」
「そうよ それが自分を守るの 杉田君は秘密を守ると見込まれたのよ」
「はい 分りました」
そんな話をしていると ソムリエがワインを2本持ってきた
「神山様を試すつもりは毛頭ございません ただ分って頂きたく
お持ちしました どちらが人気あるか分ります」
神山はかちんと来たが 頷き
「わかりました」
ソムリエ矢野 純一はワイングラスに少しづつ注ぎ神山に渡した
神山は 少し明るいほうのワイングラスを傾け色を見た
まだ若かった 口に含むとフルーティーで転がしてもごわ付かなかった
もう一つは グラスを傾けると先ほどより濃く何年か経っていた
味は まろやかで香りも豊富で素晴らしく良く 転がしても
邪魔にならない 美味しさだった
洋子と杉田は心配そうに見守ったが 神山が
「後に呑んだほうがお肉に合うと思います」
「さすがですね 感心しました」
「最初のはライトですがまだ若いですね しかし転がした時
ボジョレーのあの若さではないですね」
「はい 実は この2本は1番人気と3番人気なんです」
「美味しいのは 後から頂いたワイン?」
「そうです 2番人気はこのワインと同じミディアムなので省きました」
「そうか ライトも美味しいけれど ミディアムも美味しいですね」
ソムリエ矢野 純一はみんなのグラスにも注いで廻った
二人は神山と同じ事をして口に含んだ 翔は目を瞑っている
「どうもありがとうございます 勉強になりました」
「こちらこそ申し訳ございませんでした」
「そうしたら これは冷やして呑むとどうなんですか」
「ええ 美味しいですよ」
「ありがとう それでは ステーキを頂きます お願いします」
「では 2本とも置いておきましょうか」
「うん お肉を頂くと又違うでしょうから お願いします」
「畏まりました」
「追加なんですが ガーリックライスを3つお願いします 1つは多めで」
「はい 早速ご用意させて頂きます」
矢野 純一はお辞儀をして厨房に戻っていった
「先輩 尊敬します 今までも尊敬していましたが ランクアップです」
「そうよ ソムリエに勝ったもん すごいわ」
「いや 僕はどちらが一番とは言っていないよ」
「あっ そうだ 向こうが勝手に言って来たんだ」
「そうよね しかしこれが一番ですって言わせたのはあなたです」
そんな話をしていると 洋子の携帯がなった
「ワシじゃ」
「はい 田所です」
「おお あんまり矢野君を苛めないでくれよ」
「えっ」
「今 矢野君から電話があってな 凄いですね神山さんはって
僕が負けましたって舌を巻いていたぞ
それで 早速仕事か えらいな がんばれよ 矢野君に宜しくな」
「はい 分りました」
電話を切ると洋子は時田のことを伝えた
「よっぽど悔しかったのと 実在するか調べたんでしょ」
「そうね 名刺なんて 分らないから きっと」
「先輩 凄いや また副社長喜ぶでしょ」
「まあな それより実績を上げないとな なぁ 翔」
「はい 分りました」
洋子はワインをグラスに注いだ グラスが6個並んでいるので
周りのテーブルから じろじろと見られた
ステーキとガーリックライスが運ばれてきた 神山は時間をメモった
洋子と翔はナイフとフォークを巧みに使って口に運んだ
神山は二人の表情を観察し終わってから食べた
ガーリックライスも美味しく食べ 3人とも全て食べ終わった
「先輩 ご馳走様でした」
翔が言い終わった時に 担当支配人 二ノ宮 三朗がデザートを持ってきた
「神山様 こちらはソムリエのお詫びも含め 用意させて頂きました
どうぞ 召し上がってください」
神山はカチンと来た
「ご好意はありがたく頂きます しかし私は頼んでない物は
食べるわけには行きません 分りますか」
二ノ宮は
「申し訳ございません 大変失礼致しました」
神山はさがるにさがれないだろう二ノ宮に
「この分も伝票に入れてください お願いします」
二ノ宮はお辞儀をして戻り 伝票を持ってきた
「うん わかった」
二ノ宮が去ると神山は
「さあ 帰るぞ 翔」
「えっ だって これ いいんですか」
「ばかだな 頼んでいないだろ 向こうが引き下がれないだろ
伝票をここに置かないと わかるか」
「そうか お金を払っていれば 文句言われないですよね」
「そうだ 少しはお利巧さんになったな」
「あなたの教育がいいんでしょ」
「洋子さん デザートの美味しい所は」
「はい そうくると思って 調べておいたわ」
「さすがだね」
3人はデザートをそのままにし会計に向かい洋子が清算した
洋子は神山にやはり美味しいのは ぺこちゃんだと言った
神山はタクシーでぺこちゃんにいきデザートを食べた
洋子は美味しいといいながら 笑みを浮かべながら口にし
「翔君 どうしたの 食べないの 神山さんも」
「うん 食べるけど 自分から食べる気にならないな
例えば 女の子に あ~ん して なんていわれれば なぁ 翔」
「そうですね やっぱ あんまり好きではないですね」
「そう 二人ともそんな事言っていると 女の子に嫌われるわよ
私 神山を嫌いになるかな 食べられないんだったら」
「翔 食べよう 何が何でも」
3人はあまり言葉を交わす事無く 食べ終わった 洋子が
「お二人とも ここの味を覚えておいて 他では食べられないわよ」
「はい 五感で食べました ありがとうございます」
「翔君 いいお返事でね 120点よ」
「ありがとうございます」
3人は店に戻ろうとしたが 神山は戻らなくていい事を思い出し
時計を見ると2時になっていたので
「翔 僕達は他に行く 今日は協力してくれてありがとう
残業だろ そろそろ帰ったほうがいい ホテルで食べた物の事は
言ってもいいが 会話は忘れなさい いいね」
「はい 美味しいステーキだけです ご馳走様でした」
「うん 夜は上原に居るつもりだ 何かあったら電話してくれ
そうだ 食品にはこの事は絶対秘密だ お肉も自分から言わない」
「はい 分りました」
杉田はお店まで歩いて帰った 部屋に入ると
「おう お帰りだ 翔 どうだった」
「はい 美味しかったです ほんと美味しいです」
「良かったな」
「はい またお供しますと言っておきました」
「そうか 二人は?」
「別な所にいくと言って分かれました」
「おう そうか山ちゃん動き始めたな」
翔は今夜の手配を確認したりして追われた
「ねぇ さっきのステーキ美味しかったけど どうだった」
「どうって」
「うん なんか分らないけど う~ん 味は美味しい う~ん」
「ねぇ どこかと比べている?」
「うん まあね」
「そうしたら そこに行って ステーキだけ頂かない?」
「えっ だって静岡の三島だよ」
「行きましょうよ だってそんな山奥じゃないでしょ」
「うん しかし そうだ 今度26,27で御殿場に行くでしょ
その時たべられるよ」
「だって方向が違うじゃない」
「うん 三島のお店とゴテンバ グランド インの大将は兄弟で
同じお肉を使っていて 共に美味しいんだ そうしよう」
「はい 分りました 翔君がどんな感想を書くか楽しみね」
「洋子はどうだった」
「私は 上等に思えたわ だけどあなたが言うように言われれば
?マークね 私も正直味わっていたけど これが最上級?って感じよ」
「やっぱり なにが違うか出てこないんだ もやもやしているよ」
「でも あと1週間で食べられるんだから でもこの感触忘れないわ
あっ そうだ感触がなんか違っていたわ」
「あっ そうか 歯ざわりか かみごこちと言うか そこかな?」
「そうね そうかもしれない」
洋子は直ぐに手帳にメモった
「ねぇ 売場に行って洋子の仕事着をかうよ」
「えっ これはだめ?」
「そんな事は無い 仕事着だから ねぇ」
洋子は少し不服だったが 付いてきた
婦人服のカジュアルファッションに行った
洋子は何を買うのか検討がつかなかった
神山はGパンを扱っている売場に行き 自分と同じメーカーで婦人用を
探してもらった
試着をしてみると ヒップもピッタリで綺麗だった
しゃがんだり たったりして動いたが らくに動けた
「なんでGパンなの?」
「うん 現場がある時は Gパンが一番さ 似合っているよ」
「私持っているからいいのに」
「それは私服 これは仕事着です だから僕に任せて」
神山はニーナ・ニーナでランク下の商品の事など伝えた
それとこれと交互に着れば当面間に合うと考えた
「そこまで考えていただいて嬉しいわ お言葉に甘えて買います」
「うん 同じモデルで色違いを買えば すこしずつ違うでしょ」
「そうね そのほうが楽しいわ そしたら3本でもいいですか?」
「うん その位 有ってもいいね それと至急裾上げお願いします」
店員が返事をし裾丈を測った 20分かかると言われた OKをした
合札を貰い洋子が清算しようとしたので
「仕事着は僕が出すからいいよ」
洋子は黙って頷いた
神山は Gパンに合うジャケットを探した 洋子も良く売場にくるので
売場の女の子が一緒に探してくれた 結局神山と同じような
麻混のジャケットになった
色違いを2着買って 清算は神山が行った
「さて シューズだね」
「ええ シューズはあなたと同じ感じでヒールが付いているのと
付いていないのが欲しいわ」
「うん 分るよ」
売場係長を交え メーカー派遣の手伝い店員も探し ようやく見つかった
やはり高いとそれだけ皮や作りが違いよくなっていた
3足有ったので3足とも買った 神山はGパンが出来ている時間だから
戻ろうと言ってGパンを受け取りに行った
「洋子 ここで着替えたら 今着ているブラウスでも充分似合うよ」
洋子はそう言われ着替えた 試着室からでた洋子をみて驚いた
「全然 違うイメージになった 活動的で知的で セクシーで うん」
「ブラウスはこのままでいい?」
「うん ブラウスは ニーナ・ニーナで買うし また気に入ったのが
有れば買えばいいよ しかし似合っているよ」
「ありがとうございます」
洋子は今着ていたスーツを自宅に届けてもらい 残った物を本社人事に
届けるよう頼んだ バッグが合わないので ショルダーバッグを
さがした 昨日買ったような形で皮の柔らかいバッグをえらんだ
中味を入れ替え 使っていたのを人事に届けてもらった
「どうだい きごこちは?」
「ええ 最高よ 会社にきている雰囲気ではないわ」
「そうか やはりGパンってそこに魅力があんのかな」
「ねぇ あなたのバッグだけど 皮にしない?」
「えっ なんで?気に入っているのに」
「うん でも皮のほうが 戦略的にいいんじゃない」
「わかった どこのがいいのかな? だいたいブランド物つけないし」
「ロレックスが光っているわよ」
「だって貰い物って言ったでしょ そうしたら ビトロにするか」
「ええ超一流品ね 行きましょうか」
神山と洋子は特選品売場に行った 普段なかなか手に入らないだろう
商品を 今は 手にする事が出来た
探していると 丁度いい大きさで ハンドでもショルダーでも使える
バッグがあった さすがに高かったが神山は清算した
これから使うので今のは自宅へ送ってもらう事にした
「ほら やっぱり違うわ 素敵よ」
「ありがとう」
そう言って肩から掛けたり 手で持ったりした
ビトロを見ていると ゴルフなど行く場合 フェアレディーに乗る時
ボストンバッグが必要となる 洋子に話 同じような形で大きさの
違うのを2つ買った 小さいサイズを洋子が使い大きいのは神山が使う
「そうしたら どおせだから 携帯ハンガーもここで買おう」
「そうね 揃っている方がいいわね」
洋子が使うのを探した 婦人用でロングドレスが入るのが有ったが
スーツは紳士用しかなかった 売場に聞いてもスーツは男女の区別が
ないというので購入した これは人事課に届けてもらった
「さあ これで 一応終ったね あとは洋子の ビジネススーツ
これだけだ あっ それとシューズだ」
「なんか 私ばっかり すみません」
「謝る事無いさ 仕事だよ 仕事」
「はい 分りました」
「うん よろしい」
「ねぇ さっき見えたんだけど バッグの中にシャツがあったでしょ」
「うん 忘れた クリーニング出そうとしたんだ」
「そうしたら 地階にあるクリーニングに出せば大丈夫よ
それに従業員だと安くなるしポイントを貯めると
クリーニング券が貰えるわ それに丁寧よ」
神山はクリーニング屋に寄りシャツを出した
ロレックスを見るともう5時30分になっていた
部屋に電話を入れると奥村がでて 西野理事に電話するように言われた
神山は西野理事に電話をすると
「神山です お世話になっています 遅くなって済みません」
「やあ 山ちゃん 実は車だけど 28日の昼頃来る それで
どこで引渡しをするか教えてくれと言う事なんだが どうだ28日は」
「はい少々お待ちください スケジュールを確認します
あっ こちらからすぐお電話します 一回切ります」
「うん 待っている」
神山は洋子に28日の昼に車が来る事を告げ スケジュールを
確認したいと伝えた 洋子は手帳を確認すると9時にアルタ挨拶 です
と 教えてくれた
「あれ ニーナ・ニーナは」
「まだ連絡をいれてませんが、、、」
「わかった 西野さんの後に電話する」
そう言って 西野理事に電話をした
「遅くなって申し訳ございません 12時にあいています」
「うん 分った パーキングでいいか?」
「はい 12時にパーキングでお待ちしています ありがとうございます」
「うん それと ホテル禅の地下駐車だが 当日から使えるようにした」
「何から何まで ありがとうございます」
「うん では」
神山はニーナ・ニーナの筒井に電話をした
「神山ですが お忙しいところ申し訳ございません」
「やあ 山ちゃん やったね 常務じゃないか 凄いよ」
「ありがとうございます 実は ニーナ・ニーナさんにご挨拶に
お伺いしようと思っているんです それで28日はお昼過ぎは
如何でしょうか?」
「うん え~と うん大丈夫だ」
「それでは 2時過ぎに伺います お願いします」
「わかった 出来るだけ集めておくよ」
「そんな大袈裟にしないで下さいよ 人事命課は30日ですが
今度は外回りが出てくると 筒井さんとこ行くのに遅くなると
嫌われてしまいますから 早めに行きます」
「いいよ 待っているよ」
「では失礼します」
「洋子さん 28日12時鈴やパーキング納車
14時 ニーナ・ニーナ挨拶 30分みて 13時30分に出よう
それまで練習しよう」
「はい 分りました 早いですね 納車」
「うん 理事に会っていないから詳細は後日ですね スケジュール
確認しなかったら ニーナ・ニーナを忘れていた 助かったよ」
「済みません わたし気が付きませんでした」
洋子が俯いてしまったので
「最初から上手く行ったら こっちが怖いよ 結果OKねっ 元気出して」
神山が励ましたので 洋子は少し涙ぐんでいたが
「はい 分りました 気をつけます」
「うん 頼んだよ それからニーナ・ニーナさんの挨拶だけど
どうするかな うん ダブルがあるでしょ それがいいか アルタも?」
「ええ しかし辞令の時が格好いいですね」
「うん そうしたら この格好で行こう スーツ姿は幾らでも後で
見る事出来るし アルタもニーナ・ニーナもGパンで決定
洋子の仕事着はアルタから帰ってきたら次長室に持ってくればいいよ」
「ええ しかし後輩が運んでくれます 大丈夫です それからいいですか?」
「うん なに?」
「クローゼットですが 施錠できるようお願い出来ますか?」
「そうだね わかった そうしたら これから行くから頼もうよ ねっ」
「はい 分りました」
「僕は 引き出しにも付けようと思っている お金があるし」
「そうですね」
「鈴やの活動費もアルタの自由費も君に管理を任す いいね」
「えっ なんでですか」
「勿論全額ではないよ 少しは持つが必要ない そのための洋子だよ」
「嬉しいですが いいんですか 私に持たせると全部なくなりますよ」
「そしたら給料があるじゃないか 大丈夫だ洋子は使わないよ」
洋子は信じてもらって嬉しかった 抱きつきたくなった
「ありがとうございます 信じていただいて」
「当たり前だろ まだ少ししか話をしていないが分るよ
さあ上原に行こう タクシーで行こう」
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