2013年4月18日木曜日

薔薇 6 - 31 Vol. 3



催事課の面々が神山に握手をして帰っていった
先ほどの高柳里香の夫 東都食品の副社長が挨拶にきた
「神山さんおめでとうございます 私は東都食品の副社長をしております
田宮浩司と申します こちらは2日前結婚したばかりの里香です」
高柳里香は少し俯き加減で神山に挨拶をした 
神山は高柳里香 田宮夫妻に
「先日は楽しい記念が出来ました 奥様ありがとうございます
私の鈴やも東都食品さんにはいつもお世話になっています
私の秘書が興味がり東都食品を色々と調査させて頂きました
そうしたら 奥様はご存知だと思われる事が色々と出てきまして
このままでは会社の存続が危ぶまれる状態と判断しました」
田宮は里香を見て
「何を知っているんだ 君は」
「ええ 別になにも」
神山は洋子が用意した資料を田宮に見せると
「こんな記事を信用されているんですか 嘘ですよ 全部 ははは」
神山はここだと思い山口 宏史が昨夜書いた手紙を見せると
「神山さん 済みませんでした そこまでご存知だったんですね」
「ええ ですからこの記事は全て本当の事です 先ほど言いましたように
このままでは会社が危ない 私がこの加工部門を責任を持って
再建します どうでしょうか」
「はい 一存で決められませんがお願いします 社長は父ですが
実権は殆ど私が握っています どうぞ力を貸してください」
「よろしいですね 私が加工部門の最高責任者になっても」
「はい お願いします」
洋子がこの話が始まった時に手帳にメモを取っていた
神山はそれを知っているので洋子に
「では 今の契約を見せてください」
神山と田宮が英語で書かれたメモをみて田宮が
「はい ここに書かれた通りです」
神山はあいている所にサインと日時を書き入れるよう指示し
自身もサインをし後日このコピーと正式な契約書をそろえて伺うと伝えた
「新婚旅行は」
「ええ 今は休めない状態ですので秋頃と考えています」
「はい 分りました 今後社員教育に力を入れてください
特にこの記事にあるような社内売春や社内不倫には いいですね」
「はい 注意して監視します」
「では お願いしますね 書類が出来ましたらお電話します」
「はい お待ちしております」
田宮夫妻が帰ると洋子が
「やったわね 凄いわ」 
そばにいた内藤社長も
「山ちゃん 凄いね どうなっているの
あの東都食品の最高責任者だって」
副社長の時田も
「おお 山ちゃんどうなっているんだ 今度は食品か すごいな」
「でも 僕一人の力じゃないです 洋子さんが手伝ってくれたお陰です」
東都食品とのやり取りを見ていたアレックス夫妻も
「おお 山ちゃん素晴らしいね これからも頑張ってね」
「アレックスさん ありがとうございます 実はここだけですが」
神山はアレックス氏に乾燥した牛肉 ビーフジャーキーを
アレックスブランドでだし御殿場アウトレットで試験的な
販売計画がある事を伝えた
「それはいい 保存が簡単だし でも上手く行くかな」
「それはこれから考えます」
「わかった 任せる お金は自由につかってください
これが成功すれば 世界中で販売できる」
「ええ そうです その広告もアルタが全部行います」
「わかった なにか有ったら 日本に来るよ 頼んだよ」
アレックス夫妻は夜の食事を楽しみにしていると言って会場を出て行った
時田は内藤社長と会場費の費用確認を終ると神山と洋子に
「では ワシらはお先に失礼する 今日はご苦労様でした」
神山と洋子は二人を見送ると
「洋子 おなかが空いたね 軽くサンドイッチでも食べよう」
「ええ わたし ペコペコよ」
神山と洋子はホテル内にあるカフェに立ち寄り軽食を口にした

次長室に戻ると両手に一杯の荷物をテーブルに置き洋子が
「いつもそうだけど 今日のあなたはもっと素敵だったわ」
そう言って熱いキスをした
神山が元気になるのが洋子の下半身が受け取って
「特別よ」
そう言いスーツを脱いでストッキング姿になり神山を挑発すると
神山は洋子をソファーに押し倒して交わった
洋子も気持ちが高ぶっているのか普段より感じていたし
神山も次長室という中でのSEXは初めてだったので気分が高ぶった
二人は一緒に昇天し洋子が
「このお部屋ですると 別世界でSEXしているみたい 癖になるわ」
「うん ぼくもそう思ったよ」
二人はソファーを汚さないようにして着替えを済ませた 洋子が
「う~ん まだ匂うわね 窓を開けましょう」
洋子が窓を開けるとビルの谷間から吹き付ける風が部屋の中に入ってきた
神山がタバコを吸いながら祝儀袋を開けていくと洋子がメモを取った
全部の祝儀袋を開け金額を計算した洋子は
「ねえ 凄い金額よ 4200万円になったわ へぇ~」
神山と洋子は詰まれたお札を即席に作った紙テープで
100万円ごと束にした
「洋子に特別ボーナス 1200万円」
神山はその札束を洋子に12個差し出した
「僕は1000万円貰うよ 残りを軍資金に廻そう いいね」
洋子は頷き2000万円を受け取り自分の引き出しに入れた
洋子が
「ねぇ 驚かないで 今 1億有るわ」
「へぇ~ そんなに 使い切れないな」
「ねぇ あなたこれだけあるんだから そのボールペン新しくしましょう」
「だって書ければいいよ」
「でも これから色々とあるでしょ 私も買いたいわ」
「わかった では文房具にいくか」
「ええ でも田中やさんの方が揃っているわ」

神山と洋子は歩いて直ぐの『銀座 田中や』に入った
ここは文房具なら殆どのメーカーが揃っていて何でも揃える事が出来る
銀座で唯一のお店でだった
3階のフロアに行くと有名ブランドのコーナーが幾つもあり
神山と洋子は迷っていたがボールペンの書き味が抜群の
カランダッシュコーナーで足を止めた
鉛筆のような六角形のボディーで凄くシンプルな作りも神山の気をひいた
洋子も書き味が今まで味わった事が無くほれ込んで気に入った
ボールペンの芯は太さが違うだけでボディーで金額が変ってきた
神山が安いのを選ぶと洋子は一番高いのを選んで
「あなた これもお仕事です 分って下さいね」 
そう言い 六角形で一番高いセット80万円だったがを2つ買い
ボディーに神山と洋子の名前を入れてもらった
神山はアレックス夫妻用に丸いボディーで一番高いセット240万円を
2つ買い名前をボディーに彫刻してもらった
神山と洋子は
「これでいいお土産が出来たわね」
「うん 日本人向けに作られた漆とゴールドの組み合わせが素敵だよ」

神山と洋子は次長室に戻るとアレックス夫人から電話が入った
今 書類の最終確認をしているところで20分もあれば出られると
言われ洋子は鈴やの1階案内所から電話を頂ければ直ぐに
伺うと伝えた
「あと少しで終ると言っていました
案内所から電話を貰う事になっています」
「うん 落ち度が有ってはいけないので一応サービス課に電話を
入れておいて下さいね」
洋子は到着時間を計算してサービス課に電話連絡をしておいた
「そうすると 早くてあと30分位か」
神山は時計を見ると17時30分を指していたので洋子に
「ここを紹介したかったが時間的にどうかな」
「大丈夫でしょ ここに来られても」
「そうしたら 一回ここに来てからでようか?」
「ええ 問題ないと思いますよ」
「わかった そうしよう」
神山は洋子と話を決めるとソファーを立って次長席にすわり
昨日書いた御殿場アウトレットのスケッチを見直して書き加えたりした
洋子が
「先ほどの東都食品との契約書です 見てください」
神山は何回も読み直したが 自分だけが最高責任者では如何と思い
「うん ありがとう これ保留にする 鈴や食品を絡ませたい」
「はい 分りました」 
戻る洋子のお尻を見ているとむずむずして
「洋子 ちょっと」
神山を振りかかえり次長席に戻って来ると
「洋子 こっちへ」
と次長席の自分が座っているほうにくるよう言うと
洋子は神山の上にちょこんと座って
「また 元気になったの」 
「うん まあ」
「もう だめよ 私のあそこ可笑しいから まだ入っているもん」
洋子はそう言い 立ち上がって神山のおちんちんを触ると
大きく硬くなっていたので洋子は自分からGパンとショーツを下ろし
形のいい綺麗なお尻を神山に見せ
「あまり 早くしないで」
そう言って神山の肉棒を待っていた
神山もGパンとショーツを下げ肉棒を洋子の秘所に差し込んだ
「あっ うっ うっ~ きもちいいわ」
洋子も欲しかったのか直ぐに自分から腰を動かしてきた
「あっ あっ うっ~ すごくいい あ~」
「僕もだ ほらどんどん硬くなっている」
「あっ あっ ほんと わかるわ いい~」
神山と洋子は段々とスピードを上げていき
神山がシャツの下からブラジャーをずらして乳房を揉むと
「あつっ あうぅ あぅ~ いいわ~ ねぇいきそうよ」
洋子は片手を神山の肉棒の付け根を握った
一層硬くなった肉棒は洋子を容赦なく攻め続け
「あなた い・く・わ~ あっ うっ うっ~」
「ぼくも出そうだ」
「きて~ 早く あっ あっ うっ うっ~ だめ~」
それを合図に洋子は昇天してしまった
神山もきゅんと狭まった膣の中に発射してしまった
暫く机にうつ伏せになっていた洋子が
「もう せっかく落ち着いていたのに また可笑しくなったわ」
「でも 中は大丈夫だよ」
「ば~か そこだけの問題じゃないの ほんと単純なんだから」
洋子が振り返ってGパンをあげようとしたので神山は前から
秘所に手を滑り込ませると洋子は腰を引いて
「ほんと だめ お願いだから辞めて」
洋子は神山の肉棒をポンと叩いて手を払った
「ほら 早くしまいなさいよ 目障りなんだから もう」
神山は仕方なくショーツに納めてGパンを引き上げた 
「しかし あなたは凄いわね 普通2、3日に一回SEXすれば満足でしょ
だけど貴方は 1日に最低一回でしょ 私がもたないわよ」
「大丈夫だよ もつって これから毎日3回位頑張ろう」
「もう やめて 頭がいたくなるって」
洋子は再び窓を開けて部屋の喚起をした
「それで仕事が出来るから 大した物よね 不思議ね」
「そう ここが元気じゃないと仕事にならないんだ」
「そうね あなたの場合はね 私は 違いますからね
1週間に1回でOKです 壊れるわもう」

洋子が席に戻ると1階の案内所から電話があり
アレックス夫妻がお見えになったと連絡が入った
神山と洋子は部屋を出て案内所に行くと
「山ちゃん 早く済んだから来たよ」
「お待ちしていました まずは私の事務室をごらん下さい」
神山と洋子はアレックス夫妻を次長室に案内した
部屋に入るなりアレックス夫妻は
「おお 素晴らしい なんともいえない世界だ ここで仕事しているの」
「ええ そうですね」
「いいな この感覚が必要じゃ 奇抜だけどけばけばしていない
バランスが素晴らしい」
洋子がソファーを勧めるとアレックス夫妻は座って
「このソファーは気に入っている ロスの別荘で使っているよ
気持ちがいいね」
神山も向かい側のソファーに座ると洋子は冷蔵庫から地ビールを出して
用意したグラスに注いだ 洋子が座ったところで神山が
「アレックス夫妻のご訪問に感謝をして乾杯」
神山と洋子 アレックス夫妻は部屋のデザインで盛り上がった
「この床が素晴らしい これも山ちゃんのデザインかな」
「ええ そうです 色々と迷いましたがこれに決定しました」
「床と造作と一体化していてなんとも不思議な世界じゃな」
アレックス氏は余程神山のデザイン感覚が気に入ったのか誉めた
洋子が神山にカランダッシュセットのサインを出すと
立ち上がってお尻をアレックス氏に見せる角度になると
「おお 素晴らしいお尻だ 綺麗だ」
そう言うと夫人が立ち上がって洋子の脇に立ち
「私だって まだ大丈夫でしょ」
と 二人でお尻を振って男達を楽しませた
夫人が座り洋子が神山にプレゼントを渡すと
「これは ブレザーほどの強力な権限は無いが契約書を交わす
その時に使って頂けると嬉しいので選びました」
アレックス夫妻は中を開けて驚き
「この黒っぽい部分は奥深い色を出しているね」
「ええ 日本の伝統工芸 漆加工です」
神山は漆の良さなど伝統工芸品のことを簡単に説明した
「そうすると 1000円では買えないね」
4人が大笑いしている時に洋子が紙を用意して試し書きを勧め
アレックス夫妻が書いてみると滑らかで握りが良く
「山ちゃん ありがとうございます 大切に使わせてもらうよ」
「ここに 名前が彫刻されていますよ ねっ」
「おお 凄い細かい事を日本人はするのですね ありがとうございます」
アレックス夫妻が先ほどのブレザーは何処にあるのかと尋ねたので
神山は作り付けのクローゼットを開けて見せると
「おお ここがクローゼットになっているんですね 素晴らしい
先ほどのスーツもここに有っていつでも着られるようになっている
素晴らしい しかし着替える時は」
「ええ ここで彼女のお尻を見ながら着替えています」
「おお いい事ですね 私もそうしよう 中々のアイディアだ」

洋子がそれ以上言われないように
「そろそろ お寿司を食べに行きましょうか」
アレックス夫妻と神山と洋子が立ち上がって部屋を出た
「隣りのここが催事課でつい先日まで働いていた所です」
神山はそう言い 部屋に入ると全員が揃っていて
アレックス夫妻がここにこられた事にみんなビックリし挨拶を忘れた
「おお 凄くいいデザイン事務所だ 私のところと変らない」
奥村課長がようやくアレックス夫妻に近づき挨拶をし
アレックス夫妻も快く握手をして部屋を出た
洋子がタクシーを拾って上原と行き先を告げ
神山が前に乗って洋子が婦人の隣りに座った
夫人と気が合うのかずーっと話をしていた
アレックス氏と神山は完全に無視をされていた
上原に着くと神山が先に歩いて駅前寿司に入った
女将は神山を見て奥の座敷に案内した
4人が座ると間もなくビールと鮮魚の盛り合わせが出てきた
夫人が
「美味しそう お魚の色がいいわ」
神山が皆にビールをグラスに注ぎ乾杯をした
夫人が美味しいと言って箸を盛んに動かし洋子に
「貴方はこんなに美味しい魚を何時も食べるの?」
「ええ 食べていますよ 他ではこんなに美味しくないでしょ」
アレックス氏も美味しいと言ってよく食べた
神山は日本人と違って食べる量が多いと思って女将に
鮮魚をどんどんと持ってくるように伝えると
「今日 しめ鯖が美味しいですよ 持って来ましょうか 切り身で」
神山はしめ鯖も頼んだ 洋子に
「喜んでもらって 良かったね」
「ええ 凄い勢いで食べていますよ ほんと良かったわ」
洋子はにこにこ笑って神山のほほに軽くキスをした
ビールが無くなったので冷酒を頼んだ
女将が
「香りが良いのと 辛口と有りますがどうされますか」
「うん 2種類持ってきて 温まらないように氷を入れた器に入れて」
暫くするとどんぶりの大きい器に氷を入れて冷酒が運ばれた
アレックス夫妻は2種類呑んでどちらも美味しいと言って
2種類の冷酒を楽しんで呑んでいた
アレックス氏はしめ鯖を気に入った様子で美味しいと言って
一人で半分近く食べてしまった 夫人から
「皆さんで食べるのに少し自重しなさい」
と注意されたので
「大丈夫ですよ ご安心下さい まだ一杯有りますから」
アレックス氏は夫人の言葉が効いたのか 返事が無かった
静かになった雰囲気を洋子が和やかにしてまた呑んだり食べたりした
神山はタイミングをみて女将にネギとろの普通巻きを頼んだが
「どうやって作りますか」
「うん 細巻きの倍にして作って そうね2本じゃ足りないから6本」
「はい 分りました でも大丈夫ですかそんなに食べられるかしら」
「うん 僕らも食べるから それから今日のイクラは美味しい」
「ええ 結構美味しいですよ」 
「そうしたら イクラの軍艦を10個貰える」
「はい 分りました」
女将は本当に食べられるか心配したが
注文したネギとろも美味しいと言ってよく食べイクラの軍艦巻きも食べた
神山と洋子は少し飽きれ
「しかし どこに入るのかしら 彼女は太っていないのに凄いわね」
アレックス夫妻が元々神山と洋子より大きいので分るが
夫人のたべっぷりには驚いた
神山と洋子もつられて話をしながら食べていたが少し限界に近かった
アレックス夫妻がアルコールのせいか食が落ちて来たので
神山と洋子は少し安心した
アレックス氏が
「山ちゃん 凄く美味しいよ 初めてだよありがとうございます
いい記念になるよ」
「ええ 私もニューヨークでよく食べるけど 全然違うわね
オートモより美味しい ほんとよ 幸せだわ」
アレックス夫妻が満足してくれたので神山と洋子はホッとした
神山と洋子は残っている食べ物を食べて綺麗にすると
「山ちゃん 洋子さん 今度は私が招待する 付いて来てね」
神山は頷いて洋子が清算をしてタクシーで赤坂に向い
外人専用のカクテルバーに入った

このお店は世界各国大使館高官など重要人物が出入りすることで
有名な『アフターシックス』という店だった
受付でアレックス氏を確認するとバギースタイルの女性が
アレックス氏の専用席に案内した
このお店は民間日本人は勿論 一見の外国人も入店できない規則があって
神山は民間日本人で最初に入った人物だと説明された
暗くてよく分らないが 政府高官の姿も確認できた事で
アレックス氏の言うようにチェックが厳しい事は分った
「山ちゃん なにを呑む?」
「そうしたら ドライマティニーでお願いします」
洋子はトマトジュースベースのカクテルを注文した
ここは洋子が良く行く表参道にあるカクテルバーの上級クラスだった
流れる音楽やセンターがステージになっていて構成は一緒だった
違うのはテーブル席で衝立で仕切りが施され隣りのブースとは
切り離され隣同士で楽しむ雰囲気ではなかった
注文したドリンクが運ばれるとアレックス氏が乾杯をした
みんなで楽しく呑んでいると流れている曲がポップスに変り
「山ちゃん 洋子さん 踊ろう」
アレックスの先導で4人はセンターでみんなと一緒にツイストを踊ったが
外人より上手な神山と洋子に廻りは見とれていた
次々に曲が流れ4曲目に二人とも席に戻るとアレックス氏が
「二人とも元気だ 私は2曲でリタイアしたよ
ここは面白いゲームが有るんだ 今のツイストを二人で5曲踊ると
非常に楽しいプレゼントがある」
アレックス氏が教えてくれた時に 場内は沸いた
5曲を踊ったカップルがいたのでその表彰式だと案内があった
センターにカップルが並んでその時を待つと 正装した紳士が
二人にクリームピザを渡し その紳士の顔にちゃんと当てれば良いと
非常に簡単なゲームだった
そのカップルはちゃんと顔に当てて見事今日の会計を無料にした
「どうだね ワシのために今度挑戦してくれれるかな」
「ええ ここが無料になるんだったら ねぇ洋子」
「ええ ピザを投げてみたいわ」
神山は最後まで踊れるようにカクテルを少し控えた
ステージではエロチックでコミカルなショーが始まった
神山はゴテンバ グランド インを思い出していたが
洋子は目の前で繰り広げられる踊りに夢中だった
からだをボディーストッキングだけの男女が踊っていたが
男性が横になって仰向けで寝るともう一人の女性が出てきて
顔を跨いだり腰を跨いだりと洋子が体験したばかりの光景を見て
両手で顔を隠してしまった神山が
「ほら 見てごらん 面白いよ ねぇ」
そう言われて両手の間から覗くと 顔に跨いだ女性はなにやら
用足しをしているように見え男性がいやいやをし結構楽しかった
会場から 盛大な拍手がってショーは終った
流れて来た曲はバラードであちこちのテーブルからカップルが
出てきてダンスを楽しんでいた アレックス氏が
「さあ 踊ってきなさい ワシはここで見ている」
神山と洋子はアレックス氏に送り出されて 先日踊ったように
洋子が神山の首の後ろで両手を交差させて神山が両手を洋子の腰を支え
リズムを取って踊っていた だんだんと足運びがそろうと
神山が動くと洋子も腰をつけてステップを揃えていた
曲も最後になりかけた時に神山は瞬時に廻りに誰もいないことを
確認して 曲のエンディングに合わせて洋子を少し横にして
ひと回りして終った 周りからもアレックス夫妻からも拍手を貰った
席に戻ると夫人が
「私にもしてくれる」
「ええ 良いですよ」
夫人は嬉しそうにアレックス氏にピースサインを出して
神山と一緒にセンターで踊った
この時はやはり夫人が有名人なのか 踊りを遠慮をしてセンターを
二人に明渡しテーブルで見ていた
夫人も洋子と同じ様に神山に腰を押し付けてステップも上手に
神山と息が合ってきた ただ身長が神山と同じ位なので
少し見栄えが良くなかったが それでも踊る格好が決まっていて
いよいよ曲のラストになると神山は先ほどと違い
夫人を少し抱き上げて真横にして一回りし終えると
周りからは拍手が盛大に起こり指笛もなりやまなかった
席に戻ると夫人は興奮していて
「すごいわ 踊っていたら急に天井が見えたの ビックリ」
「ええ 美しかったのでそうさせて貰いました」
洋子も
「凄く綺麗だったわ だけど貴方は夫人に腰を押し付けすぎよ
すこし厭らしかったわ もう 私の時はああじゃなかったから」
「まあまあ 洋子さん ワシも焼いているよ わしの時は
あそこまで腰を付けてくれないよ ははは」
4人は又 大爆笑だった
アレックス夫妻と話していると アメリカナ大使館の高官がやってきて
「アレックスさん 紹介してください なかなかいい男だね」
そう言われてアレックスは 神山と洋子を紹介すると
「そうか そんなに切れ者か 神山さん何かあったら
お力になれるかもしれない 連絡を下さい 
何しろアレックスさんに気に入られる事は非常に珍しい では」
アメリカナ大使館の高官がそう言い帰った
「彼は非常に優秀な人物で日本通でもある 今度一緒に食事をして
親交を深めておけばアメリカナを見方に出来るよ」
「ありがとうございます 近いうちに連絡をします」
「なにしろ 彼は家内の大ファンで結婚と聞いてガッカリしていたそうだ」
神山と洋子は楽しい時間だったがアレックス氏が帰ると言い出したので
帰り仕度をするとアレックス氏が
「ここのカードだ 名前も神山になっている このカードを使いなさい
ここは このカードが無ければ入れない 今後 私がいなくても
山ちゃんのカードで入れるよ では失礼する」
神山と洋子はアレックス夫妻にお辞儀をして席について
「さあ どうする 洋子」
洋子は時計を見るとまだ22時を回った所だが
「少し 静かになりたいな」
神山はバニーガールにチェックを頼むと
「全て 済んでいます アレックス氏のカードで」
神山と洋子はお礼を言って店を出るとタクシーで
代々木のマンションへ向った

部屋に入ると洋子は浴室に行って洗濯物をたたんでボストンにしまった
神山がソファーに座ると洋子が
「ねぇ ゆっくりと湯に浸からない」
「うん そうだね そうしよう」
神山が浴室に行くともう湯船に湯が溜まっていた
先ほど洋子が貯めたのだと感心した
神山が居間に戻って裸になると洋子は寝室で脱いだのか
バスタオルを巻いて出てきた
二人でシャワーを簡単に流し湯船に浸かっていると洋子が
「あ~あ 今日はなんだか大変な一日だったわね」
「うん お疲れ様でした 正直こんなに忙しいとは思わなかったよ」
「そう 気疲れね きっと 普段ならなんてこと無いもん」
「気疲れだね 完全に お疲れ様」
二人は 寄り添って夜空をぼんやりを眺めていた
今夜だけは二人ともこのままゆっくりしたいと思っていた
神山も洋子も仕事のことは口に出さなかったが洋子が
「アレックス夫妻も大変ね さっき聞いたらこの後ロンドンへ行くって
それでパリに寄って帰国すると言っていたわ」
「うん 世界中を分刻みで動いているんだね 大変だ 僕は出来ないな」
二人は再び静かな夜を満喫していた
洋子が立ち上がって浴室から出ると冷蔵庫から地ビールを出して
「はい」
神山に渡し 二人で缶のまま乾杯をしてまた夜空を楽しんだ
「さあ出よう どうするここに泊まれる?」
「うん そうしたいけど 帰ります ごめんなさい」
「わかった」
「怒っている?今夜泊まる事は言っていないの だから」
「うん 分っているよ」
神山は多分駄目だろうと思ったがやはり無理だった
今夜は祥子も実家に帰って居ないので二人でここに泊まろうと思った
二人が帰り仕度を終わり洋子が部屋の中を見回し終ると神山が
「ねぇ 洋子 明日は休んでくれ ここ休んでいないし」
「そんな 貴方は?」
「うん 一応次長室に出るけど休みにするよ だから明日秘書課に
休みと連絡をして欲しい」
「分ったわ そうしたら どこかドライブに行く?」
「ううん 洋子は完全休養に当ててくれ 月曜日から忙しくなるから
アルタのGプロジェクトも動き始めるし 休める時に休んでくれ」
「はい 分りました ほんとごめんなさい」
二人はもう一度部屋を見渡して出た 
タクシーが来たので先に洋子を見送り神山は次に来たタクシーで帰った






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