神山と洋子は次長室をでると歩きながら洋子が
「午前中に桃子ちゃんの部屋を見てきたわ 凄くいい所よ 場所も
お部屋の中も問題なかったわ ふふふ 私の基準よ」
「うん ありがとうございます それで手付は」
「ええ 20万円置いてきたわ 書類も預かってきたの」
「よかった そうすると明日朝早くから動かないといけないね
また大変な一日だね」
「ふふふ 大事な女性でしょ」
「うん 頑張らなくちゃねっ」
二人は最初にクリーニングに行くと受付けの店員が驚いて神山に笑いながら
「神山さん 駄目ですよ女性を泣かしちゃ 2人も泣かして」
神山が驚いていると店員はこういうのはよく見るから直ぐに分ると言った
お金を払い貴金属売場に行くと洋子が
「ねえ 予算は幾ら」
「そこなんだよ 悩んでいるのは 洋子だったらどう判断する」
「駄目です ご自分で決めてください」
「もう 分りました 500万円まで 現金 これでいいかな?」
「ええ 妥当だと思うわよ では選びましょう」
二人が色々と選んで洋子が
「ねえ これが似合うと思うけどどうかしら」
洋子が選んだペンダントはハートの形で中が刳り貫いてあり廻りの
ハートにダイアが埋め込んである可愛らしいペンダントだった
「うん 大きさも祐子にあっているし ありがとう これにしよう」
神山は店員を呼んでプレゼント包装を依頼して商品券やギフト券で
470万円を支払った
商品を受け取り1階に下りると眞鍋香織や安堂真由美とばったり会った
眞鍋香織がニコニコして神山に
「理事 先程は本当にごめんなさい 済みませんでした
今 心を入れ替えるために 二人でそこの資生堂でお化粧をしてきました」
神山は素直に素敵な美しい女性になったと思った
「うん 明るくて美しいよ 素敵だよ よかったね
洋子 こちらが眞鍋香織さん こちらが安堂真由美さん だよ
協会の秘書だよ
君たち この人が僕の専属秘書をしてくれている田所洋子さんだ」
3人は自己紹介をすると安堂真由美と眞鍋香織が深々とお辞儀をして
「これからも色々と教えてください お願いします」
「いいわよ 私に出来る事なら教えますよ 頑張ってね」
「はい 分りました ありがとうございます では失礼します」
眞鍋香織と安堂真由美は楽しそうにお店を出て行った
神山と洋子は次長室に戻ると神山は次長席で14もある紙袋を
順番に出して封筒や包みを開いた
食品関係が78社分あり現金が2億8千万円 ギフトカードが5千6百万円
建築関係が凄くて163社から来ていた
現金が6億8千万円 ギフトカードが8千7百万円
洋子が神山の次長席を見て驚いた
「なに それ 凄いわね」
「うん 8億あるよ 洋子まだ時間があるから銀行に行くよ
悪いけど手伝ってくれるかな」
神山は催事課から台車を借りてきてバッグや紙袋に全額の9億6千万円を
詰めて台車に乗せた
銀行に入ると店員が大口預金の部屋に案内された
現金を数える機械が10台並んでいてそこに100万円帯封された束を
おくと数秒で数えだした
行員も5人がかりでどんどんと数えられた
全て数え終わると行員が神山に
「全部で 9億6千万円になりますが 間違いないでしょうか」
神山は頷くと行員は神山の通帳を機械に掛けて入金処理をした
二人が銀行から帰るときに洋子が
「凄い金額ね どうするの」
「うん まだ分らないよ でもこのまま増えても銀行が潰れると怖いね
何か良い方法を探さないといけないな」
「私も探すわね でも贅沢な悩みね」
「うん 困ったもんだよ」
二人が話しながら次長室に戻ると洋子はイタリアンレストラン スパに
電話を掛けてバースディーパーティーの予約と人数を伝えた
「ねえ 青山はOKよ 時間は6時30分にして貰ったけど、、、」
「うん ありがとう そうするとここを6時に出て
家からタクシーで10分だから丁度いいかもね
洋子 悪いけど ギフトカードをここ周辺の換金ショップで現金に
変えて来てくれないかな 多分悪くても95%で受けてくれるよ」
「ええ いいわよ 幾らくらい」
神山はバッグを出すと洋子に
「この中に5千万円入っているよ 重たいから気を付けてね
それで一箇所だと無理だと思うので何箇所か廻ってください」
「はい で車は使っていい」
神山は頷くとフェアレディーZの鍵を渡した
洋子は重たそうにバッグを持って換金をする為に部屋を出て行った
神山は洋子の机にGプロに行くとメモを残して次長室を出た
Gプロの部屋に入ると佐藤部長が神山に
「山ちゃん じゃない 神山理事おめでとうございます
今朝知りましたよ それで アルタスカイとアルタの社長内藤が
これを理事にと言われました お祝い金です どうぞ受け取ってください」
「参りましたね はいありがとうございます
それで どうですか B案は」
「ええ 設計の渡辺と話を詰めていますよ」
「アレックスジャパンのブースはどうですか」
「ええ 今 3案出しています ただ鈴や食品ブースとの地下部分で
折り合いがつかなくて 悩んでいますよ」
神山は佐藤に躓いたら基本に戻って考える事を伝えた
佐藤部長に断り部屋を出ると次長室に戻った
「あ~ 重たかったわ」
「うん ありがとう それで率はどうだったの」
「ええ 95%でしたよ」
「重たいところありがとう そうすると4750万円か
ねえ 洋子 それ全部洋子にあげるよ ボーナスだよ」
「えっ 何で そんな」
「いいから 取っていきなさい」
「わぁ~嬉しいわ 頂きますね」
神山は頷くと内藤から貰った包みを開けた
現金が3000万円入っていた
神山はロッカーにあるバッグに入れると洋子に
「洋子 誕生日はいつ?」
「えっ 8月の18日よなんで?」
「うん 何にしようか 考えているところさ」
「それだったら 亜矢子さんが先よ 8月の8日よ
10日違いで覚えているわ」
「そうすると洋子が40歳で 亜矢子が37歳か
ねえ 洋子 これから指輪のサイズを測ろうよ」
「ねえ 40歳を強調しなくても良いでしょ もう
でも 指輪のサイズは良いわね 行きましょうよ」
二人は店内に行くと貴金属売場で洋子の指輪サイズを測り洋子はメモをした
洋子はガラスケースに並んでいるダイヤの指輪を見ていたが神山が
「ここに並んでいる指輪は会社には向かないでしょ
どちらかと言うとパーティーなどで使う事が多いと思うな」
「そうね 会社には付けて来れないわね」
二人は2階のブティックに行き 世界的にアクセサリーや皮小物で有名な
ポワモールのブティックに入ると結構普段着でも付けられる
高級品が並んでいた
神山が価格を見ていると洋子が
「さすがわパリね いい値段しているもの
ねえ なぜうちにモテリコが入らないの」
「うん ほらこことモテリコはパリでも競争しているでしょ
だから そこのデパートはモテリコは入っているけどポワモールは
入っていないとか デパートは結構そうなっているよ
もともとモテリコはイタリアだったけど本社をパリに移してから
お互い競争意識が強くなったね」
「そうなの よく知っているわね」
「うん ニーナ・ニーナの筒井さんから色々と聞いたからさ
ねえ この指輪だけど 洋子に似合うよ会社にもして来れるし どう」
洋子は神山が勧めた指輪を見ると確かに良かったが年齢的に
少し派手な感じがしたので
「本当に そう思う」
「うん 間違いないよ」
神山は店員にサイズを言って出して貰うろ洋子も気に入った様子で
「いいわね これ」
ガラスケースに置かれた鏡を見ながら手を動かし指輪を眺めた
3連の指輪で両脇がホワイトゴールドで真中がゴールドのコンビで
真中のゴールドにダイヤが埋め込まれているデザイン的におしゃれな
指輪だった
神山は洋子が気に入って指から外さないので店員に値段を聞くと
「はい こちらは280万円でございます」
神山は商品券を280万円分出して会計を済ませると
店員に
「箱だけ下さい 本人そのままつけていくから」
店員は返事をすると指輪の箱を丁寧に包み洋子に渡した
「ふふふ 今は右手だけどいつ左手につくかしら ね~え」
神山は何も答えずに次長室に戻った
「ありがとうございます 素敵ね 私気に入ったわ
でも 母に見つかると煩いから家では出来ないわね」
「良いじゃないか そんな赤いショーツと違うよ それは」
「そうね でも良く覚えているわね 赤いショーツには参ったもんね」
「まあ 美しくなる指輪だったら大丈夫だよ」
「ねえ カトリアーナに何かしてあげなくて良いの
だってアレックスジャパンの面接 受かったんでしょ」
「う~ん 何にしようか」
「あのね さっき見ていたんだけど ポワモールの
ネックレスはどうかしら ペンダントトップがPの字で
ダイヤが入っているわ 値段も300万円だから丁度良いと思うわ
普段 つけていられるわよ」
「そうしたら 洋子買って来てくれるかな お願いします」
そう言うと神山は商品券を300万円分出し洋子に渡した
洋子は受け取ると早速店内へ買いに行った
神山は次長席で書類を纏めていると内線電話が掛かってきた
「はい 神山ですが」
「大熊工務店の加藤です」
「こんにちわ お久しぶりです」
「や~山ちゃん 偉くなられましたね」
「いえいえ たまたまですよ それでなにか」
「ええ お祝いに気持ちをお届けするのですがお時間は」
「ええ 空いていますが6時には出ますよ」
「では これから伺います」
大熊工務店は日本でも5本の指に入る建設会社で鈴やの工事は
全てここで建てられている
電話の相手 加藤は東京の東地区を担当している東京 東支社の
支社長を務めている
現在も改装工事や増床工事などを行っている上野店の傍に事務所を構え
加藤も時々顔を出している
神山が上野店の在席時 営繕課の仕事をしている時に加藤に構築物の事を
色々と教えられ勉強をした
催事課に移動してからは加藤と殆ど会うことが無かった
暫くすると洋子が店内から戻り神山にプレゼント包装した小箱を渡し
「このブティックの袋に入れていけばいいわよ」
神山はポワモールの袋を受け取ると小箱を仕舞いバッグに入れた
「洋子 これから大熊工務店の人が来る」
神山は事情を説明して わざわざ協会で会うのも
失礼なのでここで会う事を伝えた
「ええ 大丈夫よ 何時頃いらっしゃいますの?」
「うん もう直だと思うよ」
話していると次長室のドアフォンが鳴りドアを開けると
加藤を始めとしてそうそうたるメンバーが次長室に訪れた
「加藤さん 本当にご無沙汰をしています お元気ですか」
「やあ 山ちゃん 元気そうで」
神山はソファーを勧めると支社長の加藤武雄と副支社長の田端治朗が
座り支社長秘書 常磐恵子や副支社長秘書 千曲ルミら6人は
座らなかったので神山が折り畳み椅子を出して座って貰った
加藤の後ろに経理部長の和久井秀三 総務部長の石井栄蔵
現場監督の青木省二 もう一人現場監督の保川哲平の4名が座り
秘書は加藤と田端の脇に座った
洋子は直ぐに冷茶を用意しみなに配った
「いや~ 神山理事 ご就任おめでとうございます 素晴らしい事ですよ」
「でも 決裁権が無いんですよ」
「ははは しかし理事は理事 これから仕事が増えますよ
と 言っても接待される方ですがね」
「そうですか 困りますね」
「大体 今まで年寄りが多かったから控えていましたが 山ちゃんだと
大変でしょう まあ 充分楽しんだら辞めればいいのですよ」
「でも 今のところお誘いは無いですよ」
「これからですよ それから これだけは気を付けて下さいよ
一人で現場に入らない事 これは絶対に止めて下さい
まあ 山ちゃんは事務所で指示を出されている方が無難ですよ
結構 これが居るんですよ
そうそう 大竹組の麻生太郎が逮捕され懲戒免職ですよ」
「まだ 新聞には載っていないですよね」
「ええ 情報は早いですよ 警察は
あれは山ちゃんが捕まえたそうですね 凄いですね
でも もう無茶は止めたほうが良いですよ 今度は人数が違いますから」
神山が頷くと支社長秘書 常磐恵子や副支社長秘書 千曲ルミが
「本当に お体に何かあると私たち悲しくなりますよ
絶対にもう無茶はしないで下さいね」
「うん ありがとうございます しかしお二人とも美しいですね」
「いいんですよ まだ居ますから ふふふ」
神山は加藤と会ったのが5年ぶりなので秘書と会うのも5年ぶりとなる
共に30代と思われるが美しかった
「ところで 山ちゃん これは私からの気持ちで こちらは本社から
預かってきた気持ちです 受け取ってくださいね」
加藤は言いながら2つの大きな重たい風呂敷包みを神山に渡した
「そうそう 青木君 保川君」
現場監督の青木と保川は日本酒をテーブルに置いて神山に差し出した
「いや~ 美味しいのを頂きましたね ありがとうございます」
加藤は神山に理事として2つ3つアドバイスを言うと
「では 失礼しますね また何かありましたら 電話をください」
「ええ ありがとうございます」
加藤支社長と神山は握手をして次長室の外で見送った
部屋に戻ると洋子が
「すごく貫禄のある方ですね」
「そうだよ 警察も動かすからね あの人は 凄いよ
大竹組なんか目じゃないね」
「そうなの ねえ この包みは現金?」
「うん 多分そうだろう」
神山は日本酒をロッカーに仕舞うと風呂敷包みを開けるとまた丁寧に
紙で包まれていて丁寧に開けると現金が出てきた
東支社も本社も同額の7千万円づつ包んであった
「困ったな もう銀行も終ったし」
「そうしたら ロッカーに仕舞っておけば」
神山は包みを元どうりにしロッカーに仕舞うと洋子に
「ねえ 確かアルタの自由費は今日だよね」
「いやだー 明日ですよ 今日は9日ですから もう」
「そうか ごめんごめん」
「ほんと 忙しいから、、、」
「うん 仕方ないよどたばたしていたからね
そろそろ 6時になるから帰ろうか」
二人は次長室を出るとまだ雨が降っていたので神山は駆け足で
ホテルの地下駐車場にはいり蒼いBMWに乗った
ビルの外で待つ洋子を乗せると洋子が
「凄いわね いい車でしょ」
「うん まだ遠出をしていないけれど 結構扱いやすいよ」
話していると赤坂のスタジオに着き
洋子を玄関で降ろし車をガレージに入れた
家に入ると祐子とカトリアーナが神山と洋子を出迎え
「神山さん お疲れ様でした」
祐子はそう言うと神山にキスをした
神山はタクシーを呼んでスタジオで寛いだ
祐子とカトリアーナは出かける仕度をしていて二人ともモテリコの
ワンピースを着ているので神山が祐子に聞くと
「ふふふ カトリアーナと同じサイズだから貸したのよ 似合うでしょ」
「うん そうしたらカトリアーナにも今度買ってあげるよ」
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」
神山は2階の主賓室にいくとバッグを変えプレゼントを入れ替えた
スタジオで呼ばれ下に行くとタクシーがきたといわれた
4人は傘を差して外壁の玄関まで歩きタクシーに乗った
神山が運転手に行き先を伝えると祐子が
「神山さん そこのホテルではないのですか」
「うん 変更しましたよ もっと素敵なところだよ」
タクシーが青山3丁目のイタリアンレストラン スパに着くと
まだ約束の18時30分になっていなかったが
総支配人の石原順次が迎えてくれた
「神山様 本日はご予約頂きましてありがとうございます」
「突然で済みませんでした」
「それで お誕生日とお聞きしましたので ケーキもご用意しました」
「ふぁ~ 凄いな 祐子 ケーキまで用意してくれたって」
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます」
「では 神山様 お席は2階で準備しています どうぞ」
総支配人の石原は神山達を席まで案内した
「こちらのお席にお誕生日の方に座って頂きます」
円卓の真中には円筒がおかれていて全員が着席をすると石原は
従業員にシャンパンやグラスなど準備を指示し整うと円筒を外した
「わぁ~ 凄いわ 27の数字がキラキラ輝いているわ 綺麗」
バースディーケーキは円形のスポンジケーキの上に27をかたどった
スポンジケーキが乗せられて生クリームや色々と飾り付けが施されていた
27の数字には金箔を小さく刻んだものが振りかけられ輝いていた
ろうそくも27の数字の上にいろいろな色が27本立っていた
シャンパンが全員に注がれると石原がろうそくに火を点け
円卓の上にある照明が暗くされ皆でお祝いを歌うと祐子が27本の
炎を消し 神山達は拍手をして改めて祐子を祝った
照明が明るくなると石原が透明のカバーをケーキに掛けて
「お食事の最後にお召し上がりで宜しいでしょうか」
「ええ そうしてください でも素晴らしい ありがとうございます」
「ええ では準備をしますので 少しお待ちくださいね」
神山達はシャンパンで乾杯するとおつまみが運ばれてきて早速食べ始めた
一息つくと神山は祐子に
「祐子 これからもお願いしますね お誕生日おめでとうございます」
そう言って鈴やの包装紙に包まれリボンがついた小箱を渡した
「わぁ~嬉しいわ 開けていいですか」
「うん」
祐子はリボンを丁寧に解き包装紙を開けると可愛らしい小箱が表れた
蓋を開けるとハート型のペンダントでチェーンも一緒だった
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます 神山さん」
「うん 実は洋子が選んでくれた 僕は分らないからね」
「洋子さん ありがとうございます 素敵です」
洋子が神山に
「ねえ 着けてあげれば」
神山が照れていると洋子が祐子の首に着けてあげた
「どうですか 似合っていますか」
洋子は手鏡を祐子に渡し
「可愛くて 素敵よ 似合っているわよ」
祐子は嬉しくて顔を紅潮させていた
カトリアーナも祐子のペンダントを誉めていると神山が
「さあ 次はカトリアーナだ アレックスジャパンの入社決定おめでとう」
神山が言うと洋子と祐子 神山も拍手をするとカトリアーナが
「ありがとうございます 神山さんのお陰で来年から頑張ります」
神山はポワモール ブティックの包装紙に包まれリボンのついた小箱を
カトリアーナに渡すと
「わぁ~ 凄いわ ポワモールって 大好きなブランドよ」
カトリアーナは喜びを抑えながら開けるとネックレスで
「わぁ~嬉しいわ これ欲しかったのよ 神山さんありがとうございます」
「うん 実は これも洋子が選んでくれたんだ ごめんなさい」
「ううん いいの 洋子さんありがとうございます」
洋子はカトリアーナの首にネックレスを着けると手鏡を渡した
カトリアーナは手鏡を覗き再びニコニコして神山に御礼を言った
若い二人はよく話よく食べた
神山は微笑ましく見ていると洋子が
「ふふふ いいでしょ 若い子が歓んでいるのを見るのも悪くないわよね」
「うん そうだね 元気でいいよ」
「でも 3ヶ月前のあなただったらできない事よ
考えて 私のも入れると理事の年収と一緒よ」
「そうだよな ありがたい事さ でも洋子はお金がなくても付いて来るよね」
「ふふふ 当たり前でしょ 分っているくせに もう
でも あの子達もそうよ あなたの魅力に取り付かれているのよ
だから高額なプレゼントだと余計に嬉しいのよ」
「そうか 選んでくれてありがとう」
神山が洋子にキスをすると祐子とカトリアーナが
「洋子さん ずるい もう 私たち我慢しているのに ねえ祐子」
「ごめんごめん ほら その 選んで貰ったお礼さ」
「うそばっかり そんなの会社で済んでいるでしょ もう」
「いや 今日は忙しくて 御礼もしていなかったんだよ だからさ」
「いいわよ 許してあげるわ でも今夜は許さないわよ
カトリアーナと作戦を一杯話したのよ ふふふ
今度は私たちのお礼を一杯受け取ってね ねえカトリアーナ」
「そうよ 今夜は寝かせないわ お楽しみに」
2人は神山が会社に行っている間に色々と話をした様子で
姉妹のように仲良く話していた
神山は注意をして二人の会話を聞いていると時々英語やフランス語で
話しているので不思議に思った
食事が進みワインも2本目を呑むと3本目のボトルを注文した時
石原が神山に
「本日のステーキは 東条さんが焼きます 美味しいですよ
期待をしてください 間違いありません」
「ありがとうございます そうしたらそのお肉を生で下さい4人分
たれはしょうゆにニンニクとしょうがをおろしたものでお願いします」
石原はニコニコして神山にお辞儀をすると下の厨房に戻った
暫くするとワインと牛肉の生を運んできて
「今日のお肉は少し上級ですよ 来られる事が分っていれば
もっといいのを仕入れましたが これもいけますよ どうぞ」
神山は早速食べると柔らかく味もしっかりしていてカトリアーナが
「美味しいわ 初めてよ 柔らかくて」
石原は神山を見ると頷いているので下に戻った
神山達が生の牛肉を食べてから暫くするとステーキが焼きあがり
「神山様 どうぞお召し上がりください」
石原が自信をもち勧めるので一口食べると美味しかった
以前の東条では出来ない芸当で神山は感心して改めて石原に御礼を言った
ステーキを食べ終わると石原がカクテルのカルーアミルクを準備して
バースディーケーキを食べごろにカットしてくれた
残ったケーキは持ち帰れるように箱に入れ祐子のところにおかれた
ケーキを食べ終わると神山が席をたち厨房に行き東条にお礼を言った
「神山理事 今日はありがとうございます 感謝しています」
「東条さん 美味しかったですよ こちらこそありがとう」
神山は石原に会計を頼むと
「今夜は全部で12万円です」
神山は12万円を渡し会計を済ませた
4人は石原にお辞儀をして店を出ると洋子が神山に
「あなた 私はここで」
「うん お疲れのところありがとう 気を付けてね」
タクシーを拾うと洋子が先に乗り手を振ると発車していった
神山もタクシーを拾い祐子とカトリアーナが乗ると赤坂のスタジオに向った
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