2012年4月13日金曜日

出会い 2 - 2 Vol. 1



4月1日 水曜日 快晴

「倉さん すみません お時間作って頂いて」
「おう 筒井ちゃん水臭いな いいよ 困っている時はお互い様さ」

二人は銀座築地にある寿司屋いせ丸の奥座敷で話をしていた
倉さんこと倉元達也は 鈴や銀座店の催事課専門部長で
神山龍巳の上司になる
筒井は筒井健一といい ニーナ・ニーナジャパン東京本社の
ゼネラルマネージャーでニーナ・ニーナ東京支店の副社長を務める
久保祥子はこの筒井の下で勤務している

「どうでしょうか 神山君を少しの間 我が社に貸して頂けませんか」
「うーん で 上原の現場が終わったら銀座に戻れるんだね」
「ええ そのように考えていますが ただ来年のアウトレットの
話も持ち上がっているんですが なにしろ予算が少ないもので
パリ本社がお金を渋っているんです」
「おう あの御殿場の話か まだ先だろう」
「ええ 第3セクターで造る事になった話です」
「おう そうすると 上原が終わって暫くは銀座で その後は」
「そこなんですが 上原の後も引き続き見てもらいたいんです」
「おう 大変な話だな うーん どうしたものかな」
「それで考えているんですが 神山君の住まいを移したらどうかと」
「えっ だって横浜だろ 移しても時間的に変わらないだろ」
「今 うちの久保祥子が住んでいるマンシャンで空き部屋が
ありまして そこに神山君に住んで貰えば会社と現場に近いし
どうかなと思っているんです」
「おう そうすると二束の草鞋か、、、」
「ええ 現場まで10分足らずで 銀座にも30分です
今の横浜より全然通勤環境は良くなりますよ」       
「おう そんなに近いのか そうすると緊急時には来れるな」
「ええ 大丈夫です」
「部屋は押さえてあるのか」
「ええ 日割りで押さえてあります」
「上原の施工業者はどこだ」
「ええ 株式会社アルタです 御殿場もアルタでお願いしています」
「そうか そうするとアルタにも一枚噛んでもらった方がいいかな」  
「一応 佐藤部長には話はしてあるんですよ」
「おうおう 手回しがいいな ははは」
「アルタでも 横浜の件があるので助かる話なんです」
「おう そうか 横浜も駅前が進んでいるからな うーん」

「おじゃまします」
ここいせ丸の特徴は 注文ききが無くお客のペースで
料理や呑み物が運ばれてくるようになっている
一見のお客は 入り口に近いテーブル席で食事をいただき
座敷は女将が許した人物だけしか利用できない
「少し 早かったかしら」
「おう 構わないよ そうだ日本酒をくれ」
「いいんですか まだお昼ですよ」
「おう 今日は構わない どうせ客も少ないし ははは」
「ねえ 4月1日で水曜日で営業ですものね ははは」
「おう 休めないよ まったく」
「はいはい お持ちいたしますよ」
女将は盆から鮮魚の握りを置いていくと 丁寧に襖を閉めた

「ははは エイプリルフールで営業だよ筒井ちゃん 参っちゃうな」
「人事発令でしょ 仕方ないですね お祭りですから」
「おう 今年は山ちゃんが専門9等級かと思ったけれどなんなかった」
「来年でしょ でも抜群に早いですよ 同期でトップでしょ」
「おう そうらしいな 俺たちはデザインしてなんぼの世界だが
かといって同期でどんけつじゃ嫌だしな
でも 山ちゃんのデザインはいつも目を見張るものがあるよ」
「そうでしょ 私も以前話しをしたときに 感じましたよ
こちらの要望を的確に表現してくれましたからね」
「おう だから 余計に銀座店が出すかどうかだ」
「そうか うーん 何とかして貰わないと 潰れますよ」
「おう その久保祥子って子は あの可愛いお嬢さんだろ」
「ええ 社内でぴか一の女性ですよ」
「その子は図面とか 読めないのか」
「ええ 数字とか外国語とかは大丈夫ですが 図面は無理ですね」
「そうか、、、」
「倉さん それにニーナ・ニーナの店舗は今まで店内ばかりですが
今回の上原は外光が差し込むところなんですよ
それで 山ちゃんの力が欲しいんです」
「そうだな そうすると御殿場も山ちゃんがメインで見るか」
「そうなってきますね なにしろデザイン感覚は抜群ですからね
あっ 倉さんも抜群ですよ」
「おう 付録でもいいが そうだな 外が絡んでいると
出来るのは山ちゃんしか居ないだろうな いまのところ うーん
聞いた話だが あの竹本工務店も舌をまいていたよ」
「へぇー その話は初耳です」
「おう 上野のとき一時期 営繕でデザインをしていただろ」
「ええ 知っています」
「あの時 外壁工事があって 外壁の色を決める時に
山ちゃんが 竹本のデザイナーに意見して 色を変えたんだとさ」
「へぇー 凄い事をしますね」
「おう なんでも机上の計算では駄目だといってカラーサンプルを
大きいのに変更して 日中や夕方 雨の日や曇り 色々と
見え方を調査したらしいんだ それで山ちゃんの案に決まった」
「へぇー 努力家でもあるんですね」
「おう 信念を持っているから 出来る業だよ 俺も感心した」

「おじゃまします」
女将の声が聞こえると襖がゆっくりと開き
「お待たせいたしました 鮮魚のおつまみをお持ちしました」
「おう ありがとう」
「握りは暫くいらないですね」
「おう 悪いな」
女将は両手をついてお辞儀をして 部屋から出て行った

「ははは 女将もびっくりのエイプリルフールだな」
「嬉しいエイプリルフールですね ははは」
「おう そうしたら うちの翔もそろそろ課長に
成らないといけないから その線で押してみるか」
「ああ 杉田君ですね そうですね 彼も同期でトップでしょ」
「おう 翔もあと2年くらいで課長だからな うーん」
「倉さんがしっかりしているから 2年で大丈夫でしょ」
「おう 少し甘いところがあるがな」
「幾つですか」
「確か 今年33だったと思う」                                  
「そうすると 35で課長だと山ちゃんより早い 凄い」
「山ちゃんは いくつで課長だ?」
「彼は36ですよ 14年目ですね」
「そうか そうしたら翔の独り立ち作戦だな」
「倉さん お願いします」
「おう 任せなさい 大丈夫だ」

杉田翔は22歳で銀座店入社し催事課の装飾デザイン担当係長で
入社以来装飾デザインを歩んでいる            
進級も神山と同じように早く 同期の中でもトップにいる
仕事面では 神山がきてから少し甘えているところがあり
今ひとつ力を出し切れて居ないところがあった
原因として それまでは倉元に色々と勉強させられていたが
神山との年齢差でお兄さんが出来たからだと言われている

倉元としてもこのままでは杉田の芽が出ないと思い
普段から 何かいい案はないかと考えていたところだった
神山に比べると 詰めの甘さがあり その部分では
倉元にも責任があると感じていた

「おう 筒井ちゃん 携帯もっているか」
「ええ 持っていますが、、、」
「そうしたら アルタの佐藤さんに電話してくれ 代わるから」
筒井は言われたとおり アルタの佐藤部長に電話をした
「はい 佐藤ですが」
「ニーナ・ニーナジャパンの筒井です」
「やあ こんにちわ 如何ですか?」
「ええ 今 倉元部長と話をしまして OKを頂いたんですよ」
「おぉー 良かったですね」
「ちょっと待って下さいね 代わります」
「おう 佐藤君か」
「ご無沙汰しています お元気ですか」
「まあな ところで 筒井ちゃんから話は聞いた
そこでだ 課長に筋話さないとつぶれるぞ」
「ええ こちらも困っているんですよ」
「おう 今夜8時ごろ 銀座に来れるかな」
「はい 分かりました 伺います 場所は四季でよろしいですか?」
「おう 予約を入れてくれるか」
「はい 分かりました 4名でいいですか」
「うん 頼んだぞ」
「はい では予約を入れます ありがとうございます」

「筒井ちゃん 次は催事に電話してくれ 俺が出る」
筒井は銀座店催事課の課長直通電話に電話をした
「はい 今呼び出しています」
「おう」
「はい 銀座店催事課です」
「おう 奥ちゃん 倉元だが 今大丈夫?」
「ええ 大丈夫ですよ どうされましたか」
「おう 今夜8時に体を空けて欲しいんだよ」
「えっーと 大丈夫ですよ なにか」
「おう 山ちゃんのことと翔の事で話があるんだ」
「はい 分かりました それから帰りは何時になりますか」
「おう すしを食べたら戻るよ 詳細は戻ってからする」
「はい お願いします」

「おう 筒井ちゃん 両方とも大丈夫だ さて時間が余ったな」
「そうですね でも課長に話さないといけないんでしょ」
「おう そうだな まあいいよ 8時までに話せば」
「ははは そうですね じゃあ場所を変えますか」
「おう 飯食うと呑めないからな」
「本当ですよ でも女将 持って来ないだろうな」
「大丈夫だよ 昼呑んだ時は 持って来てもつまみさ」


「おーい 山ちゃん 倉さん知らないか」
「知らないですよ 翔 知っているか?」
「いいえ 何も聞いていないですよ」
「困ったな 俺に8時に体を空けておけって言っておいて」
神山と杉田は課長の独り言を聞き逃さなかった
「なんですか 課長」
「うん いやなんでもない ごめんごめん」
神山と杉田は何が起きているのか全然検討がつかなかった
「翔 そろそろ店内に行こう もうすぐ7時になる」                
「そうですね」
「奥ちゃん 僕は7階の催事場を確認したら 帰ります
上野の2次会に呼ばれているんで」
「うん 分かった 明日は公休で出勤だな」
「ええ でもお昼ご飯食べたら 帰りますよ」
「うん わかった 山ちゃん呑みすぎるなよ」
「ははは 大丈夫ですよ では」
神山と杉田は一緒に部屋を出ると 入れ替わりに
倉元と筒井が催事課の部屋に入ってきた
「やあ奥ちゃん 遅くなってごめん」
「もう どこまで呑みに行っていたんですか 筒井さんも」
「まあまあ 怒るなよ 8時から四季で呑めるからさ」
「えっ 四季に行くんですか」
「おう その前に相談をしましょう なっ筒井ちゃん」
「課長 すみません 遅くなって あちらの部屋で」

「えっ 山ちゃんを出向社員でニーナ・ニーナですか」
奥村はまったく予測していなかった事を 聞いたので驚いた
倉元と筒井の話を聞けば聞くほど 納得し
「わかりました 翔の独り立ちで進めましょう」
「うん ありがとう さすが奥ちゃんだ」
「ありごとうございます これでニーナ・ニーナも助かります」
「倉さんがそれだけ 催事課の事を考えてくれるなら 頑張ります」
「おう よかった なあ筒井ちゃん」
倉元と筒井は互いに目の奥でやったなとサインを出した


「じゃあ 翔 後は頼んだぞ 何かあったら携帯にくれ」
「はい 分かりました お疲れ様でした」
「翔 明日は早く出て来いよ」
「大丈夫ですよ それより先輩こそ大丈夫ですか」
「うん 程ほどにしておくよ ははは じゃあ」
神山は店を出ると 有楽町駅まで歩いて電車に乗った
御徒町駅までは10分もあれば充分に着くが 催事場の準備で
少しばかり遅い時間になってしまった

指示された料理屋に行くと 2次会はすでに始まっていて
「よぉ ようやく来たな」
「ごめんごめん 遅くなっちゃった」
「いいよ ちゃんと料理は残してあるから」
今夜は 上野店営繕課の歓送迎会で招かれた
神山が営繕課に在職していた時 よく色々と教えてくれた同期生が
今日の人事発令で熱海の家族寮長に移動が決定した
引越しなどが絡むので 本人には事前に知らされるが
この類の情報は直ぐ皆に伝わり 今夜の大送迎会となった
歓迎会の迎えるほうは高専を出たばかりの子で
この会には出席しないと言われた

「でも ネコちゃんが居なかったら 営繕課に居られなかったな」
「ははは そんな事無いさ 山ちゃんの事はみんなが認めているし
例の竹本工務店との事で 余計に有名になったし」
「ははは あの件か あのデザイナーも大した事なかったな」
「そうだよ 山ちゃんのほうがちゃんとポイントを言っていたもん」
「だけどさ 俺 今年9等級に成れ無かったよ」
「おいおい そんなに偉くなってどうするんだ       
俺だってまだ係長だぜ そんなに離さないでくれよ ははは」
「でも 9等級になれば給料がいいし 待遇が違うって」
「分かるよ でも俺たち技術者ってよく見られていないんだよ」
「そうだよなぁー デザインだって同じさ」
「でも山ちゃんは 既成事実を作ったからこれからさ」
「吉と出て そのまま進めばいいけどね」

ネコちゃんこと金子義男は神山と同期入社で 営繕課機械担当で
入社以来機械技術一筋の人間だった
神山が営繕課に来たときには 分からない事や機械技術の
話などをよく教えてくれた
今回は若い子が入社してきた事と熱海家族寮長が体調不良で
入院ということで 金子に白羽の矢がたった
「ネコ 大変だけれど がんばれよ」
「そうだな ボイラー関係から電気関係まで見ないといけないし」
「そして美味しいもの食べてだろ」
「かあちゃんはそれだけが喜びだとさ」
「ははは それはそうだろう 浦和の魚より熱海の魚だろ」
「ははは まあな」                                        
「ところで奥様は元気?」
「うん 昨年2人目が産まれて 毎日が大変さ」
「そうか ごめん全然知らなかったよ また女の子?」
「うん ちんぽが付いていないからがっかりしたよ」
「ははは でも女の子ってお母さんの手伝いするしいいんだぞ」
「そう言えば もう大きくなっているんだろ」
「うん まあ 向こうで元気にしているみたいだ」
「なんだ 会っていないのか」
「うん なんかさ 気まずくてな」
「まあな 浮気が原因で 別れた子供に会いましょってもな」
「だろう だから時々電話連絡をするくらいかな」
「でも 元気ならいいや 早く嫁さん見つけろよ」
「うん でもな これと思うのがなかなか居なくてさ」
「遊んでいるからだよ 真剣に探せよ」
「おいおい 今夜はネコちゃんの送別会だぜ ははは」
「そうだったな ははは 料理を食べよう」

二人の話が一時中断すると 神山に話したい若い子や金子に
お別れを言う若い子が順番待ちで話をした
その若い子の中でも 金子が良く可愛がった子が
「先輩 熱海に立ち寄ったら 奥様を拝ませてくださいね」
「ははは いいよ かあちゃん喜ぶぞ」
金子の奥さんは どうして金子と結婚したのか分からないくらい
上野店の美人エレベーターガールだった
一説によると エレベーターが故障して修理をした後に
プロポーズをして その彼女も面白い男性と思って
付き合い始めたと言われているが 定かではない
「なあ ネコ かあちゃん未だに干物が好きなのか」
「うん 相変わらず好きだよ お陰さまで俺も綺麗に食べるよ」
「ははは 調教されたって訳か」
「ははは そうだ 調教されたよ あの可愛い笑顔で言われたら
どんなに辛くても 心がなごむよ」
「可愛かったなぁー」
「なんだよ 過去形は 今でも充分可愛いぞ ははは」
「そうか そうしたらこの夏は熱海寮で過ごそうかな」
「おうそうしよう 山ちゃんがいれば楽しくなるよ 下手な踊り」
「ははは もう時効だよ あれからフラダンスは踊っていないよ」
二人を取り巻く若い子も笑いの渦に巻き込まれていた
暫く食べたり呑んだりしていると 幹事が
「宴酣ですが 料理も少なくなりましたので 
ここで一本締めを行いますので ご起立をお願いします」 
幹事の音頭で一本締めが行われた
「ネコ 予定は」
「うん あの若いのが楽しいところに行くって誘いがある」
「そうか、、、」
「山ちゃん 何も無かったら こいよ」
「そうだな じゃあ付録で付いていくよ ははは」

御徒町の料理屋を出ると広小路通りに出て上野方面に歩いた
今夜は少し肌寒かったが 誰もコートを着ていなかった
「山ちゃん あのビルだよ」
「ああ あそこね なにが入ったの」
「ピチピチギャルがいるお店だよ」
「居酒屋、、、じゃないな でもしゃれているね」
「うん 俺もたまに行くけれどカップルが多いね」
「ははは 今夜は男ばかりで 向こうも驚くぞ」
「そうだな 男ばかりで嫌がられるかな ははは」
神山が見上げたビルは前面が総ガラス張りのビルで 
なかなかしゃれた造りの建物だった
エレベーターを降りると 前がガラス張りになっていて
真下の歩道が覗けた
「ここって けっこう怖いところだな」
「ははは 高所恐怖症か 山ちゃんは?」
「いやいや ほらガラスが真っ直ぐに成っているだろ
普通はさ 上のほうが部屋側に傾いているじゃん」
「そうだね 少し吸い込まれる感じはするね」
「だろう ははは」
神山はじめ男ばかり8人のメンバーで『ビーンズ』という
しゃれたバーに入った


4月1日20時 銀座 四季

日本料理屋四季は鈴やの事務館向かい側の ホテル禅            
地下一階にある 高級日本料理屋である

鈴やの連中は時々利用するがそれでも年に数回程度だった

奥村たちが暖簾をくぐると 女将が愛想よく挨拶した
「ようこそいらっしゃいました お待ちしていましたよ」
「いつも すみませんね 急に部屋を取っていただいて」
「こちらこそ 鈴やさんにはいつもご迷惑をおかけしています」
女将が10人くらい入れる座敷に案内した
「お料理は 少し後でよろしいですね 
ビールは先に運ばせて頂いてよろしいですか」
「ええ お願いします」
部屋に入ると 8人は座れる大きな座卓に4人が席に着いた

「では 早速 鈴やの催事課として 
この件は喜んでお引き受けしましょう」
最初に 奥村が発言すると アルタの佐藤部長は安堵した
「ただし こちらも人手がぎりぎり状態です
妥協案として お中元の飾りつけまでは鈴やの仕事もする
その線で いかがでしょうか?」
「奥村さん ありがとうございます
多分 山ちゃんなら出来ますよ 私たちも精一杯フォローします」
「佐藤さん お願いしますね うちの貴重な人材です」
「はい 心得ております」
「おう よかったな 筒井ちゃん」
「本当にありがとうございます 倉さんや奥ちゃんの力がないと
ニーナ・ニーナはつぶれていますよ」
筒井はそう言うと 座布団から降り みんなにお辞儀をした

「おじゃまします あっよろしいですか?」
「おう タイミングがいいな さては聞いていたな ははは」
「まあ 倉さんったら 嫌な事いわないでくださいよ ふふふ」
女将がビールと簡単なおつまみを運んできてテーブルに置くと
各人のグラスにビールを注いだ

女将が下がるのをまって奥村が
「では基本線で合意ということで乾杯」





次回は4月18日掲載です
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