5月8日 金曜日 小雨
あれだけ疲れているのに神山は祥子の動きで目が覚めてしまった
「やあ おはよう」
「ごめんなさい 起こしてしまって」
「いや そんなことは無いよ 気にしないで ところで何時」
「ええ 8時30分よ 私はこれから出るので寝ていて」
祥子が下着姿でこれから何を着ようか迷っていた
「どうしたの 下着で」
「ええ 小雨が降っているの だからパンツで行こうか迷っているの」
祥子はストレートパンツを選んで素早くブラウスを着た
神山は後ろから抱き寄せてまだボタンが掛かっていないブラウスの下から
手を差し入れて乳房を揉んだ
「あっ 駄目よ あっ ほんと 時間が無いから」
神山はパンストの上から秘所を触ると喘ぎだしたが
「ねえ お願いだから触らないで 間に合わない」
仕方なしに神山は攻撃を止めて
「今夜は?」
「ええ 分らないのよ 電話をするわ」
「うん 分りました」
祥子は化粧をしないで雨具の用意をして
「では 行ってきます」
ニコニコしながら部屋を出て行った
神山は一人でこの部屋に居てもどうにもならないので自分の部屋に戻った
ベッドに入って再び眠て目を覚ますと10時30分になっていた
神山は冷蔵庫から地ビールを出してタバコを吹かしのんびりとしていた
テーブルには御殿場アウトレットのスケッチが置いてあったが
今日は隅に寄せてのんびりしたかった
神山は暫く横浜へ帰っていないので郵便物などの整理で
帰ろうと思ったが東京駅に出るのが面倒になり銀座に行った
タクシーで次長室が入っているビルの前に着くとビルから
洋子が傘をさそうとして出てきた
「おや 洋子」
「あれ あなた どうしたの」
「うん 車で横浜に行こうと思って」
「そうか 帰っていないもんね」
「洋子は」
「ええ アルタに行って自由費を貰って 部屋に置いて来たところよ」
「そうか 悪いことしたな ごめん」
「横浜か 行きたいけど今日は辞めるね 母親孝行をしています」
「うん ごめん」
神山がそう言った時に携帯電話がなって出てみると
「山ちゃん お元気ですか」
「おお 孝ちゃん 元気 どう」
「ええ 今 長野に来ているんですが とっても静かでのんびりです」
「良かったじゃないか それで」
「ええ いい温泉があったのでお知らせしたんです
山の幸 美味しいですよ それと日本酒 温泉です
場所を言いますね」
神山は高橋から聞いた事をメモにした
「ここは公共交通機関が無い所なので車が良いですよ
僕たちもレンターカーで見つけたんです 今夜は移動でお会い出来ませんが
骨休めにどうぞ お勧めです」
「ありがとう では気を付けて」
洋子が
「高橋さん?」
「うん 長野の山奥にいい温泉があって骨休めにどうぞって」
「ふぁ~いいな~」
「よし 明日とあさっては長野にいこう これも勉強だ いいね」
「は~い 分りました そうしたら住所教えて PCで調べて置きます」
「いいのか 母親孝行なのに」
「ええ そのくらいの時間はあるわ」
神山は高橋から聞いた地名を洋子に伝えると
「何かで聞いた覚えがあるわ ごめんなさい思い出せないわ」
「そうしたら 明日は9時に着てくれるかな」
「ええ 分ったわ なにか用意する物ある?」
「う~ん 別に無いよ 僕が揃えるよ 時間あるし」
「は~い 分りました では気をつけてね」
「そうだ 家まで送っていくよ」
「ううん いいの母から頼まれたお買い物もあるから」
「分りました では」
洋子は手を振って人ごみに消えていった
神山はホテルの地下駐車場から貴婦人を出して高速に乗り
羽田のトンネルをくぐり横浜に着た
部屋に入ると窓を開けて換気扇を廻した
郵便受けに入らない分は1階の管理人室で預かって貰っているので
管理人室に行くと事務員が紙袋に入れて保管してくれていた
部屋に戻って調べると殆どが破棄していいものばかりで重要書類も無かった
神山はその袋のまま管理人室に持っていってシュレッダーで細かくした
「神山さん 一杯溜まったわね」
「ええ いつも済みません」
「良いですよ それより ポストの下にある蓋を開けておけば
これからこぼれなくて済みますよ」
「そうか 気が付かなかった ありがとうございます」
神山は部屋に戻ると郵便受けの下が外れるようになっているのを確認して
ポストの下に大きいダンボールを置いた
この際と思っていらない物をゴミ袋に入れて整理をした
一休みして神山は冷蔵庫からビールを出してタバコを吹かしていると
1ヶ月前を思い出した 祥子とのめぐり合い 亜矢子 洋子と
3人の女性と残高約2億の現金 当時は全然予想出来なかった
それが現実で しかしこのあとどうなるか全然予想出来なかった
神山は一息ついたので 横浜をドライブしてみたかったが
雨が本降りになってきたので銀座で食事を取る事にして
フェアレディーZに乗り込んだ
帰りの高速も空いていて直ぐに銀座に着いた
次長室に入ってソファーに寄りかかると仕事の事が浮かんでくるので
早く出ようとしたがどこで食事をするか迷った
結局上原の駅前寿司でゆっくりと酒を呑むことにした
神山は次長室を出るとタクシーで上原に向って駅前寿司に着いた
女将が置くの座敷に案内してくれて直ぐにビールと鮮魚の盛り合わせを
運んでくれた
「今日はお一人ですか?」
「ええ 休みで食べる所が無かったので はい」
「そうしたら カウンターが開いていますよ どうしますか」
「うん カウンターにします」
神山は久しぶりに一人で寿司を食べる事になった
時々大将と話をして楽しく食べているとニーナ・ニーナの浜野が
入ってきて
「ふぁ~ 神山次長 こんにちわ」
「おお 浜野君 どうも これから」
「ええ やはり上になるとどうしても店が
空いている時にしか食べられないですね」
「そうか 君もようやく責任者になってきたね 良い事だ」
「そうですか ありがとうございます ご一緒させて宜しいですか」
「うん 僕は構わないよ どうぞ」
神山はビールを勧めたが
「今度 夜 誘ってくださいよ サインを出しているのに
全然 気が付いてくれないんですもん がっかりしている所です」
「そうか 悪かった 美人のサインは怖いから見えないんだよ ねえ大将」
大将も頷いて
「そうそう 美人は後が怖いからね」
みんなで笑った
「浜野君だと男がほおっておかないだろう 引く手数多で」
「そんなこと無いですよ 全然居ないです 本当に
だから いつもお家に直行ですよ」
「へぇ~ そうなんだ」
「ええ ほんとですよ だから久保チーフとも呑んでいないし
私 寂しいのですよ」
「久保チーフと会議とかしていないの」
「ええ どうしてですか?」
「うん ご馳走しようと思って電話しても出ない時が多いからさ」
「そうですか だけど 久保チーフも何時も残業していませんよ」
「まあ 外で商談という事もあるしね」
「そうですね そう言われると 先日の連休の時に聞きたい事があって
携帯に電話をしたんですが 全然繋がらなかったですね」
「そんな事もあるでしょ バッテーリーが切れたとかさ」
「いいえ 切れてはいないんですよ 出ないの」
「ははは 僕だって休みはでないさ」
神山はこの時 今まで祥子の行動が可笑しいと思っていたが
自分だけでなく会社の人間まで巻き込んでいると思った
「さあ そうしたら何時にしようかな 浜野君とデートする日は」
「えっ ほんとですか 本気にしますよ」
「おいおい ご飯を食べに行くのに本気もあるのかね」
「勿論ですよ 勝負下着を着て頑張るわけです」
浜野は言ってしまってから しまったと思ったのか顔を真っ赤にした
「そうすると 浜野君はご飯を食べる時に勝負下着を着て食べるんだ」
まだ真っ赤な顔で 俯いたまま黙っていると女将が
「神山さん 女の子を苛めちゃ駄目でしょ こら」
「いや 女将ごめん おい浜野君ごめんな」
「もう 嫌いです 神山次長なんて いじわる」
「おいおい 自分が言ったのに 困ったな
よし ここは僕がご馳走をしてあげるから何でも食べなさい」
俯いていた浜野がニコニコして
「本当ですか ふぁ~ 嬉しいわ」
元気の無い女の子はこれに限ると感じた
先程のように陽気になってよく話してよく食べた
祥子の不可解な行動にこれ以上聞くと不信に思われるので
話題を逸らすようにしたが
「実はここだけの話しですが 上原のお店に男の人から何回か
電話があったんですよ」
「それはあるだろう 僕だって電話をするし」
「ええ だけど普通自分の名前を名乗りますよね」
「うん 普通はね」
「ええ 名乗らないんです」
「しかし 不思議な話だね チーフの携帯電話の番号を知らないのかな」
「さあ」
「だって 上原はまだオープンして11日だよ お店の電話を知っていて
携帯を知らないケースって どう言う事だろうね」
「あっ そうか そうですよね」
「うん 例えば 僕がチーフの携帯に電話をしたけど出ないから
店に電話をする その時は普通名乗るよな」
神山はますます祥子の周りで何が起きているのか分らなくなって来た
「この話は 何処まで知っているの」
「ええ 私だけみたいです と言うのは 不信な電話は全て私に
連絡するようになっているんです 一応責任者ですから」
「そうか まあ何も無いと思うけど この話は誰にも言わない方が
いいと思うよ 今度あってもチーフに言わない方がいいと思う」
「そうですかね この間一回話してしまいましたけど」
「それからは」
「ええ 有りましたよ その事も有って 連休中に電話をしたんです」
「うん まあ放っておこう そのうちになくなるよ」
「ええ 分りました」
神山は追求した所で多分何も言わないと思い考えずに頭の隅に置いた
その時 女将が
「そうだよ よそ様の世界に入ると大変だよ 知らない方が賢明よ」
「はい 分りました」
「さあ 美味しいのを一杯食べてよ」
神山は隣りに座っている浜野を一回食事に誘ってもいいかと思った
魅力的なプロポーションとまだあどけなさが残っている顔つきに
下半身が元気になってきた 神山は
「浜野君 今付き合っている人って幾つくらい」
「だから ほんと誰もいないんですよ」
「そうか 男は余りにも美しい女性を見るとみんな引いてしまうんだ
付き合ってから 誰か居るんじゃないかとかね」
「そうなんですね 聞いた事ありますけど 私 全然そんなこと
思ってもいないんですよ だって美しくないですもん」
神山は浜野が本当に彼氏がいないのを信じた
別にいても構わないがいない方が良いに決まっている
「そうしたら 時間を作れたら電話をするよ」
「ふぁ~ ほんとですか 嬉しいわ」
神山は浜野が喜んでいる顔を見るとますます下半身は元気になった
浜野が休憩時間がもう直ぐ終るので帰ると言ったので
「浜野君 さっきの電話の件は内緒だよ いいね 君が巻き込まれると
色々と問題が出てきて君自身も危ないからね」
「はい 分りました 誰にも言いません では失礼します」
神山は頷いて手を振って別れた
大将が
「神山さん 天ぷらを出しましょうか」
「ええ お願いします」
大将は昼の定食に出すえびや季節の野菜を神山に出した
神山は最後にねぎとろ巻きを食べて寿司屋をでて部屋にある現金を
駅のATMで入金した
部屋に戻って高橋から連絡を受けた白骨温泉をPCで調べた
長野自動車道を松本ICで降りてR158を約35km走り
途中 沢渡でR300で約5Kmで白骨温泉郷に着く
神山は首都高 中央道 長野自動車道が約220kmで約一時間半
R158とR300が約40kmなので大体1時間とみた
宿泊先が何軒が紹介されていて 景色のいい露天風呂付きの
ホテルを探して予約を入れた
一応仕事だが亜矢子が来てくれれば楽しくなると思い電話で聞いてみると
「こんにちわ 神山です」
「亜矢子です こんにちわ」
「実は仕事を兼ねて長野の白骨温泉に明日から行くんだけど
亜矢子が来れるか聞いたんだよ」
「ええ 行きたいけど時間はどの位掛かるの」
「うん 新宿まで約2時間でしょ それから松本まで2時間として
そこからタクシーを使うと1時間30分で 5時間は掛かるね」
「う~ん 少し遠いわね 東京に泊まって朝早くから出かけるのだったら
大丈夫よ でも勤務が終って夜着くのは構わないけど 帰りが
時間がかかりすぎね ごめんなさい 誘って頂いて」
「そうか うんわかった ところで今日は休みでしょ」
「ええ さっきまで母の所にいたの だいぶ良くなっているわよ」
「良かったね それは」
「貴方は 今日お仕事じゃないの」
「うん 完全休養日です」
「洋子さんと一緒じゃないんだ 寂しいわね」
「そんな事無いよ ここのところ完全休養日を取っていなかったから
いい休みで 疲れが取れるよ」
「そうね 休みで私と逢って下さる訳だから 大変ね
ねえ 今度何時来てくれるの 寂しいわ」
「うん 近いうちに時間を作るよ 連休は取れないの」
「そうね 14、15日は取れるわよ」
「うん そうしたらそれでいこう」
「ねえ 洋子さんは」
「う~ん、、、」
「どちらでも良いわよ、、、そうしたら14日だけにする」
「うん 14、5の連休で洋子さんはなしでいこう」
「ほんと 嬉しいわ そうしたら13日の水曜日は12時で上がれるから
また3時位に熱海でお願いします」
「そうだね また近くなったら電話します」
「気を付けて行って来て下さいね」
「はい では」
神山は冷蔵庫からビールを出してタバコを吹かし祥子の事を考えた
携帯電話に出られないと言う事は都合が悪い
その都合が悪いと言う事は、、、男と思った
そして上原に電話をしてきた怪しい男
神山は祥子とは結婚できないと思っていたが
祥子もそのように付き合っているのだろ
しかしもっと廻りに気を使って遊ばないと不信感がつのって
そのうちに不味い事にならないか心配した
そうしているうちに眠くなりベッドに横になった
目が覚めると18時をさしていてまだ雨が降っていた
神山は祥子に電話をすると
「今夜は打ち合わせの後 皆でお食事会なの ごめんなさい」
「うん わかった 呑み過ぎないようにね
それから 明日と次の日は信州に行ってくる 勿論仕事だよ」
「えっ 信州?」
「うん 色々と勉強さ」
「車でしょ」
「うん」
「気を付けてね」
「わかった」
電話で祥子の予定を聞いて夕食を誰とするか考えた
まさか昼の約束を本気で受けていないだろうと思ったが
上原ニーナ・ニーナの浜野に電話をした
「ふぁ~ほんとですか いいんですか私で」
「他に誰がいる?」
「だって 久保チーフだっているでしょ」
神山は祥子の事は伏せて
「まあ 今日は完全自由日さ だから誘った
しかし 皆には内緒だぞ でないと毎日日替わりで皆に
夕食をご馳走する事になるからね わかった?」
浜野は小さい声で
「はい 分りました 内緒にしましょうね」
神山は7時15分に店の坂を上がったところにカフェが有るので
そこで待ち合わせをした
神山はシャワーを浴びて髪の毛も洗い部屋着を来て時間まで過ごした
明日の旅行に必要な準備をしていると19時になったので
待ち合わせのカフェに行くと浜野由貴が手を振って待っていた
「ごめん 遅かったかな」
「いいえ 今日はまだ少し雨が降っていてお客が来なかったので
5分くらい早く閉めたんです 私が早く来ました」
「さてと 美味しい中華でも良いかな」
「ええ 大好きです」
神山はカフェを出ると直ぐにタクシーが来たので渋谷へ向った
ホテルの地下にある中華料理店に入るとウエイトレスが
席まで案内してくれた
平日の夜だったが時間が丁度夕食時だったので結構混んでいた
神山はウエイトレスに単品の食べ物数点とビールを注文した
ビールは直ぐに運ばれてきて神山が
「では 1ヶ月ぶりの再会に乾杯」
浜野と神山はジョッキをカチンと合わせて乾杯をした
「そうですか もう一ヶ月経つんですね 早いですね」
「うん あっと言う間だったね」
「神山次長とお会いした時は課長さんでしたよね」
「うん それから1週間で部長 20日で次長さ
自分でもびっくりだよ」
「いいわ~ そんなにお金が一杯入ると」
「うん そう思うだろう しかし上になると出費が多くなるよ
先日も催事課の慰労会をしたときも自腹だよ」
「へぇ~ そうですか そうかそう言う仕組みならこのままが
良いかもしれませんね」
浜野はくすっと笑いながら神山を見た
今夜の浜野は白いブラウスに淡いピンクの2ピース姿だった
胸が綺麗な形をしているのだろうブラウスのボタンがはじけそうだった
神山が見ていたからではないだろうがナプキンを首から下げた
丁度 餃子やシュウマイなどが来て たれのはねを考えていた
神山も浜野と同じ様に首からナプキンを掛けた
浜野が
「次長 私 招輿酒を頂いて宜しいですか」
神山は自分も呑みたかったので招輿酒を注文し
楽しく話をしていると
「次長と久保チーフって同じマンションでしょ」
「さあ 知らないよ なんで?」
「だって マンションから手を繋いで仲良く そう新婚さんみたいに
出てきたって お客さんが言っていましたよ」
「へぇ~ それは光栄だ 久保さんが相手にしてくれないよ
それに名古屋のご実家は大変格式が高いと聞いたよ
僕なんか全然当てはまらないな」
「そうですか それなら良かった だってチーフに先を越されたって
みんな言っているんですよ」
「ははは ありがとう」
招輿酒や単品の品が運ばれると浜野は取り皿に分けてくれて
「どうぞ」
と優しい一面を見せた
神山は浜野のグラスを見ると招輿酒が減っているので少し注ぐと
「あ~ 美味しいわ 私 日本酒よりこちらの方が好きかも知れません」
そう言い楽しく呑んだり食べたりした
浜野の瞳が段々と潤んで来ているのが分ったが誘わなかった
「お話を聞いていると ますます好きになりました
ふぁ~ このままぎゅっと抱きしめて欲しいわ」
神山は少し酔ってきた浜野を
「おいおい 本気になるから辞めなさい」
「だって ほんとうですよ いいですよ本気になっても」
神山はこれ以上その話題を話さないようしたが
「私 昨日お誕生日だったんです」
「おう おめでとうございます で幾つになったの」
「ええ 28です」
「うん 今が一番楽しい時だね それに美しいよ」
「駄目ですよ おせいじを言っても もう
一人寂しく自分でお祝いをしましたよ」
「ご両親は」
「ええ 母はもう亡くなって父が後妻と横浜にいます」
「そうか 浜野君は横浜か」
「ええ 大学の時に近くの寮に住んでいて、、、それで帰り辛くて
ずーっと一人で東京に住んでいますよ」
「そうか ごめんね 辛い事を聞いて」
「ええ もう忘れましたから大丈夫ですよ」
神山は浜野が泣きそうになっていたので
「よし 僕が一日遅れだが プレゼントをするよ」
浜野は涙顔で神山を見て
「本当ですか 良いんですか私なんかに」
「うん お誕生日だろ わかったよ」
神山は現金を100万円持っていたので多分大丈夫だろうと思った
「さあ そろそろ食べ終わったね 最後に美味しいラーメンを
半分ずつ食べようか?」
浜野はニコニコして
「ええ 頂きます」
神山はラーメンを注文して小さいお椀も頼んだ
相変わらず浜野の目は潤んでいてとても綺麗だった
ラーメンが運ばれると神山が半分ずつ分けると
「神山さんって 優しいんですね」
そう言いながらラーメンを美味しそうにすすった
神山は食べ終わると清算して出て少し歩くと
ブティック「モテリコ」が まだ開いていたので店内を覗いた
神山は浜野に
「指輪は仕事の時に怒られるよね」
「えっ ここで買って下さるんですか ふぁ~嬉しい」
神山はシンプルだけど若々しい感じのバングルを見つけ
よく見るとプチダイヤが埋め込まれて清楚で気品が有った
「どうだい これ似合うよ」
浜野は見ただけで目を潤ませて少しずつ涙が出てきた
「良いんですか こんなに高い物」
神山は頷いて値札を見ると70万円した
カウンターには店長がいて神山はゴテンバ グランド インのカードを
見せると店長は何も言わずに頷いて電卓を出して
「神山さま 何時もありがとうございます 現金でしょうか」
「ええ しかしこのカードでよく分りますね」
「ええ それが私の仕事ですから それでは35%OFFの45万円で
如何でしょうか」
神山は頷いて 現金を渡して浜野の腕にはめてあげた
箱を貰って浜野に渡すと
「神山さん もっと一緒に居たいわ だめですか」
「だって もうこんな時間だよ」
神山は時計を見るとまだ10時になっていなかった
「私 ここのスイートのチケットを持っているんです」
「えっ スイートのチケット?」
「ええ ここがオープンした時にキャンペーンをしていて
応募したら当ったんです でも昨夜は使わなかったし
もうじき期限が切れるんです だからお願いします」
神山はこれ以上辛くさせたくない思いで
「わかった フロントにいこう」
シブヤ ハイアット ホテルはつい最近出来たショッピングモール一体型の
ホテルで 6階がホテルのグランドフロアになっている
30階建てのホテルだった
5階から地下1階までが飲食店やファッションブティックやエステや
美容室など何でも入っている
地下2階と3階が駐車場になっている
最上階はラウンジレストランで24時間営業をしていた
神山と浜野は6階に行きフロントで浜野がチケットを見せた
「はい ありがとうございます お部屋は29階のお部屋でございます」
浜野は神山に抱きつき
「ふぁ~ 嬉しいわ よかった」
二人はエレベーターで29階に着くと部屋を探し
「有ったわ ここです」
神山は入ると結構広いのに驚いた
「都心のホテルだからもっと狭いと思ったけど広いね」
浜野は頷いて神山に軽くキスをすると大きな窓にいって
「ねえ 神山さん渋谷の街が綺麗ですよ きて」
神山が浜野の肩を抱いて一緒に眺めていると
「ねえ 神山さん 本当に私を信じているの いいの」
「だって 例え嘘だとしても今の君は本心だろ それで良いよ」
浜野はそう言われて嬉しくなって神山の首に両手を絡ませキスをした
神山は段々元気になる下半身を浜野からはなすと
「なんで 嫌よ」
浜野は両手を神山の腰に当てて引き寄せた
唇を離した浜野は
「私 後で分っていやな思いするの嫌だから言いますね」
「うん でも辛かったら言わなくても良いよ」
「ええ でも言います 私 大学生の時に
風俗でアルバイトをしていました」
「えっ 風俗でアルバイト」
「ええ ソープじゃないですよ ヘルスです」
「そうか 大変だったな」
「ええ 仕送りも少ないしどうにもならなくて
でも誤解しないで下さいね あの 本番はしていませんから」
「うん わかった ありがとう
僕は過去で人を判断した事は無いよ この頃は未来に向けている
熱意を持った人を応援しているよ
だから浜野君が過去にどんな事をしていても全然気にしていないよ」
「ほんとですか」
「ああ ほんとだよ」
神山は冷蔵庫からビールを出してグラスに注ぐと浜野に渡した
ソファーに座って神山をじっと見つめる目は綺麗だった
彼女はその過去の事が気になってボーイフレンドを
積極的につくろうとしないのだろうと考えた
浜野は神山にニコニコしながら
「神山さん お礼にお背中を流させてお願いします」
神山は頷いて 着ているジャケットをクローゼットにしまい
TシャツやGパンを脱ぐと浜野が
「私が先に入ります 待っていてください」
そう言い浜野由貴は着ている物を脱ぎ始めたが
「あの 恥ずかしいから窓を見ていてくださいお願いします」
神山は頷いて窓を見たがミラーの役目を果たし
浜野由貴が脱いでいく姿を捉えることが出来た
浴室は前面ガラスで中の様子が良く分った
浜野由貴が浴室に行ってしゃがんで自分の首や綺麗な形の乳房
そして秘所を丁寧に洗うと
「神山さん どうぞ入ってきてください」
神山はパンツを脱ぐと肉棒は天井を向いていて
バスタオルで隠して入ると
「では 座ってください」
神山がバスタオルを剥いでタオル掛けに掛けると浜野由貴は
「ふぁ~ 大きいわ 凄い でも最初はお背中です」
そう言いシャワーで簡単に流すと
浜野由貴は神山の背中を優しく丁寧に洗った
ボディーソープをつけた手を巧みに動かされ神山は気持ちよくなった
次第にその手が前に来ると首から順番に下に移り
おなかのあたりに来ると時々肉棒にあたり気持ちよかった
「はいでは 立ってくださいね」
神山が立ち上がると浜野 由貴は神山の正面に来て自分の乳房に
泡立てたソープをぬって肉棒を挟むようにして上下に動かして
「気持ち 良いですか」
神山は余りの気持ちよさに
「うん 恥ずかしいけど 出そうだ」
それを聞いた浜野由貴は自分も立って泡立てたソープを体に塗って
神山の肉棒を足の付け根で挟み動き出した
浜野由貴もクリトリスを刺激されて気持ち良くなって喘ぎだした
「あっ あっ うっ うっ~ クリちゃんが気持ちいいわ」
「僕も気持ち良いよ」
浜野由貴は腰の動きをどんどん早めた
「うっ~ あつっ あうぅ あぅ~ いくわ」
浜野由貴は昇天して体を反らしてがくがくさせていた
神山が発射していなかったので浜野由貴はシャワーで肉棒を洗い
口と両手で奉仕をはじめた
神山は今まで味わった事の無いテクニックで簡単に発射をしてしまうと
浜野由貴は神山の体液をごくリと飲み込んだ
暫くして浜野由貴がキスをして
「ねえ お願いがあるの 由貴と呼んでくれますか」
「うん いいよ由貴」
「ふぁ~嬉しいわ」
二人はジャグジーが付いた浴槽でゆったりと使っていた
「ねえ もう一つほんとの事言いますね」
「えっ まだ何かあるの でも驚かないって言ったでしょ
辛かったら言わなくていいし」
「う~ん 辛くは無いけど 私 まだバージンなの」
これには神山も驚いてなんと答えて言いか迷っていた
「だから 今夜は優しくしてね」
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