2014年4月28日月曜日

紫陽花 11 - 56 Vol. 1



6月27日 土曜日 快晴
「神山さん 起きてください もう」
由紀枝は神山のおちんちんを引っ張り起こすと
「わぁおぉー 痛いぃー 分かった 起きます」
神山と由紀枝は昨夜 ベッドでもSEXをし 神山が降参をした
「ねえ 早くシャワーを浴びてくださいよ もう7時よ」
神山は由紀枝の言う事に従い シャワーを浴びるとビールを呑んだ
「ねえねえ サラダ缶詰って 簡単でいいわね」
「うん?」
「うん さっきちょっと食べたの 美味しかったわ
今 冷蔵庫で冷やしているから もっと美味しいわよ」
神山はサラダ缶詰が売れると思い 一安心した
「さあ 出来ました 今日は和洋折衷だけど 勘弁してね ふふふ」
由紀枝はそうめんスープや缶詰など 神山から貰ったお中元の御裾分けを
ふんだんに使い 調理した
神山は缶ビールをだし由紀枝と呑みながら 朝食を食べた
「うん いけるね 生のサラダと比べても遜色ないよ 美味しいよ」
由紀枝はもう一皿サラダを冷蔵庫から出し
「じゃ こっちはどうかしら?」
神山は何も考えずに 端を進めたが
「あれっ こっちの方が美味しいよ パリパリと歯ごたえがあるし」
「ふふふ 今食べたのがサラダ缶詰よ 先ほどのは2日前のレタスなの」
「へぇー そうか そんなに違うんだ 美味しいよほんと」
「でしょ 私だったら 安売りの時に纏め買をするわ」
「まあ 当分の間は無いと思うけれど ホテルで買えるはずだよ」
神山は経緯を掻い摘んで説明し 伊豆高原ホテルにも試食して貰っている
事を伝えると 由紀枝は
「絶対にこの缶詰だったら 買うわねみんな だって野菜を
好きな子ばかりよ お昼に食べてもいいし 夜食べても大丈夫だし
ふふふ それに原価で食べられるメリットがあるわ」
「そうだね 仕入れ値で食べられれば 絶対に欲しい一品だよね」
「きっと GOLでも売れるわよ でも貴方って凄いわね 見直したわ」

食後 神山はいつものように30分横になると 頭がしゃっきとした
「さあ 由紀枝 支度は出来ましたか」
「ええ 大丈夫よ そうそうデジカメを忘れていたわ」
由紀枝はデジカメをモテリコのボストンに仕舞うと 神山と腕をくみ
駐車場まできた
蒼いBMWに由紀枝を乗せると 神山はゆっくりと車を出した
いつものように45分で渋谷に着くと思ったが 予定より早く着いた
「ここって2回目だけど やっぱり 大きな街ね」
都会を見るのは2回目だが由紀枝には何もかも新鮮に見えた
サラリーマンや学生が多く人の多さにもビックリしていた
洋子と待ち合わせたシブヤ ハイアット ホテルのタクシー乗り場には
5分程早く着いたが洋子と祐子が待っていて手を振った
「やあ おはよう」
「わぁー祐子さん おはよう 洋子さんおはようございます」
「さあ 乗って そしたら由紀枝は後ろに行って祐子と一緒で良いでしょ」
「でも、、、」
「良いわよ 由紀枝さん 私が後ろに乗るから」
洋子と祐子が後ろに乗ると由紀枝はニコニコして神山を見つめてキスをし
「わぁ~ 素敵よ 嬉しいわ」
由紀枝は洋子と祐子を無視して嬉しさを表現していた
蒼いBMWは再び首都高に入って鎌倉を目指し飛ばした
横浜横須賀道路を朝比奈ICで下りると北鎌倉まで行って有料駐車場に
車を止めると神山は
「では 紫陽花ツアーの始まりでーす」
神山は最初に東慶寺の紫陽花を見学した
先月きた時も カメラマンが多かったが この時期は特に多く
三脚を構えているカメラマンは 見学者の事を考えずにいた
石畳の参道を我が物顔で三脚を構えているカメラマンが居て 神山は
「もしもし 写真もいいけど 考えて撮影してください」
カメラマンが神山を睨むが 神山の言う事が正しいので 三脚を参道から
外しアングルを決め直していた

何年か後 北鎌倉、鎌倉とカメラマンの三脚持込が禁止されるようになり
アマチュアカメラマン達は不満を口にしたが 結局は 自分達が
自分の首を絞めることになった
カメラマンの不道徳さで電車を止めたりし モラルの向上を望むが
ごく一部のカメラマンによる 暴走でイメージを悪くしている現状だ

「先月と全然違うわね 綺麗ね祐子さん」
「ほんと ブルーとパープルの組み合わせや 白でしょピンクでしょ」
「ねえ 祐子さん 写真とって」
由紀枝はデジカメを祐子に渡すと 鐘楼の紫陽花の前で写真を撮って貰い
次は神山と並んでいるところも撮影してもらった
「わぁー 祐子さんって 上手ね ありがとうございます」
祐子と洋子は神山とのツーショットは撮影しなかったが 一人の写真は
撮影した 神山が3人一緒の撮影すると洋子が
「あーあ やっぱりお姉さんになるわね」
それを聞いた祐子と由紀枝はクスクス笑いだした
4人は奥にある菖蒲畑をみて 鎌倉街道に戻った

神山は次に紫陽花寺(明月院)を案内した 
ここも5月に来た時には 本当に蕾が可愛らしかったが
今はまだ蕾を持った株もあるが 涼しさを感じさせた
観光ピークとあって 人の流れにのり 山門までいくが 中に入っても
観光客で一杯なので 記念撮影は取りやめた
しかし 洋子 祐子 由紀枝は思い思いに 風景やみんなを撮影し
紫陽花の花に囲まれて 嬉しそうだった
神山は今夜のホテルに電話をするので 女性たちと離れた
以前 宿泊した強羅のザ ホテル 強羅へ電話をすると スイートが
空いていたので 大人4名でキープした
神山は洋子たちを探したが 見つからないので 携帯電話をかけると
「ふふふ 直ぐ後ろに居ますよ もう 何処見ているの」
神山は後ろを振り向くと 3人がニコニコして
「私たちより いい女いた?」
神山は何も答えられず
「さあ 次は浄智寺にいきます はぐれない様にね」
洋子たちは 後ろで はぐれるのは神山だと話をしていて
「うん 何か言った」
洋子たちはクスクスと笑い 神山の後ろを楽しそうにおしゃべりしながら
歩いていると 洋子が
「ねえ 向こうから来るの 町内会の叔母さんだわ どうしましょう」
神山はとっさにみんなに
「いいかい 会話は英語だよ 分かったね」
由紀枝や祐子は 訳が分からなかったが 英語で話をした
運良く 洋子の母親はこちらに気がつかないで 通り過ぎたが 神山は
用心のために 浄智寺まで英語で会話をした

浄智寺に着くと神山が
「はい 英語のテストは終了です ありがとうございます」
「もう 神山さんなんなの 突然 ねえ祐子さん」
「うん 事情は後でお話します では紫陽花を見に行きましょうね」
山門までの緩やかな階段の左右に紫陽花が綺麗に咲いていた
特に 太鼓橋を渡り右側奥が竹林で 緑の空間に紫陽花が浮き出て
幻想的な光景を見ることが出来た
3人ともデジカメで アングルを変え何枚も撮影していた
神山が山門を背景に3人並ばせ 記念写真を撮影した
ここは他の寺に比べると紫陽花を見るところが少ないので
有料駐車場へ戻り BMWで鎌倉に向かった
トンネルを越え下ると鶴岡八幡宮を左に 鎌倉駅近くの有料駐車場に
車を止めた

「さあ 少し早いけれど 昼食にしよう」
神山は3人を駅傍の蕎麦屋に連れて行った
「わぁー おしゃれなお店ですね」
「うん 現実から逃避できるだろう なかなか心安らぐお店だよ」
店内は全て座敷でテーブル席は無く 仕切りは籐で出来ていた
壁は杉の木を焼き黒くしたもので 落ち着いて食事が出来た
神山は仲居に生ビールとおつまみでてんぷらや鳥の照り焼きなど頼んだ
直ぐに生ビールが運ばれると 神山は
「えっー お疲れ様です かんぱーい」
みんなで乾杯すると 由紀枝が早速
「神山さん 紫陽花寺の英語はなんだったの?」
神山が洋子の顔を見ると 頷いているので
「えっー実は 英語で話そうというときに 洋子の母親が近づいて着ました
そこで 由紀枝をアテンドしているお芝居をしました 以上です」
「ごめんなさい でも 母は気がつかなかったわ 紫陽花を見ていたわ」
「へぇー そうか 休みで鎌倉って 不味いわね うん」
「そうね これから楽しいのに 不味いわね ふふふ ねぇ洋子さん」
「まぁ 意地悪」
洋子は顔を真っ赤にして 笑ってしまった

神山達は日本酒を呑みながら 楽しく食事を終えると
「では 今日はちょっと外れたところに行きます」
神山が精算し駅前でタクシーに乗った
「鎌倉宮までお願いします」
タクシーでは神山が前に座ったので 女性たちは後ろでキャーキャーと
話していて 少し騒がしいと思ったが 何も言わなかった
鎌倉宮に着くと 神山は売店で缶ビールを買い求めみなに配った
「神山さーん 頂いて文句言えないんですが たまにはジュースとか
お茶が良い時もありますよ」
「うん 分かった」
そう言うと 売店で熱いお茶を3つ買い みなに渡した
祐子や由紀枝はクスクスと笑い 洋子は呆れていた
車一台が通れる狭い道を歩いていると 平山画伯のスタジオが右手に見え
更に少し歩くと瑞泉寺に着いた
総門で200円払い 石畳を進むと左右に坂が分かれていた
右側をゆっくりと登ると右手に竹林があり そこに紫陽花が咲いて
午後の斜光を浴び 花が生き生きと浮き出ていた
山門をくぐると 左手に鐘楼がありそこにも紫陽花が咲いていて
みなで記念撮影すると 休憩所で一休みした
ベンチに座りながら 傍にある紫陽花を撮影し楽しいひと時を過ごした
本堂裏の石庭を見学した後 鎌倉宮まで戻り タクシーを待った

「今日は紫陽花ばかりで とても楽しいわ 東京に居るとこうやって
時間が空いたら見ることが出来るなんて いいわね」
「うーん 逆に近すぎて余り見に来なくなったね
ほら 観光客が多いから 平日の方がいいし でも平日も多いかな」
「ふふふ 贅沢な悩みね 御殿場には無いわよ いいわね」
タクシーが来ると 神山は鎌倉駅に戻り 江ノ電に乗車した
極楽寺で降りると 極楽寺や成就寺を見て周り 鎌倉まで戻った

「さあ それでは紫陽花のライトアップを見ましょうね」
神山は国道134号線に出ると 左に海岸を見ながら走った
途中 江ノ島で給油をし 飛ばすが土曜日の午後なので
多少 混みだし西湘バイパスまでは ゆっくり走った
二宮ランプで西湘バイパスに入ると いつもの調子で走り
箱根湯元までは1時間も掛からないで到着した
神山は駅前で3人を降ろすと 近くの有料駐車場に止めた
みんなのところに戻ると 箱根登山電車の線路脇には紫陽花が見ごろで
3人ともデジカメで撮影をしていた
時間的に少し早く ライトアップまで乗車は待つ事にして撮影した
神山も3人をモデルにして 紫陽花を撮影していたが
「ねえ 神山さん なんで下からばかり撮影しているの 嫌だぁー」
「ほら 紫陽花が綺麗に入らないんだよ 普通に撮影すると
ちょこんと上のほうに写るだけだからさ それで下から撮ったんだ」
由紀枝はデジカメのモニターを見てみると 確かにそうで
「ふーん 分かりました ふふふ パンツを見たいのかと思ったわ」
その話を聞いていた 洋子と祐子は大笑いした
話していると 直ぐに暗くなり紫陽花にライトアップされた
3人は 綺麗といいデジカメでライトアップされた紫陽花を撮影した
「ねえ 神山さん どう 綺麗でしょ」
「私のも見て 綺麗でしょ」
神山は祐子と由紀枝の写真を見て頷いていると 祐子が
「神山さん 3人の写真を撮って」
デジカメを渡され 神山は少ししゃがみ 背景にライトアップされた
紫陽花をいれ撮影をした 
祐子や由紀枝が見に来て 顔が暗いのでがっかりしていたが
「分かった ごめん フラッシュを使います もう一度ね」
神山は先ほどと同じアングルでフラッシュをたき撮影すると
「わぁー 綺麗 ありがとうございます ふふふ」
由紀枝や祐子 洋子が納得してくれたので 電車に乗ることにした

電車は箱根湯元駅を出ると右側斜面に紫陽花が咲いていて
ライトアップされると 幻想的な世界に引き込まれた
ボックス席のマド側に祐子と由紀枝が座り 楽しそうに話しながら
紫陽花を撮影をしていた
洋子と神山はそんな二人を 微笑ましく見て洋子が
「良かったわね あなた ふふふ」
神山が祐子の方をみると 洋子はニコニコして頷いた
途中スイッチバックを2回行い 彫刻の森美術館が見えてきて
照明が夜空に映え 幻想的な世界を醸しだしていた
「わぁー 綺麗ね おとぎの国みたい あそこだけ別世界ね」
「そうそう ほんと綺麗ね あれでチカチカしたらクリスマスかしら」
神山は二人の話を聞いていて はっと思いついた
GOLで使えるかもしれない

電車は強羅駅に着き タクシーで ザ ホテル 強羅までいった
神山はフロントでTJカードを見せるとフロントが
「いらっしゃいませ 神山さま お待ちしておりました」
神山は簡単な宿泊手続きをするとカードキーを渡されて
「ご夕食は3箇所とラウンジをご利用できます
ご朝食は2箇所とラウンジがご利用できます」
フロントが詳細を説明したあとにポーターが荷物を運んでくれた
最上階にあるスィートルームは広くて部屋の真中に浴室があった
「みんな ちょっと会社に電話をします ごめんね」
神山は3人に断るとGプロの高橋に電話をした
「考ちゃん 神山です」
「山ちゃん こんばんわ どうしたの」
神山は今見てきた 彫刻の森美術館の夜間照明のことを説明した
「それはいいアイデアですね そうすれば会場内も明るくなるし
御殿場線からも充分に見えるよ アッパーとライン照明をやりましょう」
「それで クライアントだけではなく 県庁にも納得してもらう為に
大至急 PC処理で 製作してくれないかな」
「うーん 山ちゃんの言う事分かりますが 順番にやります
今夜も11時までやるつもりで がんばっていますよ そうそう
明日も休みなしです 頑張ります」
「うん それが出来たら クライアントに説明して 県庁だ うん
考ちゃん 頼むから お願いしますね」
「了解ですよ 本社にも依頼してNNや鈴やフード 頑張っていますよ
本社も明日の休日返上で 頑張っています なので照明の件は
それが出来た後でないと PC処理が出来ないんですよ」
「そうだね ごめんごめん お願いします」

「どうもお待たせしました お仕事終了でーす」
「もう 早く露天風呂に入るんだから お仕事ばかりで」
「うん ごめんごめん さあ では入ろうか」
神山が由紀枝のワンピースを脱がそうとすると キャァーキャァーいい
逃げ回り 洋子と祐子が助太刀し神山はベッドに倒された
「ごめん もうしません 誤ります」
仰向けに寝ている神山のおちんちんを3人は ポンポンと叩き大笑いした
神山だけ取り残され 3人は露天風呂に入った
冷蔵庫から缶ビールを取り出し 3人に渡し
「ねえ 入れてくれるかな?」
「いいわよ ねぇー」
「そうよ 入ればいいじゃん そんな気にしないで」
神山はどうしたものか 考えたが思い切り入る事にした
「ねえ 今夜はステーキハウスにしようか?」
「ええ 多分美味しくなっているわよ そうしましょう」
由紀枝は事情を知らない祐子に先月の出来事を掻い摘んで説明した
神山も缶ビールを貰い 一口で呑干すと新しい缶ビール冷蔵庫から
持ってきて みんなに配った
群青の夜空を眺めていると 由紀枝と祐子が神山のおちんちんを触り
「きゃぁー まだ小さいわ どうしたの ねぇ祐子さん」
「そうそう 小さいわね ふふふ」
祐子と由紀枝は立ち上がると お尻を突き出し神山に見せた
「おいおい 大事なところがまる見えだよ」
洋子がおちんちんを触ると 大きくなっているので
「ねえねえ 大きくなったわよ」
「えっ ほんと わぁー」
洋子と由紀枝 祐子ら3人は肉棒をしごいたりキスをしたりした
「わぁー 硬くなったわ 不味いわね もう止めときましょうよ 洋子さん」
「そうね これからだと お腹が空いているし ねぇー」
3人は神山から離れると ペチャクチャ話し出し由紀枝が
「神山さーん 早くステーキを食べに行こうよ」
「そうですよ 早く行きましょうよ」
神山は完全に弄ばれ 意気消沈した

4人は丹前を羽織ってステーキハウスに行くと受付でカードキーの
確認があり受付嬢が
「カウンターとテーブル席とどちらにされますか」
神山は3人に聞くと景色の見える窓際の席が良いと言うのでテーブルにした
「ふぁ~綺麗 祐子さんほら 見て」
由紀枝と祐子は窓から見える強羅の夜景を堪能していた
窓際に由紀枝が 隣に洋子が座り神山は洋子の正面に座った
神山は外を見た後に生ビールを頼み
「出来れば 焼いてくださる牛肉を生で食べたいのですが、、、」
「ええ 構いませんよ ニンニクとしょうがをおろした
しょうゆたれで宜しいですか?」
「ええ お願いします それと特に人気のあるステーキは有りますか?」
「はい ございますが 神山様は最高級のお肉を使わせて頂きますが」
「ありがとうございます それでしたら そのお肉も
2人前でお願いしますね」
「はい 畏まりました」
ウエイトレスはニコニコして厨房に戻りオーダーを入れた
生ビールと生の牛肉が運ばれると4人は乾杯をして食べた
神山が
「味が濃厚で期待出来るね 前回より美味しいよ」
「そうね 今夜は柔らかくて美味しいお肉が期待できるわね」
そんな話をしていると シェフが神山のところに来て
「過日は勉強になりました 本日は最高のお肉を食べて頂けたらと思います」
「やぁ こんばんわ お願いしますね それに合うワインをお願いします」
「はい 畏まりました 最初は野菜類や魚介類をお持ちいたしますが」
「ええ ステーキも準備が出来次第 持って来てください」

シェフは丁寧にお辞儀をすると 厨房に戻っていった
料理が順番に運ばれ 野菜や魚介類も美味しく頂け
シェフの美味しいステーキが運ばれると 由紀枝が
「わぁー 柔らかくてジューシーで美味しいわ ねぇ祐子さん」
「ええ 美味しいわね うん 口の中で蕩けるわ」
「ソースも美味しいし お肉もこれが牛肉っていう感じ」
「うん お乳の味が嫌味なくて いくらでも食べられるわ」
「そうそう 私たちのおっぱいの味かしら ふふふ」
由紀枝と祐子はよほど嬉しいのか 楽しく話をして食べていた
神山はステーキの量が少し少なめだったので ウエイトレスを呼び
「申し訳ないけれど ステーキだけ単品でお願いします
それで にんにくをもう少し効かせて下さい お願いします」
ウエイトレスはニコニコしてお辞儀すると厨房にオーダーを入れた
暫くするとウエイトレスが大きな伊勢海老を持って来た
「これはシェフが考えたメニューで 是非食べて頂きたいとの事です」
みると 伊勢海老を縦半分に捌かれ 焼かれたものだが 一口食べ
「うん 凄く美味しいよ バジルとオリーブオイル にんにくと
ブラックペッパーが微妙に絡み合い でも甘さがあって非常に美味しい」
3人の女性たちも神山同様の評価で ウエイトレスは
「良かったです シェフも喜びますよ」
ウエイトレスは ニコニコしお辞儀をして厨房にさがった
神山達は ステーキに満足をして食事を終えると部屋に戻った

神山がソファーでブランデー呑み寛いでいると洋子が
「ねえ モテリコでコートを買わない?」
「えっ だって洋子は買ったでしょ」
「ううん 祐子さんと由紀枝さんの分よ」
「うーん 今回は1千万円しか持って来ていないんだ」
「ふふふ 私が軍資金 1千5百万円持って来ているわ」
「えっ 1千5百万円も もう、、、大丈夫?」
「大丈夫よ それに軍資金をそんなに使っていないでしょ
来月になればアレックスの軍資金も入るし ねっ」
神山達は3階のショッピングモールにある『モテリコ』にいった
先日洋子に買ってあげた毛皮のコートが飾られていて
「由紀枝に祐子 それを着てごらん よかったら買うよ」
二人は一瞬驚いたが 顔を見合わせニコニコして
「本当ですか 気に入ったら買って頂けるんですね ふふふ ねぇ祐子さん」
神山は店長に話すと コートを由紀枝に着せてくれた
「凄く暖かくて 軽いわ 気に入りましたー ふふふ 祐子さんよ」
由紀枝は脱ぐと祐子に着せてあげると 祐子も
「ほんと 軽くて暖かいわ 私も気に入りましたぁー」
神山は店長にこれに合うブーツも出して貰うと由紀枝が
「穿きやすそうなブーツですね」
そういいながら穿いて 店内を歩くと
「うん 歩きやすいわね 大丈夫 はい祐子さんどうぞ」
次に祐子が穿き 店内をお尻を振って歩いた
3人は大笑いしたが祐子は
「うん お尻を振って歩いても 歩きやすかったわ 大丈夫よ ふふふ」
神山は店長に御殿場グランドインのカードを見せると
「神山様 いつもご利用ありがとうございます もう神山様のことは
覚えさせて頂きましたので 次回からはカード提示なしで大丈夫です」
店長はニコニコして神山にお辞儀をしていた
「こちらのコートは900万円ですが30%offでブーツは80万円ですが
こちらも30%offでご提供させて頂きます 如何でしょうか」
神山は頷くと洋子から1千万円を受け取り372万円をギフトカードで
支払い コートとブーツを自宅届けにして貰った
「神山様 このお二人にぴったりのバッグがございます こちらです」
店長が陳列台からバッグを持って来ると祐子や由紀枝は
「わぁー 素敵なバッグね でもどうかしら」
由紀枝と祐子はコートを着て バッグを持つと洋子が
「大丈夫よ似合っているわよ ねぇ私も欲しいわ ねえ神山さん」
神山は150万円のバッグを買うことに決め店長に
「これはどの位引いてくれるのかな」
「ええ こちらは25%引かせて頂きます」
神山は洋子から337万5千円を受け取り支払いをし バッグも
コートと一緒に自宅届けをお願いした

ブティックを出るとラウンジでカクテルを呑む事にした
「でも あのコートで祐子さんと一緒に歩くと 姉妹に間違われるわね」
「そうね ふふふ ピチピチギャルズ ふふふ」
その話を聞いていた洋子は私も買っていると言えず がっかりした
神山はそんな洋子の気持ちを察し
「ははは ギャルズではなくて ボインレディーズだよ
だって亜矢子にも買ってあげるつもりだし、、、」
そこまで言われ祐子と由紀枝は
「わぁー そうするとボインボインレディーズなのね ふふふ
楽しいわね 洋子さんや亜矢子さんとみんな一緒だと 後ろから見たら
全然分からないし 前から見るとさてさて 貴方の好みはだあれって」
それを聞いた洋子は
「もう いいですよ どうせ私と亜矢子さんは叔母さんだから もう」
洋子が口を尖らせ笑い出すと みんなで笑った
「しかし 安いね それに良く値引きをしてくれているよ」
「まぁ 高いわよ もっとも今の貴方にとっては安いわね」
「うん まあ 逆に3着1000円のTシャツが着れなくなったがね」
「そうね 昔が懐かしいでしょ」
「おいおい 昔って3ヶ月前の話だよ そんなにおじさんにしないでしょ」
「へぇー神山さんて 3ヶ月前は普通のサラリーマンだったの」
「そうよ 私も普通の係長よ ふふふ」
「へぇー 凄い ねぇ祐子さん」
「ええ 凄いわね 私も始めてお聞きしました」
「ははは もういいでしょ さあ呑もうよ」
神山たちはフロアでダンスを楽しむと部屋に戻った

「さあ 露天風呂に入ろう」
神山達は露天風呂でSEXを楽しみ ベッドに戻ると神山は
「さあ 今夜は頑張るからね」
「楽しみね ふふふ」
神山は由紀枝や祐子そして洋子を次々と快楽の頂点へと送ったが
女性たちは直ぐに回復し神山を攻め立てた
「どうしたの まだまだこれからよ」
神山を寝かせると 洋子がフェラチオをし祐子が顔に跨ったり
由紀枝が蟻の門渡りを攻めたりと 肉棒も麻痺してきて 降参した
「もう まだ欲しいのに もう降参なの」
由紀枝は天を向いている肉棒をぴしゃりと叩くが 反応がなく
「うん やっぱり無理だ ごめん」
神山は3人に降参宣言をしみんなに許してもらった






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2014年4月23日水曜日

紫陽花 10 - 55 Vol. 3



説明が終わると田宮が缶詰を神山に渡し
「昨日の試作品です どうぞ」
神山は缶詰を開けると 真空パックのサラダが綺麗な彩で見ただけで
よだれが出てきた
パックを開けその中に水を入れると 野菜が元に戻り
缶詰に野菜を入れてみて 一口食べると 新鮮で美味しかった
洋子もこれなら 多少高くても売れると里香に話した
林敬子がニコニコして神山に
「あなたはうちの救世主です ありがとう 本当に嬉しいわ」
神山の手をとり両手で握手をした
「まあまあ 普通の事をしているだけですよ ほんと」
林は頭を上げるとうっすらと 涙ぐんでいた
田宮が神山に
「この試作品 3ケース120個あります これを皆様で試食して頂き
ご意見を頂きたいんです お願いします」
神山は快く引き受けると森和幸が車から出してきて 次長室に運んだ
「田宮さん 現在何ケース有りますか」
「ええ まだ試作なので 100ケース限定ですが 一応1ロットなんです」
「そうしたら 若い人などに設定価格で食べて貰いましょうか いいですか」
「ええ お願いします それで何ケースでしょうか」
「ええ 10ケースお願いします」
「えっ10ケースですか こちらの分も含んでですか」
「はい 全部で10ケースお願いします それで卸と設定価格は」
田宮は林と相談して
「卸は100円です 設定価格は300円です」
「わぁー そんなに利益が出るんですね 分かりました
設定価格は崩さずに 試食してもらいます アンケート付きで」
神山は4万円を田宮に渡し 洋子が用意した領収書にサインした
「楽しみに待っていてください」
「はい お願いします」
神山は東都食品の面々をビルの出口で見送ると次長室に戻った
時計を見ると10時30分を指していたがゴテンバ グランド インの
椿総支配人に電話をした
神山はGOLで限定販売する東都食品のサラダ真空パック缶詰を
従業員に食べてもらいたい事とアンケートをお願いしたい事
GOLがオープンしたら お土産で置いてもらいたい事など伝えると
快く引き受けてくれ お土産については生産品を試食してからと言われ
神山も充分大丈夫と話した
電話を切ると伊豆高原赤沢ホテル 総支配人山本清次郎にも椿と同じ内容で
伝えると快く引き受けてくれた
アレックスジャパンのJrにも同様の話をするとOKと言われたので
神山は3箇所の住所をメモして 宅配便で送る手配をした
「さあこれで6ケースさばけたね あと2ケースアルタ小田原工場に送るよ
それから 1ケースはうちで処理をして あとは洋子の知っている
一人暮らしの女性に分けてくれるかな」
「そうね 女性の意見の方がいいでしょ 分かりました
でも 凄いわね 早い決断力は鈍っていないわ ふふふ」
洋子は神山のおちんちんをポンと叩き
「ここはまだ 鈍っているようね ふふふ」
「こらぁー」
神山は洋子のお尻を叩く振りをすると洋子は キャーキャーいい逃げた 

「じゃ 今日は久しぶりにZで行こうか」
「ええ 乗ってあげないと可哀想よ」
神山はサラダ缶詰2ケース持ち 駐車場までかけ足でいった
「わぁー だから傘をさせばよかったのに」
「うん まあ さあ行こうか」
文京区のアルタ本社に着くと 受付で小谷美佳が神山を見て立ち上がり
「副社長いらっしゃいませ」
深々とお辞儀をして迎えてくれた
「おめでとう 良かったね 話は又聞くよ」
小谷はニコニコして内藤に電話をすると エレベーターまで案内した
神山と洋子は社長室に入ると 内藤が
「山ちゃん まさか爆弾じゃないよね そのダンボール」
「いえいえ 爆弾ですよ 日本中が驚く爆弾です」
「えっ またそんなの物騒なもの持って来て 驚かさないで さあどうぞ」
神山と洋子は進級のお礼を伝えた後に
「実は社長 私はニーナ・ニーナ東京支店のメンズアドバイザーに
昨日付けで就任しました 洋子さん見せて」
洋子が契約書を内藤に見せると 内藤は驚いて声が出なかった
「それでNNメンズをGOL限定販売します プロモーションビデオや
CMなどアルタと契約しました 洋子さんお願いします」
洋子は契約書を内藤に見せた
内藤は嬉しいが声を失っていた
「如何でしょうか」
「や、山ちゃん ほ、本当の話ですよね」
「ええ それで話はもう進んでいますよ 勿論プランですが
プロモーションビデオのコンテも頭の中にありますし」
「えっ そ、そこ、そこまで詰めているの、、、へぇー」
「驚かないでくださいよ しっかりしてください 部下がお手柄立てたのに
褒めてくださいよ もう ねぇー洋子さん」
「うん ありがとう 素晴らしすぎて 頭の中がパニックって」

神山は昨日の出来事を話すると スタジオで出来ない事はないが
臨場感や雰囲気を出すんなら そこで撮影した方がいいと言った
神山は午前中なら出来るだろうと答えた
「いやー 山ちゃん 凄いないつも驚いているけど 凄い それでそれは」
神山はサラダ缶詰の経緯を話し 試作品が出来あがったので
小田原工場でみんなに食べてもらい アンケートを回収したいと伝えた
「わぁー 本当に爆弾だね 缶詰業界はびっくりするよ」
「ははは 協会理事の私は驚いていませんがね」
「ははは そうだったね うん でも業界は驚くよ」
「そこでパテントの件もあるので社名は伏せてください
それと早期試食 早期回収でお願いします 時間があればあるほど
技術を盗まれますから」
神山は自分で言ってはっと思い
「洋子さん 里香さんに大至急連絡とって」
洋子は携帯で里香に電話すると
「里香さんです
もしもし神山です 先ほどはありがとうございます」
「いえ こちらこそ それでなにか?」
「ええ サラダ缶詰ですが パテントを取得されるわけでしょ」
「ええ そのつもりです」
「なら 試食も限定した方がいいですよ 時間があればあるほど
技術が盗まれます 特に同業者には直ぐに分かるでしょ」
「あっ そうですね 分かりました 早急に手配します
本当に何から何まで ありがとうございます」
神山は電話を切ると洋子に
「よかった 早期試食 早期回収 間に合ったよ」
「よかったですね あなたのアイデアですものね 良かったわ」
「な、なに、このサラダ缶詰、山ちゃんのアイデアなの、、、」
「って言うか 洋子さんと話をしていたら出てきたんですよ」
「へぇー 爪の垢をください」
3人は大笑いした
神山と内藤は御殿場アウトレットの経過確認をして別れた

貴婦人の中で
「しかし内藤社長 驚いていたね サラダ本物以上に美味しいって」
「ええ 私もそう感じたわ 歯ごたえも充分だし」
「でもさ ドレッシングが欲しかったな えっドレッシングかぁー」
「そうね ドレッシングがあると又違うわね」
「でも 出来るんだろうか 兎に角部屋に着いたら電話するよ」
「缶詰の中には一回分だから 鉛筆の太さで充分でしょ」
「そうだね でも 油って瞬間冷凍した後 解凍って出来るのかな」
「そうか そうよね 解凍に時間が掛かったら 台無しね」
「うん 食べる気なくなるもん」
話しているとビルに着き洋子を降ろすと 駐車場に止めた
神山は駆け足でビルに入ると びっしょりと濡れてしまった
次長室に戻るとジャケットを洋子に渡し田宮に電話をした
「はい 田宮です」
「神山です 度々すみません 実はサラダ缶詰ですが ドレッシングって
付ける事が出来ますか って言うのはドレッシングがあるのと無いでは
印象が全然違ってくると思いまして」
「ええ ありがとうございます その件は現在試作をしていますが
解凍に時間が掛かったりと問題があって 今回の試作には外しました」
「はあ やはり考えるところは同じですね」
「ええ 私も考えましたが どうするか試行錯誤しています」
「はい 分かりました では」

神山は電話を切ると洋子に
「やはり解凍に問題があって 今回の試作には外したんだって」
「へぇー でもそうよね あなた流に考えれば 味があった方が美味しさが
倍増するものね ふふふ」
「洋子 そこなんだよ でも解凍が上手く行かないんだな、、、」
神山もサラダ缶詰にだんだんとはまり込んでいった
「ねえ お昼はどこに行こうかしら 雨が強いもの」
「店のうなぎにするか」
「ええ そうね ではいきましょう」
神山たちは店のうなぎ屋へいくと 仲居が奥の座敷に案内した
「えーっと 蒲焼のおつまみと 湯葉のおつまみ 生ビールかな」
神山は注文すると 仲居は襖を閉め出て行った
暫くすると生ビールとなま湯葉などおつまみが運ばれた
「洋子 今回祐子は外したんだが どうしようか」
「えっ 今までそんな事 私に相談した事がないのに どうしたの」
「うん 単純だよ どうしようかなって」
「私は何も言えないわ 貴方が決めてください」
「そうだよな なんか調子が可笑しいな なんだろう、、、」
「ふふふ 毎晩祐子さんに降参しているんでしょ」
「まさか そんな事はないよ でも降参する回数が増えた事は事実だね」
「まぁ 大変」
「うん 初心貫徹 今回は外します」
神山がそういうと蒲焼が運ばれてきた
二人は美味しく食べ終わると神山はギフトカードで精算し
次長室に戻ると 神山はいつものように昼寝をした

神山は30分寝ると頭がスッキリした
「洋子 銀行に行ってきます」
神山は銀行の窓口でスイス銀行入金手続きをした
「神山さま 60億で間違いございませんか」
「うん 口座を間違えないよう お願いしますね」
窓口嬢は神山に言われた口座番号を丁寧に入力した
スイス銀行は日本の銀行と違い 残高がペーパーで分からないように
なっていて 電話で確認す方法が取られていた
神山は直ぐに電話すると 口座番号と暗証番号を聞かれ 答えると
残高の案内だけ教えてくれた
神山は入金した金額があっていたので 窓口嬢にお礼を言った

次長室に戻ると何も無かったので
「ありがとう 少しGプロに行ってくる」
神山がGプロの部屋に行くと 高橋が田中や内野のデザインを見ていた
「考ちゃん どう 進み具合は」
「ええ 大丈夫ですよ 昨夜も11時までやりましたし今夜も同じです」
「うん でないと 予算は取れました出来ませんでは 恥ずかしいからね」
「そうですね それで県庁にはいつ持っていくんですか」
「うん 出来上がって クライアントに見せてからだから
大体 1週間ぐらいでしょう 大丈夫でしょ」
「ええ 基本プランは変わらないし 山ちゃんのデザインが生きるから
修正でいけるから 来週の月曜日には山ちゃんに見せられるよ」
「うん それで手直し2日として やはり1週間だね」
「そうですね 頑張りますよ」
神山は時計を見ると3時を少し回ったので 部屋を出て次長室に戻った

「ねえ 昨日頂いたニーナ・ニーナの包みは確認されましたか」
神山は気がつき 次長席の上に出すと モーガンが2千万円で
筒井が1千万円包んで来てくれた
「すっかり忘れていたよ でも銀行が閉まったから 引き出しに仕舞うよ」
「もう 大切な事じゃないですか 私 頂くわよ 本当に ふふふ」
「おいおい 勘弁してくれ」
「でもいいわね NNの紳士服なんて 絶対に素敵よ 早く見たいわ」
「でも 基本デザインは この格好だよ あとは素材だね」
「ええ 素敵よ 私が男だったら 毎日着ているわ」
「そうか まあ デザイナーに任せるよ
そうだ NNで専属秘書の辞令を貰わなかったな どうしようか、、、」
「大丈夫ですよ もう一杯頂いていますから」
「うーん ちょっと待って」
神山は筒井に電話をして 洋子の専属秘書の件を伝えると
快く引き受けてくれ NN東京支店の辞令を発令すると話した
「それでしたら 私はそちらに伺えませんので 本人に渡してください」
「うん それから昨日の辞令も一緒に渡しておきます」
「ところで役職は」
「うーん 部長秘書でどうだろう」
「筒井さん 私はアドバイザーですが、、、」
「うん山ちゃんは 副社長と並ぶ権限を持っているよ 上は支店長だが
私より権限はあると モーガンから言われ そのようになっています」
「へぇー 凄いですね」
「うん 私を抜いたんだよ ははは 困った人だ 山ちゃん」
「ははは そんなに困らないでくださいよ では何時がよろしいですか」
「うん 今からでもいいよ 準備は直ぐに出来ます」
「はい 洋子さんに伝えます」

神山は洋子にNN東京支店の部長秘書辞令が出る事を伝えた
「わぁー 凄いわね ありがとうございます」
「うん 頼みますよ 調整が忙しくなるけれどね」
「それで いつ伺えばいいんですか」
「うん 今からでもどうぞって だからポストは用意してあったんだと思う」
「そうね では行ってきますね」
「うん 僕も出るから 一緒に出ようよ」
神山はボストンバッグを持って部屋を出る時に
「そうだ Gプロに話してくるよ 今夜も11時まで仕事だし
洋子はこのまま帰っていいよ 何も無いし 何かあったら携帯まで」
「はい そうしたら支度します ちょっと待ってね」
神山はGプロに行くと高橋に
「僕は用事で居なくなります 田所さんも帰りますので 何かあったら
携帯まで連絡をくださいね」
「了解 月曜日を楽しみにしてね」
「うん 分かりました」
神山は洋子を蒼いBMWに乗せるとニーナ・ニーナのビルに着いた
「じゃ 帰りはタクシーでお願い それと明日9時に渋谷」
「はーい 雨だから気をつけてね」
「うん じゃ」

神山は蒼いBMWを発進させると 渋谷で首都高速に乗った
東名高速に入るとスピードを上げたが タイヤはピタリと路面に吸い付き
運転に不安は無かった
青山を出た時に3時30分だったので4時半には充分間に合う時間だった
御殿場ICを降りると由紀枝のマンションまではすぐだった
駐車場にBMWを止めると 由紀枝のマーチがあるので駆け足で
マンションに入った 入り口で部屋のボタンを押すと
「はーい 今 開けますね」
自動扉が開き エレベーターで最上階に行くと 由紀枝が待っていた
「お帰りなさい ふふふ」
「やあ 久しぶり」
由紀枝は神山に抱きつくと キスをして
「残念ね これだと夕食は 駅前寿司になるわね」
「うん 仕方ないさ さあ部屋に入れてください」
「ふふふ そうね でも嬉しいわ 私の事ちゃんと覚えていてくれて」
「うん ほら庭に紫陽花が咲き始めたんだよ だから思い出した」
神山は部屋に入ると ジャケットを脱いで ソファーで寛いだ
由紀枝が冷蔵庫から缶ビールを取り出し グラスに注ぐと呑んだ
「わぁー 美味しいな」
「ふふふ いつもでしょ もう」
「サブマネージャー どうですか」
「楽しいわよ それに部下も言う事聞くし 大丈夫よ」
「そうか 良かった 急に特進だろ 下からの突き上げって
結構 きついものがあるでしょ 特に女性の場合は」
「ええ だから私は たまたまサブですが まだまだここの人間に
成りきっていませんから 悪いところは陰で言わないで
私に正面から 話してください でないと減俸対象ですって
みんなの前で はっきり言ったの そうしたら笑われたけどね」
「へぇー 凄い事を言ったね」
「だって 人事考課はそうなっているのよ だからその事を言ったの
でも みんな良く教えてくれているわよ 大丈夫よ
それに私を怒らせると 怖い事分かるから ふふふ」
「えっ 何かあったの?」
「ううん 雰囲気で分かるんじゃないかしら それに最初のイメージが
あるでしょ ほらモテリコのスーツで挨拶したでしょ」
「ああ そうだね うん 分かるよ じゃ練習に行こうか」
「はーい 行きましょうね」

「由紀枝 凄く上手になったね ナイスショットばかりだよ」
「ほんと 嬉しいわ 実はね 夜勤の時に密かに練習しているの
ほら レッスン書なんかに書いてあるんだけど タオルでできるでしょ」
「ああ タオルを使って 素振りをするんだね」
「そうそう ちゃんと振り切れないと タオルが巻きつくでしょ」
「うん なるほど それで上手になったんだ」
由紀枝の打つボールは殆ど真っ直ぐに飛び 距離も出ていた
神山は振りぬく時の力が強ければ もっと距離が出ると教えた
由紀枝は言われたとおりすると ボールがフックし始めたので
クラブヘッドを放り投げる感覚で振りぬくと フックが出ないと教えた
由紀枝は練習熱心で 曲がりだすと修正をし その繰り返しをした
暫くして神山が後ろから見ていると ボールが低い弾道で飛び出し
距離が出るようになった
「由紀枝 素晴らしいよ 最初のころと球筋が全然違うよ うん凄い」
「ほんと 嬉しいわ」
「うん 今のタイミングを忘れないように練習するしかないね」
「はーい 頑張ります ふふふ」
「では お寿司に行きますか」
「ねえ 部屋に戻る?」
「由紀枝は」
「うーん 私はこのままでも大丈夫よ」
「うん では行きましょうか」

神山の運転で 御殿場駅前寿司の暖簾をくぐると 大将が威勢良く
「いらっしゃいませ お待ちしていました おーいビールサービスだよ」
「はいよー ビールサービス」
威勢がいいのは大将だけでなく 息子たちや女将も威勢が良かった
「いらっしゃい いいの向こうでなくて」
「うん 今夜は大丈夫です いつものおつまみをください」
「鮮魚盛り合わせ 照り焼き お願いねー」
「あいよー 鮮魚大盛り 照り焼き5つだよー 頼んだよー」
「鮮魚大盛りー 照り焼きー5つ 了解ー」
神山はここに来ると なにか元気を貰えそうで 好きなお店だった
「ねえ 神山さん内緒よ」
「うん」
「亜矢子さんもしかしたら 辞めるかも知れないわ」
「ああ お母さんの事だね」
「なんだ 知っているの もう つまらない」
「そこまでだよ 知っているのは 教えてよ」
「それで 家を建てるんだって 貴方と相談したいって言っていたわ」
「うん 時間がね 由紀枝と逢うのにも難しいし うーん」
「そうね でも早い時期に相談にのってあげて」
「わかった もう相談者の行列だよ」
「えっー そんなに女を作ったの もう」
「違うよ 恋愛の相談とかさ 結婚の相談とかなどなど」
「へぇー 凄いじゃん アドバイザーね」
「うん ニーナ・ニーナのメンズアドバイザーに成ったよ 昨日」
「えっ NNのメンズ またぁー あそこは婦人服だもん 駄目よ」
「それが本当の話なんだな 副社長と同じだよ それでね
出来たジャケットを着るんだって そのうちにシューズやバッグさ」
「わぁー ほんと 凄いですね そうするとこのファッションが変わるの」
「うん 基本はこのファッション路線だよ だから婦人と路線が
少し違うけれど シンプルで上品なデザインをするそうだ」
「へぇー 凄い なんでも出来ちゃうのね 見直したわ」
「ははは 子供は出来ないけれどね」
「もう ばーか 当たり前でしょ なに考えているの 幻滅ー」
「ははは まあまあ 食べようよ」

「神山さん 美味しいしめ鯖があるけど 食べる?」
「わぁー 食べますよ お願いします ねえ由紀枝」
「ええ お願いします ふふふ」
女将がしめ鯖のおつまみをだすと 神山と由紀枝は一口食べて
「うん いけますね 美味しい ねえ由紀枝」
「美味しいわ 久しぶりに美味しいものを頂きました 幸せー」
女将はニコニコして
「日本酒2合サービスだよー」
「はーい 2合2本サービス」
「おいおい 女将2合を2本なんて 大丈夫?」
「大丈夫さ さあ どんどん呑んでね」
「ありがと」
由紀枝は日本酒を美味しそうに呑んでいるが
神山は車があるのでセーブしながら呑んだ

「ねえ 祐子さんはどうしたの?」
「うん お留守番だよ なんで」
「一緒に鎌倉に行きたかったなー」
「そうか」
「うん ゴルフのパーティーの時に話していたんだ だから ふふふ」
神山は由紀枝の優しさに 心を打たれ
「分かった 呼ぶよ 明日合流だ いいね」
「ほんと 嬉しいなぁー」
神山は祐子に電話をした
「神山ですが」
「わぁー どうされましたか 大丈夫?」
「うん 明日朝に渋谷 9時に来てください 洋子も一緒だよ」
「えっー 嬉しいわ ありがとうございます」
「うん 洋子に電話をするから 合流するところを確認してね」
「はーい 待っています」
「そうそう お泊りだからね お願いします」
「わぁー 分かりました 待っていまーす」
神山は電話を切ると洋子に電話をした
「はい 洋子です どうしたの」
「うん 明日だけど 祐子と合流してください」
「はーい 分かりました それで私が祐子さんに電話をすればいいの?」
「うん お願いしますね 9時でお願いします」
「ふふふ 由紀枝さんに言われたのね」
「、、、、、、、」
「ふふふ 頑張ってね では」
神山は電話を切ると なにか調子が出なくため息をついた
「どうしたの ため息ばかりついて」
「うーん なんだかこの頃 可笑しいんだ まあ気にしないで食べよう」
二人は握りも食べ 神山はお腹一杯になった
女将がフルーツのデザートを持って来ると由紀枝が
「素敵ですね メロンもこうすると綺麗」
神山がフルーツを眺めていると由紀枝が
「食べないんだったら 今夜はお・あ・ず・け ですよ」
神山はしぶしぶ食べると 日本酒の酔いがどこかに消えていった
あーあと思いながら 無理やり食べると由紀枝が
「あーあ 感謝の気持ちが全然ないわね もう もっと美味しそうに食べて」
神山はニコニコしながら 美味しいといい全部食べた

「じゃ 女将精算です」
「きょうは5千円でいいよ」
神山は1万円を出すと女将はニコニコして
「はーい 次に取っておくね」
二人は駅前寿司を出ると神山の運転で 由紀枝のマンションに着いた
部屋に入ると神山はソファーに座り由紀枝に
「缶ビールをください」
由紀枝は頷くと 2本持って神山の隣に座った
「はい どうぞ 喜んでいたでしょ 祐子さん」
「うん 凄い喜びようだった でも行き先を伝えていないのにな、、、」
由紀枝は神山から鎌倉行きの話が有った時に ゴルフのパーティーで
祐子が一緒に行きたいと話していた事を思い出した
直ぐに祐子に伝えると 神山は泊りがけで出かけるとしか言われなかった
と言われると 由紀枝は祐子に 神山さんに話すから一緒に行けるよと
伝えると 祐子は喜んでいた
「まあまあ 余り深く考えないで 呑みましょうよ」
神山は明日の運転があるので 控えていたがビールを呑んだ
「そうだ由紀枝 忘れるところだった 明日のおかず ちょっと待ってね」
神山はボストンバッグからサラダ缶詰を取り出し 由紀枝に渡した
「由紀枝 これはねサラダ缶詰で 明日の朝食で食べようね」
「へぇー でも何も印刷されていないよ」
「うん 試作品でアンケートを取っているんだ これはグランドインの
椿さんにも話をして 従業員に試食してもらう事になっている
だから 月曜日には会社で食べられるよ」
「へぇー ってことは生と同じくらい美味しいの」
「うん 凄く美味しいよ 驚いたもの まあ 明日のお楽しみだね」

「さあ お風呂に入ろうか」
「はーい 準備しますね」
由紀枝が湯船に湯を張ると
「ねえ 洗濯物を出してくださいね 着替えはあるし」
「うん そうだね」
「いいわよ 準備OKでーす どうぞ」
神山はショーツ姿になると 洗濯機の中に肌着や靴下を入れた
「ねえ シャツはどうするの 洗濯すればいいのに」
神山は裸でシャツを取りに行くと
「もう ぶらぶらさせて ほんと ぶらぶらね ふふふ」
神山はGパンを除いて 全て洗濯機に入れた
シャワーで簡単に汗を流すと 湯船に浸かった
外には小さな星が輝き 明日は晴れるだろうと思った
「失礼しますね ふふふ」
由紀枝もシャワーで簡単に汗を流し 大事なところを石鹸で洗った
湯船に入ると 神山の隣に座り 一緒に星空を眺めた
片手で神山の下半身を触ると
「わぁー 伸びてきてるわ 良かったわね ふふふ」
「もう チクチクしたよ ははは もう懲りました」
由紀枝は神山にキスをすると おちんちんをしごき始めた
神山も由紀枝のクリトリスを触ると
「あーあ 気持ちいいわ 久しぶりだもの いいわぁー」
神山はだんだんと 愛撫の動きを早くすると 由紀枝は喘ぎだし
「駄目よ いきそうだわ あーあ いいわぁー あっ」
中指をヴァギナにいれ 更に愛撫を続けると 由紀枝は
「駄目っ いくっ あっ あっ うっー あっー」
由紀枝は腰をがくがくさせると 果ててしまった






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2014年4月18日金曜日

紫陽花 10 - 55 Vol. 2



「山ちゃん ちょっと着てみてください モーガン副社長も居るし」
神山はFRでスーツとシャツに着替えると モデル顔負けの格好良さだった
洋子を初め みな驚き モーガンは神山に近寄り
「うん 素敵だ 筒井さん 紳士服をつくろうよ 素晴らしい」
モーガンは神山と両手で握手をすると何度も頷いていた
神山はスーツやシャツを脱ぎ普段の格好に戻るとモーガンが
「紳士服の基本プランを 神山さんに任せないかね 私は彼の服装を
見ていると シンプルで非常に上品だと思うが どうだね」
「ええ 普通のファッションでありながら 上品さが漂っています
私も副社長の意見に賛成です」
「では ここで契約を結ぼう いいでしょ神山さん」
「大変 光栄なお話ですが 私はファッションデザイナーではありません
そこでアドバイザー契約でしたら 結びます 如何でしょうか」
「分かった 神山さんの言うとおりにしよう
勿論基本デザインの打ち合わせの時には 出席してもらうよ いいね」
「ええ 時間のある限り 私の本職はGOLのデザイナーです
そこのところを ご理解してください」
「わかった 筒井さん パリからデザイナーを2人 こちらに回す
部屋は久保さんのマンションでいいでしょう どうですか」
「はい あと責任者はどうしましょうか」
「うん 最高責任者は久保さんで アドバイザーが優先する どうですか」
「うーん どうだね久保君」
「私は纏め役になります その方が神山さんのお仕事が自由に出来るし
責任者は何人も作らないほうがいいと思います
売り上げ数字などは 組織で管理しなければいけませんが
デザインの時は トップが一人で充分だと思います」
「わかった モーガン副社長 如何でしょうか 日本ニーナ・ニーナより
ニーナ・ニーナ東京支店のメンズアドバイザーとして 来て頂いたら」
「そうですね そうしましょう」
「そうすれば ここだけの契約で済みます 日本ニーナ・ニーナだと
出向という形を取らざる得ません 私のように鈴やも絡みます」
「うん ニーナ・ニーナ東京支店のメンズアドバイザーの誕生だ いいね」

洋子が契約書を英語で製作すると みんなに見てもらった
神山は筒井に 給料と賞与のことを話すと 少し躊躇してモーガンに話した
「うん 筒井さん 販売はインセンティブがあるが 彼は先行投資だ
だから 私が決めてパリから支払いをする どうだろう」
「そうですね ありがとうございます」
「神山さん 給料は日本円で400万円で如何ですか
ボーナスは1600万円で年に3回で如何でしょうか 但し条件が有ります
お召しになられるシャツやジャケットはNNの商品を最優先する
そのうちにメンズシューズやバッグまで製作します それも最優先する
勿論 他社のものを着用出来ない訳では有りません 最優先です」
神山は仕事の時にはなるべく着用するが 普段の格好で合わない時は
着用しない事などモーガンに確認をした
「OK 神山さんに任せれば大丈夫です それでしたら給料は480万円
ボーナスは2400万円出しましょう お願いします」
洋子はこの話も全て英語で契約書を製作するとモーガンから見せた
みなが確認したので 2部作りモーガン 神山 筒井がサインし
立会人 洋子と祥子のサインをした
「モーガン 振込み日はいつですか?」
「ごめんごめん 給料はフランス時間20日 ボーナスはフランス時間
3月7月11月の各10日で土日の場合は翌営業日です」
「分かりました 洋子 追加して製作してくれるかな」
「大丈夫ですよ」
「神山さん それでは口座を教えてください」
神山は少し躊躇したがスイス銀行の口座を教えた
「ただし ここは入金が100万円単位なので 500万円にして欲しい」
「分かった でも凄いですね 私だって口座は作れないんだ」
神山は洋子から契約書の用紙を貰うと口座番号を書き入れた
数字のところには数字の上にチェックを入れ分かり易くした
「さあ 洋子 これで大丈夫ですよ 2部製作してください」

洋子が給与契約書をモーガン 神山 筒井がサインをして
洋子と祥子が立会人でサインをした
神山は先ほどのアドバイザー契約書と給与契約書に日時とサインをし
1部をポール・モーガンに渡し 1部を神山 筒井がコピーを受け取った
神山は洋子にワインと簡単なおつまみの準備を指示した
モーガンは嬉しいのか 筒井や神山と良く話した
「筒井さん モーガンはお寿司はどうですか」
「うん 大丈夫だよ そうしたら上原にでも行こうか?」
「ええ 電話で予約を入れますよ そうしたら ショップの子たちも
呼びましょうよ」
「そうだね そうしよう」
神山は上原駅前寿司に電話をして テーブル席を2卓キープした
洋子がワインの準備ができ ワイングラスをテーブルに並べた
祥子がワインを神山から順番に注ぎ モーガンが
「アドバイザー誕生 おめでとう 乾杯」

タクシー2台に分乗し上原の駅前寿司に着いた
祥子はショップに寄り 仕事が終了したら全員駅前寿司に来るよう伝えた
神山と洋子と筒井 反対側には祥子とモーガンが座った
昨日の築地いせ丸より少し窮屈だが 味はこちらが美味しいと話し
神山もアレックス夫妻を招待した時に ホテルオートモより美味しいと
褒めて 一杯食べていった事を話した
モーガンは アレックス氏もここに来たのかと驚いていた
洋子が
「神山さんのお客様は 美味しいものを食べられ 満足しています」
「うん 分かるよ 美味しい フランスでは食べられないし羨ましい」
モーガンもアレックスと同じように 箸が良く動き祥子に注意された
「ははは 美味しくて ごめんなさい」
神山は女将にもっと持って来るよう伝え 日本酒も注文した
女将は心得たもので 氷をどんぶりの大きいのに入れて日本酒持ってきた
祥子が日本酒を勧めると モーガンは美味しいといい 良く呑んだ
そのうちにショップの女の子が入ってきて由貴と桃子が神山を見つけ
「わぁー 神山さん いらっしゃい 副社長いらっしゃいませ」
みんながお辞儀をするとモーガンは 嬉しいのか
「さあ 早くビールを準備して さあ ははは」
女の子たちは隣のテーブルに座り 女将が用意したビールで準備すると
「お疲れ様でした 良く働いてくれてありがとう
そんな貴女たちに 凄いプレゼントがあるんだ この神山さんが
メンズアドバイザーでニーナ・ニーナ東京支店に来られた かんぱーい」 
みんなで乾杯をしたあと 彼女達はざわざわしたが由貴が神山に
「おめでとうございます そうすると出向ではないんですね」
「うん ニーナ・ニーナと契約したよ お願いしますね」
「わぁー これで神山さんが私たちと一緒の会社だなんて 凄いわ ねえ」
「ええ 私びっくりです もう凄いですね」

神山は筒井にアドバイスの頻度を聞くと
「うん 婦人服の場合は1ヶ月に2回くらいだがはっきりとは分からない
だってパリの本社だからね」
「基本的なところで集中すれば 後は流れると思うんですよ
コンセプトがしっかりしていれば 大丈夫だと思いますが 甘いですか」
「ははは 心配はいらないよ 山ちゃんのペースで大丈夫さ うん
しかし 私より給料が高いし 凄い金額だよ 私の5年分だよ ははは」
「でも 上になると知らないところで 消費しますね」
「まあ 仕方が無いな」
「そうそう ここは持ちますよ」
「うん ありがとう それで もう少ししたら帰ります 家内が、、、」
「ええ そうするとモーガンはどうしますか 久保さんに任せますか」
「うん どうだろうか 出る時に聞いてみるよ モーガンはもう一日
日本に居るんだ 明日は鎌倉の紫陽花を見ると言っていた」
「ホテルはオートモですか?」
「うん」
「それだったら 私が楽しいところをご案内しますよ」
「うん それなら久保君にも一緒に行って貰おうか」
「ええ その方が楽しいですよ」
「分かった 帰りにそのように伝えます ありがとう 助かります
しかし スイス銀行なんて凄いところに預金するね」
「ええ 洋子さんが調べてくれたんです ほら潰れないでしょ」
「そうか でもそんなに持っているんだ 凄いな」
「まあ たまたまですよ それに使わないし 貯まるだけです」
「ははは 参った こちらは使わなくても貯まらないよ」
神山はおトイレに行く時 由貴を呼んで
「僕達は別な場所に行くが ここを出たらみんなで呑みに行きなさい
これは帰りのタクシー代と一緒だよ 桃子を頼むね」
そう言うと神山は10万円を由貴に渡した
由貴は頷くと何も言わず直ぐ席に戻った

ネギトロも食べ モーガンの顔がピンクになり 箸も進まないので神山は
「さあ そろそろ出ましょうか そちらは大丈夫ですか 浜野さん」
「ええ 大丈夫です」
神山の勧めで店を出る事になり洋子が精算をした
「じゃあ 浜野さん お願いしますね では」
「はい おやすみなさい」
神山とモーガンら4人はタクシーで赤坂まで向かった

筒井が浜野達に
「悪いけれど 先に帰るよ ごめんね」
筒井が財布から2万円出すと由貴が
「さきほど神山さんから 頂きました なので大丈夫ですよ ふふふ」
「そうか 悪いな」
「そうそう 奥さんを大事にしてくださいね おやすみなさい」
筒井はタクシーで家にむかった
由貴たち4人は
「そうしたら 渋谷でカラオケして 帰ろうか」
「うん でも軍資金が有るんだったら ホテルでカクテルもいいでしょ」
「そうだね じゃカクテルの後にカラオケ」
「もう カラオケに拘って」
4人はきゃーきゃー言いながらタクシーに乗り込んだ

神山たちが乗ったタクシーは赤坂のアフターシックスで止まった
祥子は勿論初めてだったが モーガンは2回目で
「神山さん ここに入れるのか 凄い事だ 私だって入れないんだ」
神山は多くを語らずに 店に入るとバニーガールにカードを見せた
バニーガールが席を案内すると神山はモーガンに飲物を聞いた
「神山さんと同じでいいです」
「久保さんは何にされますか」
「私は ソコ・クランベリー・ソーダをお願いします」
「洋子はどうする?」
「私は久保さんと同じでいいわ 呑んでみたいなぁー」
「ははは では僕はドライマティニをお願いします」
バニーガールは注文を聞くと バーに戻りドリンクを伝えた
最初に運ばれてきたのが グラスビールなので不審に思うと
「あちらのお客様からです」
バニーガールが指を指すところに ジョン・ブラームスが手を振った
神山と洋子はお辞儀をして挨拶をした モーガンが
「神山さんは ここでも有名なんですね 凄い事です」
「いえいえ たまたまですよ」
みんなで乾杯すると 神山と洋子はジョンに向かってグラスを差し上げ
「洋子 良かったね 向こうも覚えてくれていて」
「ふふふ 忘れないでしょ CCAに欲しいって言われているんでしょ」
「もう 勘弁して欲しいな ははは」
モーガンはCCAも知っているのかと聞いたので
「知ってはいません 3回お世話になりました」
「はぁー 凄いなぁー 本当にデザイナーなのか 分からなくなったよ」
「ははは 僕もそう思います 本業はなんだろうって」
「でも神山さんは なんでも出来る人だ 頑張ろう」
「そうしたら GOLで紳士服を限定販売しましょう」
「おお それはいいアイデアだ」
「リピートが増え 数字が分かってきたら 全国展開 どうですか」
「うん 分かった そうすると夏物からだな」
「ええ そうしましょう」
「うん 目標が出来たから 話は早いぞ 久保さん頼んだよ」
洋子はしっかりとメモをして 契約書は後日パリに送るといい
モーガンと神山のサインを貰い祥子と洋子が立会人でサインをした
最後に神山が日時を記入してサインをした

神山は洋子にデジカメを用意してもらい
「これから 久保さんと踊るから僕を撮影をしてください お願いします」
神山は曲が終わると久保の手をとりセンターに行った
バラードが流れ 神山は4月に踊った時の事を思い出し
「さあ 今日は 格好良く決めるからね 信じてね」
「久しぶり 嬉しいわ お時間を作ってくださいね」
神山は頷くだけだった
二人は慣れたステップで軽快に踊りまわりの人を魅了した
曲の最後になると神山は約束通り祥子を少し放り投げ抱きかかえて
踊り終わった 周りからは最大級の拍手と指笛が鳴り止まなかった
洋子は神山のポーズを撮影したが 上手に撮れなかった
「ごめんなさい こんな感じになったわ」
写真は余りにも神山を意識しすぎて 祥子が半分無かった
祥子が覗くと
「わぁー 半分無いわ ふふふ でも神山さん格好いいわ」
「うん イメージ写真をストックすれば デザイナーにわかり易いでしょ」
それを聞いたモーガンが
「大したものだ そこまで考えているとは 普通は考えないよ
アレックス氏が神山さんに惚れた意味が分かるよ 私も神山さんに惚れた」
4人は大笑いしながら 神山は今度は洋子と踊った

先ほどの踊りで神山の周りには誰もいなくなり 席で見るものが増えた
洋子との踊りでも軽快なステップで洋子をリードしていると
「ねえ 祥子さんと昔 あったでしょ」
神山はどきりとしたが もう時候だと思い
「今は無い」
それだけ言うと洋子は腰を付けてきて 神山も軽快なステップにした
二人は慣れたステップで軽快に踊りまわりの人を魅了した
「ねえ 祥子さんよりもっと上に投げてね」
神山は頷くと 曲の終わりを読んでいた
曲の最後になると神山は約束通り洋子を放り投げ抱きかかえて
踊り終わった 周りからは最大級の拍手と指笛が鳴り止まなかった
席に戻るとモーガンが二人に
「素晴らしい 映画でも見ているみたいだ 美しいく綺麗だ」
「モーガン イメージビデオにしましょうよ どうですか」
「おお いいアイデアだ スタジオで作ろう 紳士服と婦人服だね」
「そうです それでGOLをイメージさせるようにすれば
きっとヒットしますよ どうでしょうか」
「うん そうしよう」
神山は名刺を見せ アルタの常務だが7月1日に副社長になることと
アレックスJPのCMもここで製作する事を伝えた
「わかった 神山さんに任せる 経費は言ってくれ 全額出すよう努力する」
洋子は早速 契約書をメモで作った
この時 神山はアルタ担当常務と記されていた
モーガンは頷き サインをして神山に任せたと言った
神山もサインをして 洋子は勿論 アルタ神山の秘書としてサインし
久保が立会人でサインをした
最後に 神山が日時をいれてサインをした
「モーガン プロモーションビデオは 第一弾が好評なら 秋とか冬
そのように考えて行きましょう」
「うん その為にも オープニングのCMが大切だね お願いします」
「分かりました 明日内藤に話をして プランを進めます」
「うん GOL発信メンズファッションだな」
「あっ そのフレーズいいですね 頂です ははは」
4人は大笑いした
話が楽しく実現可能な事ばかりなので カクテルも良く呑んだ

「では神山さん そろそろ失礼します」
「はい 今夜は楽しくお話が出来ました ありがとうございます」
「いやいや NNのためにこんなに熱い男を見たのは 初めてです」
「ありがとうございます」
「筒井さんの目に狂いは無かった いいパートナーが出来て嬉しいよ」
「明日 筒井さんに報告させて頂きます」
「うん そうだ ちょっと待ってくれ」
ポール・モーガンは名刺に自宅と別荘の電話番号を書き入れ
「会社以外は ここにいるよ それで掴まらない時は行方不明だ ははは」
神山も頷き笑い 名刺を貰った
モーガンを見送ると神山は
「洋子 どうする まだ時間が早いな」
「ふふふ ラーメンですか もう嫌ですよ 太るぅー」
曲がバラードからビートの効いたポップスに変わると
「洋子 5曲踊ろうよ いこう」
洋子と神山はセンターで踊りだし 周りと楽しく話しながら体を動かした
3曲目が終わると 神山は少し動きが鈍くなったが 洋子に励まされ
4曲目が終わった時点では 3組のカップルが踊っていた
5曲目の最後まで踊ると さすがに二人とも息が切れた
センターにいるとアナウンスがあり
正装の紳士が現れ バニーガールがクリームピザを皆に渡し
アナウンスがどうぞ投げてくださいといわれると
神山と洋子は顔をめがけて見事にあたり
「わぁー 当ったわぁー」
「ははは やったね」
会場に急にバラードが流れ 神山と洋子はそのままチークを踊った
照明も落とされると ピンスポットが3組のカップルに照らされた

他の2組は途中で辞退し センターでは神山と洋子だけになった
軽やかなステップワークで洋子をリードし 見ていても引き込まれる
流れだった
「先ほどと 同じように投げてね ふふふ」
神山は返事の変わりにキスをすると 周りからは拍手が沸いた
曲が終わりに近づくと 神山は洋子の顔を見て
終わる瞬間に 上のほうに投げると洋子は1回転し神山に受けて貰い
ポーズを決めた
この時は 綺麗で美しく 映画を見ているようだった
神山はみんなに手を振り挨拶しながら 席に戻ると ジョンがやってきて
「神山さん いつ見ても素晴らしい 今度CCAで見せてくれ」
3人は大笑いしジョンが店を出て行った
「さあ では僕らも出ましょうか」

神山はタクシーを拾うと洋子に1万円札を渡し 見送った
自身もタクシーでスタジオに戻ると祐子が起きていて ニコニコと
「お帰りなさい」
「やあ ただいま ありがとう 起きていてくれたんだね」
主賓室にいくとシャワーで汗を流していると祐子が入ってきて
「ふふふ 一緒に入りましょう」
神山の返事を待たずに祐子は神山の隣に座り おちんちんを握った
「祐子 3時にメイドクラブの山中さんが来て 持って行って貰ったよ」
「ええ 確認の電話がありました 山中さん 驚いていたわ ふふふ」
「うん 今回は75%だけど 次回もこの位纏まれば78%で引き取るって」
「ええ 良かったわ ふふふ」
神山が湯船から出ると 祐子がボディーソープで体を洗い始め
「祐子 気持ちいいよ 今日は疲れた 本当に疲れた ははは」
祐子は本当か おちんちんを洗ったが いつものように元気が無かった
神山の肩や背中をマッサージすると
「あーあ 気持ちいいなぁー ほんと気持ちいいよ」
祐子は神山の状態を判断して 今夜のSEXは無理と思った
神山は浴室から出ると 珍しくビールで気持ちよくなり
「祐子 こっちにおいで」
ベッドに入ると祐子を抱きしめ寝息を立てた

6月26日 金曜日 雨
神山は久しぶりに気持ちよく目が覚め 祐子を起こさないよう
シャワーを浴び 体をしゃっきとさせた
テラスでビールを呑みながら タバコをふかしていると
外の空気で目が覚めたのか
「神山さん 早いですね」
「やあ おはよう 昨夜は疲れていたみたいだ 直ぐに寝てしまった」
祐子はガウンを羽織ってテラスに出ると 神山に抱きつき
「ねえ ほしい」
神山は頷くと祐子をベッドに運び ガウンを脱がせると
乳房と乳首を愛撫した
祐子は敏感に感じ 乳首を愛撫されると 喘ぎだした
神山は片手で クリットを愛撫するとすでに 体液があふれ出ていた
「あーあ きもちいいよぉー あなた いいわぁー」
祐子は神山の肉棒を掴むと上下に動かし硬くなるようにした
神山も昨日は誰とも交わらなかったので 性欲が貯まっていて
祐子のメリハリある愛撫に 直ぐに反応し大きく硬くした
「ねえ 硬くなったよ いれて」
神山は頷くと 祐子のヴァギナに肉棒を挿入した
膣の中はぬめぬめで するりと肉棒が入った
「あーあ いいわ」
神山はゆっくりと肉棒を動かし始めると祐子の顔がだんだんと崩れ
両足も 自分から広げると 肉棒を奥まで受け入れようとした
祐子は足を上に上げると両手で足を掴み更に広げた
神山は祐子の腰を少し上げると 斜め下から突き上げた
祐子は余りの気持ちよさに
「あっ いい あっ もっと もっとよ そう いいわぁー」
祐子は自分から腰を動かし始め 膣もだんだんと狭まってきた
神山の肉棒の先が 更に充血すると
「あっ あっ いく いくわぁー あっ あっ あぅー」
祐子はがくんと腰を下ろしたときに神山も果ててしまった

シャワーを浴びた祐子が
「ふふふ さあ 朝食の準備をしますね 良かったわ元に戻って ふふふ」
祐子はそういうと ガウンを羽織って キッチンに下りていった
神山はソファーでタバコをふかし 庭を見ていた
【私 鎌倉の紫陽花も見たいなぁー まだ見ていないから】
突然 由紀枝の言葉が脳裏に現れ 逢いたくなった
神山は今日と明日のスケジュールを考えると 由紀枝と逢えると思った
早速 由紀枝に電話をすると
「わぁー おはようございます」
「やあ おはよう ところでお休みはどうなっていますか」
「ええ 明日はお休みよ どうして」
「うん 鎌倉の紫陽花を見ようと思ってさ」
「わぁー 大丈夫よ」
「ねえ そうしたら 翌日の休みはどうかな」
「うーん 難しいけれど 亜矢子さんに聞いてみまーす 待っていて」
電話を切ると由紀枝は亜矢子に電話をして連休を頼んだ
暫くすると由紀枝から
「ふふふ やったぁー OKでーす」
「分かった 今夜 由紀枝のところに行くよ いいかな」
「全然 OKですよ そうそう 早く来て 私は4時で上がれるの
だから ゴルフの練習をしましょうよ ふふふ」
「わかった でもなぜ4時上がりなの」
「私 もう24時間に入ったのよ だから本当は12時上がりなの
でもね連休だから 4時までにしたの 交代時間がスムーズに行くように」
「そうか もう24時間になったんだ サブマネージャー」
「そうよ 亜矢子さんの下だから愛さんと一緒なの ふふふ 楽しいわ」
「わかった では4時30分にそちらに伺います」
「はーい そうそう バーベキューでいい?」
「うん 任せるよ 駅前寿司でも良いし うん」
「では 待っていまーす 嬉しいな じゃ 行ってきまーす」

神山は由紀枝の元気を貰い スタジオにおりると祐子が
「ビールにされますか」
神山は頷くと祐子はソファーのテーブルに用意してくれた
ビールを呑みながら
「祐子 今夜から 戻れない 頼んだよ」
「はーい 帰りはいつですか」
「うん もしかしたら月曜日の夜になる」
「はーい 分かりました そろそろ出来ますよ こっちに来て」
神山はダイニングテーブルに着くと お味噌汁がいい香りがった
「ねえ アサリか」
「ぴんぽーん 美味しそうでしょ」
神山は一口飲むと アサリを美味しそうに食べてしまい
「祐子 御代り」
「まぁ ご飯も食べないで ふふふ」
祐子は椀に注ぐと
「ねえ これって冷凍って分かる?」
「えっ 全然 美味しいよ へぇー 味噌汁も冷凍の時代か、、、」
「ううん お味噌は後で入れるのよ その前の段階で冷凍するの」
「へぇー 凄い事を知っているね 参りました」
「ふふふ 種明かしは 先日ノートパソコンを買って レシピを見たの」
「へぇー ノートパソコン買ったんだ、、、」
「ええ だってあなたのパソコンはお仕事で使うものでしょ
だから自分専用を買ったの ふふふ」
「いくらしたの」
「うん それがね ほらプールの会員だと20%Offで12万円なの
でもね 定価は24万円よ 昨年の秋モデルだって」
「へぇー そうするとスペック的には問題ないわけだ」
「ええ 大丈夫です でもね ネット回線は神山さんの回線を借りてまーす」
「うん いいよ全然 そうしたら自分の部屋に回線を引こうか」
「うん出来たらその方が いいなぁー だってあなたの事務所でしょ
何かあったら 嫌だもん」
「うん わかった」
神山は早速 内藤に電話をすると快く引き受けてくれた
「それから ビジネスですが 今日11時にそちらに伺っていいですか」
「はい また何かやったんですか もう驚かせないでくださいね」
「ええ では11時に」
神山は祐子にアルタから午前中に回線を設置する為に来ると伝えた
「さあ ご飯を頂きましょうよ」
祐子は神山がいない時の出来事や プールの出来事など楽しそうに話した
神山も昨日の出来事を掻い摘んで話をすると
「そうそう サラダって レタスを一つ買ってもその時に丸々使えないわ
だから プラスアルファーの要素があれば 絶対に高くても売れるわよ
私だったら 絶対に纏め買いするわね」
「そうか そんなに関心があるんだ」
「だって 女性の一人暮らしで考えた場合 帰宅時間が遅かったら
お野菜を買うところが無いでしょ コンビニで売っていても 
鮮度が落ちているし だったら多少無理しても新鮮で美味しい方がいいわ」
「ふーん そうなんだ 僕はそこまで考えた事ないんだ なるほど」

食事が終わると神山は洋子に電話をして
「おはよう 今 大丈夫ですか」
「おはようございます」
「東都食品の打ち合わせだけど 9時30分に変更して欲しい
それで 11時に昨夜の件を内藤さんに報告に行きます」
「はい 分かりました もう少ししたら 電話を入れます」
「うん 頼んだよ」
神山は祐子に30分の朝寝を伝えるとソファーに横になった

30分経ち神山は起こされると 主賓室に行き着替えをした
ボストンに着替えや会社の書類など入れ部屋を出ると祐子に20万円を渡し
「これはPC代と僕がいない間 美味しいものでも食べなさい」
「えっ いいんですか?」
「じゃ 仕舞うよ」
「駄目っ 頂まーす ふふふ」
「何かあったら 携帯に電話をください いいね」
「はーい 行ってらっしゃい」
神山は蒼いBMWで銀座の次長室まで向かった

次長室には意外に早く着き 今日の打ち合わせ資料に目を通した
東都食品の単独打ち合わせで 予算だけの話し合いになるので
時間は1時間もあれば充分だった
洋子も直ぐに出勤してきて
「おはようございます この頃早いですね」
「うん 逃げているよ この間から調子が出ないんだ もう参った」
「ふふふ そろそろ 元気が無くなったのかしらね」
「それで 洋子 明日は泊まり出来るかな」
「ええ 大丈夫ですよ」
「うん 由紀枝を鎌倉に連れて行こうと思っている」
「わぁー 鎌倉かぁー 参った」
「どうした」
「ふふふ 母が鎌倉いくのよ 泊りがけで」
「わぁー なんだそれ 不味いな ねぇー」
「そうよね 見つかる確立は1万分の1としても 不味いかなぁー」
「そうしたら 由紀枝と同じような格好をしても駄目かな」
「そうしたら 余計に目立つでしょ 多分無理ね
だってまだまだ元気よ 目や耳はしっかりしているし 参ったなー」
「そうしたら お客様のアテンドってどうだ」
「うーん」
「うん 由紀枝のアテンドにしよう 由紀枝には英語で話してもらう」
「まぁ でも楽しくないでしょ どうかしら」
「由紀枝のアテンドなら 明日の晩泊まりでも理由が出来るでしょ」
「そうね そうしたら 今夜それとなく聞いておくわ
町内会の叔母さん連中でいくのよ 多分お昼ごろに紫陽花寺だと思うわ」
「そうだね 東京を10時に出ても11時に北鎌倉だよ
それとなく聞いてくれる それで明日は9時に渋谷でいいかな」
「ええ 先日のところで9時ですね 分かりました」

洋子が早くに連絡をしてくれたお陰で 東都食品は少し早めに来た
今日は田宮副社長 里香秘書 森和幸営業推進部長 佐久間隆志
営業統括部長 林敬子財務部長 とそうそうたるメンバーだった
洋子がコーヒーをみなの所に配ると神山が
「朝早くからありがとうございます 本日は東都食品としての経費
費用対効果などを詳細をつめ 12億の出資をお願いします」
神山は鈴や食品ブースの東都食品としての役割 地下共有部分の
費用対効果を分かり易く説明した
鈴や食品ブースでは ブースとしての管理は鈴や食品 生産については
東都食品が行う この場合ミニ工場設備は東都食品で準備すること
調理や衛生管理は鈴や食品が行うこと
「簡単ですが なにかありますか」
財務部長の林敬子が
「その場合の 東都食品のメリットは何ですか」
「ええ ミニ工場を見せていくのに 東都食品を訴求します
その美味しい食品をここで食べて頂いています などなどアピールし
美味しさ知名度を上げていくプランです 例えば田宮副社長にご提案した
野菜缶詰は東都食品で製造しています これも訴求します」
「そうすると 東都食品のイメージアップと考えていい訳ですね」
「ええ その通りです GOL限定販売になれば イメージアップは
間違いなくあがり いままで知らなかった人も 購入するようになります」
「分かりました 私からは以上です 12億出します」
「ありがとうございます あとはありませんか」
秘書の里香が
「サラダの真空パック缶詰ですが どの様に位置づけされていますか」
「はい 例えば出回っている缶詰はちょっと高級感があったり
プラスアルファーの要素が多いと思います なので普段購入する客層が
ある程度限定されてきます しかしサラダ缶詰は底辺の客層を広げる事が
出来ます レタスサラダにした場合 レタス1個丸まる使う事はないと
思いますし 日にちが経てば鮮度も落ちます それに一人暮らしの女性が
サラダを購入しようにも 販売しているところはコンビにのように
限られ 美味しさや鮮度にしても 八百屋のレタスには負けます
多少高くても 美味しくて鮮度が良ければそのような客層は
必ずリピートします なので東都食品のイメージアップと購買客層の
拡大が図れると思います GOLで試行錯誤しながら 全国販売でも
いいと思います まずはGOLで限定販売をしっかりします」
「はい 分かりました 私も神山さんの言われている通りだと思います
私もサラダを作るときに 鮮度が良い物があれば 多少高くても
購入しますし 昨日のご提案なら間違いないですね 絶対にいいですよ」
里香は神山の顔をみながら ニコニコして頷いた
「ありがとうございます あとはございませんか」






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2014年4月13日日曜日

紫陽花 10 - 55 Vol. 1



「じゃ 明日頼みます」
「はい おやすみなさい」
神山は時田の車で大通りで降り タクシーを拾った
時計を見るとまだ21時を過ぎたばかりで 洋子に電話をした
「はい 洋子です どうされましたか」
「うん これからラーメンでも食べないか」
「わぁー ラーメンですか いいですよ 余り入らないけれど」
「うん そうだ そうしたら上原の寿司屋に行っているよ」
「はーい 直ぐに伺います」
神山は運転手に上原に行くよう行き先を変更した
駅前寿司に着くとニーナ・ニーナの由貴と桃子がいて
「わぁー どうしたんですか お帰りなさい」
「ははは ここが落ち着くからね 来ました」
女将がニコニコして ビールとおつまみを運んできてくれた
「神山さん GOLってそんなに規模が大きいんですか」
「うん そうだな 東京ドームの6倍は優にあるよ」
「そうなんだ だからチーフはリピートを増やさないと潰れるって」
「そうだよ リピートが少ないと売り上げが減る そうすると
どんどんと下降線をたどり 遂には閉店に追い込まれるよ」
「今日はパリのモーガン副社長が会議に同席され 神山さんが
予算を捻出したと チーフも喜んでいましたよ」
神山は箱で営業しても 最初は物珍しさで売り上げはあるが
そのうちにリピーターも減り存続が危ぶまれると説明したと話した
由貴と桃子も神山の話はよく分かり モーガンが来日している
タイミングで会議に出席できたことはラッキーだと言った
もともとモーガンは日本繊維開発会議に出席する為に来日し
御殿場は眼中に無かった それが昨日神山の発言で 御殿場の会議に
出席をし認識を改めたと話をした
「それでその会議っていつなの」
「ええ 本会議は明日だと聞いていますよ 筒井から聞きました」
「そうか そうそう あのスーツ 世界で3着しかないスーツ」
「ええ」
「それを見せてくれって言うので 見せたら 今度は紳士も作ろうかって
勿論冗談だろうけど 喜んでいたよ」
「やっぱり 持っている人が素敵だと 格好いいからなぁー」

「お待たせしました」
「わぁー 洋子先輩 どうしたんですか」
「ふふふ 神山さんに呼び出されたの ねぇー」
「うん ラーメンを食べたくなってさ それで呼んだんだ」
「またまた でもいいか」
「さっきまで 社長と一緒だったよ」
「まぁ お疲れ様でした ふふふ 言われたでしょ」
「うん もう少し待ってくださいって 話した」
「ふふふ 違うでしょ 仕事ではよきパートナーでも 実生活では
難しいって そう言ったんでしょ」
「えっ どうして まさか」
「そうよ まさかよ」
神山は元気をなくし 俯いてしまった
「ねえねえ あなた 副社長でしょ おめでとうございます」
「うん 洋子だって理事じゃないか」
「ふふふ 乾杯ー」
由貴と桃子はきょとんとしているので洋子が
「アルタで副社長になるのよ 7月1日に ねぇー」
神山は時田が何処まで話をしたか分からないので 鈴や食品の
副社長と洋子の理事の件は伏せておいた
「でもさ お給料だって そんなに上がるわけじゃないんだよ
まだ 聞いていないけれど ほんと有名税の方が高いよ きっと」

神山たち4人は寿司屋を出ると由貴と桃子もラーメンを食べるといい
渋谷まで歩き 有名なラーメン屋に入った
「洋子 明日朝一番で 社長に電話をして 口座番号を聞いてください」
「どうしたの?」
神山はニーナ・ニーナのブースが神山の考えている通りできると
鈴や食品ブースもそれなりに造るのに 予算が足りなく
神山自身のお金を時田に出資する事になったと 話をした
「わぁー 凄いわね そんな大金を出資するなんて 分かりました」
「そうそう ゴルフ優勝だって だからそれも褒めれば喜ぶよ」
「そうなの へぇー 神山さまさまね」
神山はこのとき 時田から電話が入っていないと感じたが
先ほどの件も含め 聞くのは止めておいた方がいいと思った
「あーあ お腹一杯です ご馳走様です」
「ほんと 私 また太るわ ふふふ」
「じゃ 洋子 悪いけれど二人をお願いします」
神山は洋子に1万円を渡すと タクシーを拾い見送った
次のタクシーに乗り 今回は真っ直ぐにスタジオに帰った

「お帰りなさい」
「ただいま 今日はありがとう」
神山は着替えを済ますと スタジオで寛いだ
「祐子 ビールを呑みたいな 一緒に呑もう」
祐子は頷くと ニコニコして缶ビールを持って神山の隣に座った
「お中元の話はどうなりましたか」
「ええ 明日だったら3時に伺えますって」
「うん じゃあ そうしよう 準備をして待つようにするよ」
祐子は電話のところに行くと 会社に連絡した
「祐子 こんなに遅くても大丈夫なの?」
「だって 仕入れって24時間体制ですよ だから大丈夫です」
「そうか、、、しかし凄いシステムだね」
「それでね コンテナ1台分ったら驚いていたわ ふふふ」
「まあね でも これから増えそうだ 困ったなぁー」
「また増えるんですか」
「うん 今日また仕事が増えた 決裁権のない理事だがね」
「わぁー 凄いですね おめでとうございます ふふふ」
「でもね お中元や贈り物が次長室に山となって 仕事にならないんだよ
だから 今回も配送課の倉庫を借りて保管しているんだ」
「そうですよね 仕入れの人もコンテナ1台分ですかって
驚いたまま 声が出なかったわ 普通バンで回っているんですよ
だけど明日は 大きなバンで伺いますって そう言ってました」
「ははは これからトラックが必要になるぞ もう あーあ」
「あなた 贅沢な悩みね ふふふ」

神山と祐子はシャワー室で戯れると
「ねえ ベッドに行きましょうよ」
神山は頷くと 湯船からでて シャワーで流した
祐子が出ると バスタオルで体を拭いてあげた
神山はソファーでブランデーを呑むと祐子は
「私 昨日呑みすぎたのかしら 少しにしておきます」
祐子は自分のグラスに ブランデーを少し注ぐと神山と乾杯した
主賓室のカーテンは開けられていて 庭の照明が綺麗だった
特に紫陽花のところは光線が射し込み 可愛く綺麗な花びらが
夜の芝生にぽっかりと浮んでいた
神山と祐子は庭の芸術を楽しんでいる時に神山の携帯がなった
「やあ 亜矢子 どうしたの」
「ふふふ 良かったわ 起きていて ねえ由紀枝さんが大変よ」
「えっ 大変てどうした」
「もう 若い子の話になると血相を変えるんだから ふふふ」
「おいおい 意地悪言わないでよ」
「実はね 昨日の事だけど 宿泊者の男性が呼吸停止状態になったの」
「えっ そんな、、、」
「ええ それでコールがあって 由紀枝さんが人工呼吸を施し
直ぐに救急病院に搬送されたんだけど そのときの判断がよかったの」
「うん」
「救急車にサイレンを鳴らさないで来て貰う事と 正面玄関ではなく
従業員出入り口につける事など 適切な判断をしたの」
「うん 分かるな」
「それが 御殿場市の議員さんで 女性は奥さんじゃ無い訳なのよ
だから 秘密裏に行動した事に凄く喜んで 今日ホテルに来られて
椿に是非 秘書として迎えたいって」
「へぇー 気に入られたんだ」
「ええ その場に居た女性にこう言ったそうよ
身内の方なら 病院まで一緒に行ってください でなければ 裏口から
静かに出られた方が いいと思います って」
「へぇー 凄いな 良くそこまで気がつくね」
「結局 議員さんの意見だけではなくて その女性が後押ししたのね」
「で 由紀枝は秘書か」
「ううん 私はここの職員だから出来た事で 秘書なら出来ませんって
そう電話で話をしたらしいの そうしたら椿が喜んで 由紀枝さんが
サブになったのよ もう信じられないわ」
「えっ サブになったの へぇー 凄いね」
「でしょ 多分由紀枝さんは自分から言わないから知らないと思って
電話をしてあげて 喜ぶわよ」
「うん ありがとう 凄いな」
「ふふふ 寂しいから来てね」
「うん 今はちょっと忙しい ごめんね」
「ふふふ 副社長 おめでとうございます」
「なんだ 知っていたのか もう 困ったものです」
「じゃ おやすみなさい」
神山は祐子に掻い摘んで話をして由紀枝に電話をした
「ふぁーい 由紀枝でーす もうお休みしていまーす」
「やあ 神山です」
「わぁー こんばんわ お久しぶりです 元気? 目が覚めました」
「由紀枝 おめでとう サブマネジャー」
「わぁー そうなの ふふふ なっちゃったぁー 
でも普通の事をしただけなのに 大げさよね もう困っちゃうわ」
「まあまあ 僕も普通のことをして 副社長になった」
「ぎゃはぁー 副社長 って ほんと」
「うん それも2つの会社だ」
「ぎゃー 2つも 凄いじゃん やったぁー」
「まあ 僕より由紀枝の方が良くやったと思います
適切な判断 相手を気遣う気持ち 僕は嬉しいよ」
「ねえ 早く逢いたいね 待っていますね ふふふ」
「うん ちょっと待ってね 祐子と代わるね
由紀枝さん おめでとうございます 凄いわね」
「祐子さん お久しぶり そうなの でもね お部屋でぱっと見たときに
このカップル 夫婦じゃないって 直ぐにピーンときたんだ
だから女性に逃げてもらった方が いいと思ったの」
「そうなんだ でもその判断が間違っていなくて 良かったわね」
「そうそう 後で考えると ちょっと恐ろしくなったよ ふふふ
ねえ こっちにおいでよ ゴルフをしよう」
「ええ 神山さんが今大変な時期みたいなの だから落ち着いたらね」
「そうね でも副社長が2つって凄いわね」
「私も初めて聞いたわ」
「あっ そうだよね 神山さんって言わないもんね じゃ おやすみなさい」
「はーい 頑張ってね」
「うん ありがとう」

電話を切ると祐子が
「みんないいなぁー」
「どうして?」
「だって みんなから感謝されているでしょ 私は神山さんだけだもん」
「ははは そうだね でも僕は最高のメイドだと感謝しているよ
それでも 不満かな」
「わぁー ほんと 嬉しいわ ふふふ」
二人はブランデーを呑干すとベッドに入った
神山と祐子は交わり 抱き合って眠りについた

6月25日 木曜日 小雨
神山が目を覚ますと 祐子は少し幼さを残した可愛い寝顔だった
起こさないよう 部屋のガラス戸を開け 空気を入れ替えた
昨日見た紫陽花が雨に濡れていて 綺麗に輝いていた
神山は濡れてもいいように トランクスとTシャツを着て
デジタルカメラを持ち 庭に出た
マクロで撮影するが なかなか上手に撮影できなかったが
素人にしてはまあまあの出来栄えと 自分を褒めた
撮影する時に どうしても傘の柄が邪魔になり 神山は背中に差した
両手を使えるが 今度はカメラを前に出しすぎると 雨に濡れ止めた
何枚か撮影すると 事務所でPCにコピーし大きなモニターで見ると
ピントが少し甘いのが発見でき 次回から気をつけようと思った

祐子がスタジオに下りてくると神山は
「祐子 見てご覧 この写真」
神山は先ほど撮影した 紫陽花の写真を見せた
「わぁー 可愛らしくて 綺麗に撮れましたね どこですか」
「あそこだよ」
「へぇー 接写をしているから分からないけど 綺麗だわ」
「祐子も撮影をしたかったら デジカメを買うよ」
「わぁー 嬉しいわ ではデートの時に買ってくださいね ふふふ
さあ 朝食を作りまーす ビールを呑まれますか」
「うん お願いします」
神山は缶ビールを受け取りに行くと デジカメで祐子の顔を撮影した
祐子はニコニコしたり わざと怒った顔をしたり 表情豊かに撮影できた
60インチのモニターで見ていると 祐子が
「ぎゃぁー なあに もう そんなに大きくして」
祐子はモニターのところに自分の顔をつけて こちらを向き
「どっちが 私だ ふふふ 綺麗かしら」
「両方とも 綺麗だよ うん モニターを見てご覧」
神山はその時に 自分のおちんちんを見せた
「ぎゃぁー 変態 なあに もう でかすぎるぅー」
祐子はおちんちんの先をペロペロする仕草をすると 神山ににやっとして
「はーい あとは今夜デース」
そう言うと 朝食の調理に専念した
暫くすると
「どうぞ 簡単ですよ 出来ました」
「ありがとう 焼き魚がいい匂いだね」
「ありがとうございます 漸く上手に焼くコツが分かりました」
「うん この頃は以前より美味しいもの 勉強しているね」
「だって 美味しい方がいいでしょ 私もあなたも」
神山は嬉しかった
ご飯が良く進み 御代りをして綺麗に食べると祐子がお茶を用意した

次長室に行くと神山は鈴や食品のデザインを見直した
いままでは 鈴や食品6億 東都食品6億合計12億のプランだが
鈴や食品で12億となれば 合計で24億のプランが出来 各ブースの
連結部分にお金を掛けられると思った
鈴や食品のプランも当初案に戻し 神山が考えていたプランで
進める事が可能になった
神山は自分のデザインを何枚も書き直し アレックスブース
ニーナ・ニーナブースとの関連性を持たせた スケッチをした
3ブースの全体像が書けた時に 神山は喜んだ
これなら絶対に存続間違いなしと 自画自賛した
神山が喜んでいるところへ洋子が出勤してきて
「おはようございます 早いですね」
「洋子 出来たぞ これだよ これ」
洋子は神山が持ってきたパースを見ると 笑顔になり
「漸くあなたの夢が叶うのね おめでとうございます」
神山は興奮していて 洋子にキスをし
「これでおじさんに 恩返しが出来るな よかった」
洋子は神山は今まで時田のことをおじさんなどと言わなかったので
よほど嬉しいのだと 思った
「洋子 昨夜亜矢子から電話があって 由紀枝が昇進したって」
神山は亜矢子からの電話内容を掻い摘んで話をすると
「凄いわね 私には出来ないわ 亜矢子さんも驚いたでしょうね」
「うん 面白いのは 私は普通の事をしただけなのに 大げさよね
だって 僕と同じ心境だったんだ でも良くやったね」
「ええ 自分が信念を持って行えば 結果は後から付いて来るのよね
そのいい見本だわ 社員や外商に聞かせたいわね 本当に」
「おいおい 分かった ははは それで今日は鈴や食品は誰が来るの」
「ええ おじ様は欠席でしょ 黒江常務はもうこのプランから外れていて
結局 あなたしか居ないのよ」
「えっ それならさ 時田さんを呼ぼうよ 頼む」
洋子はしぶしぶと時田に電話をすると来てくれる事になった
「ありがとう でもプライベートな話は無しだよ いいね」
「ふふふ 分かりました」

9時30分を過ぎたときにアレックスJrから電話が入った
「はい 神山です」
「神山さん おめでとうございます」
神山は何について おめでとうを言われているのか分からなかった
「うん」
「凄いじゃないですか 繊維協会の理事って それも4箇所も理事
そうそう 午後に伺います」
「うん お待ちしています では」
神山は想定内の事態が起きてきたと思い
「洋子 実は繊維関係4協会の理事になった それでこちらに
電話は無いと思うけど 何かあったら 協会の方に振ってください」
「えっ また理事職が増えたんですか、、、」
「ああ 困ったものです」
洋子は 正直これ以上贈り物の整理はしたくないと思った
「あのー お言葉ですが お仕事が出来なくなりますよ
お中元って これからが本格的になるでしょ あーあ」
「おいおい 秘書が嘆いてどうするの 僕が嘆いているのに もう」
又 電話が鳴った
「はい 次長室です」
「ニーナ・ニーナの筒井です 山ちゃんは居ますか?」
「はい お待ちください 神山さん筒井さんからです
はい 神山です」
「山ちゃん 凄いな 繊維関係4つも理事なんて」
「いえいえ まぐれですよ」
「午後に伺いたいんだが 時間は何時がいいだろうか
ほら 繊維関係の会議があるので遅い時間がいいんだ」
「いいですよ 6時までお待ちします」
「パリのポール・モーガン副社長も一緒に伺います」
「はい お待ちしています」
神山は洋子に
「今日は 遅くなりそうだよ 昨日のモーガンさんが来られるんだって」
「もう ご自分の事でしょ ふふふ でも良かったわね」
又 電話が鳴った
「はい 次長室です」
「内藤です おはようございます」
「田所です おはようございます」
「山ちゃんは居ますか」
「はい 神山さん 内藤社長よ
はい 神山です」
「山ちゃん おめでとうございます 凄いね」
「はい ありがとうございます」
神山は繊維協会の事は知っているはずだと思い すると鈴や食品か
「これで副社長職が2箇所になりましたね」
「それで 鈴や食品は12億出します」
「えっ6億じゃないの」
「ええ 12億です で東都食品は12億出します なので合計24億の
食品ブース 3ブースの地下共有部分が出来ます 凄いですよ」
「えっ そんなに凄い事をするの、、、」
内藤は最後には声が出なかった
「勿論 アレックスにも協力をしてもらいますが これで漸く
自分が考えてきた デザインが出来ます」
「はぁー 凄い予算だ 山ちゃん ありがとう」
「いえいえ 当たり前のことをしているだけですよ」
「分かりました でも 凄い では」
「はい」

神山は電話を切ると祐子に電話をした
「わぁー 神山さん どうされたんですか」
「うん 今夜は遅くなる 先に寝ていなさい」
「はーい 分かりました 呑みすぎないようにしてくださいね」
神山が電話を切ると婦人服部長から電話が入った
「はい 神山です」
「次長 おめでとうございます」
「ははは しっかりと顧客を掴んでくださいね ありがとうございます」
電話を切ると 紳士服部長からも電話があり同じ内容で答えた
「あーあ 仕事にならないな もう」
「ふふふ これもお仕事でしょ」
神山はソファーで頭を抱えていると本社婦人服部長から電話が入った
さすがに売場と同じようには答えられず
「これからも 喜ばれる服を提供してくださいね」
本社紳士服部長にも同様の話をした
「洋子 秘書室に連絡をして 祝辞は不要と伝えてください
事由は仕事が捗らない でお願いします」
洋子が電話をしようとした時に社長の時田が部屋に来た
「いらっしゃいませ お待ちしていました」
「まあ 洋子に言われたら 断れないな ははは」
この時 洋子が本社秘書室に電話をした
「ええ ですから祝辞の挨拶に対応していると 仕事が出来ないんです
丁度GOLの大切な時期なんですよ なので各店 名古屋本社に
早急に連絡をしてください もし破った場合は 次長命令で左遷です
いいですね お願いします」
この次長命令で左遷のところで神山は
「おいおい洋子 大丈夫かよ そんな事言って」
「理事秘書が言っているんです 平気です ねぇーおじ様 ふふふ」
神山は時田をみるとニコニコしていたので 任せる事にした
洋子が秘書室に連絡したので 社内祝辞は無くなった

暫くすると東都食品の田宮副社長と里香秘書 森和幸営業推進部長の
3名が訪れた
直ぐにGプロの担当の田中 高橋や佐藤部長 GDの田辺 建築の渡辺
など5名が現れた
神山は各人の紹介を終えると田中に
「では 幸三ちゃん プランの説明をお願いします」
田中は予算上積みみの件は知らされていないので 今までどおりの
説明を行った ピンポイントでわかり易く時田も頷いた
「以上が 今までのプランです これからは私が説明します」
神山が以前スケッチを描いたものや 今朝仕上げたものなどを見せ
田中のプラントの違いなども分かり易く説明した
驚いたのは 東都食品やGプロだった
東都食品は当初6億の予算を見込んでいたが 神山の説明だと
倍の12億を予算計上しなくてはいけなくなり 驚いた
Gプロの佐藤部長も12億が24億になった話は 初耳で驚いた
「以上です ところで驚かれていると思いますが 鈴や食品時田社長から
12億出資のお話を伺ったのは 今朝一番です なので皆様に
ご連絡できませんでした」
神山は少しうそを言ったが 時田はニコニコしてみなを見ていた
東都食品の田宮が
「私はプラン自体は大賛成です ただネックは予算だけです
私も頑張って お金を集めます 神山さんこのB案でお願いします」
「ありがとうございます そうすれば 3ブースの地下共有部分で
強力な展開が出来 ニーナ・ニーナさんやアレックスさんからも
こちらのブースに来れるし 何しろ楽しい空間を行ったり来たり出来る
それも毎週のように各ブースでイベントをしていれば 必ず
リピーターが増えると信じています」

神山の説明が終わり会議が終了すると 田宮が神山に
「神山さん これはパセリの改良です 前回より より美味しいですよ」
そう言うと里香がみんなに缶詰を渡し 戻し方を説明した
時田は早速食べてみたが
「田宮さん これは美味しい 絶対に売れるよ うん」
「社長 ありがとうございます 喜んでいただいて光栄です」
神山や洋子 Gプロの面々も美味しいと話していた
「そうしたら プレミアムレタスですかね」
「そうそう山ちゃん プレミアムレタス いいじゃん ねえ」
田宮や時田も頷いていた
「ところで田宮さん 単価設定はいくらですか」
「ええ そこなんです 今は300円を切るように頑張っているんですよ」
「そうですよね レタスが300円では ちょっと心配ですね
しかし 保存が5年を考えれば どうかなって思うんですがね」
「ええ あとは量をもう少し入れてどうかなと思っているんですが
もともと レタス1個を購入しても 一回で使い切らないんです
そうすると 八百屋の感覚で行くと 50円とか70円になるんです」
「うん そうですね でも機械を動かすのに最低いくらかは掛かるし
非常に 難しい値段設定ですね ただ言える事は この頃 安い商品が
売れているかというと そうではなく 非常に高価なものも売れています
現にニーナ・ニーナさんの売り上げ一つとっても そうです
だから美味しいレタスを供給していれば 必ずリピーターが付きます」
「そうですよね それにGOL限定ですから 物珍しさという部分でも
結構 出るんじゃないかと思っていますよ」

レタスの試食が終わり みんなが退室すると神山は
「洋子 どこに行こうか」
「そうね レタスを食べたら サラダが欲しくなったわ」
「そうしたら 銀座のパスタでも行こうか」
「そうね あそこのサラダも豊富だしね」
神山ははっと思った
「ねえ洋子 レタスだけじゃなくて 色々と混ざっていれば
そのままサラダだよね それだったら300円でも大丈夫だよ」
「そうね 2人前くらい入っていれば充分だし」
神山は早速田宮に連絡した
「それはいいアイデアですね そうですね 早速作ってみます
いやー 神山さんを味方にして良かったですよ 本当です」
「いやいや これは洋子さんの考えですよ では」
神山は電話を切ると洋子に
「田宮さん 喜んでいたよ それからね僕を味方にして良かったって」
「そうよ あなたを敵に回したら お終いね ふふふ」
二人はパスタ店に入ると2階の席に着いた
洋子が言うようにサラダの盛り合わせと生ビールを注文した
「洋子さ 単価の高い野菜をパックの中に入れれば
500円でもいけるかな 例えばパプリカはさ高いけれど 自分で
買った時って 一つを丸ごと使わないと思うんだ サラダに使うんなら
ほんと少しで良い訳でしょ そのような物を混ぜてあげれば 単価が
高くても納得するよね どうだろう」
「ええ 私は大丈夫だと思うわ その方が見栄えもいいし サラダは
この缶詰一つあれば 出来上がりって いいと思うわ
保存が利くので 普通考えられる倍の値段にしても大丈夫よ」
「そうだよね 1個100円のパプリカで50食分 そうすると
1食2円ですむんだ それが5色も入っていたら 喜ぶよね」
「ええ 原価で10円でも 見た目で100円の価値が有るわね」
神山は今の話を田宮にすると 大賛成で試作品を作ると喜んだ
「ははは 田宮さん どんどん八百屋缶詰にはまったよ ははは」
「そうなの 良かったわ どんどんと作って間に合わせて欲しいわね」
「うん そうだね しかし田宮さん 凄いやる気だね」
「貴方が居るからでしょ ほんと出来ないと思われる事を作るんだもの
だって最初はレタスでしょ そこから派生させたじゃない
そのアイデアは素晴らしいと思うし 出来ない事じゃないもん
向こうはプロだし それだけの経験があるから 逆に楽しいでしょ」
「そうだね うん 楽しく仕事をしないといいアイデアは生まれないよ」

神山達はゆっくりと食事をしたので次長室に戻ったのが
14時30分だった 神山は15時5分前に起こしてもらうよう寝た
洋子が55分に起こすと お中元の処分に行くといい部屋をでた
事務館の配送課で待っていると 神山をみて
「すみませんが神山さんは いらっしゃいますか」
「私ですが」
「こんにちは メイドクラブから来ました 山中と言います」
神山は倉庫の鍵を開けると 山中は商品の多さにびっくりした
山中が考えていたのは 化粧箱に入っているものだと思い
ダンボールの中に 商品がじかに入っていたので 驚いた
それでも山中は 部下と一緒に丁寧に一つ一つの定価を
スキャナーで読み込み 確認してから別なダンボールに入れていった
全てが終わると山中は
「神山さん 凄い量ですね 全部で178万円分ありまして 今回は
75%で如何でしょうか」
「ええ お願いします」
「そうしますと 133万5千円です 少々お待ちください」
山中はバッグからお金を出し神山に手渡した
「神山さま 次回もこれだけ纏まれば78%で引き取ります」
「はい では貯まりましたら また電話をします」
山中は丁寧にお辞儀をして 車をだした

神山は次長室に戻ると洋子が不在で メモが無いので化粧室だと思った
次長席に座ると各ブースのデザインを詳細を見ていた
特に気をつけなければいけない所は無く それよりも地下の共有部分に
何処の会社がどの割合で 出資してもらえるか考えた
メインは鈴や食品と東都食品で 次にアレックス 最後にニーナ・ニーナ
出資比率を考えたがニーナ・ニーナはどう見ても20%が上限だと思い
そうなると アレックスと食品で80%をどう振り分けるか 考えた
神山はアレックスのビーフジャーキーやユニフォームの事を考え
50:50の出資でいいだろうと思った
地下共有部分に10億掛けるとすれば ニーナ・ニーナが2億になり
ブースにお金を掛けられなくなってしまう
「ごめんなさい 戻りました ふふふ」
「おいおい おトイレ 長かったね」
「まあ 本社人事に行っていたの メモあるでしょ そこに」
神山は洋子が示した 机のところに貼ってあるのを見つけ
「ごめん 見えなかった ははは」
「それで スイス銀行からメールが来ていたの 私 本社人事のアドレスを
送ったものだから そこに来ていたのよ はいプリントアウトしたものよ」
神山は読んでみると 日本時間の15時から口座を開設したので
利用できる事が書かれていた

「うん ありがとう そうすると 明日入金をするよ」
「ええ 良かったわね ふふふ」
神山は祐子に電話をして 今夜は遅くなる事を伝えた
「そうそう おじ様がこのメモを渡してくれって」
神山は見てみると 口座番号が書かれたものだった
こちらの入金も 明日朝一番で入金する事にした
神山がソファーで寛いでいると ニーナ・ニーナの面々が次長室に訪れた
筒井が神山と握手をすると モーガンも握手をした
神山がソファーを勧めると洋子にビールを出すよう支持した
「神山さん 大変素晴らしい事です 繊維協会の理事になられて
本当におめでとうございます」
「しかしながら 決裁権のない理事ですから お飾りですよ ははは」
「それでも 成りたくても成れない人が沢山居るんです 良かったですよ」
「はい ありがとうございます」
「山ちゃん おめでとうございます それと聞いたよ 鈴や食品の
副社長の件も おめでとうございます」
「まあ あちらも担当副社長ですからね」
「でも時田さんの次に偉いんだからな 大したものです 良かったよ
山ちゃんを味方に付けておいて ははは
そうそう これはモーガン副社長の気持ちです こちらは日本の気持ち
少ないが どうぞ収めてください」
神山は包みを受け取ると モーガンと筒井にお辞儀をして次長席に置いた
祥子が神山に笑顔で
「神山次長 上原も順調に育っています ありがとうございます
それで 私たちの気持ちです 受け取ってください」
神山は包みを開くと デザインシャツが現れた
「わぁー 素敵ですね」
「ええ あのスーツとお揃いのシャツなんですよ パリに型が残っていて
大至急作って貰ったんです たまたまタイミングよくお渡し出来ました」
「山ちゃん シルク100%で縫製はしっかりしているよ」
デザインシャツは2着あり 1着はネクタイを結べるような襟の作りで
もう1着はスタンドカラーの仕上げになっていた






.

2014年4月8日火曜日

紫陽花 9 - 54 Vol. 3



タクシーで靑山3丁目に着くとお店は直ぐ傍だった
店に入ると石原総支配人が出迎えてくれ 神山と洋子の席を案内した
「神山様 本日はどうされますか」
「美味しいのはありますか?」
「はい 珍しく入りました」
「そうしたら 生をおつまみで頂きたいです」
神山はおつまみを選び石原に伝え
「今日は多田さんと東条さんは来られていますか」
「はい お肉は東条さんに焼いてもらいます 腕を上げましたよ」
「それは楽しみです」
石原が下に降りると洋子に現金の封筒を出して欲しいといい
神山は30万円づつ追加していれた
「まぁ 美味しかったら 入れてあげればいいのに ふふふ 優しいのね」
「まあ 支配人が言うのだから間違いないでしょ 御礼ですよ」
そんな話をしているところへ神山の携帯電話がなった

「はい 神山ですが」
「せっ 先輩 翔です」
「どうした 慌てて」
「はい 済みません あのぉー えっー 何だよ 先輩だってば」
「おいおい 翔 どうした おーいぃー」
「山ちゃん 美佳でーす ふふふ 今ね 結婚の約束しました」
「はぁー 美佳ちゃん 結婚の約束、、、」
「もしもし 山ちゃん もしもーし、、、 なんか可笑しいわ
先輩 大丈夫ですか せんぱーい」
「おお 良かったな 美佳ちゃんのご両親に会ったのか」
「はい OKを頂きました たった今です なんだよ もう
もしもし山ちゃん 私 嬉しくて ありがとうございます」
「うん ちょっと待ってね 洋子と変わるね
洋子 美佳ちゃんと翔が婚約だって はい
もしもし 美佳ちゃん良かったわね」
「あっ 翔です ありがとうございます 変わります 美佳 田所先輩だ
もしもし 美佳でーす」
「洋子よ おめでとうございます よかったわね」
「ええ 彼が両親の前で 丁寧に挨拶をして もう両親も笑いっぱなし
もう 美佳 余計なこと言わなくても言いの また」
「もしもし 美佳ちゃん」
「はい 翔です 済みません 余計なことばかり言って もう いいでしょ
美佳です それでね 挨拶の時に 私の名前を言わないで 妹さんの
名前を言ったものだから 両親もこらえきれずに大笑いしました」
「それはそうよね 美佳さん 良かったわね」
「ええ もう大変ですよ お酒呑んだら 盆栽の話をして
父なんか大喜びで じゃ教えてもらうかって もう息子が出来たって
大喜びです  美佳 なに言っているの もう いいの
田所さん 先輩と代わって頂けますか」
「はいはい あなた杉田さんよ
もしもし 翔 良かったな 詳しい話は後日ゆっくり聞くよ
あまり美佳さんを苛めるなよ 分かった」
「はい 先輩を見ていると分かります」
「ははは では」
神山は電話を切ると 杉田の一言が頭にきて
「もう 翔は何を見ているんだ もう」
「どうしたの そんなに怒って」
「うん 美佳さんを苛めるなよって言ったら 先輩見ていると分かります
だって もう 変なところを誤解しているな」
「ふふふ いいじゃない 言わせておけば ふふふ」
「いいんです もう あーあ」

ビールを呑み終わりワインを注文する時
「今日のステーキに合ったワインをお願いします」
石原は頷き 下がった
神山と洋子は牛肉の生を食べると濃厚な味がして美味しく食べた
ホタテのバター焼きを口にすると 中が生でジューシーで甘かった
「どれを食べても 美味しいね」
「ええ 新鮮なのと調理が上手なのね 美味しいわ ふふふ」
二人が料理を堪能していると内藤から電話があった
「山ちゃん 凄いね 驚きました」
「はい でも当たり前のことですよ 存続を希望されるなら
私達のプランしかないと 説明をしました」
「それで 7月1日の11時からこちらで命課発令です
田所さんも一緒に来てください お願いしますね」
「はい ありがとうございます 11時に伺います」
「それから 山ちゃんの部下だった杉田さんと うちの小谷が
目出度く結婚する約束をしたそうで これも嬉しい話ですね」
「早いですね」
「ええ 先ほど彼女から電話がありました 良かったですね」
「ええ 詳細は聞いていないんですが 二人とも私の部下なので
精一杯のことをして 門出を盛り上げ祝福しますよ」
「ええ 私もそうします では11時にお願いしますね」
神山は電話を切ると 洋子に
「7月1日 アルタ11時 入れてください」
「はーい 何があるんですか」
「うん 人事命課だそうです 洋子も出席です」
「わぁー 凄いわね どうなっているの」
「ははは 僕にも分かりません さあ食べようよ」

神山と洋子は食べ終わると 1階のカウンターで石原と話した
「如何でしたか」
「うん 充分に美味しかったですよ それで二人にボーナスを
渡したいんですが どうでしょうか」
石原は頷き多田と東条を調理室から呼んで来た
「神山さん いつもありがとうございます だいぶ分かってきました」
「ええ よかったです それでお二人が頑張られているので
これを収めてください 私の気持ちです」
神山は二人に現金80万円入っている封筒を渡した
多田と東条は丁寧に受け取ると
「これからも 頑張って修行をします」
洋子がタイミングよく
「これは私からの気持ちです 受け取ってくださいね」
洋子はギフトカード100万円分入った封筒を二人に渡した
多田と東条は洋子に対しても深くお辞儀をして
「御殿場でお役に立てるよう 頑張ります ありがとうございます」
神山は精算を済ませるとタクシーを拾い次長室に向かった

「良かったわね 美味しいステーキを食べられて」
「うん だいぶ勉強しているんでしょうね 最高の味でしたね」
「ええ 希望はもう少し柔らかい方がいいけど ふふふ」
「やっぱり 僕もそう思ったんだ でも許容範囲内だったかな」
タクシーが次長室の入っているビルに着き 二人は次長室に戻った
神山は明日の鈴や食品の書類を纏めたりしていると
Gプロの佐藤が次長室に来た
「なにかありましたか」
「山ちゃん 凄い事になりました 内緒ですよ」
「ええ」
神山は訳が分からないのできょとんとしていると 佐藤が
「山ちゃん 副社長です」
「えっ 副社長 ほんとですか」
「ええ 先ほど内藤から連絡がありました 内緒ですよ」
「ええ しかし 副社長って言っても うーん、、、」
「それで 内藤からお祝儀です まあ1日は大変ですよ」
「はあ ありがとうございます 洋子はどうなんですか」
「ええ 田所さんも理事です」
「えっ 理事、、、洋子 理事だって 凄いな」
「わぁー ありがとうございます」
「田所さん これは内藤からのご祝儀です 納めてくださいね」
「はーい 嬉しいわね 神山副社長」
「はあ でも実感が沸かないですね」
「内藤は今日のニーナ・ニーナの件も高く評価していますよ
普通の人間ならそこまで出来ないと はっきりと申してました」
「ああ その件ですね でも当たり前のことですよ」
「では 明日の鈴や食品もお願いします
そうそうニーナ・ニーナの件ですが すでに動き始めました
ある程度デザインが出来ましたら お願いします」
「ええ 業種は違っても基本は同じですから大丈夫と見ています
ゼロからのスタートではありませんから いいものを出してください」
神山は包みを開けると1000万円入っていた
「わぁー 私500万円も入っているわ」
「うん 大事に使ってくださいね」

神山が仕事に集中していると内藤から電話があった
「山ちゃん 申し訳ありませんが2億用意出来ますか」
「ええ しかし最低でも1時間は頂きたいです」
「大丈夫です それで場所は赤坂スカイホテルの3階
ティーラウンジ16時です
詳細は少し前に又 電話をします」
「はい では」
神山は洋子に緊急の仕事が入ったので 出かける旨伝えた
「お帰りは」
「うん 分からないので 帰宅していいよ」
「はい 分かりました」
神山は急いで帰り支度をし次長室を出ると 真紅のポルシェで
赤坂のスタジオに戻った
門扉が開かないので祐子に電話をすると 大掃除の為閉めていたといい
直ぐに門扉が開かれた
「お帰りなさい」
「うん ちょっと緊急なので 帰ってきた」
神山はそう言うと 大掃除をしている中を主賓室に行った
アルミのアタッシュケースを持ち出すと 真紅のポルシェで
近くの銀行に行き 大口の引き出しを行った
丁寧に3つに別けると車に乗せ 指示されたホテルの3階で待った

16時5分前に内藤から電話があり
「ティーラウンジの窓際に移ってください 鈴木という人が行きます」
「はい 分かりました」
神山は席を窓際に移ると16時丁度に体格のいい男が現れ
「神山さんですか」
「はい 神山ですが 鈴木さんですか」
「はい鈴木と申します」
お互いが確認をすると余計な話はなく鈴木が2億円の簡単な借用書と
特殊法人4箇所の今日付け辞令と業務内容が記載された書類を神山に
手渡した
神山も3つのジュラルミンケースを渡すと他に2人の男が現れて
手際よく自分達のジュラルミンケースに入れ替えた
「神山さん 確かに ありがとうございます
それで この特殊法人には本日18時までに電話連絡をしてください
お願いします あと何か」
「私の定年は何歳ですか」
「ははは それは各法人で聞いてください 私は分りません」
「あと 返済が9月30日ですが場所はここですか」
「ええ ここです 宜しいですか」
神山は頷くと3人はジュラルミンケースを持っていった
手押しカーゴと空になったジュラルミンケースを赤いポルシェに積むと
家に戻ったが 主賓室は掃除中なので 事務所に入った

神山は4ヶ所の辞令と連絡先をテーブルに置いて鈴木から言われた
各協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維開発研究所 東日本統括東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます 
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

神山は次の協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維開発研究所 西日本統括東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます 
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

神山は次の協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維輸出入管理協会 東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

神山は次の協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維品質管理協会 東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます 
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

事務所で電話を終えスタジオに行くと祐子が
「丁度 大掃除が終了しました」
「うん ありがとう ガラスが綺麗になったね うん」
「それで 私が確認のサインをしました」
「うん ありがとう」
神山はそう言うと2階の主賓室で着替えるとスタジオでビールを呑んだ
寛いでいると神山の携帯電話がなった
「はい 神山です」
「ワシじゃ」
「あっ 社長 どうでしたか」
「ははは 隣に勝って ダントツで優勝だよ」
「それはおめでとうございます」
「ところで 今夜は空いているかな」
「はい お供をさせて頂きますが」
「うん 洋子はどうした」
「ええ 今日は早く帰宅しました」
「うん分かった そうしたら 5時半に例の上原でどうだ」
「はい 伺います」
「うん 頼んだぞ」
神山は電話を切ると時計を見て 時間があるので夕寝をした
「祐子 30分寝かしてください お願いします」
神山はそういうと ソファーに横になり直ぐに寝た

「神山さーん 30分経ちましたよ」
神山は直ぐに目を覚まし シャワーを浴びて体をスッキリさせた
予めタクシーを呼んでいて 支度が出来た時 丁度タクシーが来た
「祐子 今夜は遅くなるから 先に寝ていていいよ」
「はーい 行ってらっしゃい」
神山は門扉まで歩くとタクシーに乗車し上原に向かった
約束の時間には充分間に合い 暖簾をくぐると時田が手招きした
「お早いですね まだ充分間に合うと思っていました」
「ははは まあ高速が空いていたからな」
神山はビールを時田に注ぐと 自分にも注いだ
「優勝おめでとうございます」
「ははは ありがとう 山ちゃんのお陰だ」
神山はテーブルにつまみが無いので 女将を呼び
「しめ鯖と鮮魚の盛り合わせ あとは照り焼きをください」
「はい ありがとうございます」
「山ちゃん アルタで副社長だぞ」
「ええ 先ほど佐藤部長から伺いました 困っていますよ」
「ははは いいじゃないか 力が認められたのだから
そこで 今日は明日の事で少し聞きたくてな」
「はい」
「どうだ 10億で出来るか」
「ぎりぎりです あと2億あれば充分です」
「うーん ワシも2億出しているんだ どうにもならんな 困った」
神山は少し考えたが
「社長 私も2億出します 如何でしょうか」
「えっ 山ちゃんが2億、、、本当か」
「はい その代わり 鈴や食品の常務以上の席をお願いします」
「うん 分かった 株主総会にかけないで出来るというと、、、
うん担当副社長でどうだ 株主総会の時には正真正銘の副社長だ」
「はい ありがとうございます」
「うん では決まった そうしたら7月1日に一緒に行おう いいかな」
「ええ 洋子さんもお願いしますね アルタでも理事ですから」
「うん そうだってな ワシは驚いて 何もいえなかった
うん 分かった 洋子はそうすると 理事秘書か」
「ええ 鈴やより外の役職が上だと ちょっと不味いかなって」
「分かった 山ちゃん 電話をしてくれ」
神山は時田がいう電話番号にかけると 時田に渡した
「おお ワシじゃ 中村君 実はな7月1日の人事命課だが 追加してくれ
神山次長は鈴や食品担当副社長 田所部長は 理事1級と鈴や食品の
理事1級で手配をしてくれ いいね」
「はい 復唱します 神山次長の鈴や食品担当副社長 田所部長の
理事1級 鈴や食品理事1級でよろしいですか」
「うん そうそう神山次長の理事4級は忘れないでな 洋子は専属秘書だ」
「はい 早速本日中に手配します それから社長 ゴルフ
おめでとうございます だいぶ頑張られましたね」
「ははは 山ちゃんのお陰だよ では頼んだよ」
電話を切ると神山に返し
「社長 洋子さんが理事ですか、、、」
「おお やはりアルタさんに負けてはいけないな ははは」
神山は少し呆れたが 仕方がないと思った

「社長2億はどの様にしたらいいでしょうか」
「そうだな うーん 一番いい方法は 出資してもらう事だが 難しい
うーん どうだろう ワシのところに持って来てくれるか」
「ええ 構いませんよ でも本社だと目立ちますよね」
「うん そうだな」
「それでしたら社長の口座に振込みをしますよ」
「そうだな それでワシから出資していくよ うん そうしよう」
二人は話が纏まると 日本酒で乾杯をした
暫くは今日のゴルフで話が盛り上がり 神山も楽しかった
神山がそろそろ握り物だと思い 女将を呼ぶと
「大丈夫ですよ マグロのねぎですね それとしめ鯖もお持ちしましょうか」
「ええ お願いします」
「山ちゃん 食べたらもう一軒行くからな」
「あっ はい分かりました」
日本酒を呑みながら クラブの説明をしていると
ニーナ・ニーナの面々が入ってきて その中に祥子もいた
「わぁー 神山さんだわ」
「わぁー こんばんわ 神山さん 今日はありがとうございます」
由貴や桃子は時田の事を知らないので 神山ばかり挨拶をした
祥子は向かいに座っているのが時田副社長と気がつき
「時田副社長 こんばんわ 私はニーナ・ニーナ チーフの久保祥子と
申します いつも神山次長様にはお世話になっています」
「うん まあ 分かった 今日も山ちゃんがやったそうだな ははは」
祥子はお辞儀をすると 由貴や桃子に挨拶を進めた
「まあまあ いいじゃないか 楽しく呑んでくれ ご馳走するよ ははは」
「久保さん そういう事なので ご馳走になってください
そうそう 副社長 今日はゴルフコンペで優勝しましたよ」
「まあ おめでとうございます」
由貴や桃子もニコニコして
「優勝 おめでとうございまーす ふふふ 凄いですね」
「まあまあ 山ちゃんのお陰さ あのクラブは良く飛ぶ うん」
由貴や桃子は顔を見合わせて 頷いていた
「良かったですね そのうち教えください ふふふ ねえ浜野先輩」
「お願いしまーす ふふふ」
祥子達は 挨拶を終えると別なテーブルで食事を始めた
神山はこの場に 洋子が居なくて良かったとほっとした

時田も良く食べ良く呑むと 神山に
「では 山ちゃん 出ようか」
「はい」
神山と時田はニーナ・ニーナの面々に挨拶をすると神山が精算をして
「女将 あそこはこれでお願い 余ったらいつものようにして」
神山は女将に5万円渡し 時田の車に乗った
「山ちゃん これから行くところは ワシのこれがやっているところで
絶対に秘密にして欲しい いいかな」
「はい 分かりました 安心してください」
車は 代々木から細い路地をくねくねと曲がり 広い庭の家屋に着いた
神山は時田の後を着いていくと 玄関で品のいい女性が時田に
「お帰りなさいませ」
時田は神山に上がるよう勧めると 女性は部屋を案内した
席に着くと時田が女性に
「こちらが いつも話している 山ちゃんだ どうだいい男だろ」
「ええ 素敵な方ですね」
「山ちゃん 女将だが ワシのこれじゃ よろしくな」
神山はこのようなときに どの様に挨拶をしたらいいか分からず
「神山です いつも社長にはお世話になっています」
座卓に額が着く位 丁寧にお辞儀をした

「さあ 日本酒とつまみじゃ 頼んだぞ」
「はい 畏まりました」
女将は丁寧にお辞儀をすると 襖を閉め出て行った
「山ちゃん どうだね」
「はあ 綺麗な方ですね」
「うん あれはワシの娘じゃ」
「はあ お嬢様、、、」
「おお そうだ これは別なところに居る ここは娘がやっている」
「はあ 凄く綺麗で落ち着いていますね 女将も板についていますよ」
「ははは そうか 見る目があるかな」
二人で笑っていると ビールと冷酒が用意され おつまみも用意された
先ほどと違う女性が ビールを時田と神山のグラスに注ぐと
「じゃ 山ちゃん頼んだぞ」
「はい ありがとうございます 乾杯」
「ところで 山ちゃん 洋子とはどうなんだ」
神山は暫く答えられなかったが
「ええ 洋子さんは私より他の男性の方がいいと思います」
「そうか 難しいか、、、」
「現在は仕事のパートナーとして 組み合わさっていますが
実生活になると どうでしょうか 難しいと思われます」
「そうだな 洋子も頑張りやだからな そうか わかった ごめん」
「いえいえ ご親戚なら心配するのが普通ですよ」
「うん そうだな まあ気長にまとう ははは」
神山は上原の時から 感じていた事が的中した






.

2014年4月3日木曜日

紫陽花 9 - 54 Vol. 2



神山がニーナ・ニーナの予算が少なくて力を発揮できず悩んでいると
「わぁー あなた 喜んで」
「どうしたの」
洋子が本社人事から戻ってきたが 尋常ではない喜び方だった
「ねえ 人事に行ったら おじ様に呼ばれたのよ」
「わぁー 又 来なさいですか」
「ううん 違うの あなたと私 7月に進級するって 凄いでしょ」
「はぁ 進級、、、」
「そうよ あなたが理事4級で私が部長2級よ 凄いでしょ」
「えっ 理事4級って なんだ?」
「もう 理事4級って初めて作られたのよ」
「なに それって 全然分からないよ」
「もういやねぇ 理事職は現行3級までなのよ だけど特例で
4級が設けられたのよ だから全国であなたの理事が1番なの」
「へぇー 理事で1番かぁー」
「ねえ もっと喜んでよ 私凄く嬉しいわ」
「うん でもね 実感がないから どう喜べばいいか分からないよ」
神山は急に両手を上げて 盆踊りの格好をすると 洋子はクスクス笑った
「しかしさ 副社長が決めたの?」
「ううん 違うのよ 社長の権田さんが決められたそうよ
なんでも 協会の理事職をしているのに2級は無いだろうって
それで 緊急役員会を開いて 決定したと言っていたわ」
「へぇー 凄い事になったね」
「ねえ おじ様に電話をしておいた方がいいと思うわ
おじ様も 大賛成で応援をされたそうよ」
神山は頷き 早速時田に電話をした
「おう 山ちゃんおめでとう 先ほど名古屋から連絡があり
7月1日の9時30分に命課だ 秘書室まで来てください」
「はい ありがとうございます」
「うん 良かった わしも少なからず応援をさせて貰った ははは
ところで 山ちゃん あそこの寿司屋に行きたいな 今夜はどうだ」
「すみません 今夜は洋子さんとデートです」
「あっ そうっかっ 洋子と デート、、、か、、、うん では」
「あっ あの、、、、、、、、、」
神山は少し刺激が強かったかなと思い 反省していると洋子が
「どうしたの」
「うん 喜んでくれたけれど 寿司屋に行こうと言うので
今夜は洋子さんと デートですって言ったら しどろもどろで話
そして 電話が切られました」
「まあ 刺激が強すぎたのね 大丈夫かしら」
「うん 電話をして 謝っておいてくれるかな 頼みます」
「ふふふ 大丈夫よ そんな人じゃないわ」
「あーあ 今日は朝から変だな なんだろう」
「まぁ 珍しいわね あなたの弱音って」
「そうか 何か昨夜の事が引っかかっているのかな もう 祐子め!」
「またぁー 祐子さんのせいでは無いでしょ もう可哀想よ」
「はい 分かりました」
神山はどうしても歯車が組合さずイライラしながら過ごした

「さあ 時間だ洋子 出ようか」
「はーい 丁度いい時間ですね」
神山と洋子は次長室を出ると蒼いBMWで赤坂のスタジオに向かった
「お帰りなさい 洋子さんいらっしゃい」
「こんばんわ 今夜も素敵なワンピースね とても似合うわ」
「ありがとうございます」
神山は二人が話しているので 主賓室で簡単にシャワーを浴び
着替えを済ませると 下に降りないで そのままビールを呑んだ
一息つくと 先日ゴルフの時椿から貰った包みを開けてみた
現金で500万円入っていて そのまま鍵のかかる棚に仕舞った
下におりると
「さあ そろそろタクシーを呼ぼうか」
そう言うと自分でタクシーを呼んだ
暫くすると門扉にタクシーが着いた事をモニターで確認し
みんなで スタジオを後にした

赤坂スカイハイホテル6Fに行き ステーキハウスで受付で
神山と名乗ると案内が窓際の席まで誘導してくれた
約束の18時にはまだ充分時間があったが ウエイトレスに
コースの注文と 生ビールや牛肉の生などおつまみを注文した
暫くすると涼子が受付に現れたので 神山は手を振って合図をした
「ごめんなさい 遅くなりました」
「いや 僕達も来たばっかりだよ それより急にごめんね」
「少し驚いていますが 大丈夫ですよ ふふふ」
「涼子さん 素敵よ ワンピース似合っているわ」
「祐子さんのワンピースも素敵よ おしゃれでいいわ」
若い二人が話していると 生ビールとおつまみが運ばれてきた
「では 若い二人にかんぱーい」
「まぁ 私は もう」
「あっ ごめん あのぉー 若い3人にかんぱーい」
神山はどうも普段の調子が出ないまま 乾杯をした
最初は世間話や先日のゴルフの話をしていたが神山がタイミングよく
「ねえ 涼子さん 同じ組の内野君がね 涼子さんにありがとうって」
涼子は内野の話が出た時に 顔を少し赤くした
洋子はその変化をしっかりと見ていたが祐子が
「わぁー 涼子さん どうしたの ねえ」
この言葉が引き金になり
「ええ 知らない間に 一生懸命応援をしていたんです
自宅に戻った時は 何も考えなかったんですが 日曜日になると
もう一度お逢いしたいと思っていました
それで きょう鈴やさんでお逢いできると思っていたんですが、、、」
「そうか 残念だったね 担当制にしているからなんだ」
「涼子さんね 私 内野君から相談されたのよ
ゴルフの時に応援してくれたけど 何か自分の中に恋が芽生えたようで
もう一度 涼子さんと会いたいって よかったわ」
「うん よかった そうしたら誠二ちゃんとデートをしなよ
誠二ちゃんも それで駄目なら 潔く諦めますって そう言ってたよ」
涼子は益々顔を赤くして 俯くと祐子が
「涼子さん 良かったわね 成功を祈って乾杯」
「おいおい 性交って まだ手も繋いでいないんだよ」
「もう 成功よ 嫌ねぇー 変態 ねぇー涼子さん」
神山を除いて女性達は大笑いして 楽しんだ
今夜の神山はどうしても 普段の調子が出なかったので
洋子や祐子と話をしないで我慢した

ビールを呑み終わりワインも進むと 神山が仕事の話をし始めた
「大変ね そんなに予算がきついなんて、、、」
「うん だからニーナ・ニーナのパリがGOLをもっと認めてくれないと」
「そうね でも筒井さんは動いてくれているんでしょ」
神山は周りの目があるので みんなにここからは
フランス語で話すように伝えると 3人とも頷いた
神山はフランス語なら周りの目を気にしないでいいだろうと
「だからパリニーナ・ニーナは御殿場店舗を認識しなければ駄目になるよ」
「なんで」
「だって デパートに入っている店舗と同様の店舗では 
直ぐに飽きられてしまい 存続自体が難しくなるってことさ」
神山がワインを一口呑むと 丁度後ろに座っていた外人が立ち上がり
「その話は 本当か」
神山はびっくりして後ろを振り向くと 外人の正面には祥子が座っていて
こちらを見ると ニコニコして挨拶をした
神山は気を取り直して
「今の話は本当です 私はあなたの事を知らないが 事実を話しました」
外人は名刺を出して神山にお辞儀をした
神山も名刺を出すと外人は驚いて神山を見て
「あなたがアレックスの神山さんか 噂には聞いています
先ほどは驚かせて すみませんでした」
洋子も祥子の存在に気が付きお互いに お辞儀をしていた

神山は簡単な説明をした後に
「今夜は 楽しいパーティーをしているので 明日我が社の次長室に
是非来てください その時にまた説明をさせて頂きます」
「分かった 神山さん 予算はどの位見ればいいのか教えてください」
「箱を造るとなると最低でも3億は掛かります でも存続はします」
「3億か 分かった 私が出来るところまで頑張ります
存続を希望しているからね お願いします では明日」
「久保さん 10時にお願いしますね」
「はーい 筒井も伺います こちらこそお願いしますね」
神山は名刺をもう一度見直すと パリニーナ・ニーナの副社長と
印刷され その下には財務長とも印刷されていた
洋子や祐子 涼子が覗いて
「多分 財務関係の最高責任者って事でしょ これは」
「そうね 向こうでは 役職が日本のようにごちゃごちゃしていないから」
神山は名刺を仕舞うと 仕事の話は一切しないようにみんなに伝えた

4人はニーナ・ニーナの二人に挨拶をすると神山が
「さあ 洋子 踊れるところに行こうか」
「アメリカン ポップスですか」
「うん どう 涼子さん踊ろうか」
「わぁー 行きましょうよ お願いします」
「洋子 しかしアレックスって凄いブランドだね」
「ええ 私も驚いたわ アレックスの神山ですもの ねえ涼子さん」
「ほんと 鈴やの神山ではないもの 驚いたわ
私も アレックスで頑張るわ」
「そうよ涼子さん 内野さんとも頑張ってね ねぇ」
洋子が迷って神山の顔を見ると頷くので
「ねえ涼子さん 美佳さんね もう直ぐよ」
「えっ もう直ぐゴールインですか あーあ 負けたぁー」
「がっかりしないのよ 私も独身よ もう」
「ははは さあ 踊りにいこう」

4人はタクシーで表参道のアメリカンポップスに行った
店内に入ると 以前のようにビートが効いた曲が流れていた
神山はビールを注文すると 簡単なおつまみも貰った
曲が変わり懐かしいポップスが流れると センターで踊り始めた
洋子が
「ふふふ お尻の踊りをしましょうよ」
洋子が神山の手を取り センターでツイストを踊りだすと
祐子や涼子も一緒に踊り始めた
「わぁー 神山さんって 上手ですね」
「うん 洋子に教えられた ははは」
洋子が時々お尻を突き出すと 神山は上手にお尻で答えていると
周りが 二人の踊りに見とれて踊らずに見る方に回った
こうなると 神山の独壇場で スペースを上手に使い踊り始めた
曲の最後になると 洋子の体を抱き上げ投げると 1回転させた
洋子がきちんとポーズをとると 周りから拍手や指笛がなった
「わぁー 素敵でした 凄くよかった」
「私も見とれてしまいました 凄いですね二人とも いいなぁー」
「ははは そうしたら次は祐子の番だ いいね」
神山は祐子とステップを合わせながら踊り 時々お尻で挨拶すると
祐子もニコニコして挨拶をしてくれた
このときも 神山の周りには誰も居なかったので 
洋子のときと同じように 上に投げ上手に受け止めると
祐子はきちんとポーズをして ピースサインを出した
周りからは先ほどと同じように 拍手や指笛が鳴り止まなかった

「はぁ 少し休憩 1曲だけ休憩させてね」
「あら 私まだなのに」
「うん 次に一緒に踊ろうね 待っていてね」
神山はビールを呑むと みんなに呑みものをきいた
祐子と涼子は洋子に合わせて トマトベースのカクテルで 神山は
ドライマテニィを注文した
ビートの効いた曲が終わると バラードに変わった
センターではチークを踊りだすカップルが多く 神山は涼子に
「次に踊ろうね 待っていてね」
「はーい 待っていまーす」
その間にカクテルが来ると みんなで乾杯をした
「涼子 アレックスと最初に合ったのが この場所さ 記念の場所」
「そうですね それで先ほどのように お尻で挨拶して ふふふ」
「へぇー 凄いですね 私はまだお話もしていないですよ」
「ははは 仕方が無いよ でもね もう直ぐ日本にくるよ ねっ洋子」
「ええ もう直ぐ来るわね 楽しみね」
「また あそこの寿司屋かな ははは」
「女将さん 驚いていたもの よく食べるって ふふふ」
話していると曲が終わり 神山は涼子の手を引いてチークを踊りだした
涼子は最初から両手を神山の首に巻き いつでも踊れる状態だった
曲が流れ 神山が上手にステップをすると
涼子もしっかりとついて来て 次第にぴったりと息が合った
神山は涼子の腰に両手を回し リードしていると涼子がキスをしてきた
慌てずにしっかりとキスのお返しをすると 涼子は微笑んだ
曲も終わりに近づくと 神山は周りを見て涼子を投げると1回転して
ポーズを決めた このときも拍手や指笛が鳴り止まなかった
「わぁー 涼子さん 凄いわね 綺麗だったわ」
「そうスカートが綺麗に開いたでしょ 見ていても素敵だったわ」
「わぁー ありがとう 祐子さんの時も スカートが開いて綺麗だったわ」
二人は楽しいのか良くしゃべった
洋子と神山は若い力を微笑ましく見ていた

「今夜はありがとう 明日の活力なります」
神山は洋子にタクシー代を渡し
「じゃ 涼子さんをお願いしますね」
「ええ 分かりました ではおやすみなさい」
「うん 明日もお願いしますね」
神山と祐子はスタジオに戻ると神山が
「祐子 先に風呂に入って 寛ごうよ」
「はーい 直ぐにいきます」
神山は先に主賓室に行くと 湯船に湯を張り準備した
祐子がなかなか来ないので 先に湯船に浸かっていると
「ごめんなさい あなた 明日ですが 大掃除でした
報告するのを すっかり忘れていました」
「そうか もう2週間経ったんだ 分かりました お願いしますね」
祐子はニコニコして入ると 大事なところを良く洗い
「ねえ あなた 綺麗になったかしら どう」
神山は湯船から見ると
「ねえ 仰って 見ていないで」
「うん 大丈夫だ 綺麗になっているよ」
祐子はニコニコして神山の隣に座ると 肉棒を掴んだが 動かさなかった
その代わり 触る場所を変えたり握る力を変えていた
「祐子 どうしたの いつもみたいにしないの」
「ええ ベッドまでお預けです」
神山は完全に主導権を握られ 自信を無くしてしまった
それでも神山は少し考え 明るい光が見えた

お風呂から出ると神山は作り付けの棚から ブランデーを出し
祐子と呑む事にした
「ねえ 神山さん お中元の商品ってまだ余っているんでしょ」
「うん コンテナ1台分ある 困っているんだ」
「そうしたら 私のメイドクラブで買うことが出来るんですよ
今日 会社に聞いたんです 但し 定価の70%って言ってました」
「そうか ではそうするかな 腐らせても仕方ないしね」
「では 明日にでももう一度きちんと聞いておきますね」
「うん もうお中元で懲りているのに お歳暮になると
もっと凄い量になるだろうな 困ったものだよ もう1杯お願い」
神山は祐子も呑むように勧めると 頷き自分のグラスにも
ブランデーを入れて持って来た
「はい どうぞ」
「そうしたら 何時来れるか聞いてくれる 場所は鈴や裏の事務館」
「はい 分かりました」
「出来れば 今週だったら 午後3時とか4時がいいな」
「はい 分かりました」
祐子は少し酔ってきたのか 目が虚ろになってきた
神山はこれ以上呑ませると SEXが出来ないと思ったが
「あーあ あなた 私 酔っ払ったみたい もう寝かせてね」
祐子はそういうと神山のベッドに横になり 直ぐに寝息がした
「あーあ 私酔っ払ったか もう 参ったな 今日は可笑しな日だ」
神山は独り言を言いながらベッドに入ると直ぐに寝てしまった

6月24日 水曜日 晴れ
「あなた 起きてください もう」
「おお 早いね おはよう」
「もう 7時ですよ」
「ごめんごめん 起きます」
神山はシャワー室に入ると熱い湯で体をしゃっきとさせた
スタジオに下りると祐子はキッチンで朝食の準備をしていた
神山は冷蔵庫から缶ビールを取り出し ソファーで呑んでいると祐子が
「神山さん 昨夜はごめんなさい なにか急に酔ってしまい」
「うん 酔った時は仕方が無いさ 気にしていないよ」
「わぁー ほんと 嬉しいわ 出来ましたよ どうぞ」
神山がテーブルに着くと 焼き魚や先日の野菜炒めなど 和洋折衷だが
それなりに美味しくて ご飯が進んだ
「祐子 今日は お願いしますね」
「はい 大丈夫です きちんと見ています」
「うん」
神山がソファーに行くとお茶を用意し さがるとキッチンで後片付けした
お茶を飲み終わると 冷蔵庫から缶ビールを取り出し 呑み始めた
「祐子 庭の手入れはいつになるのかな」
「あっ それも今日確認しておきますね 今月はありませんから
多分 来月に予定が入っていると思います」
「うん お願いします 雑草がそろそろ伸びてきているし」
「そうですね 聞いておきます」
「祐子 30分寝かしてください」
「はーい 分かりました」
神山はそう言うとソファーに横になると直ぐに寝てしまった

「神山さん 30分立ちましたよー もういつもなんだから」
祐子はおちんちんをしごき始めると 大きくなったので自分から跨いだ
肉棒をヴァギナに挿入すると 気持ちよく 腰を充分に振ると
硬さが増してきて 更に気持ちよくなった
「ああっ いいわ 気持ちいい」
神山はまだ目を覚ましていなかった
祐子は神山の顔を見ながら 楽しそうに腰を振っていた
「あっ 祐子 あっ 入っている」
「もう ようやく起きたのね ふふふ あっ いいわ あっ」
神山も下から突き上げると 祐子は更に快楽の頂点に向かった
「もっと もっと突いて あっ いいわぁー」
祐子の腰の動かし方も 回転させたり上下に動かしたりした
「駄目だ 出そうだ」
祐子は神山の肉棒が 最高に硬くなり自分も果てそうだった
神山は最後の突きをすると 果ててしまった
「あっ きてる あっ あっ いくぅー うっー」
祐子も果てて 神山の上に伏せるとキスをして 暫く動けなかった
神山が上半身を起こし 祐子を抱きかかえると
「もう駄目です お願い」
「うん 分かった」
神山は漸く主導権を握れたと 喜んだ
祐子の秘所をティッシュペーパーで綺麗にすると 二人で主賓室に
シャワールームで綺麗に流した

神山は着替えを済ますと 玄関で祐子にキスをして
「では 何かあったら 携帯まで連絡くださいね」
「はい 了解です ふふふ 行ってらっしゃい」
神山は久しぶりに真紅のポルシェで出勤した
次長室に入ると 昨日会った外人の名刺を確認した
神山はブースを造ると3億円と言ったが 果たしてどこまで出来るか
時間的な部分などで多少不安があったが 後戻りは出来なかった
ニーナ・ニーナの現在進めている案は既存建物のブースに入った時で
ブースを最初から建築する案もあるのでそれを改良していけば
何とか間に合うと思った
神山は打ち合わせ時間まで出来る事を集中して仕事をした
9時30分になると洋子が出勤してきたので 挨拶はしたが
仕事に没頭し 何も話さずに デッサンを仕上げていった
神山は9時45分になるとGプロの高橋に電話をして次長室に
来るよう指示を出した
高橋は今日の神山の口調が普段と違う事を敏感に感じ
「山ちゃん 来ました」
「考ちゃん 大変なんだ」
神山は昨日の経緯を掻い摘んで話すると高橋は
「わぁー 大変だ それはお金の問題じゃないよ 時間の勝負だ」
「うん そこで 僕が考えたデザインだけど どうかな?」
神山はコンセプトを他のブースと同じように 子供と遊べるブースと
位置づけし 地下をアレックス 鈴や食品と繋げてしまい
地下広場を 子供たちに開放すれば 集客も充分に出来ると考えた
「わぁー 山ちゃん それ頂き でも今日はそれでOKでも
正式に書き上げるとなると時間が欲しいし」
「うん でも徹夜でもしないと間に合わないよ だってアレックスが
絡んでいるだろう そこも調整しないといけないしさ」
「わぁー 凄い事やったね 嬉しい悲鳴だよ わかりました
兎にも角にも 今日は当初案の説明と このスケッチの説明で
そうだ アレックスの地下部分のパースも用意しようね」
「うん 箱で3000万円掛けても存続は難しいが このようにすれば
存続は充分に補償できる そこを話そうよ ねっ」
「了解 そうしたら当初案は誠二に説明して貰って この案は
やはり山ちゃんがいいと 思うよ どう」
「うーん 考ちゃんは無理?」
「了解 助け舟 お願いね」
「うん 僕が最初から話してしまうとそれでお終いでしょ お願いします」

事前打ち合わせが終わり 高橋はGプロのメンバーを呼んだ
神山は洋子に昨日の覚書を出しておくよう指示をした
洋子はこんなに仕事に打ち込んでいる神山を見たのは初めてで
男の魅力を改めて見直し 神山を惚れ直した
10時丁度にニーナ・ニーナの面々が次長室に現れた
筒井も神山のピリピリとした態度から 普段と違う神山を改めて見た
全員が洋子の案内で席に座ると神山が
「ここにいらっしゃる方を 私が紹介していきます
久保さん通訳をお願いしますね」
祥子も神山が普段と違い 大きく見え男の魅力を改めて見直した
神山が全員の紹介を終わると
「それでは当初案から説明をさせて頂きます」
内野は先日のシュミレーションどおり 気持ちに余裕を持ち説明した
時々洋子の顔を見ながら 説明していたが 先日のような
慌てる様子も無く 分かり易く説明を終えた

神山はここで
「内野さん 説明ありがとうございます さてここにいらっしゃる
パリニーナ・ニーナ副社長 ポール・モーガンさんにお伺いします」
神山は久保に通訳をお願いし
「実はこの案は筒井副社長と打ち合わせをして 決められた予算の中で
デザインをさせて頂きました このデザインは決められたスペースの
中で最高のものだと思います しかしこの御殿場アウトレットでは
私は存続が難しいと思います 一つに固定客の販売ではなく
不特定多数の顧客に満足して貰わないともいけないからです
百貨店のように 固定客がいれば売り上げも見込めますが この
GOLでは 強力な固定客を望むのは無理だと思います
ポール・モーガンさん 如何でしょうか」
指名されたポールは ではGOLの位置づけはどうかと質問した
「はい GOLでの販売は 現行品も多少値下げをして販売し
更にGOL限定品も販売するという方向です 百貨店のセールとは
意味が全然違います ここに来た方に安く提供をする そのスタンスです」
祥子が分かり易く通訳をしていると
「クリアランスでもないのか」
「ええ この会場に来て頂いた顧客のみが手にする喜びです
それは値段であったり 限定品であったりさまざまです」
ポールは頷いてどの様にすればいいのか 教えて欲しいと話した
神山は頷いて高橋に説明するように指示をした
高橋はぶっつけ本番だったが さすが神山が認めているだけあって
丁寧に ポイントを分かり易く説明した
ポールは久保の通訳で頷き 聞くほどに目が輝いてきた
説明を聞き終わるとポールが神山に
「これで3億円か 高くないか」
「これはまだ試作で 方向性を示したもので 地下部分もあるので
この図面も見て欲しい」
神山はアレックスブースの地下共有部分のパースを見せると
「アレックスはここまでやるのか 素晴らしい」
「そこで考えているのは 自分でブースを建てれば この地下共有部分に
連結させる事が出来 大きなテーマブースが誕生し リピートが必ずある
その方法も アレックスと進めているので 安心して欲しい」
ポールは神山の話に頷き
「是非 アレックスと手を組んで 仕事をしたい どうだろう」
「わかった ポール 最低でも3億は掛かる デザインによっては
6億掛かるかもしれないが それでもいいか」
ポールは暫く考えた後 頷き
「分かった 神山さんに任せる ジャパンの筒井と進めてください」

神山は洋子に契約書を直ぐに製作するよう指示を出した
いつもの事ながら 頷く時にはもうキー入力をしていて
「はい これで宜しいでしょうか」
神山はフランス語で書かれた契約書を熟読し頷くと
「コピーを2部作ってください」
洋子は2部プリントアウトして 神山に渡すと
ポールからサインをして 筒井 神山とサインをした
洋子と祥子が立会いでサインをして 最後に神山が場所と時間をサインした
神山は1部をポール 1部を筒井 1部を自分が保管した
ようやく普段の神山に戻ると筒井が
「山ちゃん 助かったよ 本当にありがとうございます」
筒井は丁寧に深々とお辞儀をし握手をした
「頑張って 進みましょう 良かったですね」
ポールが神山に
「あなたが居るので 安心した アレックス氏が惚れている訳が分かったよ
もう 好きなようにデザインをして ニーナ・ニーナを盛り上げて下さい」
ポールも神山としっかりと握手をしたが神山が
「私はアレックスJPでは最高責任者だが 鈴やの人間です ははは」
「そうだったね 鈴やのデザイナーだったね うん ありがとう」
「筒井さんと いいものを造ります ありがとうございます」
「では お願いしますね」
神山は筒井にポールの昼食を聞いてみると
「うん 築地のいせ丸に行くことになっているよ どう一緒に」
神山は少し考えたが
「ここはニーナ・ニーナさんで行かれた方が いいでしょう
次の機会にしますよ」
「うん ありがとう そうそう あのスーツはある?」
神山は作り付けのワードローブから世界で3着しかないスーツを出すと
ポールが懐かしそうに見ていて
「うん神山さんに似合う ぴったりだ そうだ 紳士も作るか ははは」
神山もこの冗談に笑って答えた

ニーナ・ニーナの面々が次長室から出ると神山達はビルの出口で見送った
次長室に戻ると神山は冷蔵庫から缶ビールを取り出し みなに配ると
「お疲れ様でした ニーナ・ニーナは予算の上乗せが出来
これからが時間との勝負です 頑張ってください いいですね 乾杯」
神山は心の底から嬉しかった
ある部分筒井に恩返しが出来た事 これでようやく自分が考えていた
子供と大人の調和 などなど もう予算を気にしないで 
思い通りの仕事が出来る喜びが 嬉しかった
Gプロの佐藤部長も
「山ちゃん 凄い もう感激したよ よかった ありがとう」
「佐藤部長 漸く自分の仕事が出来るように整いました
後は 皆さんに徹夜をしてでも 仕上げてください お願いします」
「もう 頑張りますよ これだけ下地を作ってもらったんだ ねえ高橋君」
「ええ 山ちゃんの為にも 頑張るよ 任せて」
「考ちゃん 悪いけれど誠二ちゃんの応援体制をお願いね」
「うん 午後から準備して 明日から稼動します」
「では ニーナ・ニーナの打ち合わせ 解散でーす」

次長室に洋子と二人だけになると神山は ビールを呑みながら泣いていた
洋子が
「良かったですね 自分のお仕事が出来るようになって」
神山は何も言わずに頷くだけだった
GOLで何かを仕掛けたかったが なかなかデザインが出てこなかった
デザインが出来ても予算が足りなく 夢が砕けた
しかし今日の話で 描いていたグローバルプランが実現できるところまで
こぎつけた その喜びと 自分を支えてくれている人に恩返しが
出来る喜びを かみしめていた
神山の気持ちが落ち着いてきた時に携帯電話が鳴った
「はい 神山です」
「おお 山ちゃん わしじゃ」
「社長 どうされたんですか 急に」
「ははは 午前中はトップじゃ グロスでトップじゃ」
「はあ おめでとうございます 午後も頑張ってください」
「おお それからニーナ・ニーナ やったそうだなおめでとう」
「早いですね ははは」
「アルタで昇級だと言っていた」
「えっ あーあ 人気者は辛いなぁー」
「ははは それで昨夜は どうした 上手く行ったか」
「はぁ 残念ながら 次回です」
「ははは スーパーマンでも弱点はあるんだな 頑張れ」
「はい それで明日の鈴や食品さんの打ち合わせにはどうされますか?」
「うん 山ちゃんに任せた ははは ワシの出る幕はなしじゃ」
「お金は大丈夫ですか」
「うん 大丈夫だ 任せろ」
「はい お願いします」
「うん じゃ午後も頑張る」
「はい 頑張ってください」
「じゃ」

神山は電話を切ると洋子に
「参ったぁー 社長が午前のプレーでグロストップの話で その後
ニーナ・ニーナの件 そうそうアルタで僕の昇進だって」
「えっ アルタで昇進 凄いわね」
「その後が 昨夜はどうした って言われたから次回ですって答えると
そうしたらスーパーマンにも弱点はあるんだな ははは だよ もう」
洋子はクスクス笑って
「でも 良かったわね 筒井さんもアレックスJrも」
「それでね 明日の鈴や食品どうされますか って聞いたら
ワシの出る幕は無しじゃ 任せたって もう 困りましたね ははは」
「ねえ お食事はどうされますか」
「そうだ どこに行こうか いせ丸は避けよう」
神山は洋子にGプロに行くが直ぐに戻るといい部屋に入ると
「佐藤部長 今夜からフル稼働でお願いします」
そういうと現金100万円を渡し お辞儀をして戻った
「洋子 イタリアンレストラン スパにでも行こうか 久しぶりに」
洋子は頷くと早速予約を入れた
「キープ出来ました」
「洋子 白い封筒あるかな?」
洋子は引き出しから出すと神山に渡した
「ねえ 4枚ください」
洋子はきょとんとして訳が分からずに神山に手渡した
神山は白い封筒に多田と東条の氏名を書き現金50万円を二つの
封筒に ギフトカード100万円分を二つの封筒に入れた
「洋子 これを食事が終わったら渡して欲しい」
洋子はわざわざ別けた理由を聞かなかったが 自分の存在も
きちんと考えてくれている神山に ありがたく思った
「はーい 分かりました あなたの後に渡せばいいですね」
神山は何も言わず 頷いて答えた







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