2013年5月3日金曜日

薔薇 7 - 32 Vol. 3



「ところで Jrの秘書は居ないのか?」
「今 お産で休んでいる 私の嫁です あと3ヶ月でジュニアができる」
「そうか おめでとう それまで一人ではきついな どうだ誰か居ないか」
「う~ん」
「だって 生まれても直ぐに復帰できないだろう これから大変な時期だし」
「う~ん 神山さん 難しいよ」
「そうしたら ジャック夫人 人選をお願いします いいですね」
「はい 分りました 決まったらFAXします」
「お願いしますね 大事な仕事です 最終決定は私がします 
2,3人選んで下さい」
「そうですね 分ったわ お願いしますね」
アルタの二人は大体2日で出来る事と経費が300万かかる事を伝えた
神山はOKをだして 至急デザインをして簡単な図面を次長室に
持ってくる事を伝えた Jrが
「空いたスペースはどうするのか」
「うん 打ち合わせの会議室にする ここもガラス張りだよ」
Jrは頷いて神山と握手をした
神山は社長室に皆を呼んで御殿場アウトレットの簡単な説明をした
まだデザインは決定していないのでここまでしか話せないことなど説明した
Jrやジャックは頷いて 神山と固い握手をした

アレックスジャパンを出た神山と洋子は近くにあるアメリカナ大使館を
訪れ高官に挨拶をした
ジョン ブラームス氏は海軍で大佐をしている凄腕で
「よく来ました」
「先程はありがとうございます 助かりました」
「ああ言うのがいて困ります しかし神山さんは凄い CCAから聞いたが
ナイフを持った男をやっつけるなんて素晴らしい」
「ええ しかし彼の目は死んでいました だから簡単だった」
神山と洋子はアフターシックスでまた会う約束をしてジョンと別れ
銀座に着いて車をホテルの地下駐車場に止めると
「さあ 何を食べようか」
時計は12時30分を廻っていた
「この時間は込んでいるでしょ だから一回部屋に戻ってからにしましょう」
「うん そうだね 13時頃にでよう」
神山と洋子は部屋に入ると自分の席に座って整理をした 神山が
「ねえ 洋子 この書類だけどファイリングをしておいて下さい」
「は~い 分りました」
洋子は造り棚のファイルにしまうと
「さて 着替えよっと」
と言って神山の前で着替えを始めた
タイトなスカートを脱いでパンスト姿になると
「ねえ 駄目よ もうパンストないから」
先に言われて神山は元気を無くした
Gパンを穿いて普段の格好になると
「ねぇ 今夜泊まれるわよ だからそれまで我慢してね」
「そうか でも」
「だって今夜は催事課への慰労会でしょ だから遅くなるし」
「そうだったね 築地に行くんだね 確認はしている?」
「ええ 大丈夫よ」
「ありがとう」
神山はアルタの高橋に電話をして
「どう 準備は」
「ええ 順調ですよ 今お昼で鈴やさんの社食で食べています」
「わかった 何時頃終るかな」
「ええ 4時か5時には終りますがなにか?」
「うん まあ明日からの旅の出発をお祝いしようと考えていた」
「ありがとうございます 場所は」
「うん Gプロジェクトの部屋でいいでしょう 17時から始めよう
僕は18時前に出るけどね では後で部屋に行きます」
神山は洋子にアルタの小谷が17時で出られるか聞いた
「ええ 先程人事に指示を出して17時に出られるようしました」
「直接行くのかな」
「ええ 場所を教えましたので直接くると思います」
「そうしたら 彼女にここに来て貰って一緒にタクシーでいこう」
「ええ でも部屋は閉まっていますよ」
「うん 着いたら洋子に電話するようにしておけば大丈夫だよ」
「はい」
洋子はアルタの小谷 美佳に電話をして次長室に来るよう指示をした
神山は17時からの件で
「洋子 17時からのパーティーでワインを出すか」
「ええ いいですね おしゃれで そうすると洋風オードブルで
揃えましょうか」
「うん 10人前位あれば足りるだろう 僕らは途中で抜けるし」
「は~い 分りました ビールは先にここで冷やしますか」
「いや売場で冷たくしてもらって17時にGプロジェクトへ
持って来て貰う方がいいでしょ あとオードブルは中華も入れよう
専門店に僕の名前を言っていくつか出来たてを持ってきてもらおう
取り皿やお手元は付いて来ると思うが確認してください」
「は~い 分りました」
洋子は早速フランス料理の専門店 イタリヤ料理の専門店 
中華料理の専門店に電話をして17時にGプロジェクトへ持って来るように
頼んだ 酒売場に電話をしてビール1ケースとワインを3本を
Gプロジェクトの部屋に持って来て貰うように頼んだ
「さあでは 何を食べようか」
「スパゲッティーが食べたいわ」
「そうか 店だと煩いから 外で食べよう」
「ふぁ~ 嬉しいわ」

神山と洋子は銀座通りを歩いてイタリアン料理の店に入った
「僕は決まっているんだ 洋子は何にしますか」
「私は カルボナーラがいいわ」
神山はカルボナーラと紫蘇とアサリのコンビニアンコを頼んだ
サラダは追加してハーフボトルのワインを注文した
最初グラスビールで乾杯してサラダを食べていると
「貴方は 何故強いの さっきナイフが見えたとき怖かったわ」
「うん 小さい頃いろいろな武道を学んだよ だからそれが役に立っている」
「最後にボーンを蹴ったでしょ あれはやり過ぎと思ったけど」
「うん でも動けなくするにはあれしか手が無かった だって
あの時もナイフをこちらに向けていたでしょ 咄嗟の判断さ」
「そうなんだ でも良かったわ 何ともなくて 
これからアレックスジャパンは良くなるわね」
「うん でないと困るよ Jrもジャックにも頑張ってもらわなければ」
「まずは大掃除ね 車は売ったし あと人事ね 多すぎるわね 
幾ら中枢の部署と言っても、、、」
「どうしたらいい」
「ええ 私が見ると3分の1は減らせるわ 営業に移行させるか
退職ね まだ給与を見ていないけど結構な額が浮く筈よ」
「そうか わかった ジャック夫人と進めて資料を下さい」
洋子は早速ジャック夫人に電話をして 資料集めの指示を出した
お互い人事の仕事をしていた事で話がスムースに流れた
ジャック夫人は内容を聞いて 給与関係資料も直ぐ作り
ファイルにして次長室に持ってくると言った
洋子は強い見方を得たと嬉しかった
神山と洋子は美味しく食べて満足して次長室に戻った

「あ~あ おなかが一杯だ 洋子 運動しようよ」
「もう 駄目です 今夜まで」
神山は洋子のお尻を触ってGプロジェクトの部屋に入った
「山ちゃん ありがとうございます みんな喜んでいます」
「うん 孝ちゃん達に頑張ってもらわないと首になるし」
「そんな事無いですよ それからこれ内藤社長からです」
「どうしたの」
「この話をしたら 内藤社長が喜んでくれて先程使いが持ってきました」
神山は手紙が入っているので読んで見ると
【軍資金を当てての勉強旅行 出発パーティー ありがとうございます
これを少し足しにしてください 内藤】
神山は現金は見ないでポケットに閉まった
「孝ちゃん 17時には料理が来ますからお願いしますね
僕もその時間になったら上がってきます それからその冷蔵庫だけど
運転している?」
「ええ さっきビールを買って入れてます」
「たはー ビールを買っちゃった まあいいや」
「えっ」
「うん それで 冷えている」
「ええ 冷たいのを買ってきました あとウーロン茶とか」
「わかった では」
神山は重要な話が無かったので次長室に戻ろうと考えたが
洋子のお尻を見るとむずむずするので隣りの催事課へ行った
今日は慰労会とあって全員が顔を揃えていた 杉田が
「先輩 昨日はご馳走様でした」
そう言うと
「ほら テツ 挨拶しろってば」
屋敷が
「神山次長 ご馳走様でした ありがとうございます」
「うん 頑張ってな 焦らずゆっくりな」
「おう 山ちゃん いらっしゃい どうしたの」
「ええ 昨夜 翔が酔っ払って大丈夫かと思いまして」
「また 先輩 ちゃんと帰りましたよ」
「うん 屋敷君に送ってもらったんだろ 車で」
「先輩 駄目です あ~あ ばらっしゃった」
「おう 翔 酔っ払ったのは 翔か さっきはテツって言ってたぞ」 
杉田が皆に
「すみません 私です 酔っ払って送って貰ったのは テツごめんなさい」
「なんだ 翔 そんな事格好悪くないから正直に話せばいいのに
だって 屋敷君に借りを作るぞ」
「はい もうしません」
しょぼくれている杉田に屋敷が
「先輩 大丈夫ですよ これからも美味くやりましょう」
「ばかだな もう分ったテツに借りないよう考える まったく 誘惑するな」
奥村課長が
「山ちゃん ご苦労様 赤坂だけど良かったよ クリアしたし 130%だ」
「良かったですね あとオートモですね」
「うん 翔オートモはどうなっている 山ちゃんのデザインは知っているが
その後進んでいるか」
「ええ 少しですがスケッチをしています」
「うん わかった」
「課長 いいコンビじゃないですか」
「うん ひやひやするけどな まあ2,3年後だな」
「ええ そうですね それと6時には築地に着けるように
してくださいね お願いします 準備をしていますから」
「うん わかった タクシー2台でいくつもりだよ」
神山は財布から1万円札をだして
「これは行き帰りで使ってください お願いします」
「うん ありがとう 残ったら呑んじゃうよ」
「ええ かまいません 使ってください では6時に向こうで」

そう言うと神山は部屋を出て次長室に入った
「お帰りなさい」
「うん」
神山は次長席に座って内藤の手紙を分らないように刻んで捨てて
現金を封筒から出すと300万円入っていた
神山は引出しに入れて洋子には話さなかった
「ねえ Gプロの支払いは」
「ええ 今してきました 全部で8万円でした結構安くしてくれましたよ」
「わかった ありがとう それで今夜は10万位かな」
「ええ 幾ら呑んでもそんなに行かないでしょ」 
「うん そうだね まあ何時ものように50は持っていく」
「ええ それがいいですね」
神山はこれ以上話すとむずむずが起きるので仕事をした
アレックスジャパンブースのデザインを考えていたが昨夜考えた
以上にいいアイディアが浮かぶず鉛筆を放り投げた
「あ~あ 洋子が欲しいな~ 駄目だ あ~あ」

神山が独り言を言っていると洋子が
「私の責任にしないで下さい」
と言い部屋を出て行った 神山はなんか不味い事を
言ったかと反省していると何事も無いように戻ってきた
「どうしたの 突然」
「私だって おしっこします ば~か」 
神山はやられたと思ってまた仕事に熱中したがどうしても集中出来なかった
そんな時に副社長の時田から電話があって洋子が
「副社長のおじ様から電話よ」
神山は自分の席にある電話機のボタンを押して洋子に頷き話をした
「はい 神山ですが」
「おお ワシじゃ 先日の御殿場アウトレットの件
静岡県の発案者が分ったぞ メモしてくれ」
「はい ありがとうございます」 
「県の国土開発課の山城さんて方だ 係長をしているそうだ
これでいいか」
「はい ありがとうございます では早速連絡をします」
「うん 頼んだよ」
神山は電話を切ると早速電話をした
「私は株式会社鈴やの神山と申します 今回御殿場アウトレットに
出店をしますが 静岡県のスタンスなどをお伺いしたく
お目にかかって説明を受けたいと思っております」
「はい ありがとうございます すでにプロジェアクトが出来て
動いています どうでしょう 私だけで宜しいのでしょうか」
「はい まずは発案者さまのご意見を伺いたいと思います」
「そうしますと 明日の午前中は如何でしょうか」
「はい 分りました なるべく早く伺います」
「ええ お待ちしています」 
神山は洋子に
「明日 10時頃 静岡県庁国土開発課 山城さんで予定をいれて」
「は~い 分りました 女性ですか」
「うん なんで?」
「いいえ あなたは女性に弱いから 心配したのよ」
「もう 仕事 仕事」
「お仕事で 私をこんなにしたでしょ もう」
「さあ 仕事 静岡県庁の人脈を分る範囲で調べて」
「は~い 分りました 出来ていますよ とっくに」
「ありがとう もう」

神山は冷蔵庫からビールを出して呑んでいると副社長の時田が部屋に来た
「おお ここが山ちゃんの城か いいな もう呑んでいるのか」
「いらっしゃいませ ええ今洋子さんにこけにされて はい」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して時田に渡しソファーを勧めた 
「うん どうだった 県は」
「ええ 明日午前中のアポを取りました 実は」
神山はGプロで見せたスケッチを時田に説明しながら見せると
「うん 山ちゃんの言うように県の見解が必要になってくるな」
「ええ それで発案者が必要になってきたわけです
今聞いた所 プロジェクトチームが出来ているとの事でした
今回は山城さんの意見を聞いて作戦を練った上で改めてと考えています」
「うん そうだな ワシに出来る事あったら相談しなさい」
「はい ありがとうございます」
「しかし うまいなこの地ビールは」
「ええ この地ビールの販売権も鈴やで取ろうと考えているんですが
今は御殿場アウトレットを先行させてからと考えています
御殿場アウトレットの販売権はアルタが取りましたから
アルタを刺激しないよう動こうと思っています」
「うん 内藤社長を怒らすと元も子も無くなるしな」
「ええ 難しいタイミングですね」
「うん そうだな」
神山は時田がビールを全部呑んだのを見てもう一本出し勧めた
「どうだ 山ちゃん 洋子とうまく行っているか」
「ええ よく働いてくれています」
神山はアレックスジャパンのファイルを出して
「これ 全部洋子さんが速記で記録して作ったものです 素晴らしいです」
「そんなのはわかっている そのほら男女としてどうかと聞いているんじゃ」
洋子が
「大丈夫ですよ おじ様 神山さんて優しいの
もういつもキスをしてくれるわ」
時田は顔をほころばせて
「そうか よかった うん 頼んだよ山ちゃん では」 
神山は時田を見送ると洋子にお辞儀をして
「ありがとうございます 助かりました」
「わかった もう 私を大切にしないとおじ様 怒るわよ」
「わかったけど いつも大切にしているでしょ」
「だから」
洋子は顔を真っ赤にし 小さな声で
「だから ほどほどにしてください お願いします」
神山は洋子にキスをして抱きしめたが 程ほどにしてあきらめた
仕事に集中をしていると5時が近くなったのでタバコを吹かし
「洋子 そろそろ止めよう 5時になるよ」
「ええ 明日の資料も出来ています OKです」
神山はタバコを灰皿に捨てると洋子が部屋の外にある洗い場で
綺麗にしてきた 神山はゴミ箱をやはり部屋の外にある大きな
ゴミ箱に捨てて部屋に戻ってきた
「では Gプロへ行こうか」
「ええ その前に着替えるわ スーツに」
「えっ なんで」
「だって その方がけじめがつくでしょ」
洋子はそう言ってまた神山の前で着替え始めた
神山は窓の外を見ていて
「普通のビジネススーツでいいよ わかった」
「ええ もういいわよ こっちを向いても」
神山が振り向くと洋子はわざとスカートをたくし上げてお尻を振った
「もう 心臓に悪い 何がやさしくしてねだよ こっちだよほんと」
「まあ 嬉しくてしょうがないんでしょ ほら」
神山はこんなふうにしてしまった自分に情けなかった
「いくよ」

洋子はいつのまにか化粧をしていて驚くほど綺麗だった
5時を少し廻ってGプロの部屋に入ると高橋が
「山ちゃん 遅いです 3分待ちました」
皆で笑った
神山が席に座ると田中が用意したビールを皆に注いで廻った 神山が
「それでは Gプロの発足と勉強旅行の期待を込めて乾杯」
一同起立して乾杯をした 神山が
「今まで皆が何処に行くか聞いていなかったが教えて欲しいな」
高橋が
「僕は色々なところ 特に田舎を歩いてきます 何があるか分りませんが」
「うん そうだね 結構大物が釣れたりしてね」
そうしてメンバー全員の目的を聞いた
「そうすると 2班に分かれるわけだ」
「ええ その方が例え一緒の場所でも刺激があるし
有事のことを考えると いいかなって」
「うん 一緒だと結構その一言で発見できたりいいね 
わかりました それではどんどん食べて帰ってきて
いいアイディアをだして 返金をなくそうね」
高橋 内野 田中の3人が田舎周りを選び
田辺 山下の2人が海と山に挑むとやる気まんまんだった
神山は5月20日が楽しくなった
みんなで楽しく食べているとオードブルも半分近く無くなり
神山は丁度良かったと思い高橋に
「足りなかったら これでどこかで飲みなおししなさい」
そう言って3万円だし渡した
「ありがとうございます しかし 明日早いのでラーメンくらいなので
これお返ししますよ 今度お願いします」
神山は
「わかった では孝ちゃん 今度に取っておいてくれ ねっ」
高橋は仕方なさそうな顔で受け取った

そうしてる時に洋子に電話が入った 
「はい 田所ですが」
「こんばんわ 小谷です」
「今 何処?」
「ええ 次長室の前に来ています」
「わかったわ ちょっと待っていてね」
洋子が迎に行くというので 神山が時計を見るとまだ30分あったので  
この部屋に来るように言った
洋子が出ると
「孝ちゃん 椅子を一つ下さい お客さん」
田中が椅子を用意すると洋子が連れて来たのが会社の小谷だったので
「なーんだ 美佳か 誰かと思ったよ どうしたの今日は綺麗な服来て」
小谷 美佳は顔を赤らめながら 小さい声で
「ええ 催事課さんの慰労会に出ます」
「何で~ 関係ないじゃん 美佳は」
「ええ でも」
洋子が見かねて
「女の子には色々事情があるの そうやって苛めているから
美佳ちゃんに嫌われるの 分る」
洋子がぴっしゃっと言ったものだから一同シーンと静まった
「まあ 実は催事課で僕の部下だった杉田君と小谷美佳さんが
まだ手も繋いでいないが 何か心を打たれる所があって
今日 わざわざ来て貰ったんだ だから小谷君を温かくみて欲しい」
みんなが
「へぇ~ 美佳って そんなに純情だったんだ 分った ごめんな」
洋子が
「女の子にごめんな はないでしょ ごめんなさいと言いなさい」
「はい 美佳さんごめんなさい」
「そう 宜しい 120点」
みんなで笑ったが高橋が
「ねぇ 山ちゃんもああやって やられているの」
「うん さっきもやられた 何しろ本社の人事課ばりばりだもん
もう 怖い物知らずさ」
「そうか 山ちゃんでも駄目なら 僕なんか全然駄目だ
駅前寿司の時は こんなに怖くなかったけどね」
「うん 態度とか言葉使いとかがおろそかだと怒るね」
「うんうん なんとなくイメージできます」
洋子がさっき注意した田中がしょんぼりしているので
「田中君 美佳さんて素敵でしょ そう思わない」
「ええ 思います」
「そうしたら 素直に今日は綺麗だよって言ってあげれば喜ぶわよ
女って そう言う言葉に弱いのよ ねぇ美佳さん」
美佳は顔を赤くして
「ええ そうです」
「わかった 田中君」
「はい 分りました」
「宜しい そうしたら どんどん食べて元気だしてね
女って元気のない男は嫌いなの ねぇ美佳さん」
「ええ そして楽しいともっといいです」
「そうね 杉田君のことそんなに好きなんだ」
「ええ 勿論です 楽しいし何時も気を使ってくれるし
優しいですよ まだ電話だけですけど」
「ほら 田中君わかった 美佳さんも真剣よ 貴方も頑張ってね」
田中は少し考えて
「美佳 ごめんなさい 女の子としか見ていなかった ごめんなさい」
神山が
「では 僕たちはお先に失礼します 
きっと何かを掴んでくると信じています 元気に5月20日に
朝10時 ここで会いましょう 尚 高橋さんは
メンバーの監督として 時々報告ください
僕のほうも電話をします 
あと 全員の連絡先などを書いて今夜にでもFAX下さい
勿論携帯もお願いします」
高橋が
「山ちゃん 一応書いたの準備したけど見てくれる」
「おお 早いね 見せてね」
神山は全員の住所自宅電話番号 携帯番号を確認して
「孝ちゃん ありがとうございます OK では気を付けてね
それと タバコだけはきおつけてね 消して外に出してね」
神山はメンバーに手を振ってGプロの部屋を出た

次長室に寄り帰り仕度をした
「さあ 洋子さん タクシーでいこう」
「ええ」
洋子がタクシーを拾い神山が前に座り洋子と美佳は後ろに座った
「しかし美佳ちゃん 綺麗で美しいわ それでチャーミングで
ねえ 神山さん」
「うん 洋子さんの若い時と同じでしょ」
「また 何もでないわよ ねえ まったく」
3人でふざけていると銀座築地 寿司屋いせ丸についた
少し時間を過ぎてしまったが 神山は小谷に
「落ち着いてね」
神山は女将に挨拶をすると女将が
「神山様 いらっしゃいませ 皆様お待ちでございます」
「うん そうしたら 運んでください 今日は普段と違いますから
盛り合わせでいいですよ」
「はい 畏まりました では失礼します」
部屋に3人が入ると 皆がきょとんとしたが杉田は美佳をみて
顔を真っ赤にした
奥村課長が神山と洋子に上座を勧め美佳をどうするか迷った時に杉田が
「ここ 空いていますからここです」
そう言い 屋敷を少しずらせ美佳の席を作った
美佳はにこにこして杉田の脇に座って小さくなっていた
丁度 神山 洋子 美佳 杉田 屋敷と並んで洋子が話しやすい
席についた 奥村課長が
「え~ 神山次長のご好意で今夜 催事課の慰労会をさせていただく事に
なりました え~ そこで ありがとうございます です」
皆笑った 神山が 
「私の昇進に色々と骨をポキポキ折ってくださいまして
大変感謝しています ありがとうございます 今夜は
私の気持ちで御座いますのでどうぞごゆっくりしていってください
尚 今夜は特別ゲストとしまして私の部下である小谷美佳さんを
連れて来ました 彼女はアルタ本社受付業務をしております
どうぞよろしくお願いします 杉田くん頼んだよ」
突然言われた杉田は
「はい 幸せにします あっ違う 分りました」
一瞬みんなが静まり返ったので神山は
「実は二人は電話連絡だけで恋を実らせています
まだ小さいつぼみです みなさん温かく見守ってください」
これで みんなが納得をして拍手が沸いた 洋子が
「良かったわね これであなたも正々堂々とお付き合い出来るわね」
「神山常務 ありがとうございます」
「うん 良かったね 翔 ちゃんと話をしろよ 間違えて
まだプロポーズもしていないのに 美佳さん笑っていたぞ」 
ようやく杉田が美佳に
「ごめんなさい あの いつも思っている事が電話で言えなくて
君を見たら 言っちゃいました おれ慌てもんだから 許して」
屋敷が聞いていて
「美佳さん ほんと先輩でいいんですか あわてんぼうですよ」
「テツ 黙っていろ もう こっちは真剣なんだぞ もう」
「だって 先輩より僕の方がお似合いですよ ねぇ 美佳さん」
「テツの前に知り合っているの だからおれでいいの もう
テツ お願いします 壊さないで この通りねぇ」
みんなまたおおわらいをした





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