2014年4月8日火曜日

紫陽花 9 - 54 Vol. 3



タクシーで靑山3丁目に着くとお店は直ぐ傍だった
店に入ると石原総支配人が出迎えてくれ 神山と洋子の席を案内した
「神山様 本日はどうされますか」
「美味しいのはありますか?」
「はい 珍しく入りました」
「そうしたら 生をおつまみで頂きたいです」
神山はおつまみを選び石原に伝え
「今日は多田さんと東条さんは来られていますか」
「はい お肉は東条さんに焼いてもらいます 腕を上げましたよ」
「それは楽しみです」
石原が下に降りると洋子に現金の封筒を出して欲しいといい
神山は30万円づつ追加していれた
「まぁ 美味しかったら 入れてあげればいいのに ふふふ 優しいのね」
「まあ 支配人が言うのだから間違いないでしょ 御礼ですよ」
そんな話をしているところへ神山の携帯電話がなった

「はい 神山ですが」
「せっ 先輩 翔です」
「どうした 慌てて」
「はい 済みません あのぉー えっー 何だよ 先輩だってば」
「おいおい 翔 どうした おーいぃー」
「山ちゃん 美佳でーす ふふふ 今ね 結婚の約束しました」
「はぁー 美佳ちゃん 結婚の約束、、、」
「もしもし 山ちゃん もしもーし、、、 なんか可笑しいわ
先輩 大丈夫ですか せんぱーい」
「おお 良かったな 美佳ちゃんのご両親に会ったのか」
「はい OKを頂きました たった今です なんだよ もう
もしもし山ちゃん 私 嬉しくて ありがとうございます」
「うん ちょっと待ってね 洋子と変わるね
洋子 美佳ちゃんと翔が婚約だって はい
もしもし 美佳ちゃん良かったわね」
「あっ 翔です ありがとうございます 変わります 美佳 田所先輩だ
もしもし 美佳でーす」
「洋子よ おめでとうございます よかったわね」
「ええ 彼が両親の前で 丁寧に挨拶をして もう両親も笑いっぱなし
もう 美佳 余計なこと言わなくても言いの また」
「もしもし 美佳ちゃん」
「はい 翔です 済みません 余計なことばかり言って もう いいでしょ
美佳です それでね 挨拶の時に 私の名前を言わないで 妹さんの
名前を言ったものだから 両親もこらえきれずに大笑いしました」
「それはそうよね 美佳さん 良かったわね」
「ええ もう大変ですよ お酒呑んだら 盆栽の話をして
父なんか大喜びで じゃ教えてもらうかって もう息子が出来たって
大喜びです  美佳 なに言っているの もう いいの
田所さん 先輩と代わって頂けますか」
「はいはい あなた杉田さんよ
もしもし 翔 良かったな 詳しい話は後日ゆっくり聞くよ
あまり美佳さんを苛めるなよ 分かった」
「はい 先輩を見ていると分かります」
「ははは では」
神山は電話を切ると 杉田の一言が頭にきて
「もう 翔は何を見ているんだ もう」
「どうしたの そんなに怒って」
「うん 美佳さんを苛めるなよって言ったら 先輩見ていると分かります
だって もう 変なところを誤解しているな」
「ふふふ いいじゃない 言わせておけば ふふふ」
「いいんです もう あーあ」

ビールを呑み終わりワインを注文する時
「今日のステーキに合ったワインをお願いします」
石原は頷き 下がった
神山と洋子は牛肉の生を食べると濃厚な味がして美味しく食べた
ホタテのバター焼きを口にすると 中が生でジューシーで甘かった
「どれを食べても 美味しいね」
「ええ 新鮮なのと調理が上手なのね 美味しいわ ふふふ」
二人が料理を堪能していると内藤から電話があった
「山ちゃん 凄いね 驚きました」
「はい でも当たり前のことですよ 存続を希望されるなら
私達のプランしかないと 説明をしました」
「それで 7月1日の11時からこちらで命課発令です
田所さんも一緒に来てください お願いしますね」
「はい ありがとうございます 11時に伺います」
「それから 山ちゃんの部下だった杉田さんと うちの小谷が
目出度く結婚する約束をしたそうで これも嬉しい話ですね」
「早いですね」
「ええ 先ほど彼女から電話がありました 良かったですね」
「ええ 詳細は聞いていないんですが 二人とも私の部下なので
精一杯のことをして 門出を盛り上げ祝福しますよ」
「ええ 私もそうします では11時にお願いしますね」
神山は電話を切ると 洋子に
「7月1日 アルタ11時 入れてください」
「はーい 何があるんですか」
「うん 人事命課だそうです 洋子も出席です」
「わぁー 凄いわね どうなっているの」
「ははは 僕にも分かりません さあ食べようよ」

神山と洋子は食べ終わると 1階のカウンターで石原と話した
「如何でしたか」
「うん 充分に美味しかったですよ それで二人にボーナスを
渡したいんですが どうでしょうか」
石原は頷き多田と東条を調理室から呼んで来た
「神山さん いつもありがとうございます だいぶ分かってきました」
「ええ よかったです それでお二人が頑張られているので
これを収めてください 私の気持ちです」
神山は二人に現金80万円入っている封筒を渡した
多田と東条は丁寧に受け取ると
「これからも 頑張って修行をします」
洋子がタイミングよく
「これは私からの気持ちです 受け取ってくださいね」
洋子はギフトカード100万円分入った封筒を二人に渡した
多田と東条は洋子に対しても深くお辞儀をして
「御殿場でお役に立てるよう 頑張ります ありがとうございます」
神山は精算を済ませるとタクシーを拾い次長室に向かった

「良かったわね 美味しいステーキを食べられて」
「うん だいぶ勉強しているんでしょうね 最高の味でしたね」
「ええ 希望はもう少し柔らかい方がいいけど ふふふ」
「やっぱり 僕もそう思ったんだ でも許容範囲内だったかな」
タクシーが次長室の入っているビルに着き 二人は次長室に戻った
神山は明日の鈴や食品の書類を纏めたりしていると
Gプロの佐藤が次長室に来た
「なにかありましたか」
「山ちゃん 凄い事になりました 内緒ですよ」
「ええ」
神山は訳が分からないのできょとんとしていると 佐藤が
「山ちゃん 副社長です」
「えっ 副社長 ほんとですか」
「ええ 先ほど内藤から連絡がありました 内緒ですよ」
「ええ しかし 副社長って言っても うーん、、、」
「それで 内藤からお祝儀です まあ1日は大変ですよ」
「はあ ありがとうございます 洋子はどうなんですか」
「ええ 田所さんも理事です」
「えっ 理事、、、洋子 理事だって 凄いな」
「わぁー ありがとうございます」
「田所さん これは内藤からのご祝儀です 納めてくださいね」
「はーい 嬉しいわね 神山副社長」
「はあ でも実感が沸かないですね」
「内藤は今日のニーナ・ニーナの件も高く評価していますよ
普通の人間ならそこまで出来ないと はっきりと申してました」
「ああ その件ですね でも当たり前のことですよ」
「では 明日の鈴や食品もお願いします
そうそうニーナ・ニーナの件ですが すでに動き始めました
ある程度デザインが出来ましたら お願いします」
「ええ 業種は違っても基本は同じですから大丈夫と見ています
ゼロからのスタートではありませんから いいものを出してください」
神山は包みを開けると1000万円入っていた
「わぁー 私500万円も入っているわ」
「うん 大事に使ってくださいね」

神山が仕事に集中していると内藤から電話があった
「山ちゃん 申し訳ありませんが2億用意出来ますか」
「ええ しかし最低でも1時間は頂きたいです」
「大丈夫です それで場所は赤坂スカイホテルの3階
ティーラウンジ16時です
詳細は少し前に又 電話をします」
「はい では」
神山は洋子に緊急の仕事が入ったので 出かける旨伝えた
「お帰りは」
「うん 分からないので 帰宅していいよ」
「はい 分かりました」
神山は急いで帰り支度をし次長室を出ると 真紅のポルシェで
赤坂のスタジオに戻った
門扉が開かないので祐子に電話をすると 大掃除の為閉めていたといい
直ぐに門扉が開かれた
「お帰りなさい」
「うん ちょっと緊急なので 帰ってきた」
神山はそう言うと 大掃除をしている中を主賓室に行った
アルミのアタッシュケースを持ち出すと 真紅のポルシェで
近くの銀行に行き 大口の引き出しを行った
丁寧に3つに別けると車に乗せ 指示されたホテルの3階で待った

16時5分前に内藤から電話があり
「ティーラウンジの窓際に移ってください 鈴木という人が行きます」
「はい 分かりました」
神山は席を窓際に移ると16時丁度に体格のいい男が現れ
「神山さんですか」
「はい 神山ですが 鈴木さんですか」
「はい鈴木と申します」
お互いが確認をすると余計な話はなく鈴木が2億円の簡単な借用書と
特殊法人4箇所の今日付け辞令と業務内容が記載された書類を神山に
手渡した
神山も3つのジュラルミンケースを渡すと他に2人の男が現れて
手際よく自分達のジュラルミンケースに入れ替えた
「神山さん 確かに ありがとうございます
それで この特殊法人には本日18時までに電話連絡をしてください
お願いします あと何か」
「私の定年は何歳ですか」
「ははは それは各法人で聞いてください 私は分りません」
「あと 返済が9月30日ですが場所はここですか」
「ええ ここです 宜しいですか」
神山は頷くと3人はジュラルミンケースを持っていった
手押しカーゴと空になったジュラルミンケースを赤いポルシェに積むと
家に戻ったが 主賓室は掃除中なので 事務所に入った

神山は4ヶ所の辞令と連絡先をテーブルに置いて鈴木から言われた
各協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維開発研究所 東日本統括東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます 
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

神山は次の協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維開発研究所 西日本統括東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます 
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

神山は次の協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維輸出入管理協会 東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

神山は次の協会に電話をした
「はい こちらは日本繊維品質管理協会 東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
「神山理事 本日付けで処理を致しますので今月25日に
今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給200万円と手当て100万円非課税扱いで
ございます 合計金額が毎月25日に指定口座に振込みさせて頂きます 
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月10日 12月10日 年二回で各6か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は業務内容の書類にメモをした

事務所で電話を終えスタジオに行くと祐子が
「丁度 大掃除が終了しました」
「うん ありがとう ガラスが綺麗になったね うん」
「それで 私が確認のサインをしました」
「うん ありがとう」
神山はそう言うと2階の主賓室で着替えるとスタジオでビールを呑んだ
寛いでいると神山の携帯電話がなった
「はい 神山です」
「ワシじゃ」
「あっ 社長 どうでしたか」
「ははは 隣に勝って ダントツで優勝だよ」
「それはおめでとうございます」
「ところで 今夜は空いているかな」
「はい お供をさせて頂きますが」
「うん 洋子はどうした」
「ええ 今日は早く帰宅しました」
「うん分かった そうしたら 5時半に例の上原でどうだ」
「はい 伺います」
「うん 頼んだぞ」
神山は電話を切ると時計を見て 時間があるので夕寝をした
「祐子 30分寝かしてください お願いします」
神山はそういうと ソファーに横になり直ぐに寝た

「神山さーん 30分経ちましたよ」
神山は直ぐに目を覚まし シャワーを浴びて体をスッキリさせた
予めタクシーを呼んでいて 支度が出来た時 丁度タクシーが来た
「祐子 今夜は遅くなるから 先に寝ていていいよ」
「はーい 行ってらっしゃい」
神山は門扉まで歩くとタクシーに乗車し上原に向かった
約束の時間には充分間に合い 暖簾をくぐると時田が手招きした
「お早いですね まだ充分間に合うと思っていました」
「ははは まあ高速が空いていたからな」
神山はビールを時田に注ぐと 自分にも注いだ
「優勝おめでとうございます」
「ははは ありがとう 山ちゃんのお陰だ」
神山はテーブルにつまみが無いので 女将を呼び
「しめ鯖と鮮魚の盛り合わせ あとは照り焼きをください」
「はい ありがとうございます」
「山ちゃん アルタで副社長だぞ」
「ええ 先ほど佐藤部長から伺いました 困っていますよ」
「ははは いいじゃないか 力が認められたのだから
そこで 今日は明日の事で少し聞きたくてな」
「はい」
「どうだ 10億で出来るか」
「ぎりぎりです あと2億あれば充分です」
「うーん ワシも2億出しているんだ どうにもならんな 困った」
神山は少し考えたが
「社長 私も2億出します 如何でしょうか」
「えっ 山ちゃんが2億、、、本当か」
「はい その代わり 鈴や食品の常務以上の席をお願いします」
「うん 分かった 株主総会にかけないで出来るというと、、、
うん担当副社長でどうだ 株主総会の時には正真正銘の副社長だ」
「はい ありがとうございます」
「うん では決まった そうしたら7月1日に一緒に行おう いいかな」
「ええ 洋子さんもお願いしますね アルタでも理事ですから」
「うん そうだってな ワシは驚いて 何もいえなかった
うん 分かった 洋子はそうすると 理事秘書か」
「ええ 鈴やより外の役職が上だと ちょっと不味いかなって」
「分かった 山ちゃん 電話をしてくれ」
神山は時田がいう電話番号にかけると 時田に渡した
「おお ワシじゃ 中村君 実はな7月1日の人事命課だが 追加してくれ
神山次長は鈴や食品担当副社長 田所部長は 理事1級と鈴や食品の
理事1級で手配をしてくれ いいね」
「はい 復唱します 神山次長の鈴や食品担当副社長 田所部長の
理事1級 鈴や食品理事1級でよろしいですか」
「うん そうそう神山次長の理事4級は忘れないでな 洋子は専属秘書だ」
「はい 早速本日中に手配します それから社長 ゴルフ
おめでとうございます だいぶ頑張られましたね」
「ははは 山ちゃんのお陰だよ では頼んだよ」
電話を切ると神山に返し
「社長 洋子さんが理事ですか、、、」
「おお やはりアルタさんに負けてはいけないな ははは」
神山は少し呆れたが 仕方がないと思った

「社長2億はどの様にしたらいいでしょうか」
「そうだな うーん 一番いい方法は 出資してもらう事だが 難しい
うーん どうだろう ワシのところに持って来てくれるか」
「ええ 構いませんよ でも本社だと目立ちますよね」
「うん そうだな」
「それでしたら社長の口座に振込みをしますよ」
「そうだな それでワシから出資していくよ うん そうしよう」
二人は話が纏まると 日本酒で乾杯をした
暫くは今日のゴルフで話が盛り上がり 神山も楽しかった
神山がそろそろ握り物だと思い 女将を呼ぶと
「大丈夫ですよ マグロのねぎですね それとしめ鯖もお持ちしましょうか」
「ええ お願いします」
「山ちゃん 食べたらもう一軒行くからな」
「あっ はい分かりました」
日本酒を呑みながら クラブの説明をしていると
ニーナ・ニーナの面々が入ってきて その中に祥子もいた
「わぁー 神山さんだわ」
「わぁー こんばんわ 神山さん 今日はありがとうございます」
由貴や桃子は時田の事を知らないので 神山ばかり挨拶をした
祥子は向かいに座っているのが時田副社長と気がつき
「時田副社長 こんばんわ 私はニーナ・ニーナ チーフの久保祥子と
申します いつも神山次長様にはお世話になっています」
「うん まあ 分かった 今日も山ちゃんがやったそうだな ははは」
祥子はお辞儀をすると 由貴や桃子に挨拶を進めた
「まあまあ いいじゃないか 楽しく呑んでくれ ご馳走するよ ははは」
「久保さん そういう事なので ご馳走になってください
そうそう 副社長 今日はゴルフコンペで優勝しましたよ」
「まあ おめでとうございます」
由貴や桃子もニコニコして
「優勝 おめでとうございまーす ふふふ 凄いですね」
「まあまあ 山ちゃんのお陰さ あのクラブは良く飛ぶ うん」
由貴や桃子は顔を見合わせて 頷いていた
「良かったですね そのうち教えください ふふふ ねえ浜野先輩」
「お願いしまーす ふふふ」
祥子達は 挨拶を終えると別なテーブルで食事を始めた
神山はこの場に 洋子が居なくて良かったとほっとした

時田も良く食べ良く呑むと 神山に
「では 山ちゃん 出ようか」
「はい」
神山と時田はニーナ・ニーナの面々に挨拶をすると神山が精算をして
「女将 あそこはこれでお願い 余ったらいつものようにして」
神山は女将に5万円渡し 時田の車に乗った
「山ちゃん これから行くところは ワシのこれがやっているところで
絶対に秘密にして欲しい いいかな」
「はい 分かりました 安心してください」
車は 代々木から細い路地をくねくねと曲がり 広い庭の家屋に着いた
神山は時田の後を着いていくと 玄関で品のいい女性が時田に
「お帰りなさいませ」
時田は神山に上がるよう勧めると 女性は部屋を案内した
席に着くと時田が女性に
「こちらが いつも話している 山ちゃんだ どうだいい男だろ」
「ええ 素敵な方ですね」
「山ちゃん 女将だが ワシのこれじゃ よろしくな」
神山はこのようなときに どの様に挨拶をしたらいいか分からず
「神山です いつも社長にはお世話になっています」
座卓に額が着く位 丁寧にお辞儀をした

「さあ 日本酒とつまみじゃ 頼んだぞ」
「はい 畏まりました」
女将は丁寧にお辞儀をすると 襖を閉め出て行った
「山ちゃん どうだね」
「はあ 綺麗な方ですね」
「うん あれはワシの娘じゃ」
「はあ お嬢様、、、」
「おお そうだ これは別なところに居る ここは娘がやっている」
「はあ 凄く綺麗で落ち着いていますね 女将も板についていますよ」
「ははは そうか 見る目があるかな」
二人で笑っていると ビールと冷酒が用意され おつまみも用意された
先ほどと違う女性が ビールを時田と神山のグラスに注ぐと
「じゃ 山ちゃん頼んだぞ」
「はい ありがとうございます 乾杯」
「ところで 山ちゃん 洋子とはどうなんだ」
神山は暫く答えられなかったが
「ええ 洋子さんは私より他の男性の方がいいと思います」
「そうか 難しいか、、、」
「現在は仕事のパートナーとして 組み合わさっていますが
実生活になると どうでしょうか 難しいと思われます」
「そうだな 洋子も頑張りやだからな そうか わかった ごめん」
「いえいえ ご親戚なら心配するのが普通ですよ」
「うん そうだな まあ気長にまとう ははは」
神山は上原の時から 感じていた事が的中した






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