2013年6月22日土曜日

ゆり 2 - 35 Vol. 2



ホテルに着くと神山が先日見つけていたステーキハウスに行った
ウエイトレスが席を案内したが神山がカウンターを希望して座った
メニューを見ても分らないのでコックに聞いてみると
「ええ メニューの上から3番目が注文多いですよ」
神山は見てみると金額はそんなに高くなかった
「このコースでお願いします それと単品で一番高いお肉だけ頂けますか?」
「ええ 大丈夫ですよ ありがとうございます」
コックはウエイトレスにコースの注文を伝えて調理に入った
ビールを先に頼んで二人で乾杯した
最初は魚介類が鉄板で焼かれ美味しそうな匂いが食欲をそそった
コックがえびやイカを取り皿に置いてくれて二人は食べた
「ふぁ~ 美味しいわ ねえ神山さん」
「うん 美味しいね」
ビールを呑み終わるとコックに
「先程のお肉に合うワインを下さい」 
コックはニコニコして
「ワインメニューのしたから3番目ですが宜しいですか」
「はい お願いします」
由貴が
「ねえ 何故自分で選ばないの」
「うん お肉を扱っている人の意見を聞くのが一番だよ ねえコックさん」
「ありがとうございます ええそうですね 良くご存知ですね」
「いえいえ まあ 郷に入れば郷に従えとね」
「そうですね ありがとうございます 精一杯作らせて頂きます」 
コックはニコニコしながらも真剣に そして時々二人に話し掛けながら
調理を進めていった
魚介類が終ったので野菜類が焼かれて いい香りがしてきた
由貴が
「引越しですが 見積もりをしてくれたんですよ そうしたら
結構安くて 5万円で済みますって言われました」
「うん 運ぶのが少ないからでしょ それと部屋のオーナーさんに
クーラーを着けたまま出ることは話した」
「ええ そうしたら 敷金が相当戻ってくると言っていました」
「良かったね しかし僕が手伝いにいけないからな ごめんね」
「大丈夫ですよ さっき配置は考えてあさっては置いてもらうだけだし
引越しもお手伝いの方が来て荷造りをしてくれると言っていました」
「そんなに便利になったんだ へぇ~知らなかったよ」
「でも お手伝いの方が見えても何もする事無いと思うんですよ
だってそんなに荷物無いですもの」
「そうだね ごちゃごちゃしていないもんな 由貴って 結構節約を
しているの」
「結果ですね しようとは一度も無いですよ でも欲しくないし
今 必要じゃないし 結果ですね」
「そうか 幾ら貯めたの」
「へぇ~ 一応500万円です」
「凄いね 毎月少しづつ貯めたんだ」
「ええ それも有りますが 大学の時には700万近く貯めましたよ」
「ふぁ~凄いな そうすると社会人で色々と使って少なくなったの」
「ええ 大学の寮を出るときに使って出てからお洋服や化粧品で
だから 今が少し余裕ですね でも今回助かりました」
「大丈夫だよ きっと宝くじ当るからさ それとさっきのは山分けだ」
神山が10万円だして由貴に渡すと
「えっ 良いんですか頂いて」
「うん すぐに使わなくとも良いでしょ ねっ」
「ありがとうございます 大切に使います」
由貴は今時の女性にしては珍しくかざりっけが全然無くて改めて驚いた
イヤリングなし ネックレスなしと飾っていなかった
「装飾品は買わないの?」
「ええ 必要ないし それに安いの買っても飽きるでしょ 
だから買わないの このバングルのように本物でないと」
「そうするとお金はどうしているの 無駄遣いはないみたいだし」
「ええ 長期の定期預金です 毎月少しづつ さっきのは動かせる
お金で 私が死亡したり60歳になった時に貰えるお金と
別なんです」
「偉いね 幾らになった」
「そっちは無理をしないで貯めているので まだ270万円位です」
「うん そうやって地道に貯めると知らない間に大ききな額になるからね」
「ええ だから余計にこのバングルが嬉しかったんです」
二人が話しているとコックが牛肉の焼き方について聞いてきた
二人ともミディアムでお願いした
コックがニコニコして準備をしている時に
「ねえ ニンニクを多めにお願いします」
「あっ 私もお願いします 大好きです ニンニクは」
コックがニコニコしてニンニクをみじんに刻み準備をして牛肉を焼いた
「ところで由貴 今夜はどうする」
「神山さんは」
「うん 先日帰ってから何もしていないから帰ろうと思っている」
「ええ そうして 私 可笑しいから」
由貴は小さい声で
「まだ 入っているのよ いやね」
「そうか 体が復元しようとしているんだよ きっと」
「そうね でないと ぶかぶかになるかしら」

二人は顔を見て大笑いをした
実際神山はここ4日間自分の部屋で寝ていなかった
何も無いが居られる時は居たほうが無難だと思った
牛肉が焼き上がり取り皿に置かれると二人は口に入れて
「ふぁ~ 美味しいわ 久しぶりよ こんなに美味しいの」
「うん 確かに美味しいね」
コックが
「こちらが 一番高い牛肉です」
そう言われて神山と由貴は又一口食べると神山は
「うん こちらはお肉の味がしっかりわかりますね なるほど美味しい」
「ええ こちらは味が濃厚ね その分美味しいのかしら」
二人は食べ比べながらワインも呑んで楽しかった
最後にフルーツが出てきて綺麗に食べると由貴が
「神山さん ご馳走様でした ありがとうございます」
急に言うので
「どうしたの 畏まって」
「ええ 礼儀はちゃんとしておかないとバチが当ります だから」
「そうか わかった ありがとう」
神山がカウンターで清算を済ませると由貴はニコニコして
「神山さん ご馳走様でした」
礼儀よくお辞儀をした
「さあ どこに行く」
「神山さん 私 引越しの準備が有るから帰っていいですか」
「そうか そうだね 僕も手伝いたいけど 足手まといになるしね」
「いいですけど だけど私の下着ばっかり片付けるんでしょ」
「わかる」
二人は大笑いして
「本当はあまりないと思うの だけどこの際だから整理をしようと
考えたんです こまごました物が多くて大学の寮を出るときにも
やろうと思ったの だけど時間が無くてそのまま持ってきた状態なんです」
「では 僕が行っても由貴のショーツを眺めているだけだね」
「もう でもそうですね」
二人はまた大笑いをした
「わかった では ここで帰ろうね」
神山はタクシー乗り場まで行って由貴を先に乗せ傘を返した
由貴が
「無くて 大丈夫ですか?」
「うん 大丈夫だよ では又連絡しなさい いいね」
「は~い 分りました 失礼します」
由貴の乗ったタクシーが出て行くと神山は上原のマンションに戻った
神山はFAXや留守電を確認したが何も入っていなかった
ロレックスを覗いてみるとまだ21時だったので祥子に電話をした
「神山ですが こんばんわ」
「祥子です こんばんわ 今 何処?」
「うん 部屋に戻って来たよ 祥子は」
「ええ まだ本社で仕事が有って今夜は遅くなります」
「そうか わかった 気を付けてね」
「は~い 分りました ありがとうございます」
電話を切って神山は駅前寿司に呑みに行く事にした
一応着ていたものを洗濯機にいれてまわした
着替えを済ませ駅前寿司に行くとニーナ・ニーナの面々が揃っていた
「神山次長こんばんわ」
「よう こんばんわ どうしたの皆で」
「ええ ここの処 銀座もここも売上が良いので筒井さんがご褒美を
下さって それで楽しんでいるんです」
「久保チーフが見えないけど どうしたの」
「ええ 先程帰りましたよ 1時間位前かしら ねえ」
「ええ 楽しそうでしたよ なにか」
神山はそれとなく本社と聞いてみようとしたが考えた
「さあ そうしたら まだ食べられるだろ ご馳走するよ」
神山も輪に入ってきゃあきゃあと楽しませながら自分も呑んで食べた
本社から応援の安田桃子も居て銀座店店長の上野かおりも姿を
見せていた 神山は上野に
「どうですか 銀座店は」
「ええ ご存知のようにここがオープンした時に銀座に流れた
あの勢いが止らないですね 今までと違ったお客様がいらしていますよ」
「そうすると 鈴やの顧客ははっきり言って駄目ですか」
「ええ 外商さんも三分の一は諦めていますね 何とかしたいと
焦っていますよ」
「そんなに悪いんですか 参ったな」
神山はそこまで落ちているとは気が付かなかった
「そうすると 顧客名簿はどんどん増えているのでしょ」
「ええ 増えています 私たちも整理をしているのですが
人数が足りなくて 本社では事務が作業をしていますよ」
「チーフも手伝うのかしら」
「いいえ 一切しない事になっていますよ 筒井から現場を見るように
言われていますから」
「大変だね 嬉しい悲鳴ですね」
「これも神山さんのお陰ですよ 本当に」
聞いていた安田も
「私もそう思います あの時に銀座に流して頂けなければ 上原も
銀座も 今までの売上だったと思います」
「うん ありがとう ところで上原はアンテナの役目は果たしている?」
「ええ 少しずつですがデーターが出来てきましたよ
面白いようにパリの作戦が当っていますね ねえ上野さん」
「ええ 銀座も上原と同じものが売れて来ているんですよ」
「そうか 今 本社は筒井さんは居るかな?」
「筒井は過日の一件でもう終ったら自宅へ直行です 
今 本社には誰もいませんよ つい先程事務が誰も居ないと
確認をしたので帰ると連絡が有りましたから」
「そうか そうしたらまた昼間にでも筒井さんに聞きますよ」
神山はこれで祥子が誰かと会っていると確信をした
料理が足りないのか皆の箸が動かないので神山が女将に注文をした
「良いですよ 神山さん」
「いえ お邪魔したんですからご馳走しますよ
それに若い女性も居る事だし 元気よく食べて呑んでくださいよ」
「済みません 気を使わせて」
「ははは そんな大事なスーツを頂いたんですからこの位安いですよ」
安田桃子が
「素敵でした 写真を見ました 浜野先輩なんて写真見て
何回も素敵な人だ 抱かれてもいいって 言ってましたよ」
「それは 光栄だありがとう そう言ってくれるのは
浜野君と安田君だけか~」
「まあ 私たちおばさんもそう思っていますよ ねえ」

みんなで大笑いしている時に神山の携帯が鳴った
「はい 神山ですが」
「亜矢子です」
「やあ こんばんわ」
「今 大丈夫ですか」
「うん どうしたの」
「ええ 先日の介護福祉の件 どうなったかと思って」
「うん 僕も気にはしているけど 内藤社長から答えが出てこないんだ」
「そう どうしよう」
「うん わかった ここでは話しづらいから部屋から電話をする」
神山は皆に帰る事を詫びて 女将に10万円を渡し
「これで清算してください でないと又一緒に呑めないから」
「はい 良いですよ 神山さんのご馳走ね 大丈夫よ」
「足りるかな」
「また 充分すぎますよ 半分でも大丈夫ですよ ご安心下さい」
「分りました また近いうちに来ますから」
「はい 安心してください ねえ大将」
「おお 神山さん大丈夫ですよ ご安心下さい」
「では お願いしますね」
神山はお金の単位が違うので皆に聞かれる恐れがあると判断して
部屋に戻り亜矢子に電話すると
「さっきはごめん」
「ええ それで 私は今度の宝くじで6億出来る訳です だから全額とは
いかないけど 4億くらいは出資する覚悟はあるわ」
「そうか 僕はアルタでお金の集め方とか考えていると思う
だから もうすこし待って貰えるかな」
「ええ 分ったわ」
「亜矢子 話し変るけどね スクラッチまた当ったよ10万円」
「凄いわね」
「それと仕事の交渉も上出来でビックリしているよ」
「へぇ~ そんなに魔力があるのね 分ったわ私も穿いて仕事をしますね」
「うん いい事が起きるよ」
「では アルタさんの事は待っています それと母は良くなっていますよ」
「それは良かった」
「では 13日に熱海で何時もの所で待っているわ」
「うん 待ちどうしね」
「また 洋子さんが居るのに どうしたの今夜は」
「うん 生理が近くて体調がすぐれないと言って早く帰ったよ」
「そう 貴方が苛めすぎたからよきっと」
「反省している」
「ふふふ では お休みなさい」

神山は電話を切ると由貴に電話をした
「はい 由貴です 神山さん先程はご馳走様でした」
「どうしているかと思って電話をしましたよ」
「ええ 今 引出しの中を整理していますよ それから桃子と会ったでしょ」
「うん あの後 なんかもう少し呑みたくなって駅前寿司に行ったら
ニーナ・ニーナの面々に会ってね それで仲良く輪に入って呑んだよ」
「良かったわね さっき桃子から電話があって神山さんに
ご馳走になったって 喜んで居たわよみんな」
「そうか すると僕が出てすぐに帰ったんだ」 
「ええ そうみたい だって明日もお仕事だからね」
「そうだね でもみんなに喜んでもらえて又一緒に呑めるよ」
「そうよ 神山さん人気抜群よ」
「安田君から聞いたよ 例の写真を見て 僕の事を素敵と言ってくれた事」
「ふふふ ばれたか そうよ だってほんとだもん」
「ありがとう これからも素敵な青年でいくよ」
「ふふふ おじさんでしょ もう 誤魔化しても駄目よ 
でもね 私は神山さんの事 おじさんと思っていないわ」
「えっ」
「ええ 素敵な王子様よ ふふふ 元気な王子様よ」
「おいおい ありがたいのかまあ引越し準備をしてください」
「は~い それと久保チーフですが 又連絡が取れないんですよ
さっき桃子と話をしていて桃子が休みの変更を言ってきたので
私一人で決めると何か言われると思って 電話をしたんです
だけど 繋がらなくなっていましたよ でも明日連絡を取りますけどね」 
「そうか 実は駅前寿司に行く前に色々と情報が欲しかったので
電話をしたら 仕事中で断られて駅前寿司屋に行ったんだ
それで上野さんと話をしていたら結構 鈴やの顧客が大変だと
聞いて 本社に誰か残って居ないか確認をしたんだよ
そうしたら事務の人が誰も居ないから帰りますって
電話があったと言っていたそうだ 
僕が久保さんに電話をするより早い時間だ 困ったもんだ」 
「そうなんですか でも神山さんが言っていたように私はチーフの
プライベートに首を突っ込みません」
「うん そうだね 僕も気を付けるよ ありがとう」
「話は変りますがあの宝くじ 明日が抽選日でしたよ さっき見たら」
「うん 大丈夫だよ外れるのが当たり前 そう思って明日の夕刊を見なさい」
「そうですね それと色々と引越しの計算をしていたんです 
本当に ありがとうございます 助かりました」
「うん いい誕生日で良かったよ ねえ」
「ええ 素敵な王子様」
「おいおい 何もでないよ もう」
「うそばっかり 大きくしているでしょ」
「そんなこと無いよ 普通だよ」
「もう ほら私のあそこを見たくてうずうずしているじゃない」 
神山はそう言われるとなんだか下半身がうずうずしてきた
「黙っているのは そうなっているからでしょ 今 触っているでしょ」
「うん 触っている」
「私もパンティーの上から触っているのよ 神山さん優しくして」
神山はどんどん大きくなる肉棒をじかに触った
「ねえ 由貴欲しくなったよ だけど上手だ大きくなった」
「ふふふ 私ね大学の時はテレクラでアルバイトしたの
だから 話してそうやって上手に誘導するの 最後まで話をしていると
5千円くらい稼げたわよ まだ現役で通用するわね ごめんなさい」
「そうか そこまで頑張ってフランスにも行ったりしていたんだ」
「ええ 親を頼らなかったわ ごめんなさいね 変な話をして
次は ちゃんと私の中に入ってくださいね」
「うん しかし上手だよ それって商売でも生かせるよね
人間の心理を巧みに利用するわけだから」
「ええ だから私久保チーフより売上は全然上ですよ
それで皆が私に付いて来ていたんです でも神山さんに怒られてから
やはり上司は上司 そのように考えを改めたんです
結局 自分ひとりじゃ何も出来ないでしょ 上司がいるから」
「うん そうだね たいしたもんだ そこまで分れば簡単だよ」
「ええ ありがとうございます だから今はお仕事が楽しいの」
「うん そして新居だ 頑張ろうね」
「ええ お願いしますね また教えてください」
「うん ではお休み」
「は~い おやすみなさい」

神山は浜野 由貴が少しずつ大きくなっていくのが分った
このまま行けば祥子より上に行くのではないかと感じた
神山は浴槽に湯を張ってビールを呑みながらリラックスした
仕事が順調に進んで怖いくらいだったが後はデザインを纏めなければ
今までの事が全部無駄になると考え気を引きしめた 
洗濯機に入っているものを浴室に干して自動乾燥機で乾かし
神山は冷蔵庫からビールを出してテーブルで由貴を考えた
今度のマンションは駐車場があるので車を買ってあげても良いと
思っていたが果たして本人の気持ち次第だった
ベッドに横になるとすぐに寝てしまった

5月12日 火曜日 雨
薄暗い朝だった 目を覚ました神山は夕方と勘違いした
今日の予定が無い事を思い出して横になっていると携帯が鳴った
「はい 神山ですが」
「私 祥子です おはようございます」 
「うん まだ寝ているよ」
「ごめんなさい 今朝はなにも出来ないの」
「うん 気にするなよ で昨夜は何時に帰宅したの?」
「ええ 遅くまで仕事をしていてそれからみんなと呑みに行ったの
それで随分と遅くなったわ」
神山は昨日上原の件は言わないで 
「分ったわよ 朝はどこかで食べるさ 気にしなくて良いよ
それで 僕は明日から仕事で静岡に行く 15日には帰ってくる」
「えっ また静岡ですか」
「なんで 仕事だからしょうがないでしょ」
「ごめんなさい」 
「今 何処に居るの」
「うん お友達の家に来ているわ」 
「会社の人?」
「ええ 浜野さんのところよ なぜ?」
「いや そんな遅くまで何で呑んでいるのかと思ったのさ」
「それでは 失礼します」
神山はこれで完全に誰かと外泊と確信した
念のため祥子の部屋を訪ねたが誰も出てこなかった
神山は由貴に探りの電話をした
「やあ おはよう 神山です」
「ふぁ~おはようございます 朝から嬉しいわ」
「うん 昨夜言うのを忘れてしまったけど カーテンはどうする」
「そうか 考えていなかったわ どうしよう」
「代々木にとりあえず持って行くか それであとで選べば良いよ」 
「そうですね そうします」
「うん 寸法が多少足りなくても最上階だから見えないよ
僕はここから望遠鏡で覗くけどね」
「ふぁ~ 神山さんてショーツの趣味だけじゃなくて
そんなHな趣味もあったんですか」
「だとしたら どうする」
「う~ん でも神山さんの事だから許すわねきっと」
「そうか ありがとう ところで朝食はなんですか」
「今朝は 一人だから何時もと同じ簡単よ」
「食べに行きたいけど時間が無いな」
「そうね やはり昨夜来てくれれば良かったわ」
「どうしたの」 
「ええ 非通知の無言電話が何回かあったんです 怖かったわ」
「酷い話だね それは そうしたら携帯の設定を非通知拒否に
すれば掛かってこなくなるよ 出来る?」
「ええ 昨夜 設定しました でも嫌よね」
「うん そうしたら買い換えるか」
「ええ 考えています 初めてだから怖かったわ」
「買い替えのお金は大丈夫ですか?」
「ええ 大丈夫です 明日お休みなので変えます」
「うん そうか でも早いほうがいい 今夜空いている?」
「ありがとうございます 大丈夫ですよ」
「うん そうしたら シブヤ ハイアット ホテルの最上階に
ラウンジがあるでしょ 7時30分そこで待ち合わせをしよう」
「はい 分りました 嬉しいな また会えるなんて」
「じゃあ 頑張って仕事をしましょう」
「は~い 分りました ありがとうございます」
神山は祥子が嘘を言っている事が確実となった







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