2013年4月8日月曜日

薔薇 6 - 31 Vol. 1



5月1日 金曜日 小雨
祥子が神山を何回も起こしているがなかなか起きないので
目覚まし時計を鳴らすと
「やあ おはよう 早いね」
「そう? もう7時30分よ 起きてください」
「そうか よく寝たな あ~あ このベットで起きるの久しぶりだな」
「ごめんなさい 今度 毎日ここで起きてね」
「まあ 毎日は無理としても出来る限りだね そのうちここへ
帰れない日もあるだろうし」
「そうね さあ早く起きてきて ご飯の準備が出来ました」
今朝はベーコンエッグとサラダ トーストといった簡単な物だった
祥子はここ2,3日買い物に行けなかったのでこれが精一杯の料理だった
「美味しそうだ 祥子 ビールが良いね これには」
祥子は冷蔵庫からビールを出して神山と自分のグラスに注いだ
「では 頂きます」
「ねえ 上原のブティックなんだけど」
「うん」
「今 ようやくアンケートを取れるようになったの そうしたら
お客さまの住所を調べると都内23区より 周りのお客様が多いの」
「いいことじゃないか」
「神奈川でも横浜や小田原といった遠いところから来て下さっているわ
あと大宮とか千葉とか 段々と輪が大きくなっているなって」
「うん どんどん広がればそれだけ顧客の数は確実に増えるからね」
「そうね 面白い現象で田所さんのスーツ 18万のが銀座では
月に1着程度なのにもう5着も売れてのよ なにか分らないわね」
「月に1着ペースが日に1着か これは銀座を見直さないと
いけない時期に来ているか 銀座の顧客が変化しているかだろう
そうすると 銀座で高くて売れなそうな商品がある程度
売れているということかな」
「ええ そうね 何故売れないのかなと言うのがちゃんと売れているわ」
「そうすると 顧客の購買意識に変化が起きている訳だ
いい事おしえてくれた ありがとう」
「だとすると 銀座のお店全体が安物売りをしているとか安物を
探しに来る人が多いとかに変ってきている訳」
「うん 断言は出来ないけど 可能性は高いね」
「やはり 企業イメージをあげていかなければいけないわよね」
「うん 難しいけど そうかな」
二人は楽しく朝食を食べた祥子が
「私 暫く休みを取っていなかったから 5、6日と連休を頂きました
だから4日の月曜日仕事が終ったら名古屋へ帰ります」
「そうすると 6日の水曜日に帰ってくるんだ」
「ええ 向こうでご飯は食べてきます だから遅くなるわ」
「うん わかった 暫く友子ちゃんに会っていないから喜ぶよ」
「ええ そうね」  
神山と祥子は綺麗に食べて後片付けを終ると
「今日は何処に行くの」
「ええ 青山の本社に出勤して銀座に行って分らないわ」
「浜野君はどう?」
「ええ だんだんと慣れてきたわ 安田さんもしっかり覚えているし
そうでないと私が困るけど」
「うん 良かったじゃないか」
神山は出掛ける仕度をするので祥子の部屋を出た

ボストンバックに着替えなどを詰め込み祥子の部屋をノックした
二人はエレベーターが上がってくるまでキスをした
上原のブティック前を前にした時
「工事中は大丈夫かしらと思っていたの 安心したわ」
今日は傘を差しているので腕を組めないが祥子はニコニコしていた
地下鉄で銀座へ向った 改札を出るとオフィスに向うサラリーマンで
溢れかえり冷房が効いていないこの時期はむっとした
部屋に着くと洋子が来ていなかったので コーヒーを自分で作ると
いい香りが部屋中に充満した
神山は今夜宿泊するホテルを内藤社長から貰った宿泊無料チケットで探し
伊豆多賀にホテル多賀という露天風呂がついている部屋が
有り 電話をし確認すると空き部屋があり大人3名で予約した
チケットの番号を確認すると全て無料で特別料理がついていて
ワインも1本無料で付いて来る 部屋はベッドと和式 
利用可能と案内され 細かい事を2,3確認して電話を切った
タバコを吹かしながら ソファーで昨夜書いた御殿場アウトレットの
スケッチを見直していた 段々とイメージが湧いてきて
ラフスケッチを何枚も書いていった
神山は一段落したので時計を見ると10時30分になっていた
洋子からの連絡がないので電話をしようとした時に部屋に入ってきた

「ごめんなさい 遅くなりました」
「うん どうしたの」 
「ええ ボストンを代々木に置きっ放しだった事を思い出して
取りに行っていたんです」
「電話くれないと 心配するよ」
「はい 気を付けます」
「だけど いつも僕よりてきぱきとするのに」
「ええ ボストンの中に下着を入れっ放しだったんです
それを洗濯したら やはりゴルフのシャツも洗いたくなって
すみません 洗濯機とにらめっこしていました」
神山は笑い出してしまった
「4日間もそのままだと 結構いい香りになっていたでしょ」
「もう しらない」
神山は洋子をソファーに呼んで昨夜と今朝書いたラフスケッチを見せた
洋子は始めてみるのでよく分らなかったが 説明を聞くと納得して
「素敵ね 遊園地の感覚ね いいわ 女の子だったら
何回も行きたくなるわ 勿論私もよ」
「そうか 骨格は大体こんな感じなんだ 後はどうやって
味付けなり既成概念を破ったデザインが出来るかなんだ
やはり 子供と大人が楽しめるテーマパークの雰囲気を
大切にしたいと思っているんだけどね まあこれをたたき台にして
いいデザインが出てくる事を祈っています」
「そうね みんな500万円返金があるから真剣でしょ」
「うん しかし昨夜考えたけど 良かったのかなって
もっと自由にやってもらったほうが良かったのかなって」
「それもそうだと思うけど ある程度決まったテーマが有るのだから
あの方法もOKだと思いますよ」
「そうか ありがとう それから 先日の東都食品だけど
色々とスキャンダルを起こした部署とそこの売上を簡単で良いので
纏めておいて下さい 今日でなくてもOKです」
「そうすると東都食品にも入り込むんですか」
「いや難しい そこまでは出来ないが 鈴や食品とくっつけようと
思っている 鈴や食品の傘下って事です」
「へぇ~ 鈴や食品のさ・ん・か ですか」
「そう なに驚いているの 昨日見たでしょ 何もしていないよ」
「ええ しかし すごいです あ~あ素晴らしいわ」
「おいおい まだ決まった訳じゃないよ そんな」
「でも あなたが話すと出来ちゃうんだから」
「出来ない事もあるさ」
「いいえ 貴方は何でも出来る」
「赤ちゃん 産めないよ」
洋子は顔を真っ赤にしながら
「ば~か 知らない 誉めてたのに 軽蔑するわ もう」
神山はソファーから立ち上がり次長席で御殿場アウトレットの
ラフスケッチをどんどんと書いていった
スタッフが20日に帰ってくるまでにたたき台を
いくつか用意しておくつもりだった
神山は洋子に
「洋子 昨日アレックスブースの話をアレックス氏と話した事は
知っているよね」
「ええ 覚えています F-1を持ってくると言っていました件ですね」
「うん そこで F-1以外に何を集められるか リストが欲しい
アレックス氏が声を掛ければOKはAランク 要相談でOKはBランク
非常に難しいけど50、50の確立はCランクで出して頂けると
整理がしやすいし戦略が立てやすいって伝えてくれる 
アレックス氏は洋子のファンだから何でも聞くよ
オートモの2011号室に宿泊しているよ お願いします」
洋子が電話をすると 部屋にいて話す事が出来 神山の話を伝えると
アメリカに帰ってからFAXすると返事を貰った 洋子はここの
FAX番号と秘書課のFAX番号を伝えた 夫人に代わり
今夜時間があれば一緒に食事をしようと誘われたが神山とデートで
駄目だというと独り占めしないでほしいと残念がっていた
2日のパーティの後は空いていると伝えると多分夕方まで仕事なので
その後になる 洋子の携帯に電話をして待ち合わせする事に決まった
洋子が神山に
「アレックス氏の件はOKです アメリカに帰ってからFAXをすると
約束してくれました あとご夫人からリクエストで今夜誘われたんですが
神山とデートだからだめよと 答えたら独り占めしないでと それで
2日の夜に食事会です お願いします」
「うん ありがとう FAXは分ったけど あの二人を何処に
連れて行くかだね そうだ洋子 悪いけど お魚やお寿司は
大丈夫なのかな聞いてくれる?」
「はい 分りました」
洋子はもう一度ホテルオートモのアレックス氏に電話をして
夫人と話すと 大変好物で楽しみにしていると答えてくれた
「わかった そうしたら 築地か上原か どうする」
「そうですね どちらに趣をおくかですね 佇まいなどだと
築地 新鮮さと美味しさだったら上原だと思います」
「洋子が初めて外国に言った時だったら 美味しい方かな」
「ええ 美味しくて楽しい所がいいですね」
「よし 上原にしよう そろそろ営業しているから予約をお願いします
大事なお客さんだと付け加えて」
洋子は頷いて上原駅前寿司に予約を入れた
何時もの女将が愛想よく返事をしてくれた

神山が時計を見ると12時になっていたので洋子に
「どこに行く お昼?」
「今夜はお魚でしょ」
「うん」
「そうしたら お肉がいいな」
「そうしたら しゃぶしゃぶにしよう」 
「ふぁ~ うれしいわ」 
神山と洋子は先日行ったしゃぶしゃぶに行った
ランチタイムになると銀座オフィスのサラーリーマンが
我先にと安くて美味しいお店に集まってくる
今日も満員だったがたまたまカウンターが空いていたので
待つ事無く座る事が出来た
ランチタイムはメニューが一つしかないが追加の牛肉は
色々とランクがあり選ぶ事が出来た
神山と洋子はブースの夢を話しながら美味しいしゃぶしゃぶを食べた
時々
「次長おめでとうございます」
と 声を掛けられビックリしていたが余り知らない人間ばかりだった
「やっぱり ここらでは有名ね スターじゃない 完全に」
「うん 若い女の子だったら気分も良いけどね 男じゃね」
「そうよね わかいお・ん・な・の・こ・ね」
「おいおい 変な意味じゃないよ 誤解をしないでくれ」 
「私はどうなるの? ねえ」
「、、、ごめんなさい」
「ば~か 私が居るのに そんなこと言うなんて もう」
神山と洋子は笑いながらコースを食べ終わり次長室に戻った
「洋子ちゃん 30分寝かしてくれ 頼んだよ」
「は~い 分りました 私も寝ますね」
「大丈夫なのかな」
「ええ 携帯で起きますよ」
神山と洋子はソファーでお互いが顔が見えるように横になった
洋子はにこにこして神山の顔を見ていてなかなか目を瞑らなかった
神山はだんだんと睡魔が襲ってきて目を瞑ってしまった

携帯電話の目覚ましがけたたましく鳴って
「あ~ 良く寝た」
神山があくびをしながら起き上がると洋子は直ぐにコーヒーを作り
「すっきりしましたか?」
「うん 大丈夫だよ よし コーヒー飲んだら出るよ」
「は~い 分りました それで明日はここに戻ってホテルに行かれますか」
「うん アルコールが入るから不味いだろう
しかし 秘書課は知らせないで欲しい」
「はい ではこれから外出先不明 明日は12時のオートモで
秘書課に連絡をしておきます」
「うん お願いします」
洋子が秘書課に連絡し終わると洋子が
「軍資金はどうですか」
「うん 一応財布は50入っているけど」
「私 も50もって行きます」
「うん 頼んだよ」
二人が部屋を出た時には雨が本降りになっていた
神山と洋子は駆け足でホテルの地下駐車場へ走り貴婦人に乗った
スイッチを入れると気持ちのいいエンジン音が地下駐車場に響き渡った
神山はこれが6気筒のサウンドだと感じ発進させた
雨の中でもワイパーはしっかり水滴を落とし視界は良好だった
ガスが心配だったので高速に入る前に満タンし上がった
路面が不安定な事もあって首都高では余り追い越しは出来なかたっが
東名に入ると神山の運転が始まった
「ねぇ 少し落として 怖いわ」
「大丈夫だよ 見ていて ほら ねぇ」 
神山はどんどんスピードを上げていったが横浜を過ぎたところで
小型車を追い越そうと思った時に小型車が右に出てきて
神山の車は行き場所がなくスピンをさせて 左に停車させた
「もう 怖かった もう 乱暴なんだから」
「ごめんなさい 心配させて 向こうが悪いんだ こちらを全然
見ていなかったもん ごめん」
そう言って神山は直ぐにその小型車に追いつくと
後ろを良く見ろと手で合図をして追い越した
「でも 考えてみると あなたが言ったように悪いのは向こうね
しかし 3回転して立ち直ったのは凄い腕ね」
「うん 初めてだったよ 今までは2回転が最高だったかな」
「うん 普通の人だったら廻っている間に気絶ね」
「そうだね それでがしゃん だろ」
神山は雨にもかかわらず直線では200kmだし
「洋子 200出たぞ まだ踏み込みがある いいね」
「ほんと 全然平気ね ワイパーもしっかりしているしね」
「うん 視界が広くて気分が良いね タイヤも吸い付いているよ」
小田原で有料道路に入ってもスピードは落ちなかった
熱海に付いたのは約束の15分前だった
神山が熱海駅の周りを行ったり来たりしてレンターカーを
見つけると洋子が
「どうして レンタカーなの」
「うん 訳ありさ」
そう言い レンタカーを選んでいると貴婦人の4人乗りが
空車で有ったので割高だったが明日まで借りた
神山は自分の車に乗って洋子はそのレンタカーで追い駆け
先日利用したホテルの地下駐車場へ車をとめた
レンタカーで熱海駅に行くと 神山は携帯電話で亜矢子に
「神山ですが」
「私です 今 改札口を出ました」
「了解です 今すぐに行きます」
洋子が何かを言ったが聞こえなかった
駅前ロータリーに行くと亜矢子が待っていた 洋子が驚いて
「ふぁ~ 亜矢子さんと一緒だったの 教えてくれれば良いのに」
ドアを開けて亜矢子が
「まあ 洋子さんが一緒 楽しいわね」
洋子と亜矢子は車の外で話をし始めた 神山が
「ねえ ここはタクシーが来るから 後ろに入って 早くお願いします」
二人の女性は後ろに乗ると話を続けていた
神山は何も言わずに今日泊まる 伊豆多賀ホテル多賀をめざし運転した
時々バックミラーで二人の様子を確認するが双子の姉妹が
楽しくおしゃべりを楽しんでいるようだった
神山は右の山道に入って134号線から外れると高度を稼いだ
暫く走ると眼下に大海原が見えるところについた 2人は
「ふぁ~ 素敵なところ ねぇ 洋子さん」
「ええ いいわね 雨が降っていても素敵」
車の中から景色を楽しんだ 
神山は尾根伝いに走ると 右手に富士山がうっすらと見えてきて
後ろの女性達ははしゃいでいた
神山は途中の売店で一旦車を止めて
「どう 雨でも素敵でしょ」
そう言い2人にビールを買って渡した
「ええ ドライバーがしっかりしているから安心よ ねぇ亜矢子さん」
「ええ 楽しいわ 洋子さんと一緒だと」
神山は少し休憩をした後 目的の伊豆多賀 ホテル多賀まで走った

大雨で景色がよくなく少しがっかりしている神山だったが
「いらっしゃいませ 大雨のなかお越し頂きましてありがとうございます」
フロント嬢のにこやかな顔を見て元気が出てきた
宿泊手続きを終えるとフロント嬢が手押し車で部屋まで案内してくれた
部屋に入ると 眼下に相模湾が見えて
「ふぁ~素敵なお部屋 亜矢子さんこっちに来て」
「ほんと 雨でなっかたもっと素敵でしょうね」
「ええ でも なんか風情があって好きですよ」
「あのなんとも言えない水平線の所に別な世界が有るみたいね」 
「ええ 素敵だわ」
二人が満足してくれて良かったと神山は思っていた
フロント嬢が
「お食事はこのお部屋で頂く事が出来ますが どうされますか」
「ええ そうしようかな」
神山が答えると亜矢子が
「レストランで頂くわ ねぇ洋子さん」
「ええ その方が美味しいし レストランでお願いします」
フロント嬢が18時に用意をするといって出て行くと
神山は冷蔵庫からビールを出して2人にわたし
「では お疲れ様でした え~ これから仲良くしましょう」
「仲良くしないのは貴方でしょ ねぇ亜矢子さん」
「そうそう 私が言わなかったら こうなっていないでしょ」
神山は何も言えずに一人でビールを呑んだ
ビールを呑み終わっても誰も気が付いてくれなかったので
仕方なく部屋の直ぐ外にある露天風呂を見てみると
湯気が立ち上っていて ゆっくりと入りたくなり
「では 失礼して先に入ります」
と 言っても
「はい どうぞ」
と 完全に無視された状態だった
試しに彼女達の前で脱ぎ始めたが何も言われずショックを受けた
洋子と亜矢子はベッドの脇にある和室の座卓でお茶を飲みながら
楽しそうに話し込んでいた
神山は早く一緒に入りたくて振り返るがにこにこ手を振り
露天風呂に入ってくる様子は全然なかった
神山は完全に無視された事に少しカチンと来てそのままの格好で
冷蔵庫から日本酒を出して湯船で呑んでいた
神山はわざと日本酒を全部呑んだ所で首を前にたらし動かなかった
暫くすると陽気に話していた彼女達が神山の異変に気がつき
「ねぇ 可笑しいわ」
「そうね どうしたのかしら」
不安になって神山のところによって肩を叩いたが返事がないので
二人は濡れても良いように浴衣に着替えて神山を抱き起こし
体を拭いて布団にうつ伏せに寝かせた
「どうしたのかしら 急に」
「多分 運転の疲れかしら 結構飛ばしたから」
神山の体を仰向けにした時だった
「ふぁ~ やだ 大きくしている 亜矢子さん」
「こら 起きなさい こんなに大きくしてもう 二人で心配したんだから」
神山が黙っていると
「まだ 仮病使っているわ もう相手にするの辞めましょう」

そう言い又 二人で座卓でおしゃべりを始めた
神山は完全に仲間に入れなくなり孤独な時間を裸で味わった
そうしている間に先ほどの日本酒が廻ってきたのか本当に寝てしまった
洋子は寝息が聞こえたので布団を掛けてまたおしゃべりをした
亜矢子の辛かった高校時代とか洋子の辛かった事など
二人の共通点が話を盛上げた
話が一段落したところで亜矢子が
「洋子さん 露天風呂に入りましょうか」
「ええ そうしましょう」
ふたりは浴衣を脱いで露天風呂に入ると水平線の向こうが明るくなり
太陽の木漏れ日が差し込んできた
湯船から見ていた二人が 
「ふぁ~ 綺麗 凄いわ」
少しの間見とれていた
亜矢子が
「ねぇ洋子さん ビール持って来ようかしら」
「ええ お願いします」
二人は湯船に浸かりビールを呑みながら
目の前で繰り広げられている 自然のパノラマショーに見入っていた
雲が太陽を隠してしまうと洋子が
「私 もうでるわ」
「ええ 出ましょうか」

二人はバスタオルを体に巻きつけて部屋に戻ると
「ねぇ 本当に寝ているのかしら」
「そうよね 美女を置いてきぼりにして」
「ちょっと 触ってみようかしら」
「まあ そんな 亜矢子さん」
「大丈夫よ 見ていて」
亜矢子は神山のおちんちんを手で優しく上下に動かし始めた
洋子は普段自分で行っている事なのになにかドキドキして
亜矢子の脇に座ったまま動けなくなった
少しづつ大きくなると
「ねぇ 大きくなったでしょ はい 洋子さん」
亜矢子が洋子の手を引っ張り二人でおちんちんを触り始めた
洋子はこれで魔法が解けたように亜矢子よりしっかりと握った
神山は下半身が気持ち良くなって来て目を覚ました
「ふぁ~ なに 2人で」
「ふふふ 気持ち良いでしょ」
亜矢子が神山の大きく硬くなった肉棒を咥えると洋子の手の動きが
早くなって二人のタイミングが合って来た
二人ともバスタオルを脱ぎ捨てて亜矢子は洋子の乳首を
洋子は亜矢子の乳首を優しく時々きつく触り始めた
亜矢子は我慢できなくなり空いている手で自分の秘所を触り始めた
「ねぇ 洋子さん 最初に頂くわ」
「ええ どうぞ」
そう洋子に断って亜矢子は神山に跨って肉棒を秘所に挿入した
「あっ あっ きもちいいわ 洋子さんも跨ったら」
洋子は言われて神山の口の所に秘所が当たる様に跨り腰を前後に動かした
神山は洋子の秘所を指と唇で攻めると
「あっ うっ うっ~ きもちいい~ あっ あっ」
亜矢子もその声を聞いて腰の動きを早くしたり回転させたり変化をつけた
二人の喘ぎ声もだんだんと大きくなり顔を紅潮させていった
洋子が前のめりなり亜矢子の乳首を愛撫し亜矢子も洋子の乳首を
愛撫していると亜矢子が
「ねぇ いきそう 洋子さん かわろう」
そう言い二人は体を入れ替えた 
亜矢子が神山の口に秘所が当たる様に腰を落としてきて 
洋子が神山の肉棒を挿入し腰を動かし始めた 洋子が
「ふぁ~ 気持ちいい ふぁ~ あっ うっ うっ~ 」
「あっ あっ うっ うっ~ わたしもよ いきそう」
洋子が
「ねぇ 亜矢子さん いっしょにいきましょ あっ あっ 」
「そ・う・ね あっ あっ だめ いくわ」
「わたしも いくわ あっ あっ 」
亜矢子は神山の口にねばった体液を大量に溢れさせ昇天してしまった
洋子は亜矢子が昇天した時に膣がキューンとちじまり昇天してしまった
「はぁ はぁ きもちよかったわ」
「ええ はぁ はぁ わたしもよ はぁ」
神山はまだ元気を保っていたので
「さあ 四つんばいになって」
二人を四つんばいにさせ洋子と亜矢子の秘所に肉棒を挿入し
激しくつつくと
「あつっ あうぅ あぅ~ いいわ また いきそう」
神山は直ぐに抜いて別の秘所につついた
同じ事を繰り返していると
亜矢子が 
「お願いだから いかせて お願いします」
神山は洋子から抜くと亜矢子を徹底的に攻め立てた
「あっ あっ うっ い いいわ いく」
スピードを速めると
「うっ~ あつっ あうぅ いく あっ あっ」
亜矢子が昇天して体をうつ伏せにしてしてしまった
神山は腰を振って待っている洋子に肉棒を突き刺さすと 
「あっ あっ うっ うっ~ いいわ」
隣りに横たわっている亜矢子が洋子の乳首を愛撫すると
「うっ うっ~ あつっ あうぅ いいわ いくわ」
神山が洋子の腰を持ち動かし奥までつつくと
「あつっ あうぅ あぅ~ ねぇ きて いく ねぇ きて」
「でるぞ うっ」
洋子の膣が狭まった時に神山は発射してしまった
「あっ きた いく あっ」  
洋子も昇天してしまった
神山を真中にして3人はうつ伏せで暫く動けなかった
先に回復した亜矢子が
「洋子さん 良かった?」
「ええ 3人だと又違うわね 良かったわよ」

二人はさっぱりして
「ねえ 露天風呂に入りましょうよ」
「ええ 入りましょう 神山さんも一緒に入りましょ」
「ありがとう 入ろう」
3人で露天風呂に入って亜矢子が
「このおちんちんは二人だけで独占しましょうね 洋子さん」
亜矢子も洋子も神山のおちんちんを優しく触りながら言って
「もし私達以外の女性と交わったらどうしよう」
「大丈夫よ洋子さん 私たちが毎日入っていればそんな気にならないわよ」
「そうね だけど可愛いわ それがあんなに大きくなるなんて」
「ええ 以前使っていたこけしより全然良いわ」
「亜矢子さん こけしってなんですか」
亜矢子は洋子に分りやすく教えてあげると洋子は真っ赤な顔になって
「そんな わたし神山さんだけでいいわ」
二人は神山のおちんちんをこけしに見立てて使い方などを話していると
神山はどんどん大きくしていって肉棒になった
亜矢子と洋子は神山を露天風呂からだして3人でSEXを楽しんだ 
洋子が肉棒を咥えていると亜矢子が洋子のクリトリスを愛撫したり
亜矢子の秘所が肉棒を捕らえると洋子が神山の肉棒を愛撫したりと
女同士の連携が取れていた
神山や女達も露天風呂で2回づつ昇天し疲れ果てた
あいにくの天気で髪の毛が雨に濡れてしまったのでシャンプーをした
神山が先に上がって座卓についていると女たちは化粧も落として
バスタオルを蒔いただけの格好で上がってきたが頭には同じ様に
タオルを巻いていてどちらが亜矢子か洋子か分りづらかった
二人も同じ格好で相手を見てみると鏡を見ているみたいで驚いた
神山が
「双子みたいだ 分らないよ」
洋子がわざと
「私は 亜矢子だけど分る」
「えっ 亜矢子? 声が洋子だよ また」
「ふふふ やっぱり声でわかっちゃうか」 
「それは分るさ しかしそうやってタオルを巻いていると分らないね」

神山は冷蔵庫からビールを出してみんなで呑んでいると夕食の時間になり
「では レストランに行こう 今日は特別料理が出るらしい」
「何かしら 楽しみね」
3人は1階のレストランに着くとカウンターの女性が席を案内してくれた
席につく時に女同士が一緒に座って神山と対面した格好になった
神山はウエイトレスにビールを注文するとビールと先付けが直ぐに 
用意され説明されたが神山はちんぷんかんぷんだった 神山が
「では 乾杯」
女性軍も元気よくグラスをぶつけ合っていた
前菜や吸い物を食べ終り刺身が出てきたところで神山はワインを注文すると
このホテルのお勧めで最高級のワインだといって置いていった
神山がワインをグラスに注ぎ改めて乾杯をした
下駄に盛り付けられた切り身と生き造りの船盛りの2品目が出てきた
「わぁ~ まだ動いているわ このお髭」
洋子が生きている伊勢えびの髭を触るとぴくぴく動かしていた
亜矢子も美味しいと言って洋子と明るく話しながら食べた
神山は
「周りがあるから少し静かに食べようよ ねっ」
はい と言って少しは静かになったが何しろ楽しそうだった
神山はこちらを観ている2人の男の目線を感じていた
そのテーブルは連れがいて 若かったが直ぐに夜の女と分るほど
キツイ化粧をしていた 静かと言うより暗い感じで食事をしていた
同じペースで出される料理だったが 特別料理がなかったので
スタンダードプランを選んだ客でこちらが楽しく美味しい物を
食べているので僻んでいるのだろうと思った
焼き物が出て来た時にはワインボトルが空いていたので
もう一本追加をし金額を聞いてみると二万円だと答えた 亜矢子が
「相場ですね ここのホテルって そんなに高くないわよ」
「美味しいけれど 食べきれるかしら」
また 女性軍は話し出し神山が注意した
牛肉も美味しかったがソースも美味しく3人はぺろりと平らげてしまった
よく食べて 楽しくおしゃべりしていると
ワインのボトルも空いてフルーツを食べた
女性軍はやはり甘い物は大好物と見えておなかが一杯でも綺麗に食べた

受付で伝票にサインをすると先ほどの4人も付いて来て
自販機がおいてあるところでビールを買おうとした時に
その4人組も一緒に入ってきて神山にいちゃもんを付けた
「おい 若いの静かに食べているのにうるせな ぎゃあぎゃあと
こちらは 4人ともまともに咽に通らなかったんだ
どうしてくれる 連れも楽しくないって不味くなったじゃねえか
えっ 若いの少しだせよ 口直しするからよ」
神山はこの男は虚勢を張っていると見抜いて
「お金もないし何もない」
「ばかやろー ワインなんか追加しただろ え~ だせよ」
神山がニコニコしていると 洋子と亜矢子は
手を胸にあて抱き合って見ているしかなかった 
その時男が殴りかかってきた瞬間 神山は体を反らしてかわすと
今度は別のところを狙ってきたので腰を引いてかわした
「この野郎 しゃれた真似するんじゃねえ」
今度は神山の思うところにパンチが来たので柔道の一本背負いを決めた
男は3mくらい飛ばされ もう一人が心配になり助けに入った 男が
「悪かった 済みませんでした この通りです」
その場で土下座をして神山と女性達に謝った
神山は洋子の作った東都食品の資料に恐喝騒ぎが有ったのを思い出し
「君たちは東都食品だろ 社長に知れても良いのか
分っていたよ最初から どうする」
今度は神山が責める番になった
「仰られるように 東都食品の者です 済みませんでした
なんでもしますから会社だけには知らせないで下さい」
神山は
「それでは 口ではなんとでも言える 分るね」
「はい 分りました」
「そこで 今後この様な言動は致しません 神山様の言われる事を
何でもお聞きします そうメモに書いて自分のサインを忘れないように」
「はい 分りました」
「それで 部屋に持ってこられると面倒だから 今夜中にフロントに
預けなさい 封筒にでもいれて いいね 書かなかったら会社だ」
「はい 分りました 早速書いてフロントに預けます
どうか ご内密にお願いします」
「それは 君次第だ 名前は」
「はい 山口 宏史と申します 東都食品の肉加工の部長です」
「わかった もう一人は」
「はい 私の部下で 安藤 憲一と言います 本当に済みませんでした」
「わかった 直ぐに書いてフロントに預ければ会社には言わない 約束だ」
山口 宏史と安藤 憲一の東都食品コンビは頭を下げて帰っていった
「ふぁ~ すごい又 見られたわ ごめんなさい」
「ほんと どうなるかと思ったわ ごめんなさい 煩くしていて」
女性軍はひたすら神山に謝った
「さあ 酔いが覚めたでしょう 部屋でのんびりしよう」
3人は何事も無かったように部屋に向ったが小さな声で喋っていた
神山は東都食品の肉加工部門が業績が落ちている事を覚えていた
昨日のアレックスジャパンのように上手になかに入れそうだと感じていた





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